佐藤都志也
佐藤 都志也(さとう としや、1998年1月27日 - )は、福島県いわき市出身のプロ野球選手(捕手、内野手)。右投左打。千葉ロッテマリーンズ所属。
経歴
プロ入り前
いわき市立平第六小学校3年時に、地域の子ども会でソフトボールを始め、5年時からは「みまやスポーツ少年団」で本格的にプレーし始めた。いわき市立平第二中学校で軟式野球部に所属。最初は遊撃手だったが、東日本大震災の影響で5人ほど転校してきたためメンバーを外れ、2年時から捕手となる[2]。
聖光学院高等学校では2年、3年時に夏の甲子園に出場。プロ志望届を提出し、ドラフト会議当日には地元のテレビ局が生中継を行うなど、注目を集めていたが指名球団はなかった[3]。2学年先輩に園部聡、1学年先輩に船迫大雅と八百板卓丸、2学年後輩に湯浅京己がいた。
高校卒業後は地元の大学に進学しようとしていたが、熱心な勧誘を受けて東洋大学法学部第二部法律学科へ進学[4]。2年春の時に一塁手のレギュラーになると、いきなり打率.483を記録してリーグ首位打者を獲得[5]。その後3年の時に再びキャッチャーに転向すると、1学年先輩投手である上茶谷大河、甲斐野央、梅津晃大、藤井聖、1学年後輩である村上頌樹など、後にプロ入りする投手らをリードした。4年では前任の中川圭太から引き継ぎ、主将を務めた[4]。大学通算で、打率.325、96安打、8本塁打、43打点を記録[5]。一塁手と捕手の複数ポジションで合計4度のベストナインに選出。3・4年時は大学日本代表にも選ばれた[6]。
2019年10月17日に行われたドラフト会議で千葉ロッテマリーンズから2位指名を受け、契約金7000万円、年俸1200万円(金額は推定)で契約に合意した[6]。背番号は32[7]。
ロッテ時代
2020年は新型コロナウイルスの影響で120試合制の短縮シーズンとなり、開幕も6月に延期されたが、開幕前の東北楽天ゴールデンイーグルスとの練習試合で則本昂大から本塁打を放つなどアピールし[8]、開幕一軍入りを果たした[9]。6月25日のオリックス・バファローズ戦に代打でプロ初出場・初打席を経験し[10]、27日の同カードでは延長10回裏、二死一・二塁の場面で代打出場すると[11]、澤田圭佑からプロ初安打・初打点となるサヨナラ適時打を放った[12][13]。8月16日の北海道日本ハムファイターズ戦で「7番・指名打者」でプロ初のスタメン出場を果たすと[14]、9月3日の埼玉西武ライオンズ戦では「8番・捕手」でスタメン出場し、平井克典からプロ初本塁打を放った[15]。ルーキーイヤーは開幕からクライマックスシリーズまで年間を通して一軍に帯同[16]。60試合の出場で打率.228・2本塁打・12打点を記録し、スタメンマスクは4試合にとどまったものの[16]、代打では33試合で打率.310と結果を残した[17]。オフに400万円増となる推定年俸1600万円で契約を更改した[16]。
2021年は開幕一軍入りを逃したが、4月23日に一軍登録される[18]。田村龍弘、吉田裕太、柿沼友哉が戦線離脱という中でスタメンを任されることもあったが、トレードで加入した加藤匠馬の定着と田村の一軍復帰により6月23日に登録抹消となる[19]。その後は、8月13日の後半戦開幕と共に一軍再登録、9月9日に登録抹消[20]と一軍と二軍を行ったり来たりしていたが、9月22日にこの年3度目の一軍昇格を果たすと[21]、指名打者としてレオネス・マーティンの離脱と共に調子を落としていた打線の起爆剤となった[22]。10月に入ると代打での出場が中心となり、10月25日の福岡ソフトバンクホークス戦では代打出場からプロ初の右翼守備に就いた[23]。レギュラーシーズンは62試合の出場で打率.205・6本塁打・18打点を記録し、前年を上回る22試合でスタメンマスクを被った[24]。クライマックスシリーズではファーストステージ第1戦の9回裏、一死二塁の場面で代打出場し、サヨナラ適時打を放った[25]。オフに400万円増となる推定年俸2000万円で契約を更改した[26]。
2022年は、3月25日に行われた楽天との開幕戦(楽天生命パーク宮城)に「5番・一塁手」で出場し、プロ初の開幕スタメンを果たす。4月1日の西武戦では平井克典からサヨナラ犠牲フライを放った[27]。田村の怪我や加藤の不調などから、シーズンを通して高卒ルーキーの松川虎生と併用する形で起用されることとなる。具体的には松川がマスクを被るとき(先発投手が佐々木朗希、石川歩、美馬学など[28])は佐藤が一塁手、佐藤がマスクを被るとき(先発が小島和哉、エンニー・ロメロ、本前郁也など[29][30])は松川はベンチという形で起用された。最終的に自身最多の118試合に出場。打率.214、8本塁打、31打点、8月以降は打率1割台と低迷し、最終的な数字は上がらなかったが、四番としても20試合に起用された[31]。キャッチャーとしては84試合でマスクを被り、盗塁阻止率はリーグトップの.361を記録するなど飛躍のシーズンとなった[30]。
