トルクメニスタン
Türkmenistan
国の標語:なし
国歌 :Garaşsyz, Bitarap, Türkmenistanyň Döwlet Gimni (トルクメン語) 独立、中立、トルクメニスタンの国歌
^ トルクメニスタンでは憲法 (英語版 ) 規定により大統領自身が兼任している。
^ トルクメニスタンが発表している2022年国勢調査の結果による。なお国外メディアからは正確性に疑問が呈されている。(#人口 も参照)
トルクメニスタン (トルクメン語 : Türkmenistan )は、中央アジア 南西部に位置する共和制 国家 。首都はアシガバート である。
カラクム砂漠 が国土の85%を占めており、国民のほとんどは南部の山沿いの都市に住んでいる。豊富な石油 や天然ガス を埋蔵する。西側でカスピ海 に面し、東南がアフガニスタン 、西南にイラン 、北東をウズベキスタン 、北西はカザフスタン と国境を接する。旧ソビエト連邦 の構成国 の一つで、1991年 に独立 した。NIS諸国 の一国。永世中立国 。
2023年 現在、自治領 ・海外領土 [要曖昧さ回避 ] 含めて新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の罹患者が公式に確認されていない[ 注釈 1] 唯一の国である。
概要
トルクメニスタンは6つの独立したテュルク系 国家の1つに数え上げられる。世俗国家 であり、大統領制 の共和国となっている[ 注釈 2] 。人口 は700万人を超え[ 4] 、アジアにおける人口過密度では35位であり[ 5] 、国土は49万1,200km2 [ 注釈 3] 。 中央アジアの共和国の中で最も人口が少ない一方、アジア大陸で最も人口密度の低い国の一つとなっている[ 6] [ 7] [ 8] 。人口の殆どはイスラム教 のスンニ派 を信仰している[ 9] [ 10] 。
国土の大部分をカラクム砂漠で囲まれる形で建つ国であり、紀元前 時代から幾つかの帝国 や文明 ならびその関連文化における交通の要衝として長い間機能して来た歴史を持つ国家でもある[ 11] 。同国のメルヴ は中央アジアで最も古いオアシス都市 の1つであり[ 12] 、嘗ては世界最大の都市の1つで[ 13] イスラム世界 における大都市かつシルクロード の重要な中継地でもあった。1881年 、ロシア帝国 に併合された同国地域は、中央アジアの反ボルシェヴィキ運動で重要な役割を担った。1925年 にはソビエト連邦の構成共和国「トルクメン・ソビエト社会主義共和国 」(トルクメンSSR)となり、 66年後の1991年 に起こったソ連崩壊 により完全な独立を果たした。
独立後は少数民族 に対する待遇の酷さや報道の自由 、信教の自由 の欠如など、人権状況の悪さで広く批判される一面を見せている[ 14] [ 15] 。1991年にソ連から独立して以降、トルクメニスタンは抑圧的な全体主義 を敷く政権によって統治されて来た。2006年 に没するまで終身大統領 を務めたサパルムラト・ニヤゾフ (テュルクメンバシュ [要曖昧さ回避 ] )、非民主的な選挙 で当確して2007年 から大統領へ就任となったグルバングル・ベルディムハメドフ 、そして国際選挙監視団 (英語版 ) によって「自由でも公正でもない」と批評された2022年の大統領選挙 で勝利し、大統領職を世襲しつつ父のグルバングルと権力を共有している子息のセルダル・ベルディムハメドフ により、現在も全体主義体制が敷かれている[ 16] [ 17] [ 18] 。
トルクメニスタンは世界第5位の天然ガス埋蔵量を保有している[ 19] 。それに絡んで同国の国民は1993年 から2019年 まで、政府が提供する電気、水道、天然ガスを無料で利用していた[ 20] 。山系 には、大バルカン山脈 (ロシア語版 、英語版 ) 、コペトダグ山脈 、コイテンダグ山脈 (ロシア語版 、英語版 ) が含まれ、その中に国内最高峰のアイリババ山 (英語版 、ロシア語版 ) が在る事でも知られている。また、コイテンダグ山脈付近には恐竜高原 (ロシア語版 ) と呼ばれる恐竜 の足跡の化石 が数多く遺される高原 があり、この高原は中央アジア地域に唯一存在するものである点やその化石が現存する世界最大規模の区域としても有名となっている。
トルクメニスタンはテュルク諸国機構 (OTS)、国際通貨基金 (IMF)、世界銀行 (WB)、国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)、国際連合児童基金 (UNICEF)、世界保健機関 (WHO)、国際移住機関 (IOM)、欧州安全保障協力機構 (OSCE)、イスラム協力機構 (OIC)、イスラム開発銀行 (IsDB)のオブザーバーであり、テュルク文化国際機関 (IOTC)、国際連合 (UN)の加盟国でもある[ 21] 。また、独立国家共同体 (CIS)の准加盟国でもあり、客員参加国の立場でありながら2012年 に同連合の議長国を務めた実績を持ち合わせている。
国名
正式名称はトルクメン語 で、Türkmenistan 。「トルクメン人 の土地」を意味する。公式の英語表記はTurkmenistan 。国民・形容詞ともTurkmen。
日本語 の表記は、トルクメニスタン 。漢字による当て字 は土庫曼斯坦。
