『魔法使いTai!』(まほうつかいタイ!)は、1996年のOVA発売を皮切りに、テレビアニメ、コミックなどで展開した、アニメ監督・佐藤順一原案による作品群。略称は「まほTai!」。魔法によって起こる、少し不思議な学園生活を描いたドタバタコメディ。
ある日、謎の巨大物体ツリガネが地球に飛来、各国の軍隊が攻撃を加えるも効果は無く、ツリガネは何をするわけでもなく地球に居座ることに。そこで都立北野橋高校の高倉武男が率いる魔法クラブが立ち上がった。
本作品群はトライアングルスタッフの浅利義美から佐藤順一のもとへオリジナル作品の要望が寄せられたことがきっかけで誕生した[2]。当時佐藤はセルビデオに疎く、何がどう売れるのかもわからなかった[2]。企画がバンダイビジュアルを担うことになり、佐藤はプロデューサーの寺田将人に相談する中で、「メカと美少女」というキーワードに着目した[2]。また、佐藤の要望により、キャラクターデザイナーには伊藤郁子が起用された[2]。
「WEBアニメスタイル」の小黒祐一郎は、佐藤との対談の中で、オタク好みの肉感的な作品であると指摘しており、そのことについて佐藤は伊藤のデザインが影響しているのだろうと答えており、沙絵の描写が伊藤との大きな違いだと話している[2]。佐藤は沙絵のようなタイプが好みだとし、自分の世界にいつつも慌てたり、一生懸命でぶれないのが重要だと話しており、そこに伊藤がなぜ沙絵が高倉を好いているのかわからないと言いつつも納得できる要素を足していったのだろうと語っている[2]。佐藤によると、伊藤は『キャンディ・キャンディ』の「丘の上の王子様」のような存在がいないと沙絵が描けなかったため、魔法使いのジェフ君が誕生した[2]。
1996年から1997年にかけ、バンダイビジュアルより発売された。全6話。
2008年にはAT-X[3]、2010年にはチャンネルNECO、2012年にはキッズステーションでそれぞれ放送された。
2014年の年末から2015年の年始にかけては、BS11で集中放送された[4]。
1999年7月7日から同年10月6日までWOWOWで放送。全13話。OVAの続編として、最終話直後からのストーリーとなっている。
魔法使いTai! vs シャーマニックプリンセスは、ともにトライアングルスタッフが制作し、バンダイビジュアルから発売されていたOVA『魔法使いTai!』と『シャーマニックプリンセス』両シリーズ全巻購入特典として制作された短編アニメである。当初は両作品のキャラクターが共演する作品として企画されていたが、制作の都合で実現せず、代わりに短編『魔法使いTai!』の演出を『シャーマニックプリンセス』の監督である本郷みつるが、短編『シャーマニックプリンセス』の演出を佐藤順一がそれぞれ担当する作品となった[5]。なお、短編『魔法使いTai!』には自身が作画と声優を担当した佐藤順一が登場する[6]。
富士見ファンタジア文庫より佐藤順一・小中千昭共著で全4巻。OVAに繋がるストーリーとして構成されており、各キャラクターは学年がひとつ下である。
太田多美(ファンタジーDX連載)と、紗夢猫(月刊ドラゴンジュニア連載)による作品がある。基本内容はあまり変わらないが、オリジナルストーリーで構成されている。
『魔法使い隊の子ッ!』というラジオ番組が、東海ラジオ放送で1996年10月から1997年4月1日に放送された。放送時間帯は火曜23時30分から24時00分。パーソナリティはミンキー・ヤス、飯塚雅弓、小西寛子。