『ママレード・ボーイ』(Marmalade Boy)は、吉住渉による漫画作品。集英社の少女漫画誌『りぼん』にて1992年5月号から1995年10月号まで連載された。1994年から1995年にかけてテレビアニメ化、アニメの前日譚に当たるストーリーが劇場アニメ化、2001年に台湾で実写ドラマ化されたほか、2018年には日本で実写映画化された。2017年8月時点で累計発行部数は1000万部を突破している[1]。全編に渡ってトレンディドラマが繰り広げられる。 2013年には続編である『ママレード・ボーイ little』が連載された。
小石川 光希は、ある日いきなり両親から「離婚する」ことを告げられる。ハワイ旅行で出会った松浦夫婦と気が合い、母親がその夫と、父親がその妻と恋に落ちたため、お互いパートナーを交換して再婚するのだと言う。しかも、松浦夫妻の息子の松浦 遊も含めて、みんなで一緒に暮らそうとまで言い出す始末。そんな非常識な生活の中、一緒に暮らす遊に惹かれ始めていく。
やがて二人は付き合うようになるが、遊は「自分の本当の父親」を探していた。そして両親たち4人がハワイ旅行で出会ったのではなく、学生時代からの友人であったことを知り、自分と光希が「血のつながった兄妹」である可能性を疑うようになる。遊は光希に別れを告げて、進学先を「京都工業大学」に決める。
大学に進学しても遊を忘れられない光希は遊に会うために京都に行くが、遊は「彼女がいる」と嘘をつく。しかし、夏季休みで帰省した際、気持ちを抑えきれなくなった遊は自分達が「兄妹」であることを光希に打ち明ける。最後の思い出として北九州への旅行をした二人は、たとえ禁断の関係であっても結婚することを誓い合う。
帰宅した二人は両親たちから「過去についての真実」を聞かされる。
「声」はテレビアニメ版の担当声優、「演」は、実写映画版の担当俳優。
※上記4人は劇中光希に「両親S(りょうしんず)」と命名される。
アニメは朝日放送と東映動画の共同制作により、テレビ朝日(当時ANB)系列(フルネット局)にて1994年3月13日から1995年9月3日まで放送されたほか、系列外ではテレビ岩手(日本テレビ系列)、チューリップテレビ、山陰放送(いずれもTBS系列、後者はスポンサードネット)、クロスネット局ではテレビ宮崎(フジテレビ系列(メイン)・日本テレビ系列(NNNのみ)との3系列クロス)で時差ネット放送された。全76話。タイトル表記は中点「・」が「♥」の『ママレード♥ボーイ』。
『新メイプルタウン物語 パームタウン編』(1987年1月18日 - 12月27日)以来の女児向け作品である[注 4]。また、それまでサブで参加していた関弘美が初めて初回からメインで担当し、以降10年間、同枠のメインプロデューサーとして女児向けの作品を担当していくことになる。
特徴の一つとして本作からアイキャッチの時間が長くなったことが挙げられる。
本作は対象年齢が女児向けアニメとしては高めで、プロデューサーの関弘美によると『美少女戦士セーラームーン』の「卒業生」狙いで、小学校高学年がメインターゲットだったとしている[17]。ただ、実際にはスポンサーの関係上、年少者向けの関連商品も一部発売されていた。
アニメオリジナルキャラの登場やアニメオリジナルストーリーもあった。バンダイがスポンサーだったことからアニメオリジナルアイテムも登場し商品展開されており、中でもロボット型の「ボイスメモ」は当時40万個を売り上げるヒット商品となった[18][19]。ほか「恋の青春手帳」「恋して元気手帳」「メダイユブローチ・ペンダント」「チェリークラウン(化粧品セット)」「恋のときめきマスコット(フェルト人形キット)」「オルゴール」といった小物から、人形「ママレードキッズ」とドールハウス「恋してドキドキハウス」、さらには「恋してチェック(ゲーム・占い付き電卓)」「恋してジェットメモ(デジタル伝言メモ)」「シャインネイル(電動爪磨き)」「ドキドキメーター(嘘発見器)」「恋する気持ちのダイアラー(DTMFダイアラー)」といった電子・電動玩具まで多岐に渡る展開がなされた。
当初は1年間の放送予定だったが、視聴率や関連商品の売上が好調だったことにより放送期間が半年延長された[18]。なお、最終回の放送日は、原作の最終回が掲載された『りぼん』1995年10月号の発売日にほぼ合わせたものだった。
原作者吉住も名村と六反田の髪の色指定[20]、高校時代の名村[21]、アニメオリジナルのキャラクター(杏樹、マイケル、ウィル、ブライアン、ドリス、ジニー)[21][22]、3頭身キャラ[21]のデザインで制作に参加している。一方でアニメの感想としてキスシーンの長さに不満を漏らしている[23]。
実写映画(後述)製作発表を記念し、東映アニメーションは2017年4月からYouTubeで本作の第1話を配信している。
※歌詞字幕 OP:あり ED:なし
原作欄の☆は、アニメオリジナルストーリーを含むエピソード。 ※最終話(76話)は、原作と内容が異なっている。
『ママレード・ボーイ』(げきじょうばんママレード・ボーイ)は、東映アニメフェアにて1995年3月4日公開の劇場アニメ作品[29]。配給は東映。 ストーリーは、遊が小石川一家と出会う前から光希に出会っていたというエピソードで、第1話の前である第0話的な内容である。
この劇場版で、アニメ制作局である朝日放送は本作の制作陣に入っておらず、オープニング・エンディング共クレジットに記載がない。映像ソフトではLD・VHS版のみ提供していたが、前述の通り、アニバーサリーDVD-BOXにて初めてDVD化となった。ただしDVD単品での発売は、行っていない。
(上記は当時のクレジットによるもの)
2001年、台湾・中華電視公司で制作された台湾ドラマ。原題は『橘子醤男孩』。
林立雯
販売元はジェネオンエンタテインメント
2018年4月27日に公開された[32]。配給はワーナー・ブラザース映画。
上記のほか、製作委員会に参加している読売テレビから同局アナウンサーの山本隆弥がエキストラで出演している[34][35]。