1990年の映画

1990年の映画(1990ねんのえいが)では、1990年(平成2年)の映画分野の動向についてまとめる。

1989年の映画 - 1990年の映画 - 1991年の映画

出来事

世界

日本

周年

日本の映画興行

配給会社別年間配給収入
配給会社 配給本数 年間配給収入 概要
新作 再映 洋画 前年対比
松竹 22 50億6847万円 男はつらいよ ぼくの伯父さん』/『釣りバカ日誌2』(14.1億円)は期待通り。松竹富士との共同配給の『クライシス2050』(14億円)の結果には安堵したものの、『リメインズ 美しき勇者たち』(3.4億円)、『のぞみウィッチィズ』/『押忍!!空手部』(2.6億円)、『東京上空いらっしゃいませ』などが低調。『3-4X10月』(2.3億円)、『つぐみ』、『バカヤロー!3 へんな奴ら』、『鉄拳』は不本意な成績。『死の棘』(1.5億円)、勝新太郎の麻薬所持事件のために上映延期となっていた『浪人街』もヒットせず。
21 0 1 78.3%
東宝 18 106億5715万円 6年連続の年間配給収入100億円突破。フジテレビ製作の『タスマニア物語』(25.2億円)が邦画配給収入2位になったのをはじめ、『ドラえもん のび太とアニマル惑星』ほか(19.1億円)、『稲村ジェーン』(18.3億円)、『ゴジラvsビオランテ』(10.4億円)、『あげまん』(10億円)などが偉業に貢献。『ZIPANG』、『香港パラダイス』、『どっちもどっち』は期待を裏切る。『Mr.レディー・夜明けのシンデレラ』、『遥かなる甲子園』(3.5億円)、『流転の海』は結果を出せなかった。
18 0 0 100.8%
東映 19 109億9106万円 1986年以来4年ぶりに年間配給収入を100億円の大台に乗せた。邦画配給収入トップとなった角川映画天と地と』(50.5億円)が東映の年間配給収入の半分を占めた。『オーロラの下で』(11億円)も大量の前売動員に支持された結果。『ドラゴンボールZ』シリーズを中心に据えた『春のアニメまつり』(9.5億円)、『夏のアニメまつり』(8億円)は安定したハイアベレージの稼動。フジテレビ製作の『病院へ行こう』(7億円)は好調。『極道の妻たち 最後の戦い』(5億円)、『激動の1750日』は堅調。正月映画の『公園通りの猫たち』は低調、『ウォータームーン』(4.5億円)は前作『オルゴール』の半分以下。
19 0 0 110.1%
出典:「1990年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報1991年平成3年)2月下旬号、キネマ旬報社、1991年、142 - 144頁。 

