山下 良美(やました よしみ、英:YAMASHITA Yoshimi、1986年2月20日 - )は、東京都中野区出身のサッカー審判員(国際主審、プロフェッショナルレフェリー)。東京都サッカー協会所属。
来歴
幼少期から地元のサッカースクールでサッカーに親しむ。東京都立西高等学校卒業後、東京学芸大学では女子サッカー部で活動[1]。大学の先輩である女子審判員の坊薗真琴に誘われ(本人曰く「無理矢理連れられて」)審判の大会に行ったのをきっかけに審判資格の取得を始める[2]。卒業後も社会人クラブでのプレーを続けながら審判資格を取得し[2]、2012年に女子1級審判員の資格を取得する[1]。
2015年、坊薗らと共に日本サッカー協会 (JFA) 推薦により国際サッカー連盟 (FIFA) の国際審判員に登録[1]。FIFA U-17女子ワールドカップには2016年ヨルダン大会・2018年ウルグアイ大会と2大会連続で派遣され、ウルグアイ大会では手代木直美・坊薗の3名でチームを組み、準決勝・ニュージーランド対スペイン戦を始め3試合の主審を務めた[3]。
2018年12月3日には、FIFAにより翌年開催される2019 FIFA女子ワールドカップへ副審の坊薗と手代木、予備副審の萩尾麻衣子と共に審判団として選出[4](アジアサッカー連盟 (AFC) から選出された主審5名のうち1名[5])。これに先立って、2019年1月に行われた第97回全国高等学校サッカー選手権大会2試合で坊薗・手代木と共に審判団を務めた[6] ほか、5月15日に行われたAFCカップ2019グループF・ヤンゴン・ユナイテッドFCvsナガワールドFCの主審も務めた[7]。この試合でも副審を坊薗と手代木が務めており(第4の審判員は飯田淳平)、女性を中心とした審判団が男子競技のAFC主催大会を担当するのは初めてのことであった[8]。
2019年12月12日のJFA理事会で、男子社会人の試合を担当できる1級審判員に認定されたことが報告された[9]。
2021年1月28日、Jリーグの審判員リストが発表され、Jリーグ史上はじめて女性として審判員(主審)のリスト入り[10][11]。2021年5月16日、J3リーグ第8節・Y.S.C.C.横浜対テゲバジャーロ宮崎(ニッパツ三ツ沢球技場)の試合で主審として笛を吹き、Jリーグ史上初の女性主審となった[12]。
2022年4月21日にタイのパトゥムターニースタジアムで行われたAFCチャンピオンズリーグ2022 (ACL) グループG・メルボルン・シティFC対全南ドラゴンズの試合で副審の坊薗と手代木との3名で組んだチームで試合を担当し、ACL史上初の女性主審となった[13][14]。
2022年5月19日、同年11月にカタールで開幕する2022 FIFAワールドカップの主審候補者36名の1人に選ばれた[15]。同大会の審判員にはFIFAワールドカップ史上初めて主審3名(山下、サリマ・ムカンサンガ、ステファニー・フラパール)を含む6名の女性審判員が選ばれており、山下はその一人となった[16]。また、日本からは山下のみがワールドカップ本大会の審判団に名を連ねた[17]。
2022年7月14日に開催されたJFA第9回理事会において、女性審判として初となるプロフェッショナルレフェリー契約を結んだことが発表された。契約期間は2022年8月1日から2023年1月31日まで[18]。
2022年9月18日、J1リーグ第30節・FC東京対京都サンガF.C.(国立競技場)の試合で、女性として初めてJ1リーグの主審を務めた[19]。
2022年11月23日、グループF・ベルギー対カナダの第4審判としてW杯デビューを果たし、本大会では6試合で第4審判を担当した[20]。
2023年、FIFAより「2023 FIFA女子ワールドカップ オーストラリア/ニュージーランド大会」を担当する審判団メンバーに副審を担当する坊薗真琴、手代木直美と共に選出され、同年7月20日の大会開幕戦であるグループA初戦のニュージーランド VS ノルウェー戦を3人で担当、日本人女性審判としては初となる女子ワールドカップの開幕戦主審[注 1]を担当した[22]。またこの大会からVARの際に判定内容の説明を場内にアナウンスすることとなったが、山下が開幕戦で行った英語のアナウンスが第1号となった[23]。大会中はグループリーグ2試合と決勝トーナメント1試合(ラウンド16)の主審を務め、決勝戦では大岩真由美以来となる第4の審判員を担当した[24]。
2024年1月13日、AFCアジアカップ2023のグループB初戦のオーストラリア VS インド戦で大会史上女性として初めて主審を務めた[25]。
経歴
出場記録
国内公式戦
国内大会個人成績
|
年度
|
なでしこ1部
|
なでしこ2部
|
チャレンジ
|
LC1部
|
LC2部
|
皇后杯
|
主審
|
副審
|
主審
|
副審
|
主審
|
副審
|
主審
|
副審
|
主審
|
副審
|
主審
|
副審
|
2011 |
0 |
3 |
-
|
0
|
5 |
- |
- |
0 |
0
|
2012 |
0 |
4 |
-
|
0
|
7 |
0 |
4 |
- |
0 |
0
|
2013 |
2 |
6 |
-
|
9
|
2 |
- |
- |
1 |
2
|
2014 |
8 |
3 |
-
|
2
|
0 |
- |
- |
1 |
1
|
2015 |
9 |
1 |
2 |
5
|
|
|
- |
- |
3 |
0
|
2016 |
9 |
0 |
2 |
0
|
|
|
3 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0
|
2017 |
6 |
0 |
0 |
0
|
|
|
5 |
0 |
1 |
0 |
2 |
0
|
2018 |
9 |
0 |
2 |
0
|
|
|
2 |
0 |
1 |
0 |
1 |
0
|
2019 |
6 |
0 |
1 |
0
|
|
|
2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0
|
2020 |
2 |
0 |
0 |
0
|
|
|
- |
- |
0 |
0
|
2021 |
0 |
0 |
0 |
0
|
- |
- |
- |
0 |
0
|
2022 |
0 |
0 |
0 |
0
|
- |
- |
- |
1 |
0
|
2023 |
0 |
0 |
0 |
0
|
- |
- |
- |
0 |
0
|
通算
|
51 |
17 |
7 |
5
|
11
|
14 |
11 |
4 |
2 |
1 |
10 |
3
|
国内大会個人成績 |
年度 |
J1 |
J2 |
J3 |
リーグ杯 |
天皇杯 |
主審 | 副審 |
主審 | 副審 |
主審 | 副審 |
主審 | 副審 |
主審 | 副審 |
2020 |
- |
- |
- |
- |
2 |
0
|
2021 |
0 |
0 |
0 |
0 |
8 |
0 |
0 |
0 |
2 |
0
|
2022 |
2 |
0 |
5 |
0 |
5 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0
|
2023 |
10 |
0 |
6 |
0 |
0 |
0 |
2 |
0 |
1 |
0
|
2024 |
11 |
0 |
10 |
0 |
0 |
0 |
4 |
0 |
2 |
0
|
通算
|
23 |
0 |
21 |
0 |
13 |
0 |
6 |
0 |
7 |
0
|
国際試合
AFCチャンピオンズリーグ
FIFAワールドカップ
FIFA女子ワールドカップ
決勝担当
出演
テレビ番組
ラジオ
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク