静岡県警察(しずおかけんけいさつ、英語: Shizuoka Prefectural Police)は、警察法第36条により静岡県に置かれた警察組織であり、静岡県内を管轄区域とし、静岡県警と略称する。警察庁関東管区警察局の監督と、静岡県公安委員会の管理を受ける。給与支払者は静岡県知事。本部所在地は静岡市葵区追手町9番6号(静岡県庁別館)。
沿革
昭和
平成
- 1989年(平成元年)4月1日 - 防犯警ら部を防犯部・警ら部に分割、特別機動警ら隊を自動車警ら隊に改称。
- 1990年(平成2年)4月1日 - 浜北警察署を設置。(28署→29署)
- 1992年(平成4年)8月1日 - 静岡運転免許センターは土曜日の免許更新業務を中止、日曜日のみ免許更新を実施。
- 1993年(平成5年)
- 1994年(平成6年)
- 1996年(平成8年)3月25日 - 県本部庁舎(県庁別館)竣工、5月21日業務開始式、5月30日竣工式。
- 2006年(平成18年)4月1日 - 榛原警察署を牧之原警察署へ改称。
- 2007年(平成19年)
- 4月1日 - 水窪警察署を廃止、管轄区域を天竜警察署へ統合。(29署→28署)
- 10月19日 - 交番、警察官駐在所の名称中にある所在地市町の冠称を廃止(例:静岡中央警察署静岡市安東交番→静岡中央警察署安東交番)[3]。
- 2008年(平成20年)4月1日 - 蒲原警察署を廃止、管轄区域を富士警察署と清水警察署に分割。(28署→27署)
- 2010年(平成22年) 3月23日- 新居警察署を湖西警察署へ改称。
- 2011年(平成23年)
- 4月1日 - 袋井警察署を設置。森警察署を廃止、管轄区域を袋井警察署へ統合。
- 8月1日 - 静岡県暴力団排除条例を施行。
- 2012年(平成24年)4月14日 - 新東名高速道路県内一部区間開通に伴い、高速道路交通警察隊・新静岡・長泉・浜北の各分駐隊を設置。
- 2013年(平成25年)4月1日 - 松崎警察署を廃止、管轄区域を下田警察署へ統合。(27署→26署)
- 2013年(平成25年)4月1日 - 裾野警察署を設置。(26署→27署)
- 2019年(平成31年)4月1日 - 浜松西警察署を設置。(27署→28署)
令和
人員・装備
静岡県警察の公表値(2022年3月28日現在)[5]
- 警察官 - 6195名
- 事務・技術職員 - 809名
- 警察署 - 28署
- 交番 - 213交番
- 駐在所 - 110ヶ所
- 警備派出所 - 1ヶ所
- パトカー - 433台
- 白バイ - 96台
- 警備艇 - 4隻
- 静1 かつら 浜松西 8m型
- 静2 はやぶさ2 熱海 8m型
- 静6 かもめ 湖西 8m型
- 静7 するが 清水 17m型 1999-
- いず 下田
- (退役) 静3 かぬき 沼津 12m型
- (退役) 静4 あさかぜ 下田 -2014
- ヘリコプター - 2機
- 2005年5月3日の墜落事故によりふじ1号が失われた。2007年2月に補充機としてふじ3号が配備され、2機体制での運用に戻っている。
組織
本部
大規模警察本部であり、本部長は警視監。静岡県警察組織規則(昭和34年静岡県公安委員会規則第9号)において規定する部署、静岡県警察ホームページに掲載する部署を記載する。
市警察部
県内の各政令指定都市に、市警察部を設置している。
静岡県警察学校
警察署
以下の28警察署がある。市町村合併等に絡み、警察署の再編が進行中である。
※警察車両ナンバー地名は伊豆地域が「伊豆」、沼津市周辺地域が「沼津」、富士山南麓地域が「富士山」(山梨県富士山北麓地域と共通)、中部地域が「静岡」、西部地域が「浜松」である。
警察署の再編
市町村合併により警察署の管轄が市町村の境界と合致しなくなっていることや、サービスの向上を目的として、警察署の再編が推進されている。以下は静岡県警察本部が「警察署再編整備計画[12]」として2005年(平成17年)11月30日に発表した内容であり、公表後に合併により地名が変わっているところがある。警察署の再編計画が発表された2005年(平成17年)時点で29あった警察署は、蒲原・森・水窪・松崎署の分庁舎化と袋井・裾野署の新設によって、2013年(平成25年)現在で27署となっていたが、2019年(平成31年)4月に浜松西署が新設され、28署体制となった。
警察署の新設
以下の3警察署を早期新設すること。2019年(平成31年)に完了。
警察署の統廃合・分庁舎化
以下の4警察署を分庁舎とすること。
- 蒲原警察署:富士川町を富士警察署の管轄に変更し、蒲原警察署を清水警察署の分庁舎とする。2008年(平成20年)4月統合。
- 森警察署:2011年4月に新設した袋井警察署に統合。袋井署の分庁舎とした。これに先んじて浜松市に編入した旧春野町を2007年(平成19年)4月に天竜警察署の管轄に変更した。
- 水窪警察署:2007年(平成19年)4月天竜警察署に統合。天竜署の分庁舎とし、新たに水窪交番所長(警視職の本署水窪担当次長が兼務)を置く。
- 松崎警察署:下田警察署の分庁舎とする。2013年(平成25年)4月統合。
管轄区域の変更
以下のように警察署の管轄区域を変更すること。すべて変更済。
名称の変更
以下のように警察署名称を変更すること。2012年(平成24年)現在、榛原・新居署のみ変更済。
- 榛原町と相良町が合併して牧之原市となったため、榛原警察署を「牧之原警察署」に名称変更。管轄区域は牧之原市と吉田町。2006年(平成18年)4月変更。
- 新居町が湖西市に編入され、管轄区域が湖西市のみとなったため、新居警察署を「湖西警察署」に名称変更。2010年(平成22年)3月に変更。
- 浜北警察署・細江警察署・天竜警察署は、浜松市が政令指定都市に移行に伴う行政区の名称決定に合わせ、変更を検討。結果的に細江だけ行政区名と一致しなかったが、署名変更は実施されていない。理由として細江警察署を行政区名に合わせて改名した場合「浜松北警察署」となるが「浜北警察署」と紛らわしいことが考えられる。
運転免許の更新を扱わない警察署
静岡県警察では、「優良運転者(30分講習)及び高齢者講習受講済みの免許更新は、全ての県内の免許窓口(運転免許センター、全ての警察署(浜北警察署を除く)及び警察署分庁舎)で手続できます[14]」とされており、更に「浜北警察署では行政処分を除く免許関係手続(更新、再交付及び記載事項変更等)を取り扱っていません[14]」となっている。これは西部運転免許センターが隣接しているためで、案内でも「隣接する西部運転免許センターへお越し願います[14]」としている。
歴代本部長
氏名
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在任期間
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前職
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後職
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宮脇磊介
