柳田 真孝 (やなぎだ まさたか、1979年 (昭和 54年)6月4日 - )は、東京都 出身のレーシングドライバー 。
プロフィール
身長:174cm
体重:59.8kg
血液型 :Rh+AB型
愛車:日産・フーガ 、フェアレディZ
愛称:マー、マー君など
家族:父の柳田春人 も元日産ワークスのレーシングドライバーで、現役当時は「Zの柳田」「(フェアレディ)Z使い」「雨の柳田」と呼ばれていたことから、一部では「二代目Zの柳田」「二代目Z使い」と呼ばれている。春人はフェアレディZ専門ショップ『セントラル20 』の創業者で、2023年7月に真孝が後を継ぎ二代目社長に就任した。弟の柳田亮は医師で、GTドライバーの心拍数に関する論文も書いている。
経歴
S Road MOLA GT-R(2014年)
幼少期に父・春人に連れられたF1 日本グランプリに参戦していた鈴木亜久里 の進言でカートレーシング を始め、1993年にカートレースにデビューする。1996年に全日本カート選手権デビュー、翌1997年には、立川祐路 と同じくエルフ(現TOTAL )のスカラシップを獲得して渡仏する。その後、フランス ・フォーミュラ・キャンパスに出場し、開幕戦優勝を果たすなど活躍した。1998年にはフランス・フォーミュラ・ルノー にシリーズ参戦する。1999年には日本へ帰国し、フォーミュラ・ドリーム (~2000年)に参戦、共にシリーズ2位となる。
2001年より全日本GT選手権 (現SUPER GT )・GT300クラスにフル参戦を開始する。2001年は長谷見昌弘 率いるハセミ・モータースポーツ よりシルビア で参戦。第2戦・第4戦・第6戦と2位3回でシリーズ4位。2002年も同様の体制で参戦し、第3戦で初優勝を飾り、シリーズ3位。2003年にはフェアレディZ に車種変更し、待望のGT300クラス・シリーズチャンピオンを獲得した。2004年は、ダイシンに移籍してGT300クラスに引き続き参戦したが、シリーズ6位で終わる(PP獲得2回)。
2005年よりGT500クラスにステップアップし、NISMO よりフル参戦した。GT500初の開幕戦は予選でポールポジション を獲得したが、スタートに失敗して順位を3位に下げてしまった上に後方の車と接触し、スピンしコースアウトするなど散々な結果に終わる。その後は立ち直り、パートナーのミハエル・クルム の力もありチャンピオン争いに絡むもシリーズ5位に終わった。
2006年は、新たにGT500クラスに参戦した近藤真彦 率いるKONDO Racing に移籍した。ベテランエリック・コマス とコンビを組んだが、新規に装着したヨコハマタイヤ のタイヤ開発がうまく進まず苦戦を強いられた。なお、この年から全日本選手権フォーミュラ・ニッポン にも参戦。チームは、SUPER GTと同じくKONDO Racingでシリーズ14位に終わる。
2007年は、SUPER GT(GT500クラス)・フォーミュラ・ニッポン・スーパー耐久 (ST-class1)に参戦したが、特筆すべき成績は残せなかった。GTでは古巣のハセミ・モータースポーツに復帰し、ホンダ から移籍のセバスチャン・フィリップ とコンビを組んだ。フォーミュラ・ニッポンは引き続きKONDO Racing、スーパー耐久はPETRONAS SYNTIUM TEAMからそれぞれ参戦した。
2008年は、それまでの成績不振が響きフォーミュラ・ニッポンのシートを失ったが、GTでは再度NISMOに移籍し、2005年と同じミハエル・クルムとコンビを組み参戦した。なお使用車両はGT-R に変更となった。開幕戦の鈴鹿でピットアウト直後にGT300のマシンが絡んだ際に接触し、本山哲 の先行を許し、新型GT-Rのデビューウィンを自らが飾ることは成らなかった。この後第4戦のセパンでARTA NSX の伊沢拓也 に接触を受け、伊沢のペナルティによって首位に立つも、柳田がステアリングのスイッチを押し間違え、ピットロード用のリミッターを作動させるミスを犯し(セパン戦直前にドリンク吸引用のスイッチとリミッターのスイッチが入れ替わっていたのだが、柳田が失念していた)、KONDO Racingの荒聖治 にパスされ、ここでも優勝を逃した。最終戦までチャンピオンの権利を有していたものの、この年は同じNISMOの本山、トレルイエ組が王座を獲得し、シリーズ7位に終わった。
2009年は、MOLA に移籍し、再びSUPER GTのGT300クラスに参戦し、1勝を挙げたもののシリーズ7位に終わった。
2010年は、ハセミ・モータースポーツに三度移籍し、星野一樹 とのタッグでGT300クラス・シリーズチャンピオンを獲得した。
2011年は、MOLAに再び移籍し、SUPER GTのGT500クラスに、インパル から移籍したロニー・クインタレッリ とパートナーを組んで参戦した。チームは初のGT500クラスへの参戦であったが、使用したミシュランタイヤ の性能が他社を上回ったこともあり、シリーズを優位に進めるに至った。第4戦のSUGO で、念願の500クラスでの初勝利を挙げた。その後もランキングトップは維持していたが、NISMOの本山、トレルイエ組が猛追し、タイトル争いは最終戦のもてぎ までもつれ込んだ。柳田は終盤に本山に首位を明け渡したものの2位に入り、自身初のGT500クラス・シリーズチャンピオンを獲得した。なお、GT300・GT500の両クラスをまたぐ形の連覇は史上初である。
