スターチャイルド (STARCHILD )は、1981年 (昭和56年)から2016年 (平成28年)まで存在した主にアニメ ・声優 ・実写映画 ・ドラマ 関連の商品や作品を取り扱うキングレコード の社内 レーベル 。正式名称は「スターチャイルドレコード 」[ 1] 。通称は「スタチャ 」(すたちゃ )・「星の子 」とも呼ばれる。キングレコードの内部組織としては本部に相当していた。
概要
アニメ関連の楽曲 の専門レーベルとしては業界でも古参であり、アニメファンへの認知度・浸透度は高かった。
アニメ・声優関連以外では、『ライオン丸G 』などの特撮 作品、『ケイゾク 』(TBS 製作)・『古代少女ドグちゃん 』(MBS 製作)・『必殺シリーズ 』(ABC 製作)などのテレビドラマ といった一般向けの実写作品も担当した実績があり、過去には声優業を行っていない歌手の場合、アニメ関連以外の楽曲が多くなった際にメインレーベルに異動させた例がある(森口博子 など)。
なお、キングレコードには他にもアニメ事業を展開しているレーベルとして、メインレーベル(キングレコード)のアニメ部門「第三クリエイティブ本部 」や、スターチャイルドから派生した「EVIL LINE RECORDS 」がある。また、スターチャイルドや第三クリエイティブ本部の他、三橋美智也 などの演歌・歌謡曲部門「第一クリエイティブ本部」、J-POP部門「第二クリエイティブ本部」、大塚文雄 などの民謡部門の歌手がアニメ主題歌を担当した例があるが、本来のレーベルから発売されるか、スターチャイルドからの発売となるかは作品によって異なっていた。
なお、「スターチャイルド」は、キングレコードの商標登録 となっている。
歴史
1981年 、キングレコード社員で主にサンライズ 関連のアニメ楽曲を担当していた藤田純二らによって設立。レーベル名は『2001年宇宙の旅 』に登場する「スターチャイルド 」(新人類)を意識してタイトルにした「スターチルドレン 」(劇場版機動戦士ガンダム 関連曲)の話を氷川竜介 に聞いた藤田が採用を決定したものであり、ロゴも氷川から紹介されたデザイナーによるものである。スターチャイルドマークは正式発足前の1981年7月5日発売の哀戦士 シングル盤にて初めて付けられるようになり、同年10月21日発売の交響曲イデオン よりスターチャイルドレーベルが正式発足した[ 2] 。
しかしその後、藤田ら担当社員たちは1985年にユーメックス を設立し大量に独立したため、部門解消の危機に陥ったが、残った大月俊倫 らで初プロデュースしたドラマCD『ドリームハンター麗夢 』などの大ヒットによってV字回復を達成し、スターチャイルドレーベルは再建された。
1990年代中盤からは『新世紀エヴァンゲリオン 』など数多くの人気アニメの制作に参加し、タイアップ の形式を中心に林原めぐみ ・堀江由衣 ・angela などの人気声優やアーティストの曲を多数輩出した。
2000年代に入ると、『魔法先生ネギま! 』の関連CDなどを含めてオリコン ウィークリーランキングに初登場ベスト10入りを果たすなどし、前述のユニットやスポンサー を務めるラジオ番組 (アニラジ )の連動企画などを発端として、作品関連の活動を超えて期間限定で独立した活動(単独のラジオ番組やオリジナル曲の発表、ライブなど)を展開するパターンも増えている。また、制作作品で出演者による音楽ユニット を結成させて、主題歌などを制作することも増えつつある[ 注 1] 。また、2000年代では同社が製作したアニメ作品において、同業社のランティス が音楽を担当し、キング側へCDの販売を委託しているものもあった。
2010年代に入ると、スネオヘアー やももいろクローバーZ といった、一般アーティスト・アイドルを擁す様になって、アニメ専門色がより薄れつつあり、2012年10月からは、作品の特設サイト一覧ページが「アニメ」[ 3] と「実写」、アーティストの特設サイト一覧ページが「声優系」[ 4] と「J-POP系」に分離された。
2014年4月、ももいろクローバーZらが所属していたスターチャイルドの「J-POP系」部門がレーベル「EVIL LINE RECORDS 」(イーブルラインレコード)を新設し独立[ 5] 。再びアニメ・声優専門になったもののメインレーベル寄りの「第三クリエイティブ本部 」との位置付けが次第に曖昧になっていった。同年10月から放送のテレビアニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 』では第三クリエイティブ本部と初の共同製作を行った。
