日本交通株式会社(にほんこうつう、英:Nihon Kotsu Co.,Ltd.)は、東京都千代田区紀尾井町に本社を置くハイヤー・タクシー事業者である。略称は「日交(にっこう)」。関係会社も含めたグループの売上高は同業で日本最大である[1][2]。
タクシー事業において、同グループは8,082台(2024年(令和6年)5月時点)の車両を有し[3]、国際自動車と並んで東京地区における最大手となっている[4][5]。また、日本交通は大和自動車交通、帝都自動車交通、国際自動車とともに東京四社営業委員会を組織している。
ロゴマークは「桜にN」の意匠で、タクシー車両の行灯などにも用いられている。
以前は観光バス部門を有していたが、2005年(平成17年)に売却されている[注釈 1]。ニッコー観光バス参照。
東京都内に3営業所を置き、675台の車両を保有する他、954台の運行管理(企業・個人の自家用車運行のアウトソーシング引受)を行っている。保有台数は業界最多[7]。また、後述の日本交通グループ事業者でも独自にハイヤー事業を行っているところがあるが、タクシーとは違って日本交通のハイヤー事業とは関連性がない[注釈 2]。
他の都区部のハイヤー事業者と同様、国賓などの輸送も引き受けることがある[9] という事情から車両は全て国産高級車[注釈 3]を使用し、ワゴンタイプの車両も在籍する[11]。車体カラーは全て黒だが、冷房の無い1950〜60年代には、天井のみ白くした「日交カラー」のハイヤーが存在していた。
タクシー事業においては、東京都の特別区・武三交通圏内に7営業所を置き、同交通圏内の45事業者(子会社13社、業務提携32社)およびその他首都圏・近畿地方の16事業者と共に「日本交通グループ」を組織している。(2024年(令和6年)7月時点)
2023年(令和5年)現在、ジャパンタクシー匠、プリウスα、アルファードの3車種が中心となっている。特に、本体営業所および子会社(直系事業者)のほぼ全車両がジャパンタクシー・匠となっている[12]。提携事業者にはセダンタイプの車両を保有しているところもあるが、積極的にジャパンタクシーへの置き換えが進められている。
本体営業所においては、かつては廉価グレードのクラウンコンフォート・スタンダードとセドリック・オリジナルを導入していたが、黒タク導入後は車体色関係なしにクラウンセダン・スーパーデラックスGパッケージとセドリック・クラシックSVを導入するようになり、一旦は全車ハイグレード化した。ただし、2010年(平成22年)からは四社カラー車においてはクラウンセダン・スーパーデラックスおよびセドリック・スーパーカスタムも導入していた。2017年(平成29年)10月のジャパンタクシー発売後から、子会社を含めたセダンタイプの車種は急速にジャパンタクシーへ置き換えられ、現在に至る。
ナンバープレートは原則無線番号に合わせた希望ナンバーを使用し、対象地域の営業所では全てご当地ナンバーとされている。
提携会社においては、従来は各社の方針で車種を選定していたが、ジャパンタクシー発売以降は積極的にジャパンタクシーへの代替が行われるようになった。ただし、現在も独自の車種を新車購入する事業者もある[注釈 4]。それらの会社では無線番号に合わせた希望ナンバーではない車両も2023年(令和5年)現在残っている。
ワゴンタクシーは、7人乗りミニバン車としてエスクァイアを積極的に導入し、アルファードは少数に留まっていたが、2022年(令和4年)以降は『GO PREMIUM』用にアルファードへ順次代替されている。EDS観光タクシー用にプリウスαのサンルーフ付き車両も保有している。
ドライブレコーダーをタクシー全車に装着しており、事故の際の記録のみならず、映像データの分析により、交通事故の未然防止活動にも役立っている[13]。
車体色は東京四社営業委員会の統一色(四社カラー、黄色地に赤帯)を採用しているが、黒タク(現:ゴールドタクシー、後述)およびワゴン車両は黒一色である[注釈 5]。四社カラーについては、日本交通直営営業所の車両は車体側面に加えてボンネットからトランクにかけても赤帯が配されているが、それ以外のグループ各社は車体側面のみである。
