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歌手の「高橋瞳」とは別人です。 |
高橋 ひとみ(たかはし ひとみ、1961年8月23日 - )は、日本の女優。
東京都出身[1]。ホリプロ・ブッキング・エージェンシー所属。頌栄女子学院高等学校卒業[2]。
略歴
17歳の時に友人と寺山修司演出の舞台『バルトークの青ひげ公の城』のオーディションを受け、合格[1]。1979年に「寺山修司の秘蔵っ子」というフレーズで[3]、同舞台で女優デビューした[1](ただし、寺山主宰の劇団「天井桟敷」には所属していない[4])。1980年には、『上海異人娼館 チャイナ・ドール』で映画デビューを果たした[1]。
1983年には『ふぞろいの林檎たち』でテレビドラマデビューし[注 1]、一躍注目を浴びて出世作となった[3][4]。1985年には『スケバン刑事』の海槌麗巳役を演じる。
1991年には歌手として、ビクター音楽産業からシングル「X'mas Kissしてね」、アルバム『カラフル』を発表した。
2000年代に入ってからは連続ドラマの主人公の母親役や2時間ドラマの主婦役、犯人役なども演じている。
現在までドラマ・映画・舞台などや本業以外にもバラエティー、教養、情報番組などにも出演するなど精力的に活動している。
2011年秋には、デビューから長年に渡って所属していたJVCエンタテインメントからホリプロ・ブッキング・エージェンシーへ移籍した。
2013年11月19日、高橋より2歳年下で外資系企業に勤務する50代の一般男性と結婚[3]。また同月には、イタリアブランド「エレガージョイタリアーノ」とコラボし、自身プロデュースによるオリジナルバッグを発売した[3]。
2015年、夫の仕事先の縁で[1]南アフリカ観光大使に就任し[5]、以降何度か南アフリカに訪れている[1]。
2019年2月には地元でもある大田区観光PR特使に任命され[6]、2019年9月7日に洗足池にできた勝海舟記念館オープニングセレモニーに参加[7]。
エピソード
デビュー前
大工の棟梁として働く父、母、姉と共に育った[1]。子供の頃は、自宅に父の仕事仲間である若い職人たちが数人住み込んでおり、朝晩は家族に加え、彼らと一緒ににぎやかに食卓を囲んでいた[1]。両親の子育てについては、父から一度も怒られたことがない分、母には厳しく育てられた[1]。小学生の頃はピアノを習っていた[1]。頌栄女子学院中学校入学後には、バレーボール部に所属[1]。
高校生の頃、同じ高校に通う幼なじみがオーディションを受けると聞いて付いて行った[1]。それが寺山修司主宰の劇団「天井桟敷」(てんじょうさじき)の寺山演出の舞台公演『バルトークの青ひげ公の城』のオーディションで、流れで高橋も受けることになった[1]。この時、演劇好きな少女たちが数百人ほど参加しており、オーディションを終えて“演劇素人の自分が受かるはずない”と思っていたが思いがけず合格した[1]。デビュー作である同作の公演終了後は、毎日学校終わりに寺山の事務所で過ごし、当時彼が連載していたコラムの原稿を、新聞社に電話口で読んで伝える(まだFAXなどがない時代)作業などを手伝った[1]。
『ふぞろいの林檎たち』
高橋は当初『ふぞろいの林檎たち』シリーズへの出演予定はなかった。高橋の女優デビュー後、寺山は大学時代の親友である脚本家・山田太一が同作を書いている話を人づてに知り、数十年振りに再会して高橋を売り込んだ[1]。その際寺山は、「脇役でもどんな役でもいいから、ひとみを是非このドラマへ出してほしい!!」と頼んだ、と『徹子の部屋』で高橋本人が語っていた。これがきっかけで、山田は急遽脚本を書き直し、「伊吹夏恵」役を作ったことで高橋の出演が決定した[1]。
