1965年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)

プロ野球ドラフト会議 > 1965年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)

1965年度新人選手選択会議
巨人のドラフト1位で指名された堀内
ドラフト概要
開催日	1965年11月17日
開催地	東京都千代田区
会場	日生会館
司会	伊東一雄
制度	1巡目：重複くじ引き（名簿提出） 2巡目以下：変則ウェーバー
指名数	132名
入団拒否	80名（不交渉含む）
複数球団指名
2球団
森安敏明（投手・関西高）東映交渉権獲得
田端謙二郎（投手・電電九州）近鉄交渉権獲得
NPBドラフト会議 1966 »

1965年度新人選手選択会議（1965ねんどしんじんせんしゅせんたくかいぎ）は、1965年11月17日に日比谷日生会館で行われた第1回のプロ野球ドラフト会議である。

概要

• 球団は連盟に獲得希望選手名簿を提出。名簿内では希望順に1番から12番も記載（プロ野球ドラフト会議#ドラフト制度の変遷も参照）。
• 1位指名選手限定で、希望順1番が他球団と重複でなければ指名交渉権確定。重複した場合は抽選。
• 抽選で外れた場合は希望順2番、駄目なら3番と進行・・・以下、再度の重複があればその度に抽選。
• 2位以下の指名選手はウェーバー方式と逆ウェーバー方式を採用。
• ウェーバー方式による指名順は近鉄 - サンケイ - 東京 - 広島 - 阪急 - 大洋 - 西鉄 - 阪神 - 東映 - 中日 - 南海 - 巨人
• 指名選手数は1球団30名まで。
• 全12球団が参加し、合計で132人の選手を指名した。しかし、後述のように意中の球団とは異なる球団から指名されたことや野球活動終了後の安定した暮らしを目的として社会人野球行きを望んでいることを理由とした入団拒否、選手を指名したにもかかわらず球団自ら入団交渉を行わなかったケースが相次ぎ、その結果、実際に指名球団に入団したのは全体の半分以下となる50人（入団率約37.9％）だけだった^[1]。
  • サンケイは11人指名したが、入団にまで至ったのは2人だけだった^[1]。特に1位指名を受けた河本和昭は入団拒否。プロ野球史上初の1位指名選手の入団拒否である。
  • 広島が18位まで指名したのに対し、南海は4位で指名終了するなどチームにより指名選手の数に大きな差があった。
  • 西鉄は16位まで指名したが、そのうち13人が入団を拒否した（球団が指名後交渉せず、そのまま交渉権失効となった選手を含む）。
  • 中日が10位指名した松井猛は、過去にプロ経験があり（大毎に2年間在籍）、柳川事件直前にアマ復帰している。プロ野球（NPB）経験者が唯一ドラフト指名された例である（現在の制度では、アマ復帰した元プロ選手のプロ復帰時にはドラフトにかける必要がない）。