歴史
トルクメニスタンの衛星写真
首都であるアシガバードの郊外には人類最古の農耕集落遺跡の一つであるアナウ遺跡 、および紀元前2世紀 または紀元前3世紀 ごろのパルティア 王国(漢名「安息国」)の発祥地とされるニサ 遺跡がある。この時代には、現在のアシガバードの位置に小さな集落があったがその後、サーサーン朝 ペルシア の領土となった。6世紀 には、遊牧民 のテュルク系民族 に、7世紀 からはイスラム帝国 (ウマイヤ朝 およびアッバース朝 )が支配した。9世紀 からサーマーン朝 、セルジューク朝 、ガズナ朝 、ホラズム王国 などの領地となる。13世紀 にはモンゴル帝国 が侵攻し、イル・ハン国 やティムール朝 の統治下となった。
16世紀 以降はヒヴァ・ハン国 、ブハラ・ハン国 、サファヴィー朝 などに絶えず、侵略された。
1869年 に帝政ロシア 軍がカスピ海 東岸に上陸し、1873年 にザカスピ軍区 を設置。同年、ヒヴァ戦争 (ロシア語版 ) 。1880年 にザ・カスピ鉄道 が開通する。1881年 にアレクサンドル2世 治下のロシア帝国陸軍 がアシガバート を占領し、基地を築く。
翌1882年 、アレクサンドル3世 治下の帝政ロシアにより、カフカス総督管区 内のザカスピ州 とされた。ロシア帝国への編入後、ロシア向け綿花 栽培が拡大し、1910年 ごろよりロシアの綿工業 の原綿の供給地の役割を果たし、現在も繊維工業や綿花栽培は主要な産業となっている。
伝統的な衣装を着たトルクメン人の男性(20世紀 初頭)
第一次世界大戦 中の1916年 から1918年 にかけて反ロシア大暴動(バスマチ運動 )が起きる。1924年 にトルキスタン自治ソビエト社会主義共和国 を民族別の共和国に再編し、トルクメン・ソビエト社会主義共和国 としてソ連を構成する国の一つとなった。ヨシフ・スターリン による農業集団化 に反発した遊牧民 の抵抗が1936年 ごろまで続いた。
第二次世界大戦 後、クラスノヴォドスクに第44収容地区(グラーグ )が設置され、シベリア抑留 を受けた日本人捕虜が移送されてきた[ 22] 。捕虜は劣悪な環境の中で労働を強いられた [ 23] 。
1948年 には大震災 (ロシア語版 、英語版 ) に見舞われ、11万人の犠牲者を出した。
初代大統領サパルムラト・ニヤゾフ
第2代大統領グルバングル・ベルディムハメドフ
第3代大統領セルダル・ベルディムハメドフ
ソ連時代末期の1990年 8月22日 に主権 宣言を行い、10月27日には直接選挙 による大統領選で単独候補のサパルムラト・ニヤゾフ 最高会議議長が98.8%の得票率で当選した。1991年 10月26日 の国民投票でソ連からの独立に94.1%が賛成し、翌10月27日 に独立した。その2か月後の12月26日 、ソ連が解体 されたことで晴れて独立国家となる。1992年 5月18日、最高会議が大統領権限を強めた新憲法を採択する。傍らで、同年5月にロシア や独立国家共同体 (CIS)諸国との集団安全保障条約 の署名を拒否した。
1992年6月、大統領選でニヤゾフ大統領が99.5%の支持で再選し、1995年 12月、国連総会 において「永世中立国」として承認された。なお、永世中立宣言はロシアの影響力の排除が目的と見られている。ニヤゾフ大統領は2002年 8月には終身大統領とされ、国内ではニヤゾフ大統領は「テュルクメンバシュ [要曖昧さ回避 ] (トルクメン人の長)」を姓としている。
その後、ニヤゾフ大統領は2006年 12月21日未明、66歳で没した。その直後、同日中にオヴェズゲリドゥイ・アタエフ 議会議長が刑事訴追を理由に大統領代行に選出されず、翌22日に議長を解任された。約2か月後の2007年 2月14日に大統領選が行われ、89.23%の得票率を獲得したグルバングル・ベルディムハメドフ 大統領代行が正式にトルクメニスタンの第2代大統領に就任した。その後、2022年3月19日 に権力移譲の意を受けた前倒し大統領選挙が実施され、第2代大統領長男のセルダル・ベルディムハメドフ が当選して就任した[ 24] 。
政治
行政
トルクメニスタンの国家元首 である大統領 は、憲法規定によれば任期は7年で国民 の直接選挙 により選出される。
1992年 から首相職が大統領職に統合されて以来、2006年末までサパルムラト・ニヤゾフ が終身制の下で大統領職に就き、首相も兼任していた。ニヤゾフは2008年 から2010年 ごろに大統領選挙を実施すると表明していたが、実施する前にニヤゾフ大統領が没したため、死去後に大統領選挙が行われた。選挙の結果、得票率89.23%(出典:2007年2月14日『朝日新聞 』)でほかの候補を圧倒したグルバングル・ベルディムハメドフ 大統領代行が第2代大統領に就任し、2008年に憲法を改正した。
2016年に憲法改正が行われ、大統領の任期延長(5年から7年)と大統領選挙の出馬資格の緩和が行われた[ 25] 。6年後の2022年2月、ベルディムハメドフ大統領が次期大統領選挙を2年前倒しし翌月に実施するよう決定したとの発表が行われている。これは、前年に大統領選挙への立候補が可能となる法定年齢に達した長男セルダル・ベルディムハメドフ への権力移譲を意図したものと解釈された[ 26] 。そして、解釈通りに翌月19日 に権力移譲の意を受けた前倒し大統領選挙が実施され、第2代大統領長男のセルダル・ベルディムハメドフが当選して第3代目として就任している[ 24] 。
