永田町駅(ながたちょうえき)は、東京都千代田区永田町一丁目にある東京地下鉄(東京メトロ)の駅である。
有楽町線(駅番号:Y 16)、半蔵門線(駅番号:Z 04)、南北線(駅番号:N 07)の3路線が乗り入れている。
また、銀座線・丸ノ内線が乗り入れる赤坂見附駅(港区赤坂に立地)とは改札内で連絡しており、運賃計算上は同一の駅として扱われる。そのため、当駅からの乗車券で赤坂見附駅の改札から入場でき、その逆も可能である。定期券の場合は当駅を発駅・着駅とするものは赤坂見附駅から入場・出場が可能である。また、当駅・赤坂見附駅と隣接する以下の区間を含む定期券は、それぞれ当該区間に限り連続して並走するどの路線でも乗車できる。
なお、当駅と赤坂見附駅を合わせると、東京メトロの路線が一つの駅に5路線乗り入れることになり、これは東京メトロの駅としては最多である[注 1]。
当駅は、「表参道駅務管区永田町地域」として近隣の駅を管理している[1]。
各線とも島式ホーム1面2線を有する地下駅[5][11][12][13]。
各線とも乗降場(ホーム)部はシールド工法で建設され、駅両端にはシールドマシンの発進・到達(またはUターン)立坑が開削工法で建設されており、シールド基地として使用後は駅施設に改装した[11][12][13]。
乗降場(ホーム)は地下4階部に位置し、駅部延長252.0 mのうち168 m680をシールドトンネルで施工した[11]。和光市方から新木場方に向かって、2本の単線シールドトンネル(トンネル外径8.58 m、手掘り式シールド機)を掘削後、シールドトンネル間の上部をルーフシールド機で掘削し、幅員10.6 mの島式ホームとしたものである[11](めがね形駅ルーフシールド工法)。
乗降場全体は半径510 mの曲線上に、また新木場方面に向かって8‰の上り勾配に位置している[11]。有楽町線当駅の深さは23.7 mで、有楽町線(和光市 - 新木場間、小竹向原 - 池袋間の副都心線区間は含まない)で最も深い[14]。なお、東京地下鉄における「駅の深さ」とは、駅中心部における地表からレール面までの深さを表す[14]。
乗降場(ホーム)は3線で最も深い地下6階部に位置し、駅部延長304.0 mのうち210.0 mをシールドトンネルで施工した[15]。押上方から渋谷方に向かって、2本の単線シールドトンネル(トンネル外径8.58 m、手掘り式シールド機)を掘削後、シールドトンネル間の上部をルーフシールド機で掘削し、幅員10.8 mの島式ホームとしたものである[12](めがね形駅ルーフシールド工法)。シールド機は、有楽町線当駅で使用したものを補修・改造し、再利用したものである[15]。
乗降場は押上寄り約80 mが半径508 mの曲線上に、それ以外は直線となっており、また押上方面に向かって10‰の上り勾配に位置している[12][15]。半蔵門線当駅の深さは36.0 mにあり、東京メトロでは千代田線国会議事堂前駅(37.9 m)、南北線後楽園駅(37.5 m)に次いで3番目に深い[14]。
1979年9月の青山一丁目 - 当駅間開業時点では当駅に折り返し設備がなく、青山一丁目駅に設置する片渡り分岐器を使用したB線(渋谷方面行き)線路のみを使用して単線運転を行っていた[2]。駅ホームは3番線(B線)のみが使用され、当面使用しない4番線(A線、押上方面)ホームは仮壁で仕切られていた[2]。このため、朝夕ラッシュ時は青山一丁目折り返しと永田町行きが交互に運転され(朝ラッシュ時8分間隔、夕ラッシュ時10分間隔)、日中時間帯(7分30秒間隔)よりも運転間隔が開く変則なダイヤであった[3][16]。ただし、1982年12月の半蔵門駅延伸開業後は複線運転となり、解消された[3]。
半蔵門線ホームから平河町口(3・4・6番出入口)経由で地上に出るまでは、218段もの階段を上ることになる[17]。
乗降場(ホーム)は地下3階部に位置し、乗降場(ホーム)部の延長190.3 mをシールドトンネルで施工した[13]。施工距離が短いことから、1台の単線シールドマシンで施工され(トンネル外径8.0 m、泥水式シールド機)、目黒方立坑から赤羽岩淵方に向かってA線トンネルを掘削後、赤羽岩淵方のUターン立坑で折り返し、B線トンネルを掘削した[13]。その後、乗降場(ホーム)両端部と約100 m間隔の連絡通路をかんざし桁を圧入して接続し、島式ホームとしたものである[13](めがね形駅かんざし桁工法)。
乗降場はA線が半径609.7 m、B線が半径529.7 mの曲線上に[注 2]、また赤羽岩淵方面に向かって10‰(目黒寄りの一部は32.5 ‰)の下り勾配に位置している[13]。南北線当駅の深さは26.7 mである[14]。
(出典:東京メトロ:構内図)
全ホームでスイッチ制作の発車メロディ(発車サイン音)を使用している[19][20][21]。
なお、南北線ホームでは当初、吉村弘作曲の同線全駅共通のメロディを使用していた。
各線のホームは離れて設置されている。乗り換えに必要な最短の距離は、半蔵門線ホームと有楽町線ホームは約80 m、有楽町線ホームと南北線ホームは約160 m、半蔵門線ホームと南北線ホームは約170 mである。半蔵門線ホームと有楽町線・南北線乗り換えコンコースの間には長大なエスカレーターがある。また、乗り換えコンコースと南北線ホームを結ぶ連絡通路には動く歩道が設置されている[5]。
当駅と赤坂見附駅の間は、半蔵門線ホームの西端と銀座線・丸ノ内線ホーム下層階を結ぶ、上り下り数回を要する地下通路(長さ約200 m)を介して接続されている。このため、有楽町線ホームまたは南北線ホームから赤坂見附駅へ乗り継ぐには、半蔵門線ホーム(長さ約200 m)を経由することになる。また、改札内で銀座線と有楽町線が接続する駅は当駅・赤坂見附駅のみであり[注 3]、520 mの距離を歩く必要がある。改札内乗り換え通路には斜行エレベーターが設置されている[22]。
なお、上記の距離は乗り換えに必要な最短のものであり、ホームの降車位置によっては、さらに距離を要する。
近年の1日平均乗降人員推移は下表の通り。
近年の1日平均乗車人員の推移は下表の通り。
都道府県会館に通じる出口は5番出入口と9b番出入口の2つが存在する。有楽町線と半蔵門線からは5番出入口が、南北線からは9b番出入口が近い。このほか、1番出入口に隣接して参議院議員会館へ続く地下連絡通路がある。
最寄りバス停留所は、自由民主党本部付近の道路上にある永田町となる。東京都交通局(都営)により運行される以下の路線バスが発着する。このほか、東京ガーデンテラス紀尾井町、ザ・プリンスギャラリー東京 紀尾井町停留所に東京空港交通(リムジン)の羽田空港行・成田空港行、西武観光バス(西武)の高速バス軽井沢駅行が発着している。