岡山県警察(おかやまけんけいさつ)は、岡山県が設置した警察組織であり、岡山県内を管轄区域とし、岡山県警と略称する。警察法上、岡山県公安委員会の管理を受けるが、給与支払者は岡山県知事である。警察庁中国四国管区警察局管内。本部所在地は岡山市北区内山下二丁目4番6号。
沿革
- 1954年7月1日 - 警察法施行により岡山県警察発足。
- 1955年5月1日 - 警務部に監察官室を新設。
- 1958年11月1日 - 刑事部に捜査第二課を新設。捜査課は捜査第一課に改称。
- 1960年11月1日 - 警備部に警ら課を新設。警ら交通課を交通課に改称。
- 1961年6月1日 - 特別警備隊を機動隊に改称。
- 1964年4月1日 - 交通部を新設。警備部交通課を移管し交通第一課・交通第二課に改組。警備部警ら課を外勤課に改称。
- 2020年6月 - 岡山県庁の南側に新警察本部庁舎が竣工し、10月から業務を開始した。
- 2021年7月1日 - 航空隊の所属を地域部地域課から警備部警備課に変更[1]。
本部組織
大規模警察本部であり、本部長は警視監。
- 刑事部
- 刑事企画課
- 捜査第一課
- 捜査第二課
- 捜査第三課
- 組織犯罪対策第一課
- 組織犯罪対策第二課
- 鑑識課
- 科学捜査研究所
- 機動捜査隊
- 岡山方面隊(警察本部伊福町庁舎内)
- 倉敷方面隊(倉敷警察署内)
- 北部方面隊(津山警察署内)
岡山県警察学校
所在地は岡山市北区玉柏2753番地
岡山市警察部
岡山市警察部長は地域統括官が兼務
関連施設
警察署
警察署数は22。※警察車両のナンバー地名は倉敷・笠岡周辺地域が「倉敷」
、それ以外の地域は「岡山」である。署長を警視正が務める大規模警察署は岡山中央警察署と岡山西警察署。
備前
備中
美作
警察署の再編
歴代警察本部長
マスコットキャラクター
- ももくん
- ももかちゃん
- 岡山県の花である「桃の花」にちなんで「ももかちゃん」と名付けられる。2009年1月に登場した岡山県警察のマスコットキャラクターである。「ももくん」の妹。
全国初の取り組み
岡山県警察では、2019年にあおり運転に関する通報専用のウェブサイト「岡山県 あおり110番 鬼退治ボックス」を同年11月21日に開設した[3][4][5]。ドライブレコーダーなどの動画が添付できるものとしては全国初[6]。開設後寄せられた情報を元に、同年11月16日に倉敷市内であおり運転を行ったダンプカーを特定し、同年12月5日に道路交通法違反で初めて摘発した[5][7]。
未解決事件
- 1995年4月 - 倉敷市児島上の町にある民家が全焼、焼け跡から自宅の1階から被害者夫婦(事件当時夫70歳、妻66歳)の遺体が見つかった。夫は腹に包丁が刺さったままの状態で妻も胸などに刺し傷が数ヶ所あり、夫婦共に頭部が無くなっていた[8]。また公訴時効が無い未解決事件では日本最古である。
- 2002年6月3日 - 津山市に住む主婦(当時54歳)が岡山市内で行方不明となっている。しかし、6月23日に重要参考人の元タクシー運転手が自殺し、銀行の監視カメラから指名手配した女性も山中で自殺しているのが発見された[9]。
不祥事
- 2004年6月 - 警察内部の不祥事防止や違反者の処分を扱う県警本部監察課の次長がオートバイで出勤途中に38キロ超過の速度違反をし、取り締まりを逃れるために信号を無視したり、進入禁止の通学路を走ったりした末、白バイ3台に追いかけられて停止した。県警は警部を逮捕せず、違反切符を切るだけにとどめた。
- 2005年6月 - 岡山西警察署出入り口付近で護送車が被疑者に奪われ、30分後に逮捕された。
- 2005年6月 - 児島警察署の巡査長が実弾5発の入った拳銃を持ったまま行方不明となり、翌日に奈良県の山中で見つかった。
- 2010年1月 - 真庭警察署管内の駐在所に勤務する巡査部長の長男が、父親である巡査部長の拳銃を使用して自殺した。
- 2010年9月25日 - 笠岡警察署城見交番に於いて、ロッカーに保管されていた鑑識用の道具が盗まれているのが見付かった。同交番は、通常は24時間体制で署員が常駐しているが、この日はたまたま署で行われていた研修に署員全員が参加していたため前日の24日から無人状態となっていた[10]。
- 2011年12月 - 詐欺容疑で逮捕され護送中だった無職の少年(当時18歳)が逃走した。
