『弱虫ペダル』(よわむしペダル)は、トムス・エンタテインメント[注 1]制作による日本のテレビアニメ作品。
渡辺航による日本の少年漫画『弱虫ペダル』を原作としている。
2013年10月から2014年6月まで第1期[1]、2014年10月から2015年3月まで第2期『弱虫ペダル GRANDE ROAD』(よわむしペダル グランロード)[2]、2017年1月から6月まで第3期『弱虫ペダル NEW GENERATION』(よわむしペダル ニュージェネレーション)[3]、2018年1月から6月まで第4期『弱虫ペダル GLORY LINE』(よわむしペダル グローリーライン)がテレビ東京ほかにて放送され[4]、2022年10月から2023年3月まで第5期『弱虫ペダル LIMIT BREAK』(よわむしペダル リミットブレイク)がNHK総合にて放送された[5]。
第1・2期は日本自転車競技連盟が特別協賛としてエンディングにクレジットされた[6][7]。また、クレジットはないものの、第1期から第4期の話中で登場する飲料には大塚製薬の製品が使われている[注 2]。第1期から第4期まではCパートにおまけ的なショートアニメが入った[注 3]。第1期から第4期まではそのあと、その話でメインとなった登場人物の自転車をバックに「この作品はフィクションであり、登場する人物、団体名はすべて架空のものです。また演出上、一部危険な行為もありますが、実際の道路で自転車に乗るときにはルールを守って安全に乗りましょう。」という注意書きが表示される[6][注 4][注 5]。
連続テレビアニメーションが制作[注 6]され、これを基にした総集編劇場版映画[注 7]、特別総集編[注 8]、および原作単行本限定版[注 9]に付属するオリジナルビデオ(OAD)も作られている。
『週刊少年チャンピオン』2013年4+5号でテレビアニメ化が公式発表[8][9]されたのち、第1期が2013年10月から2014年6月までテレビ東京ほかにて全38話(RIDE.1 - RIDE.38)が放送された。物語は原作冒頭から1年次インターハイ2日目終盤、大きく先行されていた箱根学園や京都伏見に追いつき、そして後の第2期冒頭につながるシーンまでを描く。
第1期の総集編が劇場版として制作され、2014年9月19日に『弱虫ペダル Re:RIDE』(よわむしペダル リライド)が2週間限定で公開された[10]。配給は東宝映像事業部。新規カットを加え、第1期を再編集したもので、以降の総集編劇場版映画も概ね本作と同様の仕様で制作・公開されている。
第2期(GRANDE ROAD)は、2014年10月から2015年3月まで、テレビ東京ほかにて全24話(ROAD.1 - ROAD.24)が放送された。これ以降より作品名に「弱虫ペダル ○○←英語」が併記されるようになった[注 10]。物語は前述の通り第1期ラストからダイレクトに続き、1年次インターハイ3日目ゴール、表彰式までを描く。2015年6月12日には、総集編劇場版映画『弱虫ペダル Re:ROAD』(よわむしペダル リロード)が2週間限定で公開された[11]。
2015年8月28日には、『劇場版 弱虫ペダル』(げきじょうばん よわむしペダル)が公開された[12]。物語は渡辺航書き下ろしによるストーリーで、「熊本火の国やまなみレース」での総北高校と箱根学園とのライバル戦に京都伏見高校や呉南工業高校などの他校が絡んだ激戦を描く。
2016年9月9日には、本作のスピンオフである『弱虫ペダル SPARE BIKE』(よわむしペダル スペアバイク)が2週間限定で公開された[13]。物語は巻島と東堂の過去や荒北のなんてことない日常を描く。
2015年10月6日に行われた『劇場版 弱虫ペダル』の舞台挨拶で第3期(NEW GENERATION)の放送決定が発表されたのち[14]、2017年1月から同年6月までテレビ東京ほかにて全25話(RIDE.1 - RIDE.25)が放送された。物語は1年次インターハイ終了後から2年次インターハイ1日目の手嶋、真波の山岳賞を争う激闘を終え、そして後の第4期冒頭につながるシーンまでを描く。第3期におけるストーリーの流れは概ね原作通りだが、第2期までとの違いとして、作画担当の変更によりそれまでと作画が大きく変わり[注 11]、コース脇に設置されている看板がそれまでの実在する企業や商品名をもじった架空名称から実在企業の物へと変更された[注 12]。2017年10月13日には、総集編劇場版映画『弱虫ペダル Re:GENERATION』(よわむしペダル リジェネレーション)が2週間限定で公開された[15]。
