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この項目では、地方公共団体について説明しています。その他の用法については「太宰府」をご覧ください。 |
太宰府市(だざいふし)は、福岡県中西部の筑紫地域に位置する市。都市計画の圏域では福岡都市圏のうち福岡広域都市圏に属する[1]。
九州地区の統治組織「大宰府」が置かれた事により栄えた。太宰府天満宮や多くの特別史跡・史跡があり、毎年1000万人余り[2]もの観光客が訪れる観光都市でもある。
「大宰府市」と表記されることがあるが、これは誤りである。[3]
これは、古代の役所に関連する場合は「大宰府」、中世以降の地名は「太宰府」を用いられているためである。[3]
地理
福岡県の中部、福岡市から南東約16kmの場所に位置している。市域北部に四王寺山、市域東部に宝満山、市域西南部に天拝山(筑紫野市)があり、市の中央部を御笠川が横断して流れている。市域中央部は中心市街地が発達しており、大宰府にまつわる数多くの史跡・名所が存在する。西部・南部は福岡都市圏のベッドタウンとして住宅開発が進んでいる。
また太宰府市には大学、短期大学、高等学校等の学校が数多く存在していることから、県内でも北九州市折尾地区と並び、学生の街として有名である。
気候
九州型の太平洋側気候である。年平均気温は16.3℃で、横浜市や京都市とほぼ同じであり、海に近い福岡市と比べると1.0℃低い。山と山の間に位置しているため、梅雨の末期は南西方向からのテーパリングクラウドの影響で大雨となりやすい。盆地であり、ヒートアイランド現象の影響もあって夏は気温が上がりやすく、猛暑日は年間平均で10.4日で福岡市よりやや多い。2024年には7月19日から8月12日に猛暑日の連続日数が「25日」となり、従来の国内最長記録「24日[注 1]」を更新した。その後も猛暑日は8月27日まで継続され「40日連続」を記録した[4]。9月5日には猛暑日の年間日数が「47日」となり、従来の国内年間最多記録「46日[注 2]」を更新[5]し、9月20日現在で年間の猛暑日の合計日数が国内歴代最多の「62日」に更新した[6]。ただし熱帯夜は年間平均で22.6日で、福岡市の6割程度である。冬はやや冷え込みやすく、1月の最低気温は福岡市より2.0℃低い1.9℃、冬日は17.9日であるが、本州大都市圏の郊外都市と比べれば少ない。また筑紫野市などと同様、山と山の間にあるため雪雲の通り道になりやすく、2~3回ほど雪化粧する年が多いが、10cmを超えるような大雪にはなることは稀である。九州道・3号線など太宰府市付近を通過する道路交通に影響が出る場合もある。
- 年平均気温 16.3℃
- 年平均降水量 1851.9mm
- 年平均猛暑日日数 10.4日
- 年平均熱帯夜日数 22.6日
- 年平均冬日日数 17.9日
太宰府(1991年 - 2020年)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
|
最高気温記録 °C (°F)
|
19.6 (67.3)
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23.1 (73.6)
|
25.4 (77.7)
|
30.3 (86.5)
|
33.9 (93)
|
37.7 (99.9)
|
38.6 (101.5)
|
39.3 (102.7)
|
36.5 (97.7)
|
33.3 (91.9)
|
29.2 (84.6)
|
24.9 (76.8)
|
39.3 (102.7)
|
平均最高気温 °C (°F)
|
9.7 (49.5)
|
11.1 (52)
|
14.7 (58.5)
|
20.0 (68)
|
24.9 (76.8)
|
27.6 (81.7)
|
31.2 (88.2)
|
32.5 (90.5)
|
28.7 (83.7)
|
23.7 (74.7)
|
17.8 (64)
|
12.0 (53.6)
|
21.2 (70.2)
|
日平均気温 °C (°F)
|
5.6 (42.1)
|
6.6 (43.9)
|
9.8 (49.6)
|
14.6 (58.3)
|
19.4 (66.9)
|
23.0 (73.4)
|
26.8 (80.2)
|
27.7 (81.9)
|
23.9 (75)
|
18.4 (65.1)
|
12.8 (55)
|
7.6 (45.7)
|
16.3 (61.3)
|
平均最低気温 °C (°F)
|
1.9 (35.4)
|
2.4 (36.3)
|
5.2 (41.4)
|
9.7 (49.5)
|
14.5 (58.1)
|
19.3 (66.7)