2012年も、MOLAからクインタレッリとのコンビでGT500クラスに参戦。序盤3戦こそ苦しんだが、第4戦のSUGOでの3位を皮切りに5戦連続表彰台と他を圧倒。第5戦の鈴鹿1000㎞でポールトゥウィンを挙げると、第6戦の富士 では2位に入り、そして第7戦のオートポリス (AP)で再び勝利し、この時点での王座を確定させた。500クラスで最終戦前に王座を獲得したのは、2007年にARTA NSXの伊藤大輔 、ラルフ・ファーマン 組以来5年ぶりで、また史上初の同一コンビによるシーズン2連覇も達成した。最終戦のもてぎでも2位に入り、有終の美を飾っている。
2013年は、クインタレッリとともにNISMOへ再び移籍。柳田、クインタレッリの移籍に合わせて、NISMOもタイヤをブリヂストンから、ミシュランへ変更する。開幕戦岡山、第4戦菅生、第5戦鈴鹿と表彰台に上がるも、シーズンを通して苦戦し、シリーズ6位に終わり、同一コンビでのGT500シリーズチャンピオン3連覇達成はならなかった。また2014年からのDTMとの車両規則統合にともない、クインタレッリとともに、2014年導入予定のGT-R NISMO GT500の開発ドライバーを務めた。
2014年はNISMOからMOLAに復帰。パートナーも3年コンビを組んだ、クインタレッリから、本山哲に変わる。第3戦APでは2位、初開催となった第7戦タイではパートナーの本山哲がポールポジションを獲得するなど、シーズンを通して速さを見せたものの、相次ぐマシントラブルに見舞われ、結果を残せずシリーズ11位で終わる。シーズン途中には、ブランパン耐久シリーズ第4戦スパ24時間レース、プロアマクラスにNISSAN GT Academy Team RJNよりスポット参戦をし、総合38位 クラス19位でレースを終えた。
2015年も、2014年に引き続いて、MOLAより本山哲 とのコンビでSUPER GTに参戦。第3戦タイで、2012年第7戦AP以来、2年半ぶりに優勝。第6戦SUGOも2位表彰台に上がったが、その後は苦戦しシリーズ6位に終わる。SUPER GTのほか、アジアン・ル・マン・シリーズ のLMP3クラスにTEAM AAIより参戦。またスーパー耐久 (ST-Xclass)開幕戦もてぎに、GTNET MOTOR SPORTSよりNISSAN GT-R NISMO GT3でスポット参戦をした。
2016年は、KONDO Racing(#24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R)に移籍。佐々木大樹 選手と組んで、SUPER GT、GT500クラスに参戦することが発表された。このシーズンでは第4戦SUGOと第3戦ツインリンクもてぎ(熊本地震 の影響により中止となったオートポリスの代わりに最終戦の土曜日に行われたレース)にてタイヤ無交換作戦を成功させ、優勝を果した。
2017年はKONDO Racingを離れ、GT300クラスの一ツ山レーシング から参戦する事か発表された。同時に韓国のCJスーパーレース にアトラスBXから参戦を開始した[ 1] 。
2019年から2023年はNISMOドライビングアカデミーの副校長、2024年同アカデミーの2代目校長に就任。
2023年、スーパー耐久シリーズに参戦するTEAM ZEROONEのチームゼネラルアドバイザーに就任。
2024年、スーパー耐久シリーズに参戦するTEAM ZEROONEのチーム監督に就任。
近年はビジネスにも積極的で、スーパー耐久 へのハンコックタイヤ のワンメイク供給の契約には柳田も関わっている[ 2] 。
レース戦績
1996年 - 全日本カート選手権・FRクラス
1997年 - フランス・フォーミュラ・キャンパス(1勝)
1998年 - フランス・フォーミュラルノー
1999年 - フォーミュラ・ドリーム(#8 日本カルミック FD99/FD-99 MF224)(シリーズ2位・1勝)
2000年
フォーミュラ・ドリーム(#1 ARTA FD/FD-99 MF224)(シリーズ2位・3勝)
Formula Dream Super Chllenge Race(#1 ARTA FD/FD-99 MF224)(決勝10位)
2001年
全日本F3選手権(TODA RACING #2 戸田無限ホンダ FIGHTEX/ダラーラ F300 MF204B)(シリーズ8位)
全日本GT選手権・GT300クラス (ハセミ・モータースポーツ #3 ユニシアジェックスシルビア/シルビア S15 SR20DET)(シリーズ4位)
2002年 - 全日本GT選手権・GT300クラス (ハセミ・モータースポーツ #3 ユニシアジェックスシルビア/シルビア S15 SR20DET)(シリーズ3位・1勝)
2003年