2015年6月には、スターチャイルド率いるキングレコード系アニメの集大成とも言えるライブイベントKING SUPER LIVE 2015 を開催する。
これが契機になり2016年2月1日付けでスターチャイルドと第三クリエイティブ本部が事業統合し、「キング・アミューズメント・クリエイティブ本部 」に移行、メインレーベルの新アニメ部門となり、『スターチャイルド』のレーベルが消滅[ 6] 。これにより、34年半続いたスターチャイルドの歴史に幕を閉じた。
主なスタッフ
2013年2月1日付けのキングレコード大幅組織改定の際に、スターチャイルドも下記の体制に改められた。
大月俊倫 - キングレコード専務取締役スターチャイルドレコード担当、エグゼクティブ・プロデューサー委嘱[ 7] 。
森山敦 - キングレコード上席執行役員スターチャイルドレコード本部長、同本部BCCグループ長、販促グループ長。
中西豪 - スターチャイルドレコード制作宣伝部長、同部第一グループ長。
宿利剛 - スターチャイルドレコード制作宣伝部第二グループ長。
過去の所属アーティスト
キング・アミューズメント・クリエイティブ本部発足に伴いそのまま新部署に移行したアーティスト
EVIL LINE RECORDSに移籍したアーティスト
Aice5 のみ2015年の再結成に合わせてEVIL LINE RECORDSに移籍、それ以外はレーベル発足時に移籍。
その他過去に所属していたアーティスト
本来は他レーベル所属(本業がJ-POP・演歌/歌謡曲・民謡・童謡など)ながら、アニメ関連楽曲で本レーベルから発売
販売委託アーティスト
製作に参加した作品
五十音順に列挙した。斜体 はEVIL LINE RECORDS 発足後扱いが同レーベルに移行した作品。
テレビアニメ
前述の通り、音楽制作をランティス が担当している作品があり、それらには「※」印を付した。
OVA
Webアニメ
アニメ映画
実写映画
ドラマ
特撮
その他
ラジオ番組
以下のアニラジ のスポンサーとして名を連ねている。ほとんどはラジオ局 (主にAM局 )が制作しているが、『Heartful Station』や『Tokyo Boogie Night』については自社で番組を制作している。
イベント
製作作品毎のイベントや所属アーティストの単独ライブをこれまでに多数開催していた。
スターチャイルドまたは会社規模としては過去も含め、以下のようなイベントが開催されていた。
STARCHILD PRESENTS STARCHILD FESTIVAL
自身が主催していたレーベルイベント、これまでに2002春(東京)、2002秋(大阪)、2007 Spring(東京)、2009 Spring(東京)の計4回開催された。作品別のトークコーナーと所属アーティストライブパートコーナーに分かれているのが特徴。
STARCHILD DREAM in KOBE
ラジオ関西 が神戸で開催していたスターチャイルドのライブイベント。1st(2003年)、2nd(2004年)、3rd(2006年)、2007、2008の計5回開催された。
KING SUPER LIVE
第三クリエイティブ本部と共同で開催された、会社史上初となるキングレコード株式会社全体 のアニメソングライブ(ただし、スターチャイルドから派生したEVIL LINE RECORDSは関与していない)。スターチャイルド及び第三クリエイティブ本部の現役所属アーティストに加え、過去にスターチャイルドなどに所属していた中で代表的なアニメソングアーティストも集結した。キングアミューズメントクリエイティブ移行後も開催されている。
STARCHILD presents LIVE NEXUS
所属アーティストの「繋がり」や「連鎖」をテーマにした新しいレーベルライブイベント。第1弾として上坂すみれと小松未可子、2人の出演で2015年9月26日に開催したが、それからわずか4ヶ月後にスターチャイルドレーベルが消滅したため、一度きりの開催となった。
不祥事・騒動
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
代表取締役 メインレーベル
サブレーベル
子会社レーベル 過去のレーベル 旧・在籍アーティスト 関連企業 関連人物 関連項目
カテゴリ