第4期(GLORY LINE)は、2018年1月から同年6月まで、テレビ東京ほかにて全25話(LINE.1 - LINE.25)が放送された。物語は前述の通り第3期ラストからダイレクトに続き、2年次インターハイ3日目スタート直後までを描く。第4期は総集編劇場映画の制作・公開はなかったが、後述する第5期を放送したNHK総合にて2023年1月6日 0:30 - 2:00に『弱虫ペダル GLORY LINE - 特別総集編 -』と題し全国同時ネットで放送された[16][17]。これに先立ち、Re:RIDEが同年1月4日 1:17 - 2:45に[16][18]、 Re:ROADが同年1月5日 0:30 - 1:59に[16][19]、Re:GENERATIONが同年1月5日 2:00 - 3:29に同じくNHK総合で放送された[16][20]。
第5期(LIMIT BREAK)は、2022年10月から2023年3月までNHK総合にて全25話(BREAK.1 - BREAK.25)が放送された。本シリーズからはそれまで放送されたテレビ東京系列からNHK総合に放送局が変更され、全国同時ネットで放送された。NHK総合やNHK BS1では、第5期放送の先駆けとしてさまざまな関連番組を放送した[21][22]。物語は2年次インターハイ3日目スタート直前から、2年次インターハイ3日目ゴール、表彰式までを描く。今作より第3期から行われていたコース脇に設置されている看板がそれまでの実在企業の物から実在しない企業の物へと変更された[注 13]。また飲料も大塚製薬の製品から、架空の飲料に変更された。
2019年7月20日には本作と短編テレビアニメ『アニ×パラ〜あなたのヒーローは誰ですか〜』のコラボエピソードとして、「episode7 パラサイクリング」がNHK BS1ほかにて放送された[23][24][25]。
テレビアニメ放送をきっかけに、弱虫ペダルの話題が沸騰し、劇場版やテレビドラマ化など様々なメディアミックスが行われ、大きな反響を生んだ。
Real Soundのライターは、弱虫ペダルの度重なる大ヒットで、それまでは不毛地帯だった自転車アニメジャンルも徐々に日の目を浴びるようになったと評価している。テレビアニメの弱虫ペダルを見てファンになり、実際にロードバイクの世界へ参入していく人や、キャラクターや作品の世界観にあこがれて、ロードバイクを購入するファンがが多く見られた。そうしたファンの増加に伴い、それまでは不毛地帯だった自転車アニメジャンルも徐々に日の目を浴びるようになったと評価している[35]。
第1期から第4期はトムス・エンタテインメントの制作8班(8PAN)がアニメーション制作を担当している。8PANとしては初のテレビアニメ作品である。第1期から第4期のほかにも、弱虫ペダル Re:RIDE、弱虫ペダル Re:ROAD、弱虫ペダル Re:GENERATION、劇場版 弱虫ペダル、弱虫ペダル SPARE BIKEのアニメーション制作を担当している。
第5期はトムス・エンタテインメントの第4スタジオ(Die4Studio)がアニメーション制作を担当している。放送局がテレビ東京からNHK総合に変更したが、製作体制自体には殆ど変更は無い。[注 14]
2013年8月8日にテレビアニメに先駆けコミックス第29巻OAD付き限定版が発売された。
『劇場版 弱虫ペダル』(げきじょうばん よわむしペダル)のタイトルで、2015年8月28日に劇場版アニメが公開された。渡辺航書き下ろしによるストーリーで[注 18]、「熊本火の国やまなみレース」での総北高校と箱根学園とのライバル戦に京都伏見高校や呉南工業高校などの他校が絡んだ激戦が描かれる。
同年5月28日には、宮野真守が劇場版のオリジナルキャラクターである熊本台一の吉本進役として出演することが発表され[45]、同年7月17日にはゲスト声優として原作のファンでもあるテレビ東京アナウンサーの狩野恵里が在京局のアナウンサー役で出演することが発表され[46]、同年7月31日には劇場版の舞台である熊本県のマスコットキャラクター「くまモン」がゲスト出演することが発表された[47]。
同年4月18日から9月末まで、伊豆箱根鉄道駿豆線にて、ラッピング電車(3000系)が運行された。車体には総北高校自転車競技部のメンバーと箱根学園自転車競技部のメンバーがラッピングされている[48]。