各国ランキング

日本配給収入ランキング

1990年日本配給収入トップ10

順位 題名 制作国 配給 配給収入
1 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 UIP 55.3億円
2 天と地と 日本の旗 日本 東映 50.5億円
3 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 UIP 47.5億円
4 ゴースト/ニューヨークの幻 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 UIP 37.5億円[13]
5 ダイ・ハード2 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 20世紀フォックス 32億円
6 タスマニア物語 日本の旗 日本 東宝 25.2億円
7 ドラえもん のび太とアニマル惑星 日本の旗 日本 東宝 19.1億円
7 バットマン アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ワーナー・ブラザース 19.1億円
9 稲村ジェーン 日本の旗 日本 東宝 18.3億円
10 ゴーストバスターズ2 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 コロムビア映画 17.5億円
1990年邦画配給収入トップ10
順位 題名 配給 配給収入
1 天と地と 東映 50.5億円
2 タスマニア物語 東宝 25.2億円
3 ドラえもん のび太とアニマル惑星
チンプイ エリさま活動大写真
東宝 19.1億円
4 稲村ジェーン 東宝 18.3億円
5 男はつらいよ ぼくの伯父さん
釣りバカ日誌2
松竹 14.1億円
6 クライシス2050 松竹
松竹富士
14.0億円
7 オーロラの下で 東映 11.0億円
8 ゴジラvsビオランテ 東宝 10.4億円
9 あげまん 東宝 10.0億円
10 ドラゴンボールZ この世で一番強いヤツ
悪魔くん ようこそ悪魔ランドへ!!
魔法使いサリー
東映 09.5億円
#10の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、494頁。ISBN 978-4873767550 
上記以外の出典:1990年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
1990年洋画配給収入トップ10
順位 題名 製作国 配給 配給収入 備考
1 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 アメリカ合衆国の旗 UIP 55.3億円
2 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 アメリカ合衆国の旗 UIP 47.5億円 [注 1]
3 ダイ・ハード2 アメリカ合衆国の旗 20世紀FOX 32.0億円 [注 2]
4 ゴースト/ニューヨークの幻 アメリカ合衆国の旗 UIP 23.0億円 [注 3]
5 バットマン アメリカ合衆国の旗 ワーナー・ブラザース 19.1億円 [注 4]
6 ゴーストバスターズ2 アメリカ合衆国の旗 コロムビア映画 17.5億円
7 7月4日に生まれて アメリカ合衆国の旗 UIP 14.8億円
8 デイズ・オブ・サンダー アメリカ合衆国の旗 UIP 14.1億円
9 グレムリン2 新・種・誕・生 アメリカ合衆国の旗 ワーナー・ブラザース 13.5億円 [注 5]
10 フィールド・オブ・ドリームス アメリカ合衆国の旗 東宝東和 11.5億円 [注 6]
#4の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、504頁。ISBN 978-4873767550 
出典:1990年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟

全世界興行収入ランキング

1990年全世界興行収入トップ10
順位 題名 スタジオ 興行収入
1 ゴースト/ニューヨークの幻 パラマウント映画 $505,702,588
2 ホーム・アローン 20世紀フォックス $476,684,675
3 プリティ・ウーマン ブエナ・ビスタ $463,406,268
4 ダンス・ウィズ・ウルブズ オライオン・ピクチャーズ $424,208,848
5 トータル・リコール コロンビア ピクチャーズ $261,317,921
6 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 ユニバーサル・スタジオ $244,527,583
7 ダイ・ハード2 20世紀フォックス $240,031,094
8 推定無罪 ワーナー・ブラザース $221,303,188
9 ミュータント・タートルズ ニュー・ライン・シネマ $201,965,915
10 キンダガートン・コップ ユニバーサル・スタジオ $201,957,688
出典:1990 Worldwide Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月13日閲覧。

北米興行収入ランキング

1990年北米興行収入トップ10
順位 題名 スタジオ 興行収入
1. ホーム・アローン 20世紀FOX $285,761,243
2. ゴースト/ニューヨークの幻 パラマウント $217,631,306
3. ダンス・ウィズ・ウルブズ オライオン $184,208,848
4. プリティ・ウーマン タッチストーン $178,406,268
5. ミュータント・タートルズ ニューラインシネマ $135,265,915
6. レッド・オクトーバーを追え! パラマウント $122,012,643
7. トータル・リコール トライスター $119,394,840
8. ダイ・ハード2 20世紀FOX $117,540,947
9. ディック・トレイシー タッチストーン $103,738,726
10. キンダガートン・コップ ユニバーサル $91,457,688
出典: 1990 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月24日閲覧。

フランス観客動員数ランキング

  1. いまを生きるアメリカ合衆国の旗
  2. La Gloire de mon pèreフランス語版フランスの旗
  3. シラノ・ド・ベルジュラックフランスの旗ハンガリーの旗
  4. Le Château de ma mèreフランス語版フランスの旗
  5. ミクロキッズアメリカ合衆国の旗
  6. プリティ・ウーマンアメリカ合衆国の旗
  7. ベイビー・トークアメリカ合衆国の旗
  8. ニキータフランスの旗イタリアの旗
  9. リトル・マーメイドアメリカ合衆国の旗
  10. ゴースト/ニューヨークの幻アメリカ合衆国の旗
出典:FRANCE 1990 - BOX OFFICE STORY”. boxofficestory. 2016年1月24日閲覧。