議会
国会はマジュリス (Mejlis)と呼ばれる。定数125。議員は単純小選挙区制 に基づき国民の直接選挙で選出され[ 27] 、任期は5年である。2021年1月に発効した改正憲法により、上院に相当する定数56議席の「人民評議会 (ハルク・マスラハトイ)」が復活して二院制へと一時移行したが、2023年に廃止され一院制に戻った[ 28] 。議員全員は大統領の承認を得る必要がある。一方、人民評議会の議員は選挙人による間接選挙で48人、大統領による任命で8人が選出され、こちらも任期は5年である。
現在の「人民評議会」と同じ名前の組織がかつて国権の最高機関として存在し、大統領による主宰のもと、マジュリス代議員・閣僚・地方・司法権などの代表が入り、大統領不信任案を提出し、弾劾に関する国民投票を行う権限を有していた。しかし2008年の憲法改正により一度廃止され、権限は議会に移った。この際、それまで50議席だった議会定数は125議席に拡大された。
政党
旧トルクメン共産党 (ロシア語版 、英語版 ) の後身であるトルクメニスタン民主党 (Türkmenistanyň Demokratik Partiýasy, TDP )による事実上の一党独裁制 で、かつてはニヤゾフ初代大統領が同党の議長を務めていた。
憲法では複数政党制 が認められているものの、TDP以外の正式登録された合法政党 において優位となっているのは、現時点で農業党 (ロシア語版 ) と産業・企業家党 の2つしかない。農業党はTDPの地方(農村)幹部により構成される衛星政党 であるため、同国において複数政党制は実質には機能していないに等しい。
司法
司法 権は最高裁判所に属している。
国際関係
トルクメニスタンはソビエト連邦崩壊時、アルマトイ宣言に合意したため独立国家共同体 (CIS)加盟国となったが、その後に制定されたCIS憲章を批准 していないため正式な加盟国とはならなかった。しかしながら脱退したわけではなく、正式加盟国では無いにもかかわらずCISの会議には参加を続けており、2007年には正式に準加盟国と定められた。旧ソ連の中央アジア諸国では唯一、上海協力機構 の正式加盟国ではなく、ゲスト参加にとどまっている。一方で北大西洋条約機構 (NATO)や日本 など西側諸国 とも対話や要人の往来を行う全方位外交を行っている[ 2] 。また南隣のイラン との友好関係も重視しており、各分野で協力する文書を2018年に結んだ[ 29] 。
アフガニスタンで2021年に成立したタリバン政権 (アフガニスタン・イスラム首長国 )に対しても、2022年1月に代表団を受け入れるなど接近している[ 30] 。これには、アフガニスタン経由でパキスタン やインド に天然ガスパイプライン を敷設して、中華人民共和国 (中国)に偏っている天然ガスの輸出先多角化と価格上昇を意図しているという観測がある[ 30] 。
永世中立国を掲げるものの、実態としては軍事的にも経済的にもロシアと中国の影響力が強い地域でもある。トルクメニスタン産の天然ガスはかつて、ロシア経由でヨーロッパ へと輸出されていたが、トルクメニスタン側が値下げに応じなかったため2016年に中断し、2009年に完成した中国向けパイプライン を通じた輸出のみとなり、中国に接近して武器も購入した[ 31] [ 32] 。ロシア国営企業ガスプロム は2019年にトルクメニスタン産天然ガスの輸入を再開する予定を表明しており、これには同国への影響力回復を目指すロシア政府の意図があると見られると報道されている[ 33] 。
2022年12月14日には、ベルドイムハメドフ大統領が首都アシガバートにトルコ のエルドアン 大統領 、アゼルバイジャン のアリエフ 大統領 を迎えて会談し、トルクメニスタン産ガスを両国経由でヨーロッパへ輸出するための協力覚書を交わした[ 34] 。
アゼルバイジャンとの関係
トルクメニスタンとアゼルバイジャンは、言語的には密接な関係にあるにも拘らず[ 注釈 4] 、信教の宗派における問題が絡んで緊張した状態が続く現状に見舞われている[ 注釈 5] 。
だが、そういった中でも両国は商業分野での提携を増やし始めており、特に2020年にはカスピ海の越境に位置するセルダル油田 (ロシア語版 ) の共同開発に関する覚書に署名・締結するなどの進展を見せていて、貿易面では今後も良好な関係を築き上げていくものと見られている[ 35] 。
日本との関係
軍事
トルクメニスタン軍 は、陸軍 、海軍 、空軍 の3軍から構成されている。
地理
トルクメニスタンの地図
トルクメニスタンの地形
地形
カラクム砂漠
トルクメニスタンのカスピ海沿岸
国境 線の長さは3,736キロ。うち9割がカラクム砂漠 で国土面積の多くを占めており、国土の北方はトゥラン低地 で占められている。西方に位置するカスピ海 は国内において唯一の広大な水域 となっている。
ウズベキスタン との国境付近に位置する北東地域にはキジルクム砂漠 がある。その中にアムダリヤ川 が流れており、そこからカラクム運河 が分かれていて、灌漑農業 などに利用されている。また、同じくウズベキスタン国境線上の北部地域にはサリカミシュ湖 があり、アムダリヤ川の分流であるウズボイ川 に通じている。貯水池 にはカラクム湖 (英語版 、ロシア語版 ) が挙げられる。