- 2012年4月 - 本部生活安全部通信指令課の警部補が、“生意気だから”と暴力団員に指示して部下の女性警察官の私用車に剥離剤を掛け塗装を剥げさせる。両人とも器物損壊容疑で逮捕された。警部補は所轄で組織犯罪対策を担当していたことから暴力団員とは知り合いだったという。さらにこの警部補は、暴力団員の仲介によって自分が捜査権限を持たない交通トラブルについて処理する見返りと称して現金を騙し取ったとして、詐欺容疑で再逮捕された[11]。
- 2012年8月 -児島警察署刑事第一課に勤務していた50代の男性警部補が99〜00年に担当した19事件の捜査書類を放置。いずれも時効が成立しており、県警は事件の被害者など関係者に謝罪した。適切に事件を処理せずに書類を放置していたとして警部補を処分する方針である。
- 2012年10月20日 - 殺人の容疑で全国に指名手配されていた徳島・淡路父子放火殺人事件の被疑者の遺体が、県警本部近くのマンション一室で発見された。死亡後の検死でも被疑者と気付かず、葬祭業者からの連絡を受け指紋照合を行い判明した。
- 2013年3月26日 - 勝英警察署(現:美作警察署)で勤務していた40歳代の男性警部補(その後別の警察署に異動)が、交通違反切符などを処理せず放置していたことが発覚した。放置していた違反案件のうち、数件は公訴時効となっていた。県警監察課はこの警部補を公文書毀棄罪で捜査対象とした[12]。
- 2013年3月30日 - 県警機動警ら隊の40歳代の男性警部補が、県警本部のサーバーに不正アクセスし事件の捜査データを無断消去していたことが発覚した。この警部補は同隊の備品を盗んだことも明らかになっており、同僚への嫌がらせのためだったと供述した[13]。
- 2013年6月13日 - 津山市内のスーパーマーケットで育毛剤が万引きされる事件が多発し、店からの被害届で津山署が防犯カメラの映像に似ているとして同市内の70歳代の男性が逮捕されたが男性は一貫して容疑を否認し、同日には男性にアリバイがあったことも明らかとなったため、同署は男性を釈放した。また防犯カメラの映像をさらに解析したところ、別人であることが明らかとなった[14]。
- 2013年6月24日 - 岡山西警察署で総務・会計を担当する副署長が4月、署に届けられた600円相当の腕時計を着服し横領した疑いで書類送検された。副署長は停職3か月の懲戒処分を受け、24日付で依願退職となった。副署長が倉庫から持ち出すのを部下が目撃し、署長に報告して横領が発覚した。
- 2013年8月7日 - 岡山西警察署生活安全課の巡査部長を勤務中に捜査車両内で、後輩の女性警察官の体を無理やり触るなどしたとして強制わいせつの疑いで逮捕した。
- 2014年5月 - 倉敷警察署地域課の男性巡査を窃盗事件の被害届など捜査書類33通を寮の自室に隠したとして、公用文書毀棄容疑で書類送検された。
- 2014年7月 - 岡山県警の覆面パトカーが6月、逮捕状を請求するため山陽自動車道を時速約140キロで緊急走行し速度超過したとして、県警が道路交通法違反(速度超過)の疑いで笠岡署交通課の30代の男性巡査長を書類送検していたことが3日、分かった。巡査長は6月27日付で処分したが、内容は明らかにしていない[15]。
- 2015年7月 - 14日午後10時ごろ、岡山市南区新福二丁目の国道交差点で緊急走行中の岡山南警察署のパトカーが同市の男性会社員の乗用車と出合い頭に衝突した[16]。
- 2018年12月10日 - 岡山県警察学校に於いて、凶器所持者を1対1で取り押さえる訓練を実施していたが、その際、被疑者役を演じていた教官の男性警部補が、模造刀を手放した後、本物のサバイバルナイフで訓練生の新人巡査の胸を2度に亘り刺した。巡査は傷が肺に達し数日間入院。当該の警部補は翌2019年3月に、過失致傷容疑で罰金50万円の略式命令を受けたが、県警は2019年7月に報道されるまで事実を公表していなかった[17]。被害に遭った元巡査は、加害者の警部補を逮捕しない県警に対し怒りを感じ、慰謝料などを求めて岡山地方裁判所に提訴している[18]。県が解決金200万円を払い和解した[19]。
- 2020年1月9日 - 機動隊所属の男性巡査長(26歳)が9日夜、岡山市内の飲食店駐車場に止めた私有車内で岡山県内在住の知人女性(20代)の胸などを合意なく触るなどわいせつな行為をしたとして13日、県警は男性巡査長を強制わいせつ容疑で書類送検し、停職(3カ月)の懲戒処分にした。なお、男性巡査長は同日付で依願退職となった。県警は、逮捕しなかった理由を逃走や証拠隠滅の恐れが無かったためとしている[20]。
