日笠 陽子(ひかさ ようこ、1985年[1]7月16日[2][6] - )は、日本の女性声優、歌手。神奈川県出身[2]。フリー[7]。
『美少女戦士セーラームーン』と『新世紀エヴァンゲリオン』を観て、全く異なるキャラクター(月野うさぎと葛城ミサト)を演じた三石琴乃に憧れ、声優を目指すようになった[8][9]。高校卒業後、被服(洋裁)の専門学校と両立し、日本ナレーション演技研究所に通った[注 1][8]。本科生の時「無料新人育成オーディション」に合格し特待生に選ばれ、2006年からアイムエンタープライズに所属した。
2007年、『スケッチブック 〜full color's〜』の根岸みなも役でアニメデビュー。2009年に『けいおん!』の秋山澪役で注目を浴び、次第に主要な役柄を演じることが増えた。そして、2010年7月放送の『世紀末オカルト学院』の神代マヤ役でアニメ初主演。
2010年3月6日に発表された第4回声優アワードで、『けいおん!』の劇中にて結成したユニット「放課後ティータイム」として、豊崎愛生、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈とともに歌唱賞を受賞。
2012年に「女子中高生ケータイ流行語大賞」金賞を受賞した流行語「てへぺろ」の考案者としても知られる[10]。
2012年12月8日に行われたテレビアニメ『進撃の巨人』製作発表会見で、エンディングテーマを歌うことと歌手として活動することを発表[11]。翌2013年5月8日に『進撃の巨人』のエンディングテーマである「美しき残酷な世界」をデビューシングルとしてポニーキャニオンからリリースし、これを皮切りに3か月連続でCDをリリースした[10]。そして、同年10月27日には自身初となるワンマンライブ「Glamorous Live」をSTUDIO COASTで開催し、翌2014年10月からはライブツアーを東京・大阪の3会場で開催した。
2015年12月30日、自身のブログで年内に結婚したことを報告した[12][13]。
2023年1月20日、所属事務所のアイムエンタープライズを退所し、フリーランスで活動することを自身のブログで報告した[14][7]。
趣味は料理で[30]、料理教室に通ったり[31]、家庭菜園も行っている[32]。ナチュラルフードコーディネーター[33]、食育インストラクター[34]の資格を有しており、自身のブログで手料理を度々紹介しているほか、番組の企画で料理の腕を振るうこともある[35][36]。
特技は裁縫。毛筆3段、硬筆3段、アロマテラピー検定2級などの資格も有しており[6][8]、レギュラー出演していた『NHK高校講座「書道I」』では特技を活かし自ら腕をふるっていた。
日頃から筋トレに凝っており、パーソナルジムを利用したトレーニングのほか、糖質制限やプロテインの摂取など食事の管理にも取り組んでいる[37][38]。
クールで透明感がありながら力強さを感じさせる声と評されている[39]。
凛々しい声を活かした役を演じることが多く[40]、キャリアを重ねるにつれてお姉さん役やお母さん役[41]、後進を見守るような役なども増え[39]、さまざまな作品で幅広い役柄を演じる。アニメのほか、吹き替えやナレーションの仕事もしている。
声優の芝居は「人と人とで作るもの」と考えており、自分一人で役を作りこむことを必要以上にはしないようにしていると語っている[42]。
思い出の作品はテレビアニメデビュー作『スケッチブック 〜full color's〜』(根岸みなも役[9])で、オーディションの際にハイテンションで演技をしたところ、「その元気のままでやってくれ」と言われ受かった[9]。
『けいおん!』(秋山澪)では演じるキャラクターと同様にバンド活動を実際に行った。日笠はベースを担当しているが、秋山澪の設定に合わせて左利き用モデルを使い[43][9](日笠自身は右利きである)、さらにボーカルも兼務することになった。このような難しい役どころながら、その分楽しめていたという[44]。
2012年から続く『キングダム』(羌瘣)は、新人に近い頃から試行錯誤しながら長く演じられることに有難さを感じると述べている[45]。
『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズ(マリア・カデンツァヴナ・イヴ)、『アイカツ!』シリーズ(エルザ フォルテ / 天翔ひびき)など、歌姫の役を演じることも多い[39]。
『SHAMAN KING』シリーズ(麻倉葉 / 麻倉花)、『PLUTO』(アトム)など少年の役も演じている。男の子だから声を低めにという考えに囚われないよう、心で演じることを心掛けているという[46]。
新人時代当初より歌唱力には定評があり、歌うことに対する意欲も強く、歌手デビューの3年前『けいおん!!』に出演していた頃からデビューのオファーが来ており、その後もプロデューサーが間を置いて幾度か話を持ちかけていたものの、当初は「音楽だけで頑張っていたり、音楽をやりたい人はたくさんいて。自分は“役者”として命をかけていて。。。それってどうなのかな?と考えてしまった時間がありました。」との思いもあり、そのつど断っていた[47][48]。
テレビアニメ『ロウきゅーぶ!』でのユニット「RO-KYU-BU!」[49]活動をきっかけに、その心境に変化が生じ転機となる。歌やライブなど活動する中で非常に楽しい経験をしたことから、「またライブがしたい」という気持ちを持つようになり、その結果、真摯に「やりませんか?」と声をかけ続けてくれたプロデューサーの想いを受け止め、「やらないで後悔するなら、やって後悔した方がいい」と考え、歌手デビューを決心した[47][48]。
デビュー以前にも多くのキャラクターソングを歌うも、それまではレコーディングのためスタジオに行って歌うだけで、CD制作の裏側は知らなかった。自身で関わってみて初めて、さまざまな人たちが一つひとつ作り上げていく大変な工程やこだわりを肌で感じる。また、個人名義のCDは自身の納得するものができないと出さないと語っている[22][50]。
日笠陽子ソロプロジェクトは、始動日である2013年5月8日の約1年半前から計画されていた。また歌手デビュー後の初アルバム作品『Glamorous Songs』には、声優への楽曲提供が初めてとなる小室哲哉[51]のほか、高山みなみとの2人組音楽ユニットTWO-MIXの永野椎菜などが楽曲提供を行った。
ライブツアーを最後にソロ活動は行っていないが、カバーソングプロジェクト『CrosSing』にて「Over Soul」(2022年)と「TESTAMENT」(2023年)のカバー曲を発表した[52]。
太字はメインキャラクター。
※はインターネット配信。