一方で、国土に流れる河川にはムルガブ川 やアトレク川 (英語版 ) があり、ムルガブ川はマル を通りアフガニスタンの国境を越えて流れ、アトレク川はカスピ海沿いに流れてイランの国境付近の河川とつながっている。なお、国内の河川の多くは水無川 [要曖昧さ回避 ] (ワジ )である。
山地 ならび峡谷 はヤンギカラ峡谷 (ドイツ語版 ) が有名であり、国の名所の1つに数えられている。最高地点は、東部のウズベキスタン国境にそびえるアイリババ山 (英語版 、ロシア語版 ) (海抜3,139メートル)である。
気候
ほぼ全域が砂漠気候 である。トルクメニスタンの気候条件は非常に厳しく夏 は40 - 50度 、冬 は0度以下 まで寒くなるなど夏と冬の寒暖の差 、日中と夜間の寒暖の差 が激しい。昼と夜では、20度を超える温度差となることもある。年間降水量 はかなり少なくコペト・ダヴ山脈 では200 - 400ミリ、カラクム山脈 中央部は40 - 50ミリと過酷な状況である。一方で、南・東辺のイランおよびアフガニスタンの国境地帯は降雨量が比較的多いため、国土はステップ気候 と地中海性気候 の二面を持つ。
夏季に雨はほとんど降らないが、その反面、冬季には国土一帯に雪が降り、この雪は一時的に積雪することがある。
水系
保護地域
トルクメニスタンの自然保護区は、特徴的かつ希少な自然を元の形で保存し、その過程や経緯、発生を研究することを目的として設立された。
現在、9つの自然保護区が制定されている。
環境
上述の通り、トルクメニスタンは国土の殆どがカラクム砂漠で占められているため、植物の生息域は非常に狭められている状況である。森林面積は413万ヘクタール で、そのほとんどは天然林 である。なお、山地の森林は7万9,000ヘクタールほど存在し、川沿いの森林は3万3,400ヘクタールほど存在している。天然林のおもな樹種は砂漠化 領域がサクサウール (英語版 ) やタマリクス で、山地はアルチャ (ビャクシン の一種)、川沿いはコトカケヤナギ (ポプラ の一種。現地では、トゥランガ と呼ばれている。)が繁殖している。トルクメニスタンでは現在、国土の緑化に力を入れているが、違法伐採 が続くために森林の減少傾向による環境破壊 が問題となっており、水資源 の乏しさも加わって非常に深刻なものとなっている。
地方行政区分
トルクメニスタンの地方行政区分
5州(ベラヤト,Welaýat )と首都(シャヘル,şäher )のアシガバート 市(Aşgabat )で構成される。
アハル州 (Ahal ) - 州都アルカダグ [要曖昧さ回避 ] (Arkadag )[ 36]
バルカン州 (Balkan ) - 州都バルカナバト (Balkanabat 、Nebitdag ネビトダグ)
ダショグズ州 (Daşoguz ) - 州都ダショグズ (Daşoguz )
レバプ州 (Lebap ) - 州都テュルクメナバト (Türkmenabat )
マル州 (Mary ) - 州都マル (Mary )
地方自治制度はゲンゲシュ(小会議)と地方公共自治機関が構成する。ゲンゲシュは小都市、町村の代表機関である。ゲンゲシュ議員は5年の任期で選出される。
主要都市
経済
色と面積で示したトルクメニスタンの輸出品目
国際通貨基金 (IMF)の推計によると、2017年 のトルクメニスタンの国内総生産 (GDP)は379億ドルである。1人あたりのGDPは6,643ドルで、中央アジア 5か国の中ではカザフスタンに次いで2番目、世界平均の約61%の水準にある[ 37] 。
ニヤゾフ時代には対外的には旧宗主国ロシアの影響力からの脱却が図られた。しかし、その手段となるはずだった天然ガスの供給ルートがロシアに限定されていたこともあり、経済的なロシア依存は強く残ることになる。それでも「永世中立国 」となることで地政学 上の脅威を和らげ、1997年にはイランとの天然ガス供給ルートを開拓するなどの多様化を図った。対露依存の転機は、ニヤゾフ大統領による2006年の中国との天然ガス供給合意だった。この合意によってトルクメニスタンからウズベキスタン、カザフスタンを経由して中国に至る中央アジア・中国天然ガスパイプライン の建設が始まる。さらに後継者のグルバングルィ・ベルディムハメドフ大統領は、翌2007年中国国営石油公社 (CNPC)とバクチャールィク(Bagtyarlyk)鉱区での生産分与協定(PSA)を締結し、天然ガス売買契約に調印した。これを境に中国資金のトルクメニスタン進出は加速化し、ガス輸入国としても、2011年には中国がロシアを上回り、ロシアに代わって経済における中国への偏重が始まることになる。
後任のベルディムハメドフ大統領も天然ガス依存の経済からの転換を目指し、輸出産業として石油ガス化学部門を最優先としながらも農業や繊維などの製造業の発展を目標としている。なお、国内消費市場も輸入品依存を改善させるため民間ビジネスの育成にも乗り出している。消費市場では、独立当初のロシア製品の圧倒的シェアはトルコ 製品の侵食を受けるようになり、2010年以降は首位の座を奪われた。一方で2012年に急増した中国からの輸入(2012年:輸入金額1,699,117千ドル 国別輸入先第1位、輸入シェア約18.1%)は抑制され、2017年時点で輸入金額は、2012年の約5分の1の368,117千ドル(国別輸入先第4位、輸入シェア約8.4%)となっている[ 38] [ 39] 。