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1983年(昭和58年) - 1985年(昭和60年)
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警察大学校副校長
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皇宮警察本部長
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古山剛
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1985年(昭和60年) - 1987年(昭和62年)
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警察庁刑事局保安部防犯課長
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東北管区警察局長
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福永英男
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1987年(昭和62年) - 1989年(平成元年)
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大阪府警察本部警務部長
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神奈川県警察本部長
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桑田錬造
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1989年(平成元年) - 1991年(平成3年)
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大阪府警察本部総務部長
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北海道警察本部長
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清島傳生
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1991年(平成3年) - 1992年(平成4年)
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警察庁長官官房審議官(刑事局担当)
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東北管区警察局長
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大山克己
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1992年(平成4年) - 1993年(平成5年)
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警察大学校警務教養部長
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公安調査庁調査第一部長
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泉幸伸
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1993年(平成5年) - 1995年(平成7年)
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警察庁長官官房審議官(刑事局保安部担当)
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警察大学校副校長
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金重凱之
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1995年(平成7年) - 1997年(平成9年)
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内閣総理大臣秘書官(細川、羽田、村山首相)
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警察庁長官官房総務審議官
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吉原丈司
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1997年(平成9年) - 1998年(平成10年)
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九州管区警察局総務部長
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中国管区警察局長
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小林武仁
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1998年(平成10年) - 2000年(平成12年)
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警察庁警備局警備企画課長
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警察庁長官官房審議官(警備局担当)
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知念良博
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2000年(平成12年) - 2002年(平成14年)
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警察庁生活安全局生活安全企画課長
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警察庁長官官房審議官(刑事局担当兼金融・不良債権関連事犯担当)
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水田竜二
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2002年(平成14年) - 2004年(平成16年)
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公安調査庁調査第一部長