|
23.6 (74.5)
|
24.2 (75.6)
|
20.0 (68)
|
13.9 (57)
|
8.4 (47.1)
|
3.6 (38.5)
|
12.2 (54)
|
最低気温記録 °C (°F)
|
−5.6 (21.9)
|
−5.3 (22.5)
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−4.0 (24.8)
|
−0.7 (30.7)
|
5.1 (41.2)
|
7.7 (45.9)
|
16.0 (60.8)
|
16.9 (62.4)
|
8.1 (46.6)
|
2.0 (35.6)
|
−0.5 (31.1)
|
−3.2 (26.2)
|
−5.6 (21.9)
|
降水量 mm (inch)
|
69.9 (2.752)
|
74.3 (2.925)
|
113.6 (4.472)
|
134.8 (5.307)
|
145.8 (5.74)
|
282.2 (11.11)
|
359.0 (14.134)
|
237.0 (9.331)
|
183.9 (7.24)
|
96.9 (3.815)
|
86.1 (3.39)
|
68.6 (2.701)
|
1,851.9 (72.909)
|
平均降水日数 (≥1.0 mm)
|
9.4
|
9.2
|
10.8
|
10.2
|
9.1
|
12.6
|
12.8
|
10.9
|
10.3
|
7.2
|
8.7
|
9.0
|
120.3
|
平均月間日照時間
|
105.0
|
118.8
|
155.1
|
179.5
|
190.9
|
122.8
|
141.4
|
174.2
|
151.8
|
168.9
|
136.9
|
107.1
|
1,752.3
|
出典:気象庁(平均値:1991年 - 2020年、極値:1977年 - 現在)[7][8]
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隣接する自治体
- 福岡県
地名
町名
- 内山
- 北谷
- 太宰府
- 大佐野(旧水城村)
- 観世音寺(旧水城村)
- 国分(旧水城村)
- 坂本(旧水城村)
- 通古賀(旧水城村)
- 水城(旧水城村)
- 南(旧水城村。1959年までは片野)
- 向佐野(旧水城村)
- 吉松(旧水城村)
水城ヶ丘1丁目~3丁目(1982年、水城より発足。のちに水城5丁目~6丁目となり廃止。)
- 青山1丁目~4丁目(1984年、太宰府より発足)
- 青葉台1丁目~4丁目(1984年、向佐野・吉松より発足)
- 長浦台1丁目~4丁目(1984年、向佐野・大佐野・吉松より発足)
- 梅ヶ丘1丁目~2丁目(1985年、太宰府より発足)
- 梅香苑1丁目~4丁目(1985年、太宰府より発足)
- 石穴(1986年、太宰府より発足)
- 石坂1丁目~4丁目(1986年、太宰府より発足)
- 高雄1丁目~6丁目(1986年、太宰府より発足)
- 観世音寺1丁目~6丁目(観世音寺より発足)
- 国分1丁目~5丁目(国分より発足)
- 五条1丁目~6丁目(通古賀・南より発足)
- 宰府1丁目~6丁目(太宰府より発足)
- 坂本1丁目~3丁目(坂本より発足)
- 三条1丁目~3丁目(太宰府より発足)
- 白川(太宰府より発足)
- 朱雀1丁目~6丁目(通古賀・南より発足)
- 通古賀1丁目~6丁目(通古賀より発足)
- 都府楼南1丁目~5丁目(通古賀より発足)
- 御笠1丁目~5丁目(太宰府・北谷より発足)
- 水城1丁目~6丁目(水城・水城ヶ丘1丁目~3丁目より発足)
- 連歌屋1丁目~3丁目(太宰府より発足)
- 大佐野1丁目~6丁目(2007年、大佐野より発足)
- 向佐野1丁目~4丁目(2007年、向佐野より発足)
- 吉松1丁目~4丁目(4丁目は2007年、3丁目までは2008年、吉松より発足)
- 宰都1丁目~2丁目(2009年、国分・通古賀より発足)
市名の表記
市名は「太宰府市」である。しかし、同じくダザイフと読む固有名詞でも「大宰府」と表記されるものがある(大宰府跡など)。一般には、
- 古代律令時代の役所、およびその遺跡に関するダザイフは「大宰府」
- 中世以降の地名や天満宮については「太宰府」
と表記される。この区別は、昭和30年代末頃、九州大学の鏡山猛教授が採用したことから一般的となった。[9]
歴史
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近現代
合併問題
- 昭和の大合併
「昭和の大合併」に於いて、太宰府町(当時)と当時の筑紫郡の周辺6か町村の合併が実現しようとしていたが、新町名問題で合併協議会が紛糾し決裂した。1955年3月1日、太宰府町と水城村の急遽合併が決定し、新太宰府町が発足した。
