『ARIA』(アリア)は、天野こずえによる漫画作品『AQUA』および『ARIA』を原作としたアニメ作品。2005年10月から12月までテレビアニメ第1期『ARIA The ANIMATION』が、2006年4月から9月まで同第2期『ARIA The NATURAL』が、2008年1月から3月まで同第3期『ARIA The ORIGINATION』がそれぞれ放送された[4]。
2007年9月21日にOVA『ARIA The OVA 〜ARIETTA〜』が発売された[5]。2015年9月26日にOVA『ARIA The AVVENIRE』がイベント上映された。
2021年3月6日に劇場アニメ『ARIA The CREPUSCOLO』が、同年12月3日には劇場アニメ『ARIA The BENEDIZIONE』がそれぞれ公開された。
西暦2300年代、火星はテラフォーミングによって水に満たされた惑星へと姿を変え、アクアと呼ばれるようになっていた。アクアではイタリアの都市・ヴェネツィアの風習や街並みを再現して築かれたネオ・ヴェネツィアと呼ばれる観光都市が存在していた。この街ではゴンドラを操って街中を案内する女性による観光案内業が行われており、この職業はウンディーネと呼ばれていた。ウンディーネに憧れを抱いていた惑星マンホーム(地球)出身の水無灯里は小さなゴンドラ観光会社・ARIAカンパニーへ入社する。灯里は老舗ゴンドラ観光会社・姫屋の跡取り娘である藍華・S・グランチェスタや、天才的な操舵技術を有するも接客を苦手とするアリス・キャロルといった、共に一人前のウンディーネを目指す友達をはじめとする様々な人たちとの出会いやそこで起こる様々な出来事を通じて、ウンディーネとして成長していくこととなる[6]。
明記されていないが音響監督は監督である佐藤順一が務めている[26]。
第1期ではアニメなりのテーマと物語の着地点を決めるという課題が設定され、原作同様に四季の移ろいを意識し、最終話は年越しで締めるという構成で進められた[33]。
第1話は灯里がアクアにやってきてから1年が経過した状態となっており、原作漫画『AQUA』で描かれた灯里がアクアにやってきてから試験に合格するまでの話は省かれている。これは原作では試験に合格するまでの流れで灯里の練習描写がないまま試験が行われており、練習描写がないことに違和感を感じると判断されたこと、また第1期は全13話しかなかったことから最終話を年越しにするために逆算で灯里がアクアにやってきて1年後にしなければならない、といった理由によるものである[34]。
第1期では吉田玲子と藤咲あゆなが脚本を務めている。吉田は佐藤からの依頼を受けて本作の脚本に携わることとなり、当初は佐藤と吉田が1:1の割合で脚本を務める予定だったが、徐々に吉田が担当する回が増えていった。そこで吉田は以前ARIAのドラマCDの脚本を担当していた藤咲に脚本を依頼した[35][注 1]。脚本を手掛ける上で意識したことについて吉田は以下のように述べている。
佐藤監督にはアニメならではの趣向として"アクアが幸福な世界を願う人たちの想いで造られた星"であることと、その延長としてアクアの創成記の話を描きたいという思いがあったんです。ですから、そのような方向性が色濃く出たオリジナルストーリーはもちろん、全編を通して、そんな思いを反映していけたらな、と。 — 吉田玲子[35]
吉田は脚本を手掛ける上で、アクアの日常シーンとは異なる「いつのまにか不思議な場所へと迷い込んでしまうアクアという星の雰囲気」を演出することが難しかったとしている[36]。灯里の恥ずかしい台詞については毎回熟考されており、吉田曰く、狙いすぎるとやり過ぎ感が出てしまうことから、視聴者が普通にツッコめる程度の加減に調整しているとのこと[37]。
原作漫画は事件的なことは何も起こらず、緩い日常が続いていくが、アニメでも原作の雰囲気を踏襲している。ただし、原作の雰囲気に満足する原作ファンばかりではないことから、そういった視聴者たちに魅力を分かってもらうために、例えば第1期第1話でゴンドラが大きな連絡船が着水する所にすれ違いそうになるといったスペクタクル描写や、灯里の逆漕ぎのシーンには若干のアクションもの風のカットが割られたりするといった試みがなされている[7]。
本作では登場人物たちの何気ない仕草や表情、彼女たちの肌触りや存在感などの日常的な部分が重視されており、「夢のようなファンタジー世界だけれど、彼女たちの存在感はしっかり伝わってくる」という作品にすることが今回の1番のテーマとなっている[7]。