第1話の台本を見た寺山から「素晴らしい役だから、これでテレビの仕事が続かなければ、もう辞めなさい」と発破をかけられた[1]。寺山は本作の撮影開始までの間、本格的な“本読み”[注 2]未経験の高橋のために台本を見ながら台詞を言う稽古に付き合った[1]。後日現場での“本読み”を終えると、寺山から「山田から何て言われた?」「じゃあ、もう一回練習しよう」と再び一生懸命稽古に付き合ってくれたという[1]。
しかし第1話のオンエアを見る前に寺山は亡くなり、第2話の撮影では共演者の中井貴一にすがって泣くシーンがあった[1]。経験が浅い高橋にとって普段なら泣く演技は難しかったが、この時は内心寺山のことを思い浮かべて自然と涙が出たという[注 3]。その後高橋は、「今の私があるのは、寺山さんの演技指導や山田さんの『ふぞろいの林檎たち』に出させてもらったおかげです」と感謝の言葉を述べている[4][1]。
人物
デビュー作である初舞台の初日に、寺山から「これから高橋ひとみが女優としてやっていくための五か条として以下の言葉を贈られた。「うまくなるな」、「体を常に鍛えろ」、「いいライバルを見つけろ」、「本を読むこと」「いいものを見ろ」[4]。
デビューから1980年代までは、ヘアスタイルはボブカット一遍で通していた。クールな容姿で長身(166 cm)からか、デビュー当時から現在までクールな性格で知的な女性役や妖艶な役を演じることが多い。
新人時代には『平凡パンチ』『週刊プレイボーイ』などの男性雑誌のグラビアや、『ふぞろいの林檎たち』第一話、映画『ジェラシー・ゲーム』などでセクシーな下着や水着姿、ヌードを披露していた。
上記のような女優業で見せる性格とは違い、実際の高橋はかなりおっとりした性格の持ち主である。『ダウンタウンDX』や『メレンゲの気持ち』などのバラエティ番組へゲスト出演したときには、独自のとぼけた振る舞いなどがいかんなく発揮された。明石家さんまの番組に出演時には毎回「高橋さん、相変わらず前歯が出ていますね。」などとよくからかわれている。関根勤は共演時に「高橋さんはとても性格が良くていい人」と毎回、高橋の人の良さを語っている。
座右の銘は、「漂えど沈まず」。意味は、波の上下はあっても舟が沈まなければ大丈夫というもの[1]。また、2021年現在のモットーは、「楽しいことしか考えない」[1]。
女優デビュー作である先述の寺山演出の舞台では、演じたのが台詞がほとんどない役だったため、以降舞台というものに苦手意識を持った。また、当時寺山から「ひとみはテレビに行きなさい」と言われたこともあり、長年に渡り舞台には出演してこなかった[1]。しかし、2002年に俳優仲間の西村雅彦から彼の主演作「エデンの南」に誘われて23年ぶりに舞台出演したことをきっかけに、以後色々と出演するようになった[1]。
将来は、ベテラン女優の草笛光子のような歳を重ねてもキラキラした女優になることを目標としている[1]。
東京都大田区出身だが女優業が軌道に乗り始めた20代前半からは以前から憧れていた一人暮らしを開始して、30代に入って直ぐに実家の建て替えを機に一人暮らしを辞め、先代犬を引き連れて実家へと戻り両親と一緒に生活していたが1999年には父親、2017年には最愛の母親が逝去している。新婚直後はマンション住まいだったが、以後は高橋の実家に夫婦で暮らしている[1]。2023年11月10日の『徹子の部屋』ゲスト時には愛犬モモエが亡くなってからまた同じ犬種のゴールデン・レトリーバーが大好きで再び飼いたいので自宅内で犬との共同生活が出来るように自宅の間取りを設計して建て替えを計画予定していると黒柳に話している。
結婚相手とは、2013年の9月に出会い意気投合し、わずか2か月でのスピード婚(本人は52歳で男性は50歳でお互い初婚[1])となった[3]。夫は積極的に家事をしてくれるとのことで、高橋は「主人が私の何倍も我慢して何でもやってくれるので、なんとか結婚生活が続いています」と語っている[1]。ちなみに夫は蛭子能収の古くからの知人だったという。