- 平成の大合併
合併特例法による周辺市(市街地がほぼ一体化しており、とりわけ地理的、歴史的に繋がりの深い筑紫野市)との合併(いわゆる「平成の大合併」)は、一部の民間団体の活動を除いて気運が盛り上がらず、実現には至らなかった。しかしながら現在、水道、消防、ゴミ処理、火葬場等の広域行政は筑紫地域で緊密な状態を保っている。
行政
市長
代 |
氏名 |
就任日 |
退任日 |
備考
|
太宰府町長(水城村との合併後)
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初-2 |
森田久 |
1955年3月26日 |
1963年3月25日 |
元ジャーナリスト
|
3-4 |
中村義雄 |
1963年4月30日 |
1971年4月29日 |
元町議会議長
|
5-6 |
川邊善郎 |
1971年4月30日 |
1979年4月29日 |
|
7 |
有吉林之助 |
1979年4月30日 |
1982年3月31日 |
|
太宰府市長
|
初-2 |
有吉林之助 |
1979年4月30日 |
1987年4月29日 |
1982年4月1日、市制施行に伴い市長となる。
|
3-4 |
伊藤善佐 |
1987年4月30日 |
1995年4月29日 |
元市議会議長
|
5-7 |
佐藤善郎 |
1995年4月30日 |
2007年4月29日 |
元福岡市教育長
|
8-9 |
井上保廣 |
2007年4月30日 |
2015年4月29日 |
元助役
|
10 |
芦刈茂 |
2015年4月30日 |
2017年12月12日 |
元市議。2度目の不信任決議可決で失職
|
|
職務代理者 |
2017年12月13日 |
2018年1月28日 |
総務部長[20]
|
11-12 |
楠田大蔵 |
2018年1月28日 |
|
現職。元衆議院議員
|
消防署
警察署・交番
市関連施設
- プラム・カルコア太宰府(中央公民館・市民図書館)
- いきいき情報センター
- 保健センター
- 総合体育館(とびうめアリーナ)
- 体育センター
- 男女共同参画推進センター ルミナス
- 総合福祉センター(太宰府市社会福祉協議会)
- (財)文化スポーツ振興財団
- 太宰府市公文書館
公園
- 梅林アスレチックスポーツ公園
- 太宰府市歴史スポーツ公園
- 史跡水辺公園(市民プール)
- 大佐野スポーツ公園
- 北谷運動公園
- 少年スポーツ公園
- 通古賀近隣公園
- 佐野近隣公園
ふるさと納税
- 返礼品
※楽天ふるさと納税返礼品[22]
議会
市議会
- 定数:18人
- 任期:2021年12月12日 - 2025年12月11日
- 議長:門田直樹
- 副議長:堺剛
衆議院
※上記は太宰府市全域を含む福岡5区全域のデータ
友好都市
地域
人口
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太宰府市と全国の年齢別人口分布(2005年)
|
太宰府市の年齢・男女別人口分布(2005年)
|
■紫色 ― 太宰府市 ■緑色 ― 日本全国
|
■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性
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太宰府市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年)
|
26,155人
|
|
1975年(昭和50年)
|
36,553人
|
|
1980年(昭和55年)
|
50,273人
|
|
1985年(昭和60年)
|
57,737人
|
|
1990年(平成2年)
|
62,402人
|
|
1995年(平成7年)
|
64,913人
|
|
2000年(平成12年)
|
66,099人
|
|
2005年(平成17年)
|
67,087人
|
|
2010年(平成22年)
|
70,482人
|
|
2015年(平成27年)
|
72,168人
|
|
2020年(令和2年)
|
73,164人
|
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総務省統計局 国勢調査より
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教育
大学
- 私立
短期大学
- 私立
高等学校
- 県立
- 私立
中学校
- 市立
- 私立
小学校
- 市立
- 私立
特別支援学校
専修学校