全日本F3選手権<Rd.3&4 スポット参戦>(ThreeBond Racing #14 ThreeBond/ダラーラF302 SR20VE)(シリーズ17位)
全日本GT選手権・GT300クラス(ハセミ・モータースポーツ #3 ハセミスポーツ・エンドレスZ/フェアレディZ Z33 VQ35DE)(シリーズチャンピオン)
2004年
全日本F3選手権(Three Bond #14 Three Bond/ダラーラF302 SR20VE)(シリーズ10位)
全日本GT選手権・GT300クラス(TEAM DAISHIN #81 シーウエストダイシンアドバンZ/フェアレディZ Z33 VQ35DE)(シリーズ6位)
スーパー耐久シリーズ・Class3<Rd.1&5>(RS中春 #245 モバイルキャストアドバンZ/フェアレディZ Z33)
スーパー耐久シリーズ・Class3<Rd.2>(C-WEST LABS #23 C-WEST ORCアドバンZ/フェアレディZ Z33)
第33回インターナショナルPokka1000kmレース・S-Eクラス(#230 MOTUL ADVAN Z/フェアレディZ Z33)(決勝DNF)
2005年 - SUPER GT・GT500クラス(NISMO #22 モチュール ピットワーク Z/フェアレディZ Z33 VQ30DETT)(シリーズ5位)
2006年
全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(KONDO Racing #4/ローラB06/51 RV8J)(シリーズ14位)
SUPER GT・GT500クラス(KONDO Racing #24 WOODONE ADVAN KONDO Z/フェアレディZ Z33 VQ30DETT)(シリーズ13位)
第13回十勝24時間レース・STclass3(#23 C-WEST ADVAN Z/フェアレディZ Z33)(総合11位・クラス3位)
2007年
全日本選手権フォーミュラ・ニッポン(CARCHS KONDO RACING #3/ローラB06/51 RV8J)(ノーポイント・完走7回)
SUPER GT・GT500クラス(HASEMI MOTOR SPORT #3 YellowHat YMS モバHO! TOMICA Z/フェアレディZ Z33 VQ30DETT→ VK45DE)(シリーズ12位)
スーパー耐久シリーズ・STclass1(PETRONAS SYNTIUM TEAM #50 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE)(シリーズ5位)
2008年
SUPER GT・GT500クラス(NISMO #22 MOTUL AUTECH GT-R/GT-R R35 VK45DE)(シリーズ7位)
スーパー耐久シリーズ・STclass1(PETRONAS SYNTIUM TEAM #50 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE)(シリーズ2位・3勝)
2009年
SUPER GT・GT300クラス(MOLA #46 エスロード MOLA Z/フェアレディZ Z33 VQ35DE)(シリーズ7位・1勝)
スーパー耐久シリーズ・STclass1(PETRONAS SYNTIUM TEAM #1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE)(シリーズチャンピオン・5勝)
2010年
SUPER GT・GT300クラス(HASEMI MOTOR SPORT #3 TOMICA Z/フェアレディZ Z33 VQ35DE)(シリーズチャンピオン・1勝)
スーパー耐久シリーズ・STclass1(PETRONAS SYNTIUM TEAM #1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE)(シリーズチャンピオン・6勝)
2011年
SUPER GT・GT500クラス(MOLA #46 S Road MOLA GT-R/NISSAN GT-R R35 VRH34A→VRH34B)(シリーズチャンピオン・1勝)
スーパー耐久シリーズ・STclass1(PETRONAS SYNTIUM TEAM #1 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M COUPE)(シリーズチャンピオン・6勝)
Malaysia Merdeka Endurance Race 2011(PETRONAS SYNTIUM TEAM #15 Mercedes-Benz SLS AMG GT3)(総合優勝)
2012年
SUPER GT・GT500クラス(MOLA #1 S Road REITO MOLA GT-R/NISSAN GT-R R35/VRH34B)(シリーズチャンピオン・2勝)
Malaysia Merdeka Endurance Race 2012・GTクラス(PETRONAS SYNTIUM TEAM #1 Mercedes-Benz SLS AMG GT3)(総合優勝)