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退職
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高石和夫
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2004年(平成16年) - 2006年(平成18年)
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警察庁警備局警備企画課長
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警視庁公安部長
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五十嵐邦雄
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2006年(平成18年) - 2007年(平成19年)
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警察庁警備局警備企画課長
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警察庁長官官房審議官(警備局担当)
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原田宗宏
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2007年(平成19年) - 2010年(平成22年)
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皇宮警察本部警務部長
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警察大学校国際警察センター所長
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安村隆司
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2010年(平成22年) - 2011年(平成23年)
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警察大学校警務教養部長兼教授
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公安調査庁調査第一部長
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繁田誠
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2011年(平成23年) - 2013年(平成25年)
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内閣官房内閣審議官(内閣情報調査室)
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内閣官房内閣審議官(内閣情報調査室)
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島根悟
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2013年(平成25年) - 2014年(平成26年)
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警察庁刑事局刑事企画課長
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警察庁長官官房政策評価審議官兼長官官房審議官(生活安全局担当)
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西川直哉
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2014年(平成26年) - 2016年(平成28年)
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警察共済組合本部事務局長
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警察大学校国際警察センター所長兼警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当)
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筋伊知朗
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2016年(平成28年) - 2018年(平成30年)
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警視庁総務部長
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警視庁警務部長
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小嶋典明
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2018年(平成30年) - 2020年(令和2年)
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科学警察研究所総務部長
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中国四国管区警察局長
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山本和毅
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2020年(令和2年) - 2022年(令和4年)9月13日
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大阪府警察本部副本部長
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関東管区警察局長
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大原光博
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2022年(令和4年)9月13日 -
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警察大学校国際警察センター所長兼警察庁長官官房審議官(国際担当)