交通
空港
鉄道路線
バス路線
- 西鉄バス - 西日本鉄道本体および西鉄バス二日市による運行(一部管理委託路線)。福岡市と太宰府市中心部を結ぶ路線、国道3号バイパスおよび朝倉街道経由で福岡市・太宰府市・筑紫野市・筑前町・朝倉市を結ぶ路線、太宰府市と宇美町を結ぶ路線、筑紫野市の西鉄二日市駅と太宰府市内各地を結ぶ路線がある。また、下大利駅と同駅西側の住宅地を結ぶ路線のうち一部が太宰府市内を通っている。
- 1-1:西鉄二日市駅 - JR二日市駅 - 高雄 - 吉木入口 - 葉光ヶ丘 - 原営業所前 - 宮の森 - 西鉄太宰府駅
- 1-2:西鉄二日市駅 - JR二日市駅 - 高雄 - 吉木入口 - 原営業所前 - 宮の森 - 西鉄太宰府駅
- 4-1:宇美営業所 - 上宇美 - 原田橋 - 只越 - 大原 - 西鉄太宰府駅 - 太宰府市役所前
- 西鉄二日市駅東口 - 君畑 - 梅香苑 - 太宰府高校入口 - 太宰府高校
- 西鉄五条駅 - 五条台口 - 星ヶ丘 - 太宰府高校入口
- 22:西鉄下大利駅 - 日の浦 - 平田 - 福農前 - 天拝坂 - 西鉄二日市駅
- 23:西鉄下大利駅 - 日の浦 - 青葉台 - 長浦台 - 平田 - つつじケ丘 - 平野ハイツ - 月の浦営業所
- 400:博多駅 - 呉服町 - 水城 - 都府楼前駅 - 君畑 - 針摺東 - 山家道 - 篠隈 - 新町 - 甘木 - 甘木営業所
- 太宰府ライナー旅人:博多駅 - 福岡空港国際線 - 大宰府政庁跡 - 大宰府市役所前 - 西鉄太宰府駅
- まほろば号 - コミュニティバス。西日本鉄道(西鉄バス二日市に運行委託)が受託運行しているバスと、太宰府タクシーに運行委託している乗合タクシーがある。前者は1998年度から運行している九州初のコミュニティバスである。
道路
有料道路
一般国道
- 1路線 延長6.5km
県道
- 主要地方道
- 一般県道
- 県道11路線 延長23.6km
- 市道1752路線 延長323.8km
名所・旧跡・観光スポット
名所・旧跡
文化財
- 特別史跡
- 史跡(国指定)
- 天然記念物(国指定)
- 県指定史跡・天然記念物
- 市指定史跡・天然記念物
太宰府市民遺産
- 太宰府の木うそ
- 八朔の千燈明
- かつてあった道「四王寺山の太宰府町道」
- 芸術家 冨永朝堂
- 万葉集つくし歌壇
- 太宰府における時の記念日の行事
- 隈麿公のお墓
- 太宰府の絵師 萱島家
- 苅萱(かるかや)の関跡とかるかや物語
- 太宰府の梅上げ行事
- 高雄の自然と歴史
- 太宰府悠久の丘~太宰府メモリアルパークからの眺望~
- 太宰府をうたう♪全11曲(作曲・唄 岩崎記代子)
- 梅香苑夏まつり子どもみこし
- 四王寺山の三十三石仏
- 宝満山のヒキガエル
※登録太宰府市民遺産一覧[27]
歴史関連施設等
季節の花
- ウメ(2月~3月):太宰府天満宮境内・大宰府政庁跡
- モクレン(3月): 戒壇院
- サクラ(3月~4月): 大宰府政庁跡・竈門神社境内・四王寺林道・御笠川岸遊歩道
- 菜の花(3月~4月): 水城跡・観世音寺
- レンゲ(4月): 水城跡
- シャクナゲ(5月): 竈門神社周辺
- アジサイ(6月): 大宰府政庁跡
- ソバの花(6月): 太宰府市民の森
- ハナショウブ(6月): 太宰府天満宮菖蒲池
- 菩提樹(6月): 戒壇院境内
- コスモス(10月): 水城跡・観世音寺
- 紅葉(11月): 光明禅寺・太宰府市民の森
百選
宿泊・温泉
行事・催事
祭事
催事
- 消防出初式(1月)
- くらしのうつりかわり展(1月)
- 梅花の宴(2月)
- 門前まつり(2月~3月)
- 九州自然歩道を歩こう会(3月)
- ルミナスフェスタ(3月)
- 文化協会 春の祭典(5月)
- 時の記念日(6月10日)
- 花菖蒲コンサート(6月)
- 七夕まつり(7月)
- ゆかたde太宰府~古都の夏~(7月~8月)
- 太宰府古都の光(9月)
- 太宰府市民政庁まつり(10月)
- 戦没者慰霊祭(10月)
- 環境フェスタIN太宰府(11月)
- 市民文化祭(11月)
- 筑紫美術協会展(11月)
- 観世音寺・戒壇院ライトアップ(年末年始)
舞台となった作品
経済・産業
マスコミ・新聞社支局
その他の企業・団体
特産品
著名な出身者
★は故人
関連する人物
脚注
引用
注釈
- ^ 岡山県高梁市で2020年に観測された
- ^ 群馬県桐生市で2023年に観測された
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
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