趣味など
幼少から今までに途切れることなく犬を飼い続けていたと話すほどの愛犬家で、2009年に自宅の近所で生まれたモモエと言う名のゴールデン・レトリーバーを譲り受けて飼いはじめ、モモエを車内へ乗せるためにポルシェからメルセデス・ベンツE500ステーションワゴンに乗り換えたがモモエは2022年3月25日に14歳で旅立ったと3月28日に高橋のInstagram内で発表している。
19歳で運転免許を取ってからは現在まで車の運転が大好きで多くの車を乗り継ぎ、中でも長年にわたりポルシェだけ乗り続けていた。高橋が倍賞千恵子と一緒に初めてCM出演した大正製薬の出演料で購入したとインタビュー等で語っている。『メレンゲの気持ち』では愛車が公開されたり、入手困難なポルシェのミニカーを番組視聴者プレゼントしたことがある。普段から安全運転を心がけており高速道路を最低速度で走行中に警察官から呼び止められて「危ないのでもう少しスピードを出して走ってください」と注意を受けたことがあるそう。2022年現在はアバルトのオーナーである。テレビ局や撮影所、地方のロケ現場まで時間がある時には高橋自ら愛車のハンドルを握って運転して出かけていると話している。
飲酒好きで、酔いが回ると別人格になってしまったり、電話魔になって友達の中井貴一などへ昼夜を問わずかけてしまうとバラエティー番組などで語っている。
交友関係など
寺山修司は、先述の通り高橋の女優デビューのきっかけとなった人物である。演技指導などを通じた交流自体は約3年と短かった[1]が、高橋は「たったの3年間なのに、その後の30年間よりも濃い時間を過ごしました」と評している[4]。また寺山について、「寺山さんを中心にいつも人が集まり、周囲から尊敬され、憧れられている方なのに、私にはとにかく優しく接して下さいました」と述懐している[注 4]。また、“寺山が生涯最後に愛した女性”と言われており、高橋が出演した『徹子の部屋』内で自身宛に書かれた直筆のラブレターや手紙がいくつか公開し、今でもそれらの手紙は全て大切に保管しているという。
高橋と同じく1979年に寺山に見出された三上博史は、デビュー当時彼女と同様に「寺山修司の秘蔵っ子」というフレーズで呼ばれていた。高橋のデビュー作の舞台『バルトークの青ひげ公の城』には、三上や天井桟敷の山本百合子も出演している。その後三上とは、映画『私をスキーに連れてって』、ドラマ『それでも家を買いました』などでも共演している。
メイクアップアーティストのIKKOは、1998年頃から高橋の専属メイク担当を始めたことがきっかけで親しくなった。以後現在まで、普段から一緒に遊んだり食事に出かけたりするなど、プライベートでもかなり仲がよいという。『SMAP×SMAP』の「BISTRO SMAP」などのバラエティ番組にも2人で仲良く出演したり共演している。
手塚理美とも『ふぞろいの林檎たち』シリーズで共演したことで、当時からプライベートでも大変に親交が深い。以後、高橋が『ウチくる!?』のゲスト出演時に親友代表としてサプライズゲストで登場したり、『いい旅・夢気分』にも2人で仲良く出演している。
三田寛子は高橋を実姉のように慕っていて親交があると2016年9月11日の『ウチくる!?』のゲスト時に語っており高橋がサプライズゲストで登場している。
雛形あきことは舞台共演が縁で意気投合して10年以上の交流がある。
出演
映画
テレビドラマ
NHK
日本テレビ
TBS
フジテレビ
テレビ朝日
テレビ東京
WOWOW
- 贖罪(2012年) - 高野とみ子(晶子の母)役
- 山のトムさん -(2015年12月26日、WOWOW) - シオリ 役[14]
- 東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-(2023年11月17日 - 12月22日、WOWOW) - 宮下菜穂子 役[15]
その他
バラエティ
