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佐々町(さざちょう)は、長崎県の北部、北松浦半島中南西部に位置する町。北松浦郡に属する。市区町村名称に約物(特殊記号)のひとつ「々」を用いている数少ない自治体のひとつである[1]。
佐世保市中心部から北に約15kmの場所に位置する。東境には韮岳から同町牟田原に連なる山脈があり、西境の盲ヶ原から北境の鷲尾岳まで江里山脈が連なっている[2]。この間に佐々谷と呼ばれる縦谷(佐々川衝上断層)が形成され、国見山(旧 北松浦君世知原町)に源流を発する延長21.5kmの佐々川が北東から南西に流れている[2]。
また、東に木場谷、西に志方谷があり、その水は佐々川に合流している。なお、海岸線はきわめて短いが、本町唯一の海の玄関として佐々港がある。
北松炭田地域にあり、昭和40年代までは炭鉱の町として栄えた。
前身となる佐々村は1889年(明治22年)4月に旧佐々村と市瀬村が合併して誕生した[2]。その後、炭鉱全盛期に人口が約2倍になり、1941年(昭和16年)1月に町制を施行した[2]。平成の大合併で隣接していた各町[3]はすべて佐世保市へ編入する中で佐々町は単独町制を継続し、南西部の海岸線以外を佐世保市に囲まれる地勢となった。
町域を松浦鉄道西九州線および国道204号が通っている。佐世保市のベッドタウンとなっており、2011年(平成23年)9月には西九州自動車道佐々ICが供用を開始し、佐世保市街への交通アクセスがさらに向上した[2]。
年間平均気温は17度前後、平均湿度は約65%で、年間平均降水量は1,900mm台である[4]。
上記のように隣接していた町村は昭和初期から平成期にかけてすべて佐世保市に編入したため、現在は海岸部以外を佐世保市に囲まれている。
かつては以下の町村と隣接していた。
免を行政区域とする。佐々町では1953年(昭和28年)3月まで免の名称に大字(佐々・市瀬)を冠していたが、同年4月に大字を廃止した[6][7]。
【表記例】
不動産登記における登記簿の表題部「土地の表示」に記載される所在名称(地名)の表記方法は下記のとおり。
以下、×は大字名称、○は免の名称、△は小字名称を表す。
なお、佐々町の地番区域は「免」である。
1943年(昭和18年)に区制を改め「部落」と称し29の部落が設置されていた。1981年(昭和56年)に現行の「町内会」に名称を変更し、2012年(平成24年)4月時点で33の町内会が設置されている[11]。
町内会の名称と免の名称は必ずしも一致するとは限らない[注 1]。
明治以降は採炭事業が本格化する。近代技術を取り入れた炭鉱会社が次々と開鉱し、石炭を運搬するための鉄道網が整備される(関西採炭松浦炭坑専用鉄道[20]、佐世保軽便鉄道など。後の国鉄松浦線。現在の松浦鉄道西九州線)。昭和中期にかけて北松炭田屈指の産炭地として隆盛を極めるが、エネルギー革命の波に押され、町内に多数存在した炭鉱は昭和44年4月までに全て閉山。最盛期には約2万あった人口が1万を割る寸前まで落ち込み、町は急速に過疎化の一途を辿った。
炭鉱閉山後は農業を主産業とし、耕地整備などの土地改良事業やボタ山の宅地開発、企業誘致、福祉政策に取り組む。また佐世保市中心部への交通アクセスが良好な地勢もあり、人口は平成10年代までに1万3千人に回復している。
旧佐世保地域広域市町村圏組合
町立
廃校になった小学校については長崎県小学校の廃校一覧#北松浦郡を参照。
私立
職業能力開発校
最寄り空港は長崎空港。2007年10月1日より新設の佐々バスセンターから直通する特急バス(西肥バス運行)が新たに運行されるようになった。
中心駅は佐々駅。
このほか町内には「真申駅」「野寄駅」「四ツ井樋駅」及びかつての国鉄臼ノ浦線が存在したが、松浦線の改軌により1945年に真申駅は佐世保市畑中免(現在の光町)に移転し、野寄駅と四ツ井樋駅は廃止された。また、臼ノ浦線は炭鉱閉山の影響で赤字83線に選定され、1971年に廃線となった。
西肥自動車(西肥バス)が運行している(「させぼ号」は西日本鉄道、長崎 - 佐世保間は長崎県交通局と共同運行)。
明治期から昭和中期にかけて石炭産業で繁栄を極めた時代は、大手企業から個人経営まで多数の炭鉱関連企業が存在した。佐々町内で操業していた著名な企業として日鉄鉱業、三菱鉱業、住友鉱業、日満鉱業、日窒鉱業、日産化学工業がある[33]。郷土誌等によれば、町内に存在した炭鉱として以下の炭鉱名が見える。
石炭産業の衰亡後は農業を主産業とし、温潤な自然条件を生かして平野部や中山間地では水稲栽培、イチゴ等の栽培が行われている。また、炭鉱閉山や下水道関連設備の整備による佐々川の水質回復もあり、早春のシロウオ漁や毎年6月1日に解禁されるアユ釣りは佐々町の風物詩のひとつとなっている。
この項目は、日本の市区町村に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(P:日本の都道府県/PJ:日本の市町村)。