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マスコットキャラクター
マスコットキャラクターは、サッカーボールをモチーフにした「エスピーくん」。名前は「Shizuoka Police」の頭文字SPから。誕生日はキャラクターの制定された1996年(平成8年)5月21日。
機動隊部隊マーク
信号機の傾向
- LED式信号機への更新は近隣の東京・神奈川・愛知などと比較しても、又、全国の中でもかなり遅れを取っていて[注 2]、2008年前半頃迄は静岡市や浜松市等主要な都市の中心部や、国道1号(特に浜松バイパス、静清バイパス)や国道246号等交通量の多い国道交差点の国道側、郊外や市町村では事故が多発している様な交差点のみなど限定的に導入が進められてきており、電球式の新設・更新も多くLED式信号機の設置はあまり積極的とはいえなかったが、2008年後半辺りから郊外や市町村にもLED式信号機への新設・更新に切り替わってきている(国道側のみLEDで設置しているパターンは神奈川県にも見られるが、最近は静岡県内も両方向ともLEDで設置している交差点も増えてきている。最近のパターンでは車両用信号機をLEDに変更すると共に歩行者用信号もLEDに変更されている)[注 3]。2030年度を目途に、静岡県内全ての信号交差点をLED信号機に切り替える方針を2022年2月末に公表している。
- LED式信号機への更新も小糸工業→コイト電工製が一番多い[15]。尚、LED信号機は樹脂製の信号機は設置されていない。LED式の矢印信号は他府県では2列配列が殆どだが、静岡県では主に3列配列のLED式矢印信号が設置されていたが、2013年以降は他府県同様、2列配列の矢印信号に切り替わっている。
- 同県では信号機を新設・更新する際には警察署名・管理番号・施行年月(例・「昭和・平成・令和○年○月 新設」)・施行業者の名前が刻まれた金色のラベルを信号柱に取り付けている。
主な事故
- ヘリ墜落事故 ‐2005年 5月3日、静岡市清水区の住宅街に県警のヘリ「ふじ1号」が墜落し、警察官と操縦士らが死亡した。
- 2013年8月、三島市東町の市道交差点で現場に向かっていたパトカー2台が出合い頭に衝突し、はずみでパトカー1台が民家に突入、住宅の基礎部分を破壊[16]。
- 2015年6月4日、磐田警察署刑事課男性巡査が当て逃げ事故を起こし、相手にけがをさせたとして事故不申告と過失運転致傷容疑で書類送検し、本部長訓戒とした[17]。
主な未解決事件
過去の主な事件・不祥事
- 警察不正経理問題(裏金問題)が過去にあった。
- 2012年3月、磐田警察署長が、署員3名が起こした窃盗事件を立件せず、隠蔽していた疑いが強まり、県警は同月2日にこの署長を警務部付に異動させた[19]。
- 2012年6月19日、静岡中央警察署の男性警部補が、自動車と自転車との接触事故の処理の際、事故の目撃者の男性の携帯電話番号を、男性に無断で事故の当事者らに伝えていたことが判明した。県警は、この警部補の行為が、地方公務員法における守秘義務違反に相当する可能性があるとして調査中[20]。
- 2012年8月23日、静岡南警察署の30歳代の男性巡査が、静岡市駿河区内で発生した器物損壊事件の現場に向かう途中で、公園で少女が襲われているとの内容の虚偽の110番通報を行った。同署は、当該の巡査の携帯電話に返信したところ、巡査が虚偽の110番をしていたことが明らかになった。県警は同年11月22日に、この巡査を軽犯罪法違反容疑で静岡地方検察庁に書類送検した上、減給10分の1とした[21]。
- 2013年8月、磐田警察署地域課の男性巡査部長が、拳銃を個人ロッカーに置き忘れる。別の署員が署内保管庫に拳銃がないことに気付き発覚[22]。
- 2013年11月、沼津警察署の30歳代男性警部補、同署の30歳代男性巡査部長、本部の30歳代男性巡査部長の計3人が、部下の巡査長と巡査に対し暴言を吐き、打撲や左耳の鼓膜を破るなどの暴行をくわえ、「罰金」と称して金銭を搾取するなどしたとして書類送検。警部補を停職一ヶ月、巡査部長2人を減給10分の1(6ヶ月)の懲戒処分とし、事件を隠蔽し報告を怠ったとして、当時同署の課長だった本部の50歳代の警部を本部長訓戒処分とした[23]。
- 2014年1月、磐田警察署で薬物捜査を担当する40代の男性警部補が、帰宅途中に小袋に入れて持っていた脱法ハーブとみられる植物片を吸引し、意識が無くなり道端で倒れ、居合わせた通行人の119番通報により、磐田市内の病院に救急搬送される[24]。
- 2014年2月、交通機動隊東部支隊の40代の警部補、30代の巡査部長をはじめ警察署員計9名が、20代の新人巡査に対し「無料通信アプリLINEの招待を断った」などと因縁をつけ執務室で腕立て伏せ120回を強要し、懇親会で「反応が面白かった」と、コンロで熱したトングを右腕に押しつけたり、鍋料理の具を顔に押しつけ火傷を負わせ、署内でもライターの着火装置を放電させながら巡査の体に押し当てたりと勤務時間中にも制裁行為を繰り返していたとして懲戒処分。監察課は「被害者の巡査に処罰感情はない」とし、傷害罪での立件は見送るも、パワハラを主導した警部補と巡査部長は同日付で依願退職[25]。
- 2014年7月、天竜警察署刑事生活安全課の巡査部長が職務上知り得た個人情報を知人の暴力団関係者に漏らしたとして、1日に地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで逮捕された[26]。
- 2017年10月、県警警備課の男性巡査部長が、児童ポルノを所持している疑いが出たため、11月に自宅を調べたところ、女子中学生の水着が見つかり、男性巡査部長が盗んだことを認めたため、12月6日、窃盗容疑で逮捕した。県警は児童買春・ポルノ禁止法違反(単純所持)の疑いでも男性巡査部長を調べる[27]。
- 2023年7月、三島警察署刑事課の男性警部補が女性宅に不法侵入し、県警は住居侵入罪で逮捕した[28]。
- 同月、県警交通機動隊の男性巡査部長が白バイでパトロール中に、浜松市内の駐車場に止まっていた車の中から現金17万円等が入ったバックを盗んだとして窃盗罪で逮捕された[29]。
- 同月、県警は裾野警察署地域課の男性警部補を覚醒剤取締法違反容疑で逮捕したと発表した[30]。同月中に逮捕された警察官は3人にも及んだ。
冤罪事件
ここでは静岡県警管轄の事件で冤罪が確定した事件を掲載(袴田事件は刑の執行は停止されたが、再審で争っている状態)
その他
参考文献
脚注
注釈
- ^ 国家公務員である警視正以上の幹部職員を含まない。
- ^ 2011年10月の調査によると静岡県内はLED信号機の普及ワースト2位との事である。
- ^ 2009年以降、新設の方はほぼLED式信号機に切り替わっているが、更新は部分的な交換は未だに電球式で更新している所もある。2010年以前は従来型のLED信号機が中心だったが、2011年以降は薄型のLED信号機の更新が主流となっている。
出典
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
静岡県警察に関連するカテゴリがあります。
外部リンク