選択希望選手一覧

チーム	近鉄	サンケイ	東京	広島	阪急	大洋	西鉄	阪神	東映	中日	南海	巨人
1巡目①	田端謙二郎	森安敏明	大塚弥寿男	田端謙二郎	長池徳二	岡正光	浜村孝	石床幹雄	森安敏明	豊永隆盛	牧憲二郎	堀内恒夫
1巡目②	---	河本和昭	---	佐野真樹夫	---	---	---	---	---	---	---	---
2巡目→	鈴木啓示	山本寛	木樽正明	白石静生	斎藤喜	加藤俊夫	吉岡宣男	藤田平	広畑良次	新宅洋志	阿天坊俊明	林千代作
3巡目←	長井繁夫	川上宣緒	嵯峨野昇	鎌田豊	住友平	淵上澄雄	三浦健二	北角富士雄	浜口春好	広野功	山本堯二	江藤省三
4巡目→	飯田幸夫	浜口政信	塩谷守也	水谷実雄	谷沢健一	岸勝之	江本孟紀	久野剛司	三田晃	平松政次	栗崎日出男	広瀬邦敏
5巡目←	松原良明	高橋恒夫	簾内政雄	河端良二	豊田憲司	樋口実	田中辰次	石井満	阪本敏三	平野年明	---	才所俊郎
6巡目→	田中章	山田豊彦	真崎勝	山元二三男	小田義人	紺野功	安友定吉	岡村晃	遠山明	高岡英司	---	宇佐美敏晴
7巡目←	渡辺立也	柿木孟	佐藤元彦	竹野吉郎	神山修	白井秀樹	吉原勉	松原保雄	落合勤一	小弓場保	---	西山敏明
8巡目→	得津高宏	細川昌俊	広瀬幸司	福島久	中田拓	小山正	久木田正昭	下田典隆	米沢武	永江健一	---	深津修司
9巡目←	金子準一	島谷金二	川藤竜之輔	上柏徳治	水谷勇	竹之内雅史	少弐克也	井石裕也	---	仲子隆司	---	---
10巡目→	---	柳田四郎	吉川和男	石原昌美	黒田正宏	石崎一夫	坂元健	---	---	松井猛	---	---
11巡目←	---	市川幸男	池田昭洋	宇都宮勝	浜敏男	---	衛藤雅登	---	---	鳥谷元	---	---
12巡目→	---	---	大戸洋儀	矢崎健治	安岡静夫	---	岩田宗彦	---	---	---	---	---
13巡目←	---	---	石井一男	沖本光昭	佐々木保昌	---	小室光男	---	---	---	---	---
14巡目→	---	---	城戸徳夫	杵島永至	---	---	京田憲治	---	---	---	---	---
15巡目←	---	---	児玉好弘	池田重喜	---	---	蔵原偉吾	---	---	---	---	---
16巡目→	---	---	---	山本真一	---	---	太田喜一郎	---	---	---	---	---
17巡目←	---	---	---	川内雄富	---	---	---	---	---	---	---	---
18巡目→	---	---	---	下村栄二	---	---	---	---	---	---	---	---

• 太字は交渉権確定、色付きの選手は指名が重複した選手。
• 2巡目以下は矢印の向きの順に指名。
• 背景色が暗い選手は、入団に至らなかった選手（球団が入団交渉の着手をしなかった場合を含む）。

球団別選択選手

拒否については、球団が指名した後に交渉を実施せず、そのまま失効（事実上の交渉権放棄）となった選手についても便宜上含める。

近鉄バファローズ

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	田端謙二郎	投手	電電九州	入団
2位	鈴木啓示	投手	育英高	入団
3位	長井繁夫	内野手	PL学園高	交渉権放棄・中央大学進学
4位	飯田幸夫	内野手	横浜高	入団
5位	松原良明	外野手	米子工業高	入団
6位	田中章	投手	日本通運	拒否
7位	渡辺立也	捕手	徳島商業高	交渉権放棄・関西大学進学
8位	得津高宏	外野手	PL学園高	交渉権放棄・クラレ岡山入社
9位	金子準一	投手	今治南高	交渉権放棄・同年ドラフト外で西鉄入団

サンケイスワローズ

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	河本和昭	投手	広陵高	交渉権放棄・亜細亜大学進学
2位	山本寛	投手	愛知高	入団
3位	川上宣緒	内野手	鐘紡	交渉権放棄
4位	浜口政信	投手	別府鶴見丘高	入団
5位	高橋恒夫	投手	富士重工業	交渉権放棄
6位	山田豊彦	投手	大鉄高	交渉権放棄・近畿大学進学
7位	柿木孟	投手	田原本農業高	交渉権放棄・デュプロ印刷機入社
8位	細川昌俊	投手	志度商業高	交渉権放棄・東洋大学進学
9位	島谷金二	内野手	四国電力	交渉権放棄
10位	柳田四郎	投手	豊川高	交渉権放棄・トヨタ自動車入社
11位	市川幸男	捕手	武相高	交渉権放棄・髙島屋入社