2023年は前年2試合の出場に留まった田村龍弘との併用で試合に出場しシーズンを通して不調が続きながらも103試合に出場し打率.218を記録した。キャッチャーとしては盗塁阻止率.319を記録し守備の面では安定してシーズンを終えた。
2024年は、打率.298、2本塁打の成績で前半戦を終了。オールスターゲームにも選出された。オールスターでは第1戦に7回表の守備から出場すると、7回裏に球宴初安打を記録。第2戦では捕手として先発出場し、第1打席で安打、第2打席で二塁打、第3打席で三塁打を放ち、サイクル安打に王手をかけ、第4打席は空振り三振に倒れるも、第5打席で二塁打、第6打席で二塁打を打ち、サイクル安打達成とはならなかったが、第2戦のMVPに輝いた。なお、ロッテの選手がオールスターのMVPに輝いたのは1989年の村田兆治以来35年ぶりであった[32]。
選手としての特徴
遠投120mの強肩でフットワークが軽く、二塁送球タイムは1.8〜1.9秒台を記録。走っては50m5.9秒という快足を持ち、巧打に加えて一発も秘める三拍子揃った捕手[33]。
大学時代から一塁手や外野手を経験しており、プロ入り後も複数ポジションで公式戦に出場するなどユーティリティー性も合わせ持つ[34]。
人物
名前の「としや」は父親の友達が名付けた「とし」に、両親が「や」を加えたもの[5]。愛称は「とし」[35]、「としくん」[36]。
2023年1月6日、大学時代に知り合った同い年の一般女性と入籍した[37][38]。この一般女性が、2023年より監督を務める吉井理人と同郷出身で、吉井の友人の親戚にあたる[39]。
中学時代に捕手に転向したものの、野球漫画『MAJOR』に登場する捕手・佐藤寿也と同名異字であるため「名前が名前なのでキャッチャーだけはやりたくなかった」と語っている。高校時代は遊撃手か外野手を希望していたが1日で外されてしまい、中学時代に捕手の経験があったことから「捕手をやれ」と言われ、捕手としてプレーを続けた。プロでは「名前に負けないくらいに自分の名前を出していきたい」と語っている[40]。
憧れの選手は栗山巧(埼玉西武ライオンズ)[41]。大学1年生の時に寮で観ていた野球中継で、栗山が代打で決勝打を打ちヒーローインタビューを受ける姿と、限られた打席機会に向けて準備をする姿、チームワークを意識した言動に憧れたことがきっかけ[42][43][44]。プロ1年目には、西武OBで佐藤の大学の先輩にあたる松沼博久の紹介で、実際に栗山と対面を果たしている[45]。
自身のターニングポイントとして、大学2年生の時にシートバッティングで上茶谷大河からヒットを打ち、試合に使ってもらえるようになったことを挙げている[46]。
詳細情報
年度別打撃成績
年
度 |
球
団 |
試
合 |
打
席 |
打
数 |
得
点 |
安
打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁
打 |
打
点 |
盗
塁 |
盗 塁 死 |
犠
打 |
犠
飛 |
四
球 |
敬
遠 |
死
球 |
三
振 |
併 殺 打 |
打
率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S
|
2020
|
ロッテ
|
60 |
127 |
114 |
6 |
26 |
4 |
0 |
2 |
36 |
12 |
0 |
0 |
2 |
0 |
9 |
0 |
2 |
25 |
1 |
.228 |
.296 |
.316 |
.612
|
2021
|
62 |
155 |
132 |
16 |
27 |
4 |
1 |
6 |
51 |
18 |
3 |
0 |
7 |
1 |
14 |
1 |
1 |
30 |
0 |
.205 |
.284 |
.386 |
.670
|
2022
|
118 |
402 |
359 |
35 |
77 |
10 |
1 |
8 |
113 |
31 |
5 |
1 |
13 |
6 |
21 |
1 |
3 |
63 |
11 |
.214 |
.260 |
.315 |
.574
|
2023
|
103 |
278 |
239 |
19 |
52 |
12 |
1 |
4 |
78 |
22 |
0 |
2 |
12 |
2 |
22 |
0 |
3 |
45 |
4 |
.218 |
.289 |