2017年(平成29年)から導入が開始されたトヨタ・ジャパンタクシーは、トヨタ自動車と東京ハイヤー・タクシー協会の方針で、グループ含め全て紺色(深藍)に統一されている[14]。この他、日本交通立川には白色の車両が在籍していた[15][注釈 6] ほか、過去には日本交通横浜に銀色に桜色の帯を配した女性乗務員(さくらレディース)専用車として日産・クルーが在籍していた[16][注釈 7]。
タクシーのカラー化は1952年(昭和27年)より業界に先駆けて行っており、前年に渡米視察した当時の社長・川鍋秋蔵がアメリカのイエローキャブをヒントに、天井がブルー、ボディがグレーという「日交カラー」を提案、統一した。その後、1963年(昭和38年)からライトスカーレットオレンジとレモンイエローの四社統一カラーに変更[注釈 8]、更に1969年(昭和44年)から現行四社カラーとなった[18]。なお、日交カラーおよび旧四社カラーは2018年(平成30年)に期間限定で復刻運行された[18]。
行灯は白色の球体で、前後に「桜にN」の意匠と、左右に無線番号を配したもの[注釈 9] である。意匠と無線番号は以下の色が存在する。
旧デザインは現行のものよりサイズが大きく、現在無線番号が書かれている位置に「日交」と書かれていた[19]。
サービスレベルの向上について様々な取り組みを行っており、プレスリリースなどにおける会社紹介でも「Japan Hospitalityをもって『拾うではなく、選ばれるタクシー』として、顧客満足を追求しています[20]」と謳っている。
東京都北区浮間および大阪市福島区福島に自社およびグループ専用の研修施設[注釈 10] を設け[21]、「スタンダードマニュアル77」の制定や覆面モニタリング制度[22] 等を行い、グループ全社で接客品質の均一化を図っている。また、社内基準により選抜され、特別講習を受けた乗務員が乗務する「ゴールドタクシー」の制度も2001年(平成13年)より実施している。
無線配車においては、グループ全車にカーナビゲーション連動のIP無線システムを搭載し、効率的な配車を行っている。顧客向けにも、通常のオペレーター対応に加え、プッシュホンによるIVR(全自動)配車やスマートフォンのアプリ、英語オペレーターを通した配車などに対応している[23]。2017年(平成29年)10月〜2018年(平成30年)9月期の東京における無線配車シェアは35%であった[24]。このほか、都内各所に日本交通専用のタクシー乗り場を設けている[25]。
2001年(平成13年)に開始された制度で、東京特別区・武三交通圏でのみ実施されている[注釈 11]。
入社時に行う研修とは別に、所定の基準[注釈 12] を満たした上で、接客・地理等に関する特別な講習[注釈 13] を受けた乗務員のみが乗務する車両である。無線配車においても専用ダイヤルが設けられるなど、より上質なサービスを求める利用者に向けて実施されているもので、日本交通では「タクシーのビジネスクラス」と称している[26]。
ゴールドタクシー車両は、行灯が青色ではなく金色となっている[27]。また、日本交通グループに所属するエスクァイア、アルファード、プリウスαは基本的には全てゴールドタクシー扱いである。
開始当初は「黒タク」と称しており、各社指定色が一般的な中で黒塗りの車両を導入することで見た目の差別化を図っていた。しかし、先述の通りジャパンタクシーは全て紺色であるため、ジャパンタクシー導入以降は黒タクと四社カラーの区別を車体色ではなく行灯の色で行うこととなり、黒タク扱いの車両は金色、四社カラー扱いの車両は従来通り青色となった[28][注釈 14]。ジャパンタクシーがある程度増え、それに伴ってジャパンタクシー以外でも黒タクの行灯を金色に換装し、2019年(令和元年)6月から黒タクの呼称をゴールドタクシーに変更した。
日本交通の行灯は、通常青色または金色となっているが、ごく僅かな台数のみピンク色となっている。東京特別区・武三交通圏では約5000台中7台、大阪市域交通圏では約900台中1台で、運が良くないと出会うことができないことから、これを「幸運のタクシー」と称している。