スーパー耐久シリーズ・ST-GT3class<Rd.2スポット参戦>(PETRONAS SYNTIUM TEAM #28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3)
2013年 - SUPER GT・GT500クラス(NISMO #23 NISMO GT-R/NISSAN GT-R R35/VRH34B)(シリーズ6位)
2014年
SUPER GT・GT500クラス(MOLA #46 S Road MOLA GT-R/NISSAN GT-R NISMO GT500 NR20A)(シリーズ11位)
ブランパン耐久シリーズ第4戦スパ24時間レース プロアマクラスにNISSAN GT Academy Team RJNよりスポット参戦 (総合38位 クラス19位)
2015年
SUPER GT・GT500クラス(MOLA #46 S Road MOLA GT-R/NISSAN GT-R NISMO GT500 NR20A)(シリーズ6位)
アジアン・ル・マン LMP3クラス(TEAM AAI #89 ADESS-03/NISSAN)(シリーズ LMP3クラス3位)
スーパー耐久シリーズ・ST-XClass<Rd.1>(GTNET MOTOR SPORTS #1 GTNET ADVAN C-WEST GT-R/NISSAN GT-R NISMO GT3)(決勝DNF)
2016年 - SUPER GT・GT500クラス(KONDO RACING #24 フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R/NISSAN GT-R NISMO GT500 NR20A)(シリーズ7位)
2017年
SUPER GT・GT300クラス(Audi Team Hitotsuyama #21 Hitotsuyama Audi R8 LMS)(シリーズ20位)
CJ LOGISTICS SUPERRACE・CADILLAC 6000クラス(ATLAS BX RACING TEAM)
2018年
SUPER GT・GT300クラス<Rd.5> (TOMEI SPORTS #360 RUNUP RIVAUX GT-R/NISSAN GT-R NISMO GT3)
CJ LOGISTICS SUPERRACE・CADILLAC 6000クラス(ATLAS BX RACING TEAM)
2019年 - CJ LOGISTICS SUPERRACE・CADILLAC 6000クラス(ATLAS BX RACING TEAM)
2020年 - SUPER GT・GT300クラス(Cars Tokai Dream28 #2 シンティアム・アップル・ロータス/LOTUS SGT-EVORA )(シリーズランキング10位・1勝)
2021年 - SUPER GT・GT300クラス(Arnage Racing #50 Arnage AMG GT3/Mercedes-AMG GT3 EVO)
2022年 - SUPER GT・GT300クラス<Rd.1~3> (BUSOU Drago Corse #34 BUSOU raffinee GT-R/NISSAN GT-R NISMO GT3)(シリーズランキング20位)
2023年 - SUPER GT・GT300クラス<Rd.2~4> (BMW Team Studie×CRS #7 Studie BMW M4/BMW M4 GT3)(シリーズランキング10位・1勝)
全日本フォーミュラ3選手権
フォーミュラ・ニッポン
全日本GT選手権/SUPER GT
主要レース通算戦績
GT500クラス (通算勝利数・6勝)(最高シリーズランキング・1位-2011年・2012年)
GT300クラス (通算勝利数・4勝)(最高シリーズランキング・1位-2003年・2010年)
STclass1 (通算勝利数・14勝)(最高シリーズランキング・1位-2009年・2010年・2011年)
脚注
外部リンク
全日本GT選手権
SUPER GT
1 94 - 95年まではGT1クラス。
2 94 - 95年まではGT2クラス。
GT500 GT300
10: GAINER (富田竜一郎 (Rd.1-6,8)/大草りき /塩津佑介 (Rd.2,4,5,7))
11: GAINER (安田裕信 /石川京侍 )
34: BUSOU Drago CORSE (Rd.1-3)(柳田真孝 /井出有治 )
48: NILZZ Racing (井田太陽 /田中優暉 (Rd.1,2,4,6-8)/平木湧也 (Rd.3)/甲野将哉 (Rd.4,5))
56: KONDO RACING (藤波清斗 /ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ )
360: TOMEI SPORTS (青木孝行 /田中篤 (Rd.1,2,4,5,7)/柴田優作 (Rd.2-6)/名取鉄平 (Rd.8))