日本公開映画

1990年の日本公開映画を参照。

受賞

誕生

死去

日付 名前 国籍 年齢 職業
1月 6日 イアン・チャールソン イギリスの旗 40 俳優
8日 テリー・トーマス イギリスの旗 78 俳優
15日 ゴードン・ジャクソン イギリスの旗スコットランドの旗 66 俳優
20日 バーバラ・スタンウィック アメリカ合衆国の旗 82 女優
24日 マッジ・ベラミー アメリカ合衆国の旗 90 女優
25日 エヴァ・ガードナー アメリカ合衆国の旗 67 女優
3月 5日 ゲイリー・メリル アメリカ合衆国の旗 74 俳優
17日 キャプシーヌ フランスの旗 59 モデル・女優
23日 藤田進 日本の旗 78 俳優
4月 15日 グレタ・ガルボ スウェーデンの旗アメリカ合衆国の旗 84 女優
23日 ポーレット・ゴダード アメリカ合衆国の旗 79 女優
5月 10日 岸輝子 日本の旗 85 女優
16日 サミー・デイヴィスJr. アメリカ合衆国の旗 64 歌手・俳優
ジム・ヘンソン アメリカ合衆国の旗 53 操り人形師
18日 ジル・アイアランド イギリスの旗 54 女優
27日 高峰三枝子 日本の旗 71 女優
28日 中村竹弥 日本の旗 71 俳優
6月 2日 レックス・ハリソン イギリスの旗 82 俳優
13日 木暮実千代 日本の旗 72 女優
7月 15日 マーガレット・ロックウッド イギリスの旗 73 女優
19日 石田達郎 日本の旗 72 フジサンケイグループ最高顧問
9月 4日 アイリーン・ダン アメリカ合衆国の旗 91 女優
6日 中野英治 日本の旗 85 俳優
19日 ハーミズ・パン アメリカ合衆国の旗 89 振付師
21日 初井言榮 日本の旗 61 女優
10月 2日 芥川隆行 日本の旗 71 ナレーター・元TBSアナウンサー
15日 デルフィーヌ・セイリグ フランスの旗 58 女優
20日 ジョエル・マクリー アメリカ合衆国の旗 84 俳優
11月 12日 イヴ・アーデン アメリカ合衆国の旗 82 女優
15日 富田仲次郎 日本の旗 79 俳優
12月 2日 ロバート・カミングス アメリカ合衆国の旗 82 俳優
7日 ジョーン・ベネット アメリカ合衆国の旗 80 女優
8日 マーティン・リット アメリカ合衆国の旗 76 映画監督

脚注

注釈

  1. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は47.4億円となっている[14]
  2. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は32.5億円となっている[14]
  3. ^ 日本映画製作者連盟の発表では、1990年分の配給収入は28.0億円となっている[15]。一方、『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』によれば、1990年分の配給収入が23.0億円、1991年分が14.5億円、累計の配給収入は37.5億円となっている[16]
  4. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は19億0800万円となっている[14]
  5. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は13.4億円となっている[14]
  6. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は11.0億円となっている[14]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j 東宝 2010b, p. 241.
  2. ^ a b c d e f 東映 1992, p. 88.
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 東宝 2010b, p. 242.
  4. ^ 「忘れえぬ「湖畔の宿」、銀幕半世紀、歌に志会も戦中派”心の恋人”・高峰三枝子さん逝く」 読売新聞1990年5月28日朝刊31面
  5. ^ 東映 1992, pp. 88–89.
  6. ^ 東映 1992, pp. 88, 90.
  7. ^ 斉藤 2009, p. 116.
  8. ^ 第42作 男はつらいよ ぼくの伯父さん”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年12月29日閲覧。
  9. ^ 小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  10. ^ 主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  11. ^ a b 過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
  12. ^ 主要耐久消費財等の普及率(全世帯)(平成16年3月末現在)” (XLS). 内閣府公式サイト. 統計表一覧:消費動向調査. 内閣府 (2004年3月31日). 2022年5月3日閲覧。
  13. ^ キネマ旬報ベストテン全90回史より
  14. ^ a b c d e 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、494頁。ISBN 978-4873767550 
  15. ^ 1990年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
  16. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、504頁。ISBN 978-4873767550 

参考文献

  • 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8 
  • 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746 
  • 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。 
    • 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。 

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