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菊池市(きくちし)は、熊本県北部にある市。
熊本県の北部を流れる菊池川の上流、熊本市から北東約25kmの場所に位置し、市中央部から南西部は熊本平野の北東端にあたる。大宰府府官の流れをくむ菊池氏の本拠地・隈府(わいふ)を中心に市街地が形成されている。
東部は阿蘇外輪山の天然生広葉樹で覆われ、野鳥の宝庫。その間を縫う清冽な菊池川の源流が大小の瀬と渕と滝をつくり菊池渓谷をなしている。菊池渓谷は日本名水百選にも選ばれており、夏でも平均水温が13度で避暑地として知られ、毎年4月の山開き以後30 - 40万人の人が訪れる。この一帯の国有林は1965年には九州で初めて自然休養林に指定されている。
北部は大分県と接している。
平成の大合併で合併した地区は旧町村名を従来の大字の前に冠している。
7世紀後半飛鳥時代に、九州防衛のための古代山城の一つ、鞠智城(きくちじょう)が築かれた。
平安時代の『倭名類聚抄』では「菊池」と書いて「久々知」(くくち)と訓じている。
隈府を本拠とする菊池氏は、南北朝時代には後醍醐天皇の皇子・征西将軍宮懐良親王を奉じて大宰府に進出し、九州中部・北部における南朝方の一大勢力となった。
室町時代には薩南学派の祖である桂庵玄樹が儒学を説くなど、文化的発展も見せた。
江戸時代には、菊池地方は穀倉地帯として知られ、菊池米(肥後米)は、播州米・備州米とともに最高級の品質とされ大坂堂島の米相場を決定する際の基準とされていた。菊池川河口近くの高瀬(現・玉名市)も、熊本藩最大の米の積出港として栄えた。
江戸時代以来の米どころであり、菊池米は、「七城のこめ」が全国の名産米を集める料理新聞社「クックメール」主催の米の食味会において1996年、1998年と2度に渡り全国1位に輝いている。 また、財団法人日本穀物検定協会主催の食味ランキングにおいても「熊本 城北」産のヒノヒカリがこの品種としては全国で初めて2001年度に(その後2005年度、2008年度~2015年度にも)最高ランク「特A」を受賞している。
他にもメロン・ゴボウ・シイタケ等の栽培や畜産が盛んである。 2006年の農業産出額は282.4億円で、熊本県では八代市に次いで第2位、うち畜産は熊本県では第1位、全国の市町村中でも第5位である(なお2007年以降、農林水産省は市町村レベルの農業産出額統計を作成していない)。
西日本最大の酪農地帯で果物栽培も盛んであるため市内にオリジナルのアイスクリーム等を製造・販売する店が多く現れ、菊池アイスと銘打って毎年夏にキャンペーンを展開するようになっている[3][4]。
第二次産業としては、自動車および電子機器関連工場が多く立地する。2012年の製造品出荷額等は1504.5億円で、熊本県では熊本市、菊陽町、大津町、八代市、合志市に次いで第6位である。
1954年に温泉が湧出してからは温泉街としても栄えたが、男性客、団体客中心の歓楽的な性格が強い。そのため、旅館の女将らが中心となって「おしどり夫婦の里」と銘打って、「わいふ(隈府、ワイフ=妻)の湯」「美肌の湯」としてうち出している[5]。
太字の学校は標準服がある。
最寄り空港は熊本空港(阿蘇くまもと空港)。
バス以外の公共交通として、予約制乗合タクシーの「きくちあいのりタクシー」「きくち観光あいのりタクシー」がある。
かつてはJR九州バス山鹿線の路線バスが運行していたが、2006年3月1日に廃止され、路線は産交バス・熊本電鉄バスにそれぞれ譲渡された。
市内に高速道路は通っていない。九州自動車道植木ICが最寄り。
★は故人