.326 |
.616
|
2024
|
116 |
452 |
410 |
41 |
114 |
20 |
0 |
5 |
149 |
45 |
4 |
1 |
4 |
6 |
29 |
2 |
3 |
51 |
10 |
.278 |
.326 |
.363 |
.689
|
通算:5年
|
459 |
1414 |
1254 |
117 |
296 |
50 |
3 |
25 |
427 |
128 |
12 |
4 |
38 |
15 |
95 |
4 |
12 |
214 |
26 |
.236 |
.293 |
.341 |
.633
|
年度別守備成績
- 捕手守備
年 度 |
球 団 |
捕手
|
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率 |
捕
逸 |
企 図 数 |
許 盗 塁 |
盗 塁 刺 |
阻 止 率
|
2020
|
ロッテ
|
28 |
68 |
10 |
0 |
1 |
1.000 |
0 |
11 |
8 |
3 |
.273
|
2021
|
40 |
160 |
32 |
2 |
1 |
.990 |
1 |
24 |
19 |
5 |
.208
|
2022
|
84 |
448 |
77 |
4 |
13 |
.992 |
4 |
72 |
46 |
26 |
.361
|
2023
|
92 |
486 |
86 |
5 |
8 |
.991 |
4 |
47 |
32 |
15 |
.319
|
2024
|
104 |
680 |
108 |
5 |
3 |
.994 |
5 |
75 |
61 |
14 |
.187
|
通算
|
348 |
1842 |
313 |
16 |
26 |
.993 |
14 |
229 |
166 |
63 |
.275
|
- 内野守備
年 度 |
球 団 |
一塁
|
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率
|
2022
|
ロッテ
|
50 |
296 |
24 |
0 |
16 |
1.000
|
2023
|
10 |
64 |
5 |
0 |
4 |
1.000
|
2024
|
15 |
125 |
5 |
0 |
10 |
1.000
|
通算
|
75 |
485 |
34 |
0 |
30 |
1.000
|
- 外野守備
年 度 |
球 団 |
外野
|
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率
|
2021
|
ロッテ
|
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1.000
|
通算
|
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
1.000
|
- 2024年度シーズン終了時[注 1]
- 各年度の太字はリーグ最高
表彰
記録
- 初記録
- その他の記録
背番号
登場曲
代表歴
脚注
注釈
- ^ 捕手成績における2021年以降の企図数・許盗塁・盗塁刺・阻止率については参考文献参照
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
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監督・コーチ |
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監督 | |
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一軍コーチ | |
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二軍監督・コーチ | |
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コーディネーター | |
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1950年代 |
- 1951 川上哲治, 野口明, 林義一
- 1952 飯島滋弥
- 1953 飯田徳治, 平井三郎, 堀井数男
- 1954 中西太, 山内和弘
- 1955 山内和弘, 西沢道夫
- 1956 森下正夫, 吉田義男
- 1957 大下弘, 宮本敏雄
- 1958 宮本敏雄, 中西太
- 1959 山内和弘, 中利夫
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1960年代 |