カラーイラストが存在しない原作漫画の色をアニメ用に設定していくうえで、佐藤から全体的に淡い木の色で統一しそこに灯里やアリシアがいると柔らかな雰囲気が感じられるようにと指示された美術監督の西川淳一郎は、原作の持っているリアルではない透明感のある雰囲気を出すことを意識したと話している[38]。また、助監督の布施木一喜の指示によって朽ちた部分はそのまま描写されており、これは単に綺麗なだけではなく街の裏側が見えるような部分を表した方が良いと判断されたためである[39]。
キャラクターデザインにおいては原作の雰囲気を損ねないことがなによりも重視されており、トレンドの絵柄に落とし込むことは避けられている。アニメ用にキャラクターを落とし込む際も出来る限りキャラクターの記号化を避けるように配慮されている。原作に登場しない服装については未来的なものか現代的なものかで判断に苦労を強いられたが、最終的に原作に登場するキャラクターの服装が現代的だと判断され、アニメにおいてもそれに準拠する形が取られている。なお、原作ではキャラクターの服装よりも髪型が変わる頻度が多かったが、キャラクターの定着を妨げることが不安視され、アニメではできる限り髪型は変えないようにされている[40]。
ネオ・ヴェネツィアの世界観を成立させるために、音楽面での配慮がなされている。佐藤曰く、通常の劇伴作りにおいてドラマチックにわかりやすく、楽しい場面では楽しそうに、悲しい場面では悲しそうな感じで制作していくが、そうするとネオ・ヴェネツィアの風景にマッチしないため、本作では「夕陽」「懐かしい物との別れ」などのキーワードを用意して、そのイメージを基に制作が行われていった[41]。
本作の劇伴はChoro Club feat.Senooが担当する。以前に『Choro Club feat.Senoo』名義でドラマのサントラを担当しており、それを聞いた本作の音楽プロデューサーが彼らに興味を示したことがきっかけとなり本作に参加することとなった。Choro Clubは佐藤からの指示は特になく自由に出来たと、妹尾は佐藤から「ネオ・ヴェネツィアを世界観を優しく包み込むようなゆったりとした音楽」を作って欲しいと指示を受けたとそれぞれ話している。劇伴制作においては情景に対するリクエストに細かく丁寧に応えていくよりも、情景に対するリクエストや原作のイメージを頭にインプットして各メンバーが一気に曲を書き、さらに書かれた曲を情景に当てはめていくといった手順で行っているとChoro Clubは話している[42]。
灯里役の葉月絵理乃は演じる上では特に役作りをすることもなく、最後まで自然体で演じることができたとしている[43]。また、あまりに自然に演じることができたため、「このままいいのか」と焦りを感じていたが、精神面で余裕が出てくると他のキャストの演技から得るものがあったと話している[44]。
愛華役の斎藤千和は灯里とアリスが前面に出る性格ではないことから愛華の言動が余計にきつく感じられるため、表面的にきつく感じられる言葉でも内面的に暖かい気持ちを持ちながら演じることを意識している。なお、監督の佐藤順一が原作を読んで愛華を見た時に斎藤のイメージが浮かんだとしており、斎藤自身も愛華が自身と似た性格だと自覚していたこともあって当初は芝居がしやすいのではと感じていたが、実際に演じてみると自身がこれまで演じたキャラクターの中でトップクラスに難しかったと話している[45]。
アリス役の広橋涼は佐藤から「言っていることはしっかりしていても、本質的には幼さを残すように」と指示を受けている。また、演じる上ではアリスが感情の起伏が少ない性格のために驚きを大袈裟に表現することができずに毎回試行錯誤を重ねている[46]。
アニメ版ではオリジナルキャラクターとしてアイが登場する。灯里たちを俯瞰で見ている人物が欲しいという佐藤の考えによって生み出されたキャラクターであり、デザインは原作者である天野こずえによって描かれた[7]。
第1期第1巻の推定初週売上は8,843枚[55]、第2期第1巻の推定初週売上は9,609枚をそれぞれ記録している[56]。2007年6月時点で「ARIA」シリーズのDVD総売上は30万本を記録している[57]。第3期第1巻の初週推定売上は10,733枚[58]、推定累積売上は2008年12月時点で14,520枚をそれぞれ記録している[59]。