輸出は、独立後はロシアを中心とした旧ソ連が中心で輸出の9割以上、輸入の8割以上を構成していた。その後はドイツ 、アメリカ など欧米の比率が高まるようになり、近年では中国、トルコの存在感が強まっている[ 38] 。2017年時点で輸出の約83.2%(65億7,512.6万ドル)を中国、約5.1%(4億355.3万ドル)をトルコ が占めている[ 40] 。一方、輸入はトルコが約23.8%(10億3,798万ドル)を占めている[ 41] 。
主な産業は天然ガス ・石油 、綿花 栽培、繊維工業 である。特に天然ガスは狭い国土にもかかわらず、世界第4位の埋蔵量の資源国である。これらの資源の輸出により潤沢な資金流入があるため、経済が豊かで、政府による治安維持が行き届いている。現状では治安は非常によく、近隣諸国と違いテロ 事件なども起こっていない[ 42] 。経済成長 率は潤沢な資源のおかげで高成長を見せている。同国では、国営企業が経済活動のほぼ全てを押さえ、工業生産の多くを担っている。特に、オンショアの炭化水素生産、輸送、精製、発電、流通、化学、建築資材、教育、医療、メディア企業の分野は、国営で厳しく管理されている。また、国営企業は農業、食品加工、繊維、通信、建設、貿易、サービスの分野にも深く関与している。国営企業は多くの場合、旧態依然とした効率性の悪さが目立つが、戦略的に重要と考えられている[ 38] 。
さらに食料品・日用品や住居などの物価が低く抑えられているほか、教育・医療費が無料とされている。このため、国民生活は実質的な収入金額以上に安定しているといえる。しかし、電気、ガス、飲料水については1993年から、食卓塩については2003年からニヤゾフ前大統領により無償供給としていた制度をベルディムハメドフ大統領は2019年1月に廃止し、有償化した。有償化の理由をベルディムハメドフ大統領は「政府活動の持続的拡大、資源の合理的利用、社会的補助制度の発展のため」と説明している[ 43] 。
農業
トルクメニスタンの主産物は小麦、ナッツ 類(おもにピスタチオ )、ハーブ (薬草 )類である。ピスタチオはもともと造林 用として栽培され、その果実を食用として利用できるため積極的に植林されており、果実は豊作の年で20 - 30トン採取されることがある。同国特産のハーブはアルテミシア とエフェドラ で、この2つは料理用や薬品の原材料として用いられることが多い。林業にも力を入れており、その主要となっているのは人工造林 である[ 44] 。ただし、環境造林を基本としているので産業造林には特化しておらず、国内の林産業はあまりふるわない。
一方で、ソ連時代から綿花栽培を行っている。しかし灌漑農業 での栽培であるために水資源に乏しいトルクメニスタンでは、綿花を主産物とすることに対し賛否両論となっている面を持つ。さらに、毎年の綿花の収穫作業に、教師や医師を含む1万人以上の公務員と10~15歳までの児童 も従事させられており、2016年4月に「アリテルナチブニエ・ノボスチ・トルクメニスタナ(「トルクメニスタンの代替ニュース」の意、AHT)」と「国際労働権利フォーラム(ILRF )」がアメリカ合衆国国土安全保障省 ・関税国境警備局 に告発状を提出した。その結果、2018年5月24日に引渡保留命令(WRO、5月18日付)[ 45] を公開し、トルクメニスタン産綿と同製品のアメリカへの輸入を禁止した。トルクメニスタン政府は、2017年の綿花の収穫量を110万トンと発表している。作付面積は50万ヘクタール。トルクメニスタンから米国向け輸出額の最大シェア(52.0%、718万ドル)を綿・綿織物などが占める(2017年実績、アメリカ側統計、第三国経由を含まず)[ 46] 。
国内消費される食品の多くを輸入に依存しており、食料自給率 の向上が大きな課題となっている。このためトルクメニスタン政府は生産プロセス技術の強化、農業生産システムの改革などによる生産性の向上を目指している。特に食肉および小麦、酪農製品の国内生産拡大を急務と位置づけている。主な輸入先は、ロシア、ウクライナ 、ベラルーシ 、カザフスタン、イラン、トルコ、アゼルバイジャン、インド、パキスタンといった周辺国である[ 38] 。
鉱業
トルクメニスタンは他の中央アジア諸国と比較した場合、鉱物資源に乏しいと言える。たとえば、金属鉱物資源は採掘されていない。
