『ほえろブンブン』は、「COM」等で連載されていた村野守美による日本の漫画作品(原題は『ほえろボボ』)、およびこれを原作とする和光プロダクション制作のテレビアニメ、マッドハウス制作の劇場アニメである。
当初は「ほえろボボ」というタイトルであったが、一部地域において放送コードに抵触する惧れがあったため、テレビアニメ化に際して「ほえろブンブン」に変更された。
概要
本作は、小さな雄の子犬・ブンブンの冒険と成長を描いた冒険漫画である。
『ほえろボボ』のタイトルで「COM」及び「COMコミックス」1971年9月号から1972年3月号にかけて第1部が連載された。第2部の連載はされることなく作者の村野が2011年3月7日に死去した[2]ため本作は絶筆の作品となった。
「COM」「COMコミックス」での連載後、「週刊少年マガジン」1972年7月9日号(29号)から9月10日号(39号)にかけてリメイク版(舞台が日本に変わるなど設定が変更されている)が連載されたほか、「月刊テレビランド」1973年3月号から9月号にかけて2度目のリメイク版が連載されている。
後に村野は、「COM」「COMコミックス」に連載されたものが本編で、他誌に連載されたものは別伝であると語っている。
その後、1981年にテレビアニメ化されたのに伴い、「ほえろブンブン」とタイトルを変えて3度目のリメイク版が「テレビランド」「中日新聞」「東京新聞」に連載された。
ストーリー
生まれてすぐ飼い主に捨てられた小さな雄の子犬・ブンブン。ブンブンは母犬を探す旅路の中で、優しい老犬・ノラや他の犬達と出逢い、逞しく成長してゆく。果たして彼は、無事母犬に再会できるのであろうか?
飼い主である謎の男は闘犬のブリーダーであり、アラスカのホッキョクグマに勝てる最強のマスチーフ犬に鍛え上げるために、わざとブンブンを野良犬の社会に放ったのだった。
単行本
- Grand comics「ほえろボボ〈第一部〉」全1巻(1978年、翠楊社)※COM版
- アクションコミックス「ほえろブンブン」全2巻(1980年、双葉社)※COM版に加筆修正を加えたもの
- ヒーローコミックス「ほえろブンブン」全3巻(1980年、日本文芸社)※東京新聞ほか版
- 電子書籍「ほえろブンブン」全4巻(2000年、eBookJapan)※東京新聞ほか版
アニメ版
以下のアニメ作品が制作されている。それぞれにストーリーの繋がりは全くない。
企画書・パイロットフィルム
ほえろボボ
1972年頃によみうりテレビで企画されていたが、諸般の事情で幻に終わった企画。早稲田大学演劇博物館に企画書が所蔵されている。1973年には本作のリメイク版が連載されていた「テレビランド」において「テレビ化決定」との煽り文句が掲載されていた。
本企画との関連性は不明であるが、ナックのフィルム倉庫には「ボボ」と書かれたパイロット版のフィルムが所蔵されている。[3]。なお、よみうりテレビとナックは前年に「いじわるばあさん」において手を組んでいる。
のら犬ペスの冒険
ナックの企画・制作によるパイロットフィルム。2000年代初頭にニューシネマジャパンから発売されたDVD「アニメの王国・ドナルドダック」および2021年にベストフィールドから発売された『チャージマン研!』のBlu-ray付属の特典DVDに収録[4][5]。
前述の理由により、今作では「ボボ」から「ペス」にタイトルが変更されている。作中には「BOBO」と書かれたタイヤが登場するシーンが存在し、原作が「ほえろボボ」であることを示唆している。また、ペスの声を野沢雅子が演じている。
テレビアニメ
ほえろブンブン(単発特番)
東京12チャンネル(現:テレビ東京)にて1980年4月2日にアニメ特番として放送された。和光プロダクション制作。30分ものが3本のオムニバス形式で[6]、テレビシリーズとのストーリー上の繋がりは無い。映像ソフト化はされていない。
ほえろブンブン(テレビシリーズ)
特番の好評を受けて、1980年10月9日から翌年7月9日まで、週一放送のレギュラー番組としてお菓子メーカー・ギンビスの一社提供で放送された。全38話。放送時間は、木曜 19時00分 - 19時30分[7]。