第1期DVDBOXの推定初週売上は7,019枚[60]、第2期DVDBOXの推定初週売上は6,763枚[61]、第3期DVDBOXの推定初週売上は6,531枚をそれぞれ記録している[62]。
第1期Blu-rayBOXの推定初週売上は14,336枚[63]、第2期Blu-rayBOXの推定初週売上は13,102枚[64]、第3期Blu-rayBOXの推定初週売上は12,619枚をそれぞれ記録している[65]。
ライターの杉本穂高は本作を「日常系アニメを代表する名作」としており、ネオ・ヴェネツィアの美しい情景と優しい登場人物たちによる心地よい空間にずっと浸っていたくなると評している[1]。
宝島社発行の『このアニメがすごい!2007』では第2期「ARIA The NATURAL」のレビューが以下のように掲載されている。
『ARIA The NATURAL』では若干ファンタジー色が強くなり、ファーストシリーズ同様の人間ドラマを期待していたファンからはちょっと予想外だったという話も聞きますが、猫の妖精ケット・シーにまつわるエピソードなど、私を含め原作ファンが心待ちにしていたエピソードが満載で、総感動量(または涙腺直撃率)ではセカンドシリーズが遥かに前期を上回っていると思われます。 — レビュアー:Nob[66]
映画評論家の増當竜也はウンディーネの先輩後輩といった関係性によるエピソードを除けば特にドラマティックなエピソードは存在しないが、何気ない日常シーンが秀逸な画と音の融合を得て視聴者に至高の癒しをもたらしていると評している[4]。また、増當は本作では敵や悪人といった人物は全く登場せず、それどころが「ほとんどの登場人物たちが慈愛豊かにウンディーネをめざすヒロイン少女たちを見つめ続け、その眼差しに助けられながら、彼女たちは少しずつ成長していく」としており、これがアニメファンのみならず若い世代の女性からも指示されている要因だと評している[2]。
アニメ評論家の藤津亮太は2016年にアキバ総研に寄せたコラムの中で『ARIA The ANIMATION』について言及しており、現在の深夜アニメにおいて「ゆったりとした時間」の作品の制作が行われている背景には本作のヒットが少なからず影響しているのではないかと推察している。また藤津曰く、2000年前後に「ゆったりとした時間」の作品が増えたこともあったもののそれも次第に少なくなっていったが、この流れを一変させたのが本作だったと述べている[67]。
テレビ朝日による投票企画「芸能界アニメ通が集結!徹底調査!! 好きなアニメランキング100」では第1期が63位にランクインしている[68]。
2006年の全アニメ作品を対象にした「このアニメがすごい!大賞2007」では第2期「ARIA The NATURAL」が第17位にランクインしている[69]。
アニメグランプリでの結果は以下の通り。
2021年10月25日から11月10日にかけて公式が好きなエピソードを募集するファン投票企画を行い、同年11月18日に以下のような結果が発表された[76]。
※ 『AVVENIRE』以外は1シリーズ全話1ボックス仕様。
『ARIA The ORIGINATION』DVD各巻収録の映像特典ピクチャードラマ。全7話。
2012年7月13日からカードコレクションアプリ『嫁コレ』(iPhone / Android)に本作のキャラクター・水無灯里が追加された[181]。同年7月27日からは愛華が[182]、同年8月10日からはアリスが[183]、同年10月12日からはアリシアがそれぞれ追加された[184]。
2006年9月28日にアルケミストからPlayStation 2用ゲームとして発売された。2008年3月6日に加賀クリエイトからベスト版が発売している。ゲーム自体はアニメ的な演出効果を盛り込んでいるビジュアルノベルの形式をとっており[185]、物語を主人公の青年の視点から描いている。また、本作のために新たに書き下ろされたCGや天野自らがデザインしたゲームオリジナルのキャラクターも追加されている。2006年4月に行われたアルケミストのイベント「アルケ祭」にて本作の主題歌が発表された。
2008年6月26日にアルケミストからPlayStation 2用ゲームとして発売された。2009年8月6日に加賀クリエイトからベスト版が発売している。本作では冬のネオ・ヴェネツィアを舞台に、プリマを目指す見習いウンディーネのアニエス・デュマ(アニー)の視点で物語を追体験していく。