ただし、その反面で有機鉱物資源、特に天然ガスに恵まれている。2018年版BP 統計[ 47] によると、埋蔵量はロシア(35.0兆㎥、世界シェア約18.1%)、イラン(33.2兆㎥、世界シェア約17.2%)、カタール (24.9兆㎥世界、シェア約12.9%)に次ぐ世界第4位の19.5兆㎥ (世界シェア約10.1%)を誇る。2017年時点の天然ガス産出量は約620億㎥であり、これは世界シェアの約1.7%に達する。2014年時点であるが、国内消費は277億㎥、輸出総量は416億㎥(2014年推計)とされる。輸出先は中国が最大で277億㎥、次いでロシア(90億㎥)、イラン(65億㎥)、カザフスタン(5億㎥)となっている。2011年、イギリス のGaffney, Cline and Associatesは、ガルクイヌシュ(旧南ヨロテン)ガス田の埋蔵量を13.1兆 - 21.2兆㎥と評価し、世界第2位の規模と見立てた。さらに石油埋蔵量は、トルクメニスタン政府の公式統計では、オンショアで530億トン、カスピ海 オフショアで182.1億トンの716.4億トンとなっている。しかし、BPは2017年末段階で、1億トンの石油埋蔵量を推計しているに過ぎない。なお、これら石油・ガス収入は同資源の開発管理を所管する大統領直轄の炭化水素資源管理利用庁に納められ、80%が大統領、20%が国庫に拠出される[ 38] 。また、石油生産量は、25.8万バレル/日であり、世界シェアの約0.3%である[ 47] 。
輸出 額に占める天然ガスの割合は2017年 時点で約83.0%(輸出金額:6,561,439千ドル)であり、原油の割合は約7.8%(輸出金額:615,109千ドル)である[ 48] 。したがって、輸出に占める鉱業セクターの割合は9割に達する。最大の天然ガス田 はガルクヌシュ・ガス田 (ロシア語版 ) であり、このガス田は2013年の夏に操業 を開始した比較的新しい採掘場となっている。なお、石炭 はほとんど採掘されていない。さらに、輸出の大部分を占める天然ガスの輸出先は約99.5%が中国であり、同国への依存がきわめて高い[ 49] 。
観光
メルヴ やニサ といったシルクロード の遺跡 が有名だが、全体として観光業 はあまり発展していない。
観光ビザ に関しては、海外の先進国や新興諸国に比べ処理のスピードなどが遅めであることからその取得手続きは煩雑である。
政策により物価は非常に安く、期間にかかわらず滞在しやすい。
日本からの観光については現在、シルクロードトラベルインフォメーションセンター[ 50] とソフィア株式会社[ 51] とオワダン観光[ 52] が渡航の手配をしている。
2019年 5月29日 、ベルディムハメドフ大統領が日本人観光客向けの入国ビザ発給の手数料を軽減(もしくは免除)する決定に署名したとの報道が、政府関連ウェブサイト 『トルクメニスタン・セボドニャ』(Туркмении сегодня)から発信されている[ 53] 。この他にも観光ビザ取得の手続きも簡略化を検討するなど、トルクメニスタンが日本との観光交流促進に意欲を示していることが明らかにされている[ 54] 。
交通
鉄道
航空
科学技術
トルクメニスタンは、インフラ を近代化する取組みの一環として、テクノロジーパーク を新規開発している。
ソビエト時代に設立された多くの国立研究機関は、新技術の開発ならび国家における優先事項の変化と共に時代遅れな代物となりつつあった。これにより同国は2009年以降、研究所の数を減らし、既存の研究センターをグループ化して設立する計画を打ち立てた。2011年、首都アシガバート付近の地域であるビクロバ (ロシア語版 ) にテクノロジーパークの建設が開始されており、様々な関連施設が統合される予定となっている。また、このテクノパークでは、代替エネルギー (太陽光 、風力 )とナノテクノロジー の開発に関する研究を実施する運びとされている[ 55] 。
国民
人口
最新の2022年国勢調査 によると総人口は7,057,841人である[ 56] 。1989年ソ連国勢調査 では約352万人であった[ 57] 。国立統計情報研究所が発表した公式推計によると、1995年に450万人、2000年に537万人、2003年4月に600万人、2006年3月に約679万人、2006年7月には約684万人[ 58] と増加傾向にある。2006年12月のニヤゾフ死去後人口の公式発表は行われなくなり、2012年に実施された国勢調査は結果が公表されなかった[ 59] 。
だがトルクメニスタン政府が発表している人口統計は正確性に疑問を持たれている。外部機関では2005年の人口を約467万人と推定している[ 58] 。また政府に近い関係者によると2021年の予備調査の時点で人口は280万人にも満たなかったという[ 60] 。背景には出生率 の低下と、抑圧的な政治体制と生活難による国民の脱出が指摘されている。アシガバードの情報筋によると2008年から2018年にかけて200万人が国外へ脱出し、深刻な人口減少に見舞われているという[ 61] 。
民族構成
トルクメン人が人口 の大半を占め、ロシア人やウズベク人も多い。現在、ロシア人の人口は減少傾向にある。2003年時点での民族ごとの人口比は、トルクメン人 が85%、ウズベク人が5%、ロシア人が4%、その他が6%である。
ソ連時代の名残りから、人名はロシア語 風の姓名が多く見受けられる。
言語
トルクメン語 72%、 ロシア語 12%、ウズベク語 9%、その他7%。
ロシア語も通用する[ 2] が、トルクメン人同士は主にトルクメン語で会話する。ただ、トルクメン人でも長く都市部に住んでいる者やエリートなどの中にはロシア語を母語 とし、トルクメン語が満足に話せない者もいる。初代のニヤゾフ大統領もその一人だった。
婚姻
婚姻時に、婚姻前の姓を保持する(夫婦別姓 )か、共通の姓(同姓)かを選択することができる[ 62] 。
宗教
イスラム教 スンナ派 が大多数[ 2] 。キリスト教 正教会 の信徒も一部存在する。
教育