2012年(平成24年)8月に「東京観光タクシードライバー認定制度」がスタートしたのを機会に運行を開始したもので、当該車両の乗客には、乗務員より乗車記念証が手渡される(当初は日本交通グループ3200台のうちの4台、その後4600台のうちの5台に増車)。
なお、この色の行灯はかつて日本交通横浜に存在した女性乗務員専用車(さくらレディース)でも使われていた[16]。
登記上は「赤坂銀座」と「中央」のふたつに分かれており、いずれもその所在地は北区浮間(旧本社)にある。
登記上の所在地は全て北区浮間(赤羽営業所および旧本社)にある[69]。また、葛西・品川・新木場以外の営業所は複数に分かれており、それぞれ個別の法人格を有しているが、実際の案内上はひとつの営業所(=全7営業所)として扱われている[70]。
特別区・武三交通圏内以外の専用乗り場については、後述。
日本交通は買収した各社を営業所化し、それを統廃合して現在の営業所組織を作り上げているため、過去には多くの営業所が存在していた。なお、下記の営業所は、必ずしも同時期に併存したものとは限らず、また所在地は代表的な場所を記したのみで、同一営業所でも所在地の移転を行ったものもある。
タクシー事業においては、上述の直営7営業所(本体)に加えて、子会社及び業務提携を行う各タクシー事業者により、日本交通グループを構成している。いずれの事業者も「桜にN」の意匠を使用し、乗務員の教育や接客マニュアル、無線配車の取扱も全て統一されている。
車両の塗装は、グループ会社所属の四社カラー車の場合、ボンネット・屋根上の赤帯がない点のみが異なり[注釈 56]、その他黒塗り車およびジャパンタクシーでは黒または濃藍一色の塗装で統一されている。車体の所属表記は、本体所属車が「NIHON KOTSU」となっている一方、各グループ会社では「NIHON KOTSU GROUP」の下にローマ字で社名が記載される[広報 16]。ただし、広告ラッピングを施されている四社カラー車は、窓下の赤帯に直接事業者名を記載する[注釈 56]。
なお、業務提携事業者の中にはタクシー事業だけでなくハイヤー事業を行っているところもあるが、前述の通り日本交通のものとは関係がない[注釈 2]。ただし、日本交通本体とグループ各社間では整備工場のキャパシティ次第では相互に融通されることはある[注釈 57]。
以下、太字は日本交通(株)の子会社(100%)、それ以外は業務提携会社(フランチャイズ)である。車体表記に「NIHON KOTSU」を含まない会社は四社色のアプリラッピング車等を除き「NIHON KOTSU GROUP」の表記を含む。
東京・日本交通株式会社およびさくらタクシーを中心に、「日本交通グループ 関西」の名称でブランド展開を行っている。関東のSKCに相当する大阪訓練教育センター(OTEC)は、福島区の東京・日本交通本部に併設されている[72]。ナショナルタクシー・さくらタクシーの流れを汲み「日本交通グループ 関西」として朝日放送ラジオでCMを放送する。
従来より関西地区でタクシー事業を行っている同名の会社[注釈 74] とは資本関係は一切なく、タクシーチケットの相互利用提携(関東地区含む)に留まる。
横浜市の不動産会社を始め、同名の企業が日本全国に存在しているが、当記事で述べているもの以外はいずれも当社とは全く関係がない。その他の同名の企業については、日本交通を参照。
設立の経緯
「大日本帝国」
東急グループ・同業他社との関係
初代・川鍋秋蔵
2代目・川鍋達朗
3代目・川鍋一朗
現在も残る元関係会社
廃業した関係会社
THEカーコレクション
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1/43 アンチモニー製ミニカー アドバンスピリット
1/64 GULLIVER64 東京のタクシーシリーズ
1/64 タルガ タクシー倶楽部
1/32 シー・シー・ピー プレイキャスト
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