2016年1月15日にAndroid用にGoogle Playにて[188]、2016年1月28日にiOS用にApp Storeにて共にHarvesTからモバイルゲームとして発売された[189]。
テレビアニメシリーズの番外編OVAとして2007年9月21日に発売された[190]。灯里がARIAカンパニーに入社する前のエピソードが中心として描かれており[191]、作中の時系列としては第2期と第3期の間に位置する[190]。なお、本作よりARIAシリーズにおける画面サイズは従来の4:3から16:9へと変更されている[4]。
本作のDVDの推定累積売上は2007年12月時点で16,892枚を記録している[193]。
2007年9月2日に都内にてOVA発売記念イベント「La festa di ARIA」が開催された。本イベントにはキャスト陣と監督の佐藤順一が登壇した[195]。
TVアニメ10周年記念プロジェクト『蒼のカーテンコール』の第1弾として2015年9月26日よりイベント上映された[196]。TVアニメ第3期「ARIA The ORIGINATION」に続く完全新作アニメとなっている[196]。本編はこれまでアニメ化されなかった原作エピソードに完全オリジナルストーリーを加えた構成となっており、プリマ・ウンディーネとなった灯里とARIAカンパニーの新米ウンディーネのアイに焦点を当てた物語となっている[196]。
同年4月に正式なキャストが発表され、メインキャストは全員テレビシリーズからそのまま継続となっている。なお、2011年に逝去したアテナ役の川上とも子も原作者などが同意の上、特別クレジットという形で記名されている。
2016年6月18日から今作をBD-BOX用にリマスターした『ARIA The AVVENIRE〜Remaster〜』が1週間限定でイベント上映された[197]。
かねてより要望の多かったARIAシリーズのBlu-rayBOX化が実現することとなり、その中で購入特典をどうするのかという話が上がった。当初は総集編が候補に挙がったものの、ファン心理に立った時にテンションが上がらないだろうと判断され、新たに新作エピソードを作る案が浮上する。しかし、ARIAシリーズはかなり綺麗に物語の幕が閉じられていたため、そこから新たに物語を作ることは難しく、佐藤も天野の書いたネタが無いと厳しいと考えていた。そこで松竹が天野本人に話のネタがあるかどうかを尋ねたところ、「ネタはある」と返答されたことで、本作の制作がスタートした。なお、天野は連載終了直後に新たなエピソードを描いていたが、ネタの有無を尋ねられるまですっかり忘れていたという[199]。
今回は3つのBlu-rayBOXが発売され、それぞれに新作エピソードを組み込むことや3つの話を合わせて劇場上映を行うことが決定していたことから、佐藤は天野のネタとアニメ化されなかった原作エピソードを組み込んで3つの話が1つの話にもなるような構成を大まかに考えていった。そして佐藤は「いろんなことがあったけれど、出会ってきた人も街もみんなその先に進んで行くし、きっとこの先もアクアは続いていく」という話を映像化していくことにした。なお、今作よりアーニャとあずさが新キャラとして追加されているが、元々天野のネタには存在していなかったものである。これはテレビシリーズ第3期のラストでアイがARIAカンパニーに入社して灯里の後輩となったが、そうすると灯里たちと同様に当然練習相手が存在することが考えられる。そこで佐藤が天野に姫屋とオレンジぷらねっとにそれぞれアイの練習相手となる新キャラクターを依頼したことで2人は誕生することとなった[199]。
テレビシリーズではアニメ音源が収録現場のBGMとして使用されていたが今作では佐藤がBGMが流れていると演者たちが泣いてしまう可能性を考慮して、無音での収録が行われてた。ただ、BGMが無かったことを演者たちは残念に感じていたこともあり、Chapter3のテスト収録から再びBGMが取り入れられた。その結果佐藤の懸念通り、演者たちは泣き出してしまったらしく、音響チームは「テストにならない」と嘆いていたとのこと[200]。
あずさ役の中原麻衣は過去に「ARIA The NATURAL」で別キャラクターを演じており、今回もそのキャラクターを演じるつもりで台本を読んでいたため、前回とは違うキャラクターだと気付いた時は驚いたと振り返っている[196]。アーニャ役の茅野愛衣は美容師として働いていた頃、帰宅後につけたテレビアニメ版を見て、自身の心がとても癒されたことで「アニメにも癒しの力がある」とアニメに興味を持つようになったという。それを期に声優業を志した茅野はそのきっかけとなった本作に参加することとなり、アフレコ現場では感動のあまり泣き出してしまったことを佐藤は明かしている[201]。