同年8月5日から8月31日まで大手牛丼チェーン店であるすき家にて、コラボキャンペーン『ツール・ド・SUKIYA』が実施された。期間中すき家の店内にポスターやテーブルシールで『劇場版 弱虫ペダル』のビジュアルを掲出。また、期間中にすき家で500円購入するごとに総北高校自転車競技部のメンバーお薦めメニューの人気投票に参加でき、投票者全員にモバイル壁紙がプレゼントされた[49]。
同年8月11日には日刊スポーツの号外『弱虫ペダル新聞』が1部350円で発売された。全32ページでオールカラーの紙面には、渡辺航のインタビューやキャラクター名鑑、劇場版や1年次インターハイのコース図、声優トークなどが掲載された[50]。
同年8月18日から大手コンビニチェーンであるローソンにて、コラボ商品が発売された。菓子パンやスナック菓子のほかにも。ティッシュやリップバーム、メタルチャームストラップなどが店頭に並んだ[51]。
同年8月18日から大手スーパーチェーンであるイオンでオリジナルのランチョンマットがもらえるキャンペーンが実施された。デザインは全9種類あり、対象商品を4点以上全国のイオンで購入した人に贈呈される[52]。
同年8月23日からはJR九州の熊本駅・阿蘇駅・三角駅のみどりの窓口および切符売り場にて記念切符の発売が行われたほか、11月1日まで「弱虫ペダルラッピングトレイン」が運行された[53]。
興行収入は4億7000万円[54]。
インターハイ総合優勝を掴んだ総北高校自転車競技部は熊本県で行われる「熊本火の国やまなみロードレース」に招待された。例年なら参加を断っていた箱根学園も今回は参加を表明し、京都伏見や広島呉南などのインターハイ上位校が続々と参戦することになる。
ニューマシンに乗ることになった坂道はまた巻島と走れることを楽しみにしていたが、その巻島が9月からイギリスで生活するために突然自転車競技部を退部することになった。
坂道が失意のまま熊本へ向かった総北自転車競技部は空港で熊本台一の田浦吉昭からの出迎えを受けるが、坂道は田浦のチームメイトであるエースクライマーの吉本進から宣戦布告を受ける。
『弱虫ペダル SPARE BIKE』のタイトルで、2016年9月9日から2週間限定で公開された。『弱虫ペダル SPARE BIKE』をアニメ化したもので、巻島と東堂の過去や荒北のなんてことない日常が描かれる。
坂道や山岳が1年生の時に3年生だった巻島や東堂の知られざる過去のドラマ。作中屈指のクライマーである坂道憧れの先輩巻島と山岳憧れの先輩東堂にも、そのポジションに上り詰めるまでには数々の軌跡があった。
総北高校に入学した巻島は、自転車競技部に入部することで広い世界に羽ばたくことができると期待に胸を膨らませていた。しかし、巻島の独特なダンシングは先輩に笑われ、そのダンシングを直すように指導される。山を登ることがただ好きで、自転車に乗ればすべてを変えられる。自転車は自由だと信じていた巻島は心が折れてしまう。ある日の練習の後、部の主将である寒咲通司が巻島に語りかける。
中学2年生だった東堂は、ある日、友人である糸川修作から自転車レースに誘われる。ヘルメットを被ることで、髪が乱れることを理由に参加を断ったが、試しに2人で道路を走ってみると、修作がロードバイクで走っているのに対し、東堂はママチャリであるにも関わらず、ロスのない走りでロードバイクの才能を見せつける。髪が乱れるからと言って参加を断っていた自分が、髪型も気にせず、夢中でペダルを回していた自分に驚く東堂。そんな彼は修作とともにレースに出ることを決意する。
『ちばペダル 〜弱虫ペダルと学ぶ自転車交通安全〜』は、弱虫ペダルと千葉県とのコラボで、総北高校自転車競技部のメンバーとチーバくんが自転車の安全利用に関する情報を伝えるコラボアニメが自転車交通安全キャンペーンとして製作された。2016年7月より全6話が順次配信された[55]。
2013年9月30日から2014年7月7日まで音泉にて配信されていたインターネットラジオ番組。隔週月曜日更新。全22回。パーソナリティは山下大輝(小野田坂道 役)、森久保祥太郎(巻島裕介 役)。
2014年9月15日から2015年9月14日まで音泉にて配信されていたインターネットラジオ番組。第1回から第16回まで隔週月曜日更新、第17回から第23回まで月1回不定日更新。全23回。パーソナリティは山下大輝(小野田坂道 役)、森久保祥太郎(巻島裕介 役)。
2016年12月26日から2017年7月10日まで音泉にて配信されていたインターネットラジオ番組。隔週月曜日更新。パーソナリティは山下大輝(小野田坂道 役)、代永翼(真波山岳 役)。
2018年1月12日から7月26日までニコニコ生放送にて配信されたインターネットラジオ番組。月1更新。パーソナリティは山下大輝(小野田坂道 役)、代永翼(真波山岳 役)。