2015年の推計によれば、15歳以上の国民の識字率 は99.7%(男性:99.8%、女性:99.6%)である[ 63] 。
保健
2018年の推計によれば、国民の平均寿命 は70.7歳(男性:67.6歳、女性:73.9歳)である[ 63] 。また、前大統領であったベルディムハメドフが歯科医師ということもあり、病院・医療関連へは個人的な思い入れが大きいという。医療機器に関してはドイツが先行している。また、医療分野でのITシステム導入は、医療に対する消費者への簡易アクセスを可能にするものとして重要視されている[ 38] 。
治安
トルクメニスタンの治安は経済の項目欄でも記されている通り、比較的安定している面を持つが、犯罪統計を一切公表していないためか実際の犯罪発生状況を正確に把握することが困難な状態にあり、危険と判断されるレベルで捉えられていることが多い[ 64] [ 65] 。国連薬物犯罪事務所 (UNODC=United Nations Office on Drugs and Crime)の統計によると、統計のある最新の2006年の数値では、10万人あたりの殺人(既遂)が約4.2件(認知件数 :203件)[ 66] 、窃盗(強盗・侵入盗・自動車盗は除く)は、約29.7件(認知件数:1,431件)[ 67] である。殺人は中央アジア5か国の中ではカザフスタン(約11.3件[2008年]、2015年は減少して約4.8件)、キルギス(約8.3件[2006年]、2016年は減少して約4.5件)に次いで3番目であり、窃盗はウズベキスタンを除いた4か国の中では一番低い。
現在、海外からの訪問者が現地で盗難 被害に遭う事件が後を絶たない。同地の警察 は贈収賄 が横行している問題も根強い。
両替 を行うブラックマーケット も存在し、実際の為替レート とは違う金額で換金が行われるなどの被害も多発している。
さらに、売春 を行っていると思わしき女性と一緒にいた外国人男性が現地の警察から嫌がらせを受けたという被害報告も出ている。
法執行機関
トルクメニスタンにおける法執行機関 は3つの公的機関で構成されている。
人権
トルクメニスタンでは、国内の少数民族 に対する差別が今も続いている。一例として、同国に散在する世界的少数民族のバローチ人 の文化やその言葉を教えることが禁じられている[ 68] 。
また、トルクメニスタンでは2003年にロシアとの二重国籍 を廃止している。そこからロシアのパスポートを持たないトルクメニスタン生まれのロシア人は、トルクメン人に認定される形で自身のアイデンティティー を奪われ、ロシアへの出入国も永久に行えない可能性が高まっている[ 69] 。加えて数千人のロシア人がトルクメニスタンから財産などを放棄したままで出国するよう促されたという話もある[ 70] 。
マスコミ
トルクメニスタンは、世界で最も厳しくメディアを統制している国家の一つに数えられる。ニヤゾフ政権時代は極端な報道規制により海外から多くの批判を受けた。現在のベルディムハメドフ政権も前政権同様に独裁体制を一貫している点から、言論の自由 と報道の自由を侵害する姿勢が強く、海外諸国ではその現状に対して今も批判が絶えない。
国境なき記者団 による「世界報道自由度ランキング 」では最下位にランクづけされており、情報の統制が色濃い面が見受けられる[ 71] 。
文化
ユルト で寛ぐトルクメン人の家族。 撮影はセルゲイ・プロクディン・ゴルスキー
アハル・テケ というトルクメニスタン名産の馬 はトルクメニスタンの誇りとされ、アレクサンダー大王 もお気に入りだったという。このほか、トルクメン絨毯 も名産品の一つ。
食文化
文学
音楽
ペルシア (イラン)やインドの音楽の影響下にある独自の民族音楽 がある。
また、ソ連時代からジャズ や軽音楽 のバンド の活動もあり、打楽器 奏者 Rishad Shafi をリーダーとするバンド Гунеш (Gunesh Ensemble)のレコード がソ連国営レコード会社メロディア から発売されていた。同バンドは高度な演奏技術を持ち、トルクメニスタンを代表するバンドとして西側諸国 でも高い評価を得ている。
映画
衣装
伝統的な衣装を身にまとったトルクメン人 の女性。
建築
世界遺産
トルクメニスタン国内には、UNESCO の世界遺産 リストに登録された文化遺産 が3件存在する。
祝祭日
独立記念日のパレードの様子
日付
日本語表記
現地語表記
備考
1月1日
新年
1月12日
記憶の日
2月19日
トルクメニスタン国旗 の日
ニヤゾフ初代大統領の誕生日でもある。
3月8日
トルクメニスタン(国際)女性の日
3月21日、22日
春分 の日
4月第1日曜日
「水の滴、金の粒 」の日
4月最終日曜日
トルクメニスタン競走馬 の日
5月8日
1941-1945年大祖国戦争 戦死者追悼日
5月9日
勝利の日
5月18日
再生、統一、マフトゥムグル の詩の日
5月最終日曜日
トルクメン絨毯 の日
7月第3日曜日
ガッラー・バイラマの日
8月第2日曜日
メロンの日
ニヤゾフ初代大統領がメロン好きであった事から制定された記念日で、現在も引き継がれている。当日はメロンを称える様々なイベントが行われる。
9月第2土曜日
石油・ガス、エネルギー、地質産業職員の日
9月第2日曜日
トルクメン・バフシーの日
バフシーとは、弾き語りをする音楽師。