2015年9月26日から27日の週末全国興行成績ランキング(興行通信社調べ)では全国11スクリーンの公開規模ながら12位を記録している[204]。
本作のBDの推定初週売上は5,822枚を記録している[205]。
2015年9月26日にMOVIX亀有、新宿ピカデリー、横浜ブルク13にて初日舞台挨拶が行われ、キャスト陣と監督の佐藤順一が登壇した[200]。
2015年9月26日から10月25日までアニメイトにて「〜前略―お元気ですか?〜『ARIA The AVVENIRE』公開記念フェア!」が開催された[207]。
2015年10月10日に新宿ピカデリー、MOVIXさいたまにて大ヒット御礼舞台挨拶が行われた[208][209]。
2015年10月15日に新宿ピカデリーにて制作トークイベントが行われ、佐藤順一、助監督・名取孝浩、アニメーションプロデューサー・皆川護、プロデューサー・飯塚寿雄が登壇した[210]。
2016年6月18日に新宿ピカデリーほかにて『ARIA The AVVENIRE〜Remaster〜』の初日舞台挨拶が行われ、キャスト陣と監督の佐藤順一が登壇した[197]。
2017年4月30日に竹芝ニューピアホールにてイベント「ARIA The AVVENIRE〜海と音と語りの調律〜」が開催され、登壇したキャスト陣による朗読劇やChoro Club feat.Senooによる音楽演奏が行われた[211]。
2017年5月22日から6月21日までパラディーゾ サンシャインシティ アルパ店にてTVアニメ『ARIA The AVVENIRE』とのコラボカフェが開催された[212]。
『ARIA The AVVENIRE』(アリア ジ アッヴェニーレ)のタイトルで、同名のTVアニメ10周年記念プロジェクト『蒼のカーテンコール』のプロジェクトのOVAのイベント上映(劇場公開)を記念し、2015年9月24日にAndroid・iOS用にHarvesTからリリースされた[213]。
『蒼のカーテンコール』の第2弾として2021年3月5日に劇場公開された[214]。今作ではオレンジぷらねっとのメンバーが中心に描かれる物語となっている[215]。また、『あまんちゅ!』の登場人物がネオ・ヴェネツィアに来た観光客としてカメオ出演を果たしている[216]。
前作ではライブラリ出演となっていたアテナは佐藤利奈がキャスティングされており、新規収録が行われた。
前作『ARIA The AVVENIRE』と同様に本作も天野のアイディアが元になっており、アリスが飛び級でプリマウンディーネへと昇格した時のアリスとアテナについて連載時には描き切れなかった部分が本作で映像化された[219]。佐藤と名取は制作過程でアテナについての新たな発見があったと以下のように述べている。
佐藤順一 - 物語的な部分で言うと、アテナさんの「謳」に対する姿勢がわれわれの想像を超えていました。「謳」という存在が彼女を形づくっていたんだな、と思いました。そこはまったく予想していなかったので斬新でしたね。名取孝浩 - TVシリーズのとき、アテナさんはほんわかした感じなんだけど、実はいいことを言う、みたいなキャラクターだと思っていたんです。でも今回、彼女の芯の強さというか、「謳」に対して哲学的な深みをもっている人だったんだなと。アテナというキャラクター自体、これまでよりも深みが増した感じがありましたね。 — 出典:[219]
本作のキャラクターデザイン兼総作画監督は伊藤葉子が担当している。伊藤は『あまんちゅ!』の制作において原作の引きの絵に合わせる形で頭身をやや高めに設定していたが、「ARIA」シリーズはキャラクターの身長が低めに設定されていることから、それに合わせて欲しいと佐藤から指示を受けている。伊藤は本作で特に大変だった点としてキャラクターの多さを挙げており、今の時点のキャラクターに加えて過去のキャラクターたちも描かなければならないため、描いても描いても終わりが見えなかったとのこと。アリスについては昔は硬かった表情が成長した今では柔らかな表情も出来るようになっていることから、「成長過程をデザインで表現する」ことに気をつかったと述べている[220]。