- 1960 森下整鎮, 金田正一, 張本勲
- 1961 広瀬叔功, 田宮謙次郎
- 1962 ブルーム, 張本勲
- 1963 近藤和彦, 王貞治, 古葉毅
- 1964 金田正一, J.マーシャル, J.スタンカ
- 1965 D.スペンサー, 高倉照幸, 江藤慎一
- 1966 広瀬叔功, 榎本喜八, 古葉竹識
- 1967 土井正博, 長池徳二, 大杉勝男
- 1968 江藤慎一, 柴田勲, 小池兼司
- 1969 土井正博, 船田和英
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1970年代 |
- 1970 長池徳二, 江夏豊, 遠井吾郎
- 1971 江夏豊, 長池徳二, 加藤秀司
- 1972 野村克也, 阪本敏三, 池田祥浩
- 1973 若松勉, 福本豊, 山崎裕之
- 1974 高井保弘, 福本豊, 張本勲
- 1975 山本浩二, 松原誠, 土井正博
- 1976 有藤道世, 門田博光, 吉田孝司
- 1977 若松勉, 野村克也, 王貞治
- 1978 A.ギャレット, 簑田浩二, 掛布雅之
- 1979 王貞治, B.マルカーノ, 山本浩二
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1980年代 |
- 1980 岡田彰布, 平野光泰, 江夏豊
- 1981 藤原満, 掛布雅之, 山倉和博
- 1982 福本豊, 柏原純一, 掛布雅之
- 1983 門田博光, 梨田昌崇, 落合博満
- 1984 簑田浩二, ブーマー, 江川卓
- 1985 高木豊, W.クロマティ, 松永浩美
- 1986 山本和範, 清原和博, 吉村禎章
- 1987 高沢秀昭, 石毛宏典, 清原和博
- 1988 ブーマー, 岡田彰布, 正田耕三
- 1989 村田兆治, 彦野利勝
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1990年代 |
- 1990 R.ブライアント, 清原和博
- 1991 古田敦也, 広沢克己
- 1992 石井浩郎, 古田敦也, 駒田徳広
- 1993 清原和博, T.オマリー
- 1994 秋山幸二, G.ブラッグス
- 1995 落合博満, 松井秀喜
- 1996 山本和範, 清原和博, 金本知憲
- 1997 松井稼頭央, 清原和博
- 1998 川上憲伸, 松井秀喜
- 1999 松井秀喜, R.ローズ, 新庄剛志
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2000年代 |
- 2000 R.ペタジーニ, 山﨑武司, 清原和博
- 2001 松井稼頭央, R.ペタジーニ, 中村紀洋
- 2002 G.アリアス, 的山哲也
- 2003 高橋由伸, 金本知憲
- 2004 松坂大輔, SHINJO
- 2005 金城龍彦, 前田智徳
- 2006 青木宣親, 藤本敦士
- 2007 A.ラミレス, 阿部慎之助
- 2008 山﨑武司, 荒木雅博
- 2009 青木宣親, 松中信彦
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2010年代 |
- 2010 阿部慎之助, 片岡易之
- 2011 畠山和洋, 中村剛也, 稲葉篤紀
- 2012 中村紀洋, 前田健太, 陽岱鋼
- 2013 澤村拓一, 新井貴浩, 内川聖一
- 2014 B.エルドレッド, 柳田悠岐
- 2015 藤浪晋太郎, 會澤翼
- 2016 筒香嘉智, 大谷翔平
- 2017 内川聖一, A.デスパイネ
- 2018 森友哉, 源田壮亮
- 2019 森友哉, 近本光司
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2020年代 | |
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1950年代 | |
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1960年代 | |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 | |
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野球日本代表 |
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