全話の映像ソフト化はされていないが、総集編の形でVHSやDVDが発売されている。なお、2001年にAT-Xやキッズステーションにて再放送が行われたことがある[8]。
キャスト
その他 - 藤本譲、池田勝、屋良有作、たてかべ和也、前田敏子、武藤礼子、向殿あさみ、二又一成、名取幸政、西村知道、石丸博也、潘恵子、千葉繁、他
スタッフ
- ※なお、OPクレジットには表示されないが、『中日新聞』と『東京新聞』の日曜版にも連載されていた。
- 企画 - 高橋澄夫(和光プロダクション)
- プロデューサー - 江津兵太(東京12チャンネル)、郷田三郎(和光プロダクション)
- 制作デスク - 杉山健児
- 脚本 - 鳥海尽三、海老沼三郎、三宅直子、山中延高、雨宮雄児、中原朗 他
- チーフディレクター、演出 - 大町繁
- サブ・ディレクター - 正木修一
- 作画監督 - 昆進之介、森安夫、鈴木英二、篠田章、鈴木康彦
- 原画 - 平山則夫、鈴木康彦、井上和夫、外山一博、原完治、箕輪美恵子、田渕正三、アド・コスモ他
- 動画 - 滑川悟、林田雅子、正井融、小山規、堀田繁夫、佐藤隆幸、土肥一宏、堀口元気、中島京子、福山正敏、佐々木真由美、只野和子、荒木理恵、臼井孝二、池内美雪、本間典子、岩堀房子、鈴木大介、高橋公、藤井一郎、豊島光子、富川由紀子、祝浩司、井内弘子、他
- 美術 - 畑淳一、池田祐二、小林七郎
- 色指定 - 伏見和、高橋行子、田島好永、伊藤早苗、他
- 仕上 - にしこプロダクション、スタジオ・ユニコーン、龍プロダクション、イージーワールド・プロ、アド・コスモ他
- 撮影監督 - 弘野正之、角田秀一、武川昌志
- 音楽 - 角田圭伊悟、上野哲生
- 録音演出 - 千葉耕市
- 音響効果 - 佐藤一俊(E&M)
- 音響プロデューサー - 千田啓子
- オーデオ制作 - 千田啓子(クルーズ)
- 現像 - 東京現像所
- 製作 - 東京12チャンネル、和光プロダクション
主題歌
オープニングテーマ
- 「遙かなる旅路」
- 作詞 - 村野守美、雨宮雄児 / 作曲 - 角田圭伊悟 / 編曲 - 上野哲生 / 唄 - 松尾香
エンディングテーマ
- 「ママのセレナーデ」
- 作詞 - 雨宮雄児 / 作曲 - 角田圭伊悟 / 編曲 - 上野哲生 / 唄 - 松尾香
※主題歌EPは、東芝EMI(現 - EMIミュージック・ジャパン)からリリースされた。
各話リスト
話 |
サブタイトル |
初回放送日
|
1 |
母を探して・・・川をながされてきた小犬 |
1980年 10月9日
|
2 |
母を探して・・・のら犬のおきて |
10月16日
|
3 |
母を探して・・・ぼく、のら犬になるんだ |
10月23日
|
4 |
母を探して・・・ブンブン、旅に出る |
10月30日
|
5 |
母を探して・・・闘犬ラッキーの友情 |
11月6日
|
6 |
母を探して・・・ブンブンの初恋 |
11月13日
|
7 |
母を探して・・・ブンブン、危機一髪 |
11月20日
|
8 |
母を探して・・・ゴーストタウンの口笛 |
11月27日
|
9 |
母を探して・・・犬のいない町 |
12月4日
|
10 |
母を探して・・・ハイヒールをはいたポンタ |
12月11日
|
11 |
母を探して・・・ブンブン、サーカスで闘う |
12月18日
|
12 |
母を探して・・・ママは金網の中 |
12月25日
|
13 |
母を探して・・・ママの顔はどんな顔? |
1981年 1月8日
|
14 |
母を探して・・・火を吹く銃口 |
1月15日
|
15 |
母を探して・・・砂漠で生きろ |
1月22日
|
16 |
母を探して・・・嵐に負けるな |
1月29日
|
17 |
母を探して・・・のら犬の城 |
2月5日
|
18 |
母を探して・・・嵐に走れ!SOS |
2月12日
|
19 |
母を探して・・・死神のいる町 |
2月19日
|
20 |
母を探して・・・炎の森の奇跡 |
2月26日
|
21 |
母を探して・・・闘犬師のワナ |
3月5日
|
22 |
母を探して・・・めざせ!ママのいる町 |
3月12日