東京オリオンズ

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	大塚弥寿男	捕手	早稲田大学	入団
2位	木樽正明	投手	銚子商業高	入団
3位	嵯峨野昇	内野手	日立製作所	入団
4位	塩谷守也	捕手	育英高	拒否・専修大学進学
5位	簾内政雄	投手	日本鉱業日立	拒否
6位	真崎勝	投手	羽幌クラブ	拒否
7位	佐藤元彦	投手	サッポロビール	入団
8位	広瀬幸司	捕手	日本石油	拒否
9位	川藤竜之輔	投手	若狭高	入団
10位	吉川和男	内野手	糸魚川高	入団
11位	池田昭洋	捕手	小野田工業高	拒否・駒澤大学入学
12位	大戸洋儀	外野手	鐘紡淀川	拒否
13位	石井一男	捕手	相洋高	拒否・コロムビア入社
14位	城戸徳夫	投手	博多高	拒否・電電九州入社
15位	児玉好弘	投手	日本軽金属	拒否

広島カープ

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	佐野真樹夫	内野手	専修大学	入団
2位	白石静生	投手	四国鉄道管理局	入団
3位	鎌田豊	外野手	法政大学	入団
4位	水谷実雄	投手	宮崎商業高	入団
5位	河端良二	投手	伏見工業高	交渉権放棄・大阪商業大学進学
6位	山元二三男	内野手	鹿児島照国高	入団
7位	竹野吉郎	外野手	駒澤大学	入団
8位	福島久	捕手	PL学園高	交渉権放棄・大昭和製紙入社
9位	上柏徳治	内野手	崇徳高	交渉権放棄・亜細亜大学進学
10位	石原昌美	投手	電電琉球	交渉権放棄
11位	宇都宮勝	投手	専修大学	拒否・電電関東入社
12位	矢崎健治	投手	巨摩高卒	入団
13位	沖本光昭	外野手	呉港高	交渉権放棄・芝浦工業大学進学
14位	杵島永至	外野手	香椎高	交渉権放棄・国士舘大学進学
15位	池田重喜	投手	日本鉱業佐賀関	拒否
16位	山本真一	内野手	専修大学中退	入団
17位	川内雄富	外野手	広陵高中退	入団
18位	下村栄二	投手	名古屋商科大学中退	入団

阪急ブレーブス

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	長池徳二	外野手	法政大学	入団
2位	斎藤喜	内野手	習志野高	入団
3位	住友平	内野手	明治大学	入団
4位	谷沢健一	外野手	習志野高	交渉権放棄・早稲田大学進学
5位	豊田憲司	投手	呉港高	交渉権放棄・芝浦工業大学進学
6位	小田義人	内野手	静岡高	交渉権放棄・早稲田大学進学
7位	神山修	投手	日本大学第二高	交渉権放棄・日本大学進学
8位	中田拓	投手	田辺商業高	交渉権放棄・森精機入社
9位	水谷勇	投手	大曲農業高	入団
10位	黒田正宏	捕手	姫路南高	交渉権放棄・法政大学進学
11位	浜敏男	捕手	田辺商業高	交渉権放棄・日本新薬入社
12位	安岡静夫	外野手	横浜高	交渉権放棄・川崎市水道局入局
13位	佐々木保昌	外野手	熊谷高	交渉権放棄・進学

大洋ホエールズ

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	岡正光	投手	保原高	入団
2位	加藤俊夫	捕手	仙台育英高	拒否・日本軽金属入社
3位	淵上澄雄	投手	岐阜短期大学付属岐阜高	入団
4位	岸勝之	投手	横浜高	入団
5位	樋口実	投手	羽幌炭鉱	交渉権放棄
6位	紺野功	投手	磐城高	交渉権放棄・全常磐入部
7位	白井秀樹	投手	帝京高	交渉権放棄・本田技研入社
8位	小山正	捕手	気仙沼高	入団
9位	竹之内雅史	内野手	日本通運	交渉権放棄
10位	石崎一夫	内野手	仙台育英高	入団