10月6日
追悼、全国民服喪の日
10月27日、28日
トルクメニスタン独立記念日 (英語版 、ロシア語版 、トルクメン語版 )
11月第1土曜日
健康の日
11月17日
学生の日
11月最終日曜日
収穫の日
12月第1日曜日
善隣の日
12月12日
中立の日
12月21日
初代トルクメニスタン大統領、偉大なるサパルムラト・テュルクメンバシュ記念日
ニヤゾフ初代大統領の没日(2006年)で、2007年3月2日制定。
政府が決定
クルバン・バイラムの日
政府が決定
オラザ・バイラムの日
過去の月名と曜日名
2002年、ニヤゾフ元大統領の独断により月の名称と曜日の名称が独自のものに変えられた。しかし国民には不評で2008年4月には元に戻す法案が提出され、2009年から元の月と曜日の名称に戻った。
トルクメニスタンの月
月
日本語表記
現地語表記
本来のトルクメン語
備考
1月
テュルクメンバシュ
Türkmenbaşy
Ýanwar
ニヤゾフ大統領の言葉によれば、ニヤゾフ大統領自身を賛美するためではなくトルクメン人にとっての最初の月だからだという。
2月
バイダク
Baýdak
Fewral
「旗」、2月に国旗 を制定したため。
3月
ノヴルーズ
Nowruz
Mart
イラン暦 新年
4月
グルバンソルタン
Gurbansoltan
Aprel
ニヤゾフの母親の名前。これは議員からの「提案」。
5月
マフトゥムグル
Magtymguly
Maý
トルクメニスタンの国民的詩人
6月
オグズ
Oguz
Iýun
歴史上の人物。トゥルクマーンによる国家を初めて築いたとされるオグズ・ハーン。
7月
ゴルクート
Gorkut
Iýul
歴史上の人物。トルクメンの叙事詩 の英雄。
8月
アルプ・アルスラーン
Alp Arslan
Awgust
歴史上の人物。セルジューク朝 を拡大させたスルタン 。
9月
ルーフナーマ
Ruhnama
Sentýabr
ニヤゾフが9月にルーフナーマを書き終えたから。
10月
ガラシュスィズルィク
Garaşsyzlyk
Oktýabr
「独立」。トルクメンが1991年に独立した月。
11月
サンジャール
Sanjar
Noýabr
歴史上の人物。大セルジューク朝最後のスルタンであるサンジャール。
12月
ビタラプルイク
Bitaraplyk
Dekabr
「中立」。永世中立国となった月。
トルクメニスタンの曜日
曜日
日本語表記
現地語表記
備考
本来のトルクメン語
月曜日
バシュギュン
Başgün
主要な日
Duşenbe
火曜日
ヤシュギュン
Ýaşgün
若き日
Sişenbe
水曜日
ホシュギュン
Hoşgün
善の日
Çarşenbe
木曜日
ソガプギュン
Sogapgün
敬虔の日(死者に祈りを捧げる日 )
Penşenbe
金曜日
アンナギュン
Annagün
全国民がルーフナーマ を読む日
Anna
土曜日
ルフギュン
Ruhgün
精神の日(読書や観劇で精神を高める日)
Şenbe
日曜日
ドゥインチギュン
Dynçgün
休息の日
Ýekşenbe
スポーツ
トルクメニスタンのスポーツは多種多様なものとなっており、球技ではサッカー 、バスケットボール 、テニス 、ハンドボール など、ウィンタースポーツ ではアイスホッケー 、格闘技 においてはレスリング 、柔道 、ボクシング 、ムエタイ で能力の高い選手を輩出している。さらにオリンピック への出場経験もあり、重量挙げ や陸上競技 にも力を入れている。
傍らで馬 を用いたスポーツが国内各地で開催されており、特に競馬 は専用の競技場 のあるアシガバート で人気を博している。一方、頭脳スポーツ ではチェス に特化した面を持ち、これまで4人の選手を世界に送り出している。
サッカー
トルクメニスタン国内ではサッカー が最も人気のスポーツ となっており、1992年 にプロサッカーリーグのトルクメニスタン・リーグ が創設された。FKアルティン・アシル が圧倒的な強さを誇っており、2014年 から2021年 までにリーグ8連覇を達成している。
トルクメニスタンサッカー連盟 (TFF)によって構成されるサッカートルクメニスタン代表 は、これまでFIFAワールドカップ には未出場となっている。しかしAFCアジアカップ では、2004年大会 と2019年大会 で2度の出場を果たしている。AFCチャレンジカップ では2010年大会 と続く2012年大会 で準優勝に輝いており、近年は力をつけて来ている。
著名な出身者
ソ連 時代の1959年 に発行されたマフトゥムグル (英語版 ) の切手 。
著名な人物として詩人 のマフトゥムグル (英語版 ) がおり、トルクメニスタンの国民的詩人 とも言われている。首都・アシガバート のメインストリートは「マフトゥムグル通り」と名づけられおり、バルカン州 にはマフトゥムグル県 (英語版 ) が置かれている。出身地は世界遺産 の「ゴンバデ・カーブース 」でも有名なゴンバデ・カーヴース (英語版 ) (現イラン ・ゴレスターン州 )である。
脚注
注釈
出典
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関連項目
外部リンク
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