|
23 |
母を探して・・・乱闘・闘犬場 |
3月19日
|
24 |
母を探して・・・あれがママの声 |
3月26日
|
25 |
ママに会う日・・・ママ、ぼく、ブンブンだよ |
4月9日[9]
|
26 |
母を探して・・・新しい旅立ち |
4月16日
|
27 |
母を探して・・・ママの箱舟 |
4月23日
|
28 |
母を探して・・・ワンワン大脱走 |
4月30日
|
29 |
母を探して・・・5匹の小犬 |
5月7日
|
30 |
母を探して・・・草原の対決 |
5月14日
|
31 |
母を探して・・・消えた猛獣 |
5月21日
|
32 |
母を探して・・・死神の洞窟 |
5月28日
|
33 |
母を探して・・・闘犬場の決闘 |
6月4日
|
34 |
母を探して・・・のら犬の友情 |
6月11日
|
35 |
母を探して・・・ママが呼んでいる |
6月18日
|
36 |
母を探して・・・大空へ消えたママ |
6月25日
|
37 |
母を探して・・・銃撃戦の町 |
7月2日
|
38 |
母を探して・・・ママ、もうどこにも行かないで |
7月9日
|
放送局
放送時間は個別に出典が提示されているものを除き1980年10月中旬 - 11月上旬時点のものとする[10]。
- 東京12チャンネル:木曜 19:00 - 19:30
- 青森放送:火曜 17:00 - 17:30(1980年10月21日から放送開始)
- 秋田テレビ:月曜 17:00 - 17:30
- 山形テレビ:日曜 6:00 - 6:30[11]
- 福島中央テレビ:日曜 7:00 - 7:30(1981年5月 - 9月)→ 日曜 6:15 - 6:45(1981年11月 - 1982年1月)[12]
- 新潟総合テレビ:火曜 17:30 - 18:00[13]
- KBS京都:金曜 18:30 - 19:00
- サンテレビ:木曜 19:00 - 19:30
劇場アニメ
ほえろブンブン
1987年4月にマッドハウスによって劇場アニメ化された。キャストやスタッフはテレビアニメ版とは異なる。
キャスト
スタッフ
脚注
- ^ 雑誌自体は1971年12月号で休刊したが、COMコミックス自体は1972年まで続いた。
- ^ “「村野守美先生を偲ぶ会・タエに会いに来て」”. まるごと広報代行サービス PRナビ (2011年8月18日). 2020年10月10日閲覧。
- ^ “チャー研でお馴染みの株式会社ICHIさんのツイート: "今日は倉庫の整理なんDA★Y"”. @ICHI_PRO. 2019年1月31日閲覧。
- ^ “アニメDVD アニメの王国 ドナルドダック”. 駿河屋. 2021年11月27日閲覧。
- ^ “第125集 チャージマン研! Blu-ray”. ベストフィールド. 2021年11月27日閲覧。
- ^ 杉山卓『青春アニメ・グラフィティ―テレビ編』集英社、1981年。
- ^ 『毎日新聞』1980年10月9日付朝刊、テレビ欄。
- ^ “スカイパーフェクTV ~番組案内~(過去ログ2)”. スカイパーフェクTV. 2019年1月31日閲覧。
- ^ 特番として放送
- ^ 「全国放映リスト」『アニメージュ』1980年11月号、徳間書店、112 - 113頁。
- ^ 『日刊スポーツ』1981年4月26日付テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1981年5月3日 - 9月27日、11月29日 - 1982年1月31日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『日刊スポーツ』1981年4月28日付テレビ欄。
外部リンク
|
---|
テレビアニメ |
---|
1970年代 | | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
|
|
劇場アニメ |
---|
1980年代 | | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
|
|
|
|
|
|