- レギュラー
-
- 不定期出演
-
- その他
-
紀行番組
- ヨーロッパ水風景 ブルガリア ソフィア〜ネセバルの旅(BSジャパン、2013年9月29日・10月6日) - 旅人
CM
舞台
- 風と共に去りぬ(2011年6月18日 - 7月10日、帝国劇場) - ベル・ワトリング 役
- 美男ですね(2011年10月8日 - 11月27日、TBS赤坂ACTシアター他) - 修道院の院長 役
- 水谷千重子50周年記念公演 とんち尼将軍 一休ねえさん(2019年2月22日 - 3月4日、明治座)
- 水谷千重子50周年記念公演「神社にラブソングを」(2021年6月4日 - 13日、明治座) ※全13公演
- 水谷千重子 50周年記念公演 in 博多座(2021年6月24日 - 7月4日、博多座/福岡)
- 水谷千重子ありがとうコンサート2021(2021年7月25日、城陽/京都)
- 水谷千重子ありがとうコンサート2021(2021年8月29日、益田/島根)
- ハリー・ポッターと呪いの子(2022年7月8日 - 、TBS赤坂ACTシアター) - マクゴナガル校長 役[注 6][19]
- ハムレット(2024年5月7日 - 6月、彩の国さいたま芸術劇場 大ホール 他) - ガートルード 役[20]
書籍
- 高橋ひとみ写真集 N.Y. MANHATTAN BLUE DAYS(大陸書房、1992年)
- 東京美女2(モッツ出版、2000年)※合同写真集
- 高橋ひとみのスタイルブック Hitomi Bon!(主婦の友社、2018年)
ディスコグラフィー
- シングル
- X'mas Kissしてね(1990年11月21日、ビクターエンタテインメント)VIDL-10074
- 四月わたしに花が咲く(1991年3月21日、ビクターエンタテインメント)VIDL-10108
- アルバム
- カラフル(1991年6月21日、ビクターエンタテインメント)VICL-160
- (2022年6月29日、ビクターエンターテインメント) VICL-77020 完全限定盤UHQCD
- ビデオ
脚注
注釈
- ^ 本作は大ヒットし、その後1997年に渡り断続的にパートIVまでシリーズ化された[1]。
- ^ 撮影前の初めての顔合わせで行われる、共演者たちとの台本を読みながらの台詞合わせ。
- ^ 本人は後に以下のように述懐している。「このドラマは私にとってほぼ初めてのお芝居で、普通なら泣く演技なんてできなかったでしょう。でも、寺山さんが泣かせてくれた。言い方は悪いですが、“ひとみのために先生(寺山)が死んであげるから、思い切り泣きなさい”と言われているようで、寺山さんの最後の愛を感じました」[1]。
- ^ 本人は続けて「あんな無償の愛をくれた方は親以外にいないということです。私の結婚が遅かったのも、世の男性を寺山さんと比較して、『愛が足りない』と思っていたからかもしれません(笑)」とも語っている[1]。
- ^ 斉藤由貴演じる麻宮サキを最後に敵視した役柄。「原作の海槌麗巳に容姿がそっくりだったために出演が決まった(笑)」と高橋自身も話しているが、彼女の熱演ぶりも原作、ドラマ両ファンからはまり役だったと語られている。熱狂的な本作品ファンから海槌亜悠巳を演じる遠藤康子の次に視聴者から殺人容疑で警察に訴えられたことも挙がる。ドラマ本放送直後に「中康次さんが高橋ひとみ(容疑者)に殺されました」などと実際に110番通報があったという。リアルタイムで見ていたADやスタッフなどの業界関係者が子供の時に高橋の麗巳役を観て育ったと度々話を聞いて「改めてオファーを受けて演じて良かったなと思う(笑)」と高橋もインタビューで語っている。
- ^ 榊原郁恵とダブルキャスト。2022年6月にプレビュー公演を予定。
出典
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