西鉄ライオンズ

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	浜村孝	内野手	高知商業高	入団
2位	吉岡宣男	内野手	立命館大学	交渉権放棄・日本生命入社
3位	三浦健二	投手	日本石油	拒否
4位	江本孟紀	投手	高知商業高	拒否・法政大学進学
5位	田中辰次	内野手	鷺宮製作所	入団
6位	安友定吉	外野手	徳島商業高	交渉権放棄・四国電力入社
7位	吉原勉	内野手	高松商業高	交渉権放棄・芝浦工業大学進学
8位	久木田正昭	捕手	鹿児島実業高	交渉権放棄・日本鉱業佐賀関入社
9位	少弐克也	捕手	電電九州	交渉権放棄
10位	坂元健	投手	都城農業高	交渉権放棄・電電関東入社
11位	衛藤雅登	投手	別府大学附属高	交渉権放棄・大東文化大学進学
12位	岩田宗彦	捕手	市立岐阜商業高	交渉権放棄・愛知学院大学進学
13位	小室光男	内野手	松江商業高	入団
14位	京田憲治	内野手	鹿児島玉龍高	交渉権放棄・立教大学進学
15位	蔵原偉吾	外野手	熊本工業高	交渉権放棄・日本軽金属入社
16位	太田喜一郎	外野手	立命館大学	交渉権放棄・日本楽器入社

阪神タイガース

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	石床幹雄	投手	土庄高	入団
2位	藤田平	内野手	市立和歌山商業高	入団
3位	北角富士雄	投手	東邦高	拒否・同年ドラフト外で中日入団
4位	久野剛司	投手	同志社大学	入団
5位	石井満	投手	日本石油	交渉権放棄
6位	岡村晃	内野手	関西大学	交渉権放棄・河合楽器入社
7位	松原保雄	捕手	高松商業高	交渉権放棄・芝浦工業大学進学
8位	下田典隆	内野手	広陵高	交渉権放棄・専修大学進学
9位	井石裕也	内野手	浪速高	拒否・早稲田大学進学

東映フライヤーズ

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	森安敏明	投手	関西高	入団
2位	広畑良次	投手	橋本高	拒否・立教大学進学
3位	浜口春好	内野手	電電近畿	入団
4位	三田晃	投手	大昭和製紙	拒否
5位	阪本敏三	内野手	立命館大学	拒否・河合楽器入社
6位	遠山明	投手	桜宮高	交渉権放棄・大東文化大学進学
7位	落合勤一	投手	実践商業高	入団
8位	米沢武	内野手	明治大学	拒否・クラレ岡山入社

中日ドラゴンズ

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	豊永隆盛	投手	八代第一高	入団
2位	新宅洋志	捕手	駒澤大学	入団
3位	広野功	内野手	慶應義塾大学	入団
4位	平松政次	投手	岡山東商業高	拒否・日本石油入社
5位	平野年明	投手	八幡製鐵	拒否
6位	高岡英司	投手	富士製鐵広畑	入団
7位	小弓場保	投手	日本生命	拒否
8位	永江健一	投手	鹿児島実業高	交渉権放棄・日本鉱業佐賀関入社
9位	仲子隆司	投手	日本楽器	拒否
10位	松井猛	外野手	電電北海道	交渉権放棄
11位	鳥谷元	投手	築上中部高	入団

南海ホークス

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	牧憲二郎	投手	高鍋高	入団
2位	阿天坊俊明	内野手	銚子商業高	拒否・立教大学進学
3位	山本堯二	投手	長田高	拒否・慶應義塾大学進学
4位	栗崎日出男	外野手	柳川商業高	入団

読売ジャイアンツ

順位	選手名	守備	所属	結果
1位	堀内恒夫	投手	甲府商業高	入団
2位	林千代作	外野手	鎌倉学園高	入団
3位	江藤省三	内野手	慶應義塾大学	入団
4位	広瀬邦敏	外野手	大竹高	拒否・芝浦工業大学進学
5位	才所俊郎	外野手	河合楽器	入団
6位	宇佐美敏晴	投手	西条高	入団
7位	西山敏明	外野手	津山商業高	拒否・駒澤大学進学
8位	深津修司	内野手	中京商業高	拒否・北海道拓殖銀行入行

脚注

1. ^ TBSテレビ (2022年10月17日). “入団率わずか37.9％！第1回ドラフト会議は“入団拒否”連発だった”. TBS NEWS DIG. 2022年10月17日閲覧。