- 2020年1月 - 31日、総社警察署管内の駐在所の男性巡査部長(35歳)が2019年6月2日~8月20日、パトロールや巡回連絡を怠るなどしており、426時間の勤務時間のうち183時間について怠慢な勤務と判断した。実態のない時間外勤務も申請していたとして減給100分の10(3カ月)の懲戒処分にした。また監督責任で上司2人を所属長注意とした[21]。
- 2020年5月 - 真庭警察署の駐在所に勤務する男性巡査部長(40代)が同署にドメスティックバイオレンスの相談をした女性の自宅を2020年5月下旬の勤務時間外に「飯を持ってきた」と個人的に訪問し、室内で一緒に食事をしていた。後日、女性が知人を介して同署に抗議して発覚した。職務で知り得た情報を悪用した不適切な行為として、県警は男性巡査部長を地方公務員法違反(信用失墜行為)に当たる可能性もあるとして処分を検討している。この男性巡査部長は、実弾が入った拳銃を本来管理するはずの保管庫に入れず、個人ロッカーに放置していたことも判明した[22]。
- 2021年10月 - 10代の少女に性的暴行をしたとして、岡山南署の巡査を強制性交の疑いで逮捕した。逮捕容疑は9月19日未明、県南部の駐車場にとめた車内で、少女が13歳未満であることを知りながら性的暴行を加え、同22日にも県南部のホテルでこの少女に性的暴行をしたとしている。少女が通う学校関係者から県警に連絡があり、発覚。少女のスマートフォンなどから関与が浮上した。
- 2021年7月 - 7月6日から県警のTwitter公式アカウントが凍結され、同月9日に解除されるまで閲覧できない状態になった。岡山県警は凍結直前に「援交」や「パパ活」といったハッシュタグ(検索ワード)を用いて、児童の性犯罪被害抑止の為の啓発を書き込んでおり、この投稿がTwitter社が定めている利用ルールの「児童の性的搾取を助長するアカウントを凍結する」に抵触した可能性があるとしている[23][24]。
- 2023年7月 - 家出中の少女を勤務する駐在所に連れ込んでわいせつな行為をしたとして、県警は12日に児島警察署地域課の男性巡査部長(49)を強制わいせつなどの疑いで逮捕した。発表では、巡査部長は勤務中の3日、倉敷市内の公園にいた少女が家出中と知りながら「駐在所で休もう」と声をかけて宿泊させた上で、4日朝に抱きつくなどした疑い[25][26]。8月2日、岡山地検は県青少年健全育成条例違反の罪で巡査部長を起訴した[27]。
- 2023年10月-岡山南警察署で事件の証拠品として保管されていた320万円が紛失した。県警が署員などへの聞き取りから、男性巡査長の関与が浮上。男性巡査長(30)は「ギャンブルで借金をしていて金をとった」と話している[28]。
- 2023年11月 - 過去に玉島警察署長、生活安全部統括参事官を歴任し中国四国管区警察局へ出向中の50代の男性警視正が不同意性交等罪の容疑で広島県警察に逮捕された。警視正はマッチングアプリを使用し複数の女性と関係を持ったとされる。また被害者に対し自分の身分が警察官であることを明かし、上着の下に着用した階級章付きの制服を女性に見せたうえ「この行為は売春に当たる」と脅迫したうえ「始末書」という名の誓約書を書かせ口外しないよう口止めしたとされる。自宅に連絡先を聞きに来るなどの行為に悩んだ女性が広島県警に相談したことで発覚した。警視正は「捜査の一環であった」と容疑を否認している[29]。
- 2024年1月 - 県警交通部長を務める50歳代の男性警視正が、前年の2023年に実施された巡査部長昇任試験の出題内容を、部下の警察官に対し漏洩した疑いがあることが判明。問題を漏洩された警察官が県警に相談し、県警はこの交通部長に対し、国家公務員法(守秘義務)違反容疑で事情を聴いている[30]。同月26日、県警は同法違反の疑いで警視正を書類送検した。また、減給6カ月の懲戒処分とし、警視正は同日付で依願退職した。県警監察課によると、警視正は2023年6月から9月ごろ、同じ警察官に性的な言動を繰り返すセクハラもしていたという[31]。3月27日、岡山地検は元警視正を起訴猶予処分とした[32]。
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脚注
出典
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
岡山県警察に関連するカテゴリがあります。
外部リンク