『ミュージック・ブレス・ユー!!』は、日本の小説家津村記久子による小説である。
単行本は、2008年6月30日にKADOKAWAより刊行された[1]。イラストは、カンバラクニエによる。同年、第30回野間文芸新人賞を受賞する[3]。文庫版は、2011年6月23日に角川文庫より刊行された[4]。
著者の津村は、「私はひとつの小説を書いて、それを分解して次の小説を書いているところがあるんです。デビュー作である『君は永遠にそいつらより若い』を分解したのが『ミュージック・ブレス・ユー!!』と『八番筋カウンシル』」[5]と述べている。
あらすじ
高校3年生のオケタニアザミは、大阪に住んでおり、パンク・ロック音楽が好きで、ほとんどいつもヘッドフォンを着用している。アザミは、髪を赤色に染め、フレームが黒色の眼鏡をかけており、上下の歯には、派手な色をしたゴムを用いたブレース(歯列矯正装置)を装着していた。大学受験を控えているが、卒業後の進路も決まっておらず、成績も振るっていない。特に数学を苦手としており、進級テストのための補講に出席したり、成績が優秀な友人、チユキに勉強を教えてもらったりする毎日を送る。
主な登場人物
- オケタニアザミ
- 高校3年生。
- チユキ
- アザミの友人。
書評
小説家の松浦理英子は、「青春小説のようでありながら、限られた世界ではなく大きなスケールで社会を見つめており、個別的な男女の交流を通してという今までの定石からはずれ、日常を描くことで、今までの少女像とはまったく違った少女の戦いを、ナチュラルな筆致で端整に描いているところがいい」[6]と評価している。
書評家の石井千湖は、「まずベタベタしていないガールズトークが魅力的だ。友だちの自尊心を傷つけたやつに戦いを挑む侠気もいい」「ヘッドホンをしていないアザミが、頭の中で好きな曲のイントロをなぞり、電車に乗るシーンの鮮やかさがあとをひく」[7]と評価している。
脚注
参考文献
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野間文芸新人賞 |
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1970年代 | |
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1980年代 | |
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1990年代 | |
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 |
- 第42回 李龍徳『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』
- 第43回 井戸川射子『ここはとても速い川』
- 第44回 町屋良平『ほんのこども』
- 第45回 朝比奈秋『あなたの燃える左手で』、九段理江「しをかくうま」
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