2代目アテナ役を演じる佐藤利奈は初代アテナ役を演じていた川上とも子と比較して声質や色合いが異なっていると感じており、オファーを受けた際には自身よりも川上に近い色合いを出せる人がいるのではないかと返答した。その後、総監督の佐藤から川上と佐藤の二人には通ずるものがあるからオファーを受けて欲しいと直談判されたことや、過去にラジオで共演したアテナの歌唱パート担当の河井英里の存在もあり、今回アテナを演じることで改めて二人のことを考える機会になるだろうと思い立ち、オファーを受け入れた[221]。
2021年3月6日から7日の週末全国興行成績ランキング(興行通信社調べ)では7位を記録している[224]。Filmarks映画初日満足度では1位を[224]、同満足度ランキング(2月11日 - 3月19日)では2位(スコア4.39)をそれぞれ記録している[225]。Yahoo!映画では同月8日時点で4.5以上を記録している[224]。
2021年10月25日から11月10日にかけて公式が行った好きなエピソードを募集するファン投票企画(上述参照)で本作は第8位にランクインした[76]。
本作のBDの推定初週売上は8,837枚を記録している[226]。
2021年2月28日に新宿ピカデリー、なんばパークスシネマ、ミッドランドスクエアシネマにて完成披露舞台挨拶が行われた[227]。
2021年3月5日に都内にて初日舞台挨拶が行われ、キャスト陣や総監督の佐藤順一、監督の名取孝浩が登壇した[228]。
2021年3月21日に新宿ピカデリーにて公開御礼舞台挨拶が行われた[229]。
『蒼のカーテンコール』の第3弾かつ最終章として2021年12月3日に劇場公開された[231]。藍華と晃の過去を中心とした姫屋のエピソードが描かれている[232]。
本作は「蒼のカーテンコール」の最終章となっているが、天野次第で今後もアニメ化が行われる可能性はあり、佐藤も灯里の後輩たちによるエピソードが天野の頭の中で広がっているなら、それをアニメ化してみたい気持ちはあると話している。本作では愛華のプリマウンディーネ昇格試験が描かれているが、元々この試験は原作で描かれていなかったため、テレビシリーズにおいてもOPバックで少しだけ挿し込まれる形となっており、その際にはスタンダードな試験が描かれていた。しかし、今回天野が描き下ろした試験の内容は佐藤の想定よりも内容が濃いものになっていたため、どうするべきか悩んだという[234]。
佐藤は物語において夜が明けるまでの愛華と晃の心情をどのように描いていくかが重要と考え、加えてそこに挿し込む音楽をどうするかについて苦労したと話している。昇格試験開始直後のシーンでは晃がアクティブに動く一方で、音楽としては「愛華と晃の師弟関係を温かく彩る音楽を当てた」ことを佐藤は明かしている。なお、ゴンドラは複雑な形をしていることからテレビシリーズ時代は止め絵にすることしかできなかったが、その後の技術の進歩によって本作では立体的かつ自由に動かすことが可能となった[235]。
2021年12月4日から5日の週末全国興行成績ランキング(興行通信社調べ)では10位を記録している[238]。Filmarks満足度ランキング(11月19日 - 12月12日)では2位(スコア4.36)を記録している[239]。
本作のBDの推定初週売上は9,843枚を記録している[240]。
2021年11月18日に都内にて完成披露上映会が行われ、キャスト陣と監督の名取孝浩が登壇した[241]。
2022年1月15日に川崎チネチッタにて大ヒット御礼舞台挨拶が行われた[242]。
2022年1月15日から2月13日までセガコラボスタジオ&ギャラリー「Akib@ko」にて「『ARIA The BENEDIZIONE』POP UP Gallery in Akib@ko」がオープンした[243]。
2022年8月28日に新宿ピカデリーにてBlu-ray発売記念イベントが行われ、葉月絵理乃、斎藤千和、広橋涼が登壇した[244]。
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アニメ | ラジオ | Due | Tricolore | ドラマCD
登場人物
ウンディーネ | ユーフォリア | スピラーレ
Rainbow | 夏待ち | 金の波 千の波 | ピアチェーレ
サウンドトラック | ARIA ピアノ・コレクション
ARIA The NATURAL ボーカルソング・コレクション | ARIA The BOX
マッグガーデン | AQUA | 天野こずえ