小野田 紀美(おのだ きみ、1982年〈昭和57年〉12月7日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の参議院議員(2期)、自由民主党政務調査会副会長[1]。
防衛大臣政務官(第2次岸田第1次改造内閣)、法務大臣政務官(菅義偉内閣)、参議院外交防衛委員長、東京都北区議会議員(2期)、自由民主党副幹事長などを歴任[2][3]。
アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにて出生。父はアメリカ人・母は日本人[4]。1歳から岡山県邑久郡邑久町虫明(現在の瀬戸内市)にて生活。清心中学校・清心女子高等学校・拓殖大学政経学部政治学科卒業[4][5]。在学中、高等学校教諭1種免許(公民)を取得[6]。卒業後は塾講師、雑誌編集、ゲーム、CD制作会社に勤務し、広報・プロモーションを担当した[6]。
TOKYO自民党政経塾5期生[6]を経て、2011年に北区議会議員選挙に自由民主党公認で立候補し、初当選した[7]。2015年、北区議再選[8]。同年10月、自民党の岡山県選挙区候補者公募に合格し、立候補を表明[9]。翌2016年、第24回参議院議員通常選挙に自民党公認(公明党推薦)として立候補。政界からの引退を表明した民進党の江田五月元参議院議長の後継で、社会民主党・日本共産党が推薦した黒石健太郎を破り、当選した[10][11][12][13]。小野田の当選により、岡山県では史上初めて、衆参の全議席を自民党が独占した[14]。
2019年10月1日、竹下派へ加入した[15]。
2020年9月18日、菅義偉内閣で法務大臣政務官に就任。
2022年7月10日、参院選岡山選挙区で2回目の当選。
2022年8月12日、第2次岸田第1次改造内閣で防衛大臣政務官に就任。
2023年12月28日、子宮筋腫により子宮全摘出手術を受けたことを公表[16]。
2024年1月26日、参議院外交防衛委員長に就任[17]。
2024年9月12日、自民党総裁選挙が告示され、旧茂木派からは会長の茂木敏充と加藤勝信の2人が立候補した。小野田は加藤の推薦人に名を連ねた[18]。石破茂、高市早苗、小泉進次郎の3人が競り合う構図が固まった終盤[19]、麻生太郎は9月25日に茂木と「反石破」での連携を確認し、茂木派議員の一部も取り込んだ[20][注 1]。9月27日総裁選執行。高市が得票数1位で決選投票へ進むも、岸田文雄首相の後押しを受けた石破に敗れた[23][20]。小野田は1回目の投票では加藤に投じ[24]、決選投票では高市に投じた[24]。
出生当時、日本の国籍法は父系優先血統主義をとっていたため、出生時には日本国籍を有していなかったが、その後日本国籍を取得。日本と米国の多重国籍となった。2004年、国籍法第14条で定める国籍選択の義務の期限を過ぎ、これ以降、違法な二重国籍状態となる。
2011年に北区議会議員選挙に自由民主党公認で立候補し、初当選。以後2015年10月まで北区議会議員を務める。2015年(平成27年)10月に自民党の岡山県選挙区候補者公募に合格し、2016年参院選に立候補を表明。参院選に立候補するにあたり、日本国籍選択と米国籍放棄の手続きを日本国内で行う[51][52]。2016年(平成28年)7月10日に当選。
2016年10月3日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相が「基本的にわが党の議員は二重国籍ではないとの認識に立っている」と答弁[53]。その翌日、国籍法が努力義務を課している米国での放棄手続きが完了しておらず、二重国籍状態にあることを公式Facebookにて公表した[54]。自民党内では日本国籍と台湾籍との「二重国籍」だった蓮舫に対する追及策の検討に着手しようとする矢先だった。そこに小野田の問題が発覚。自民党幹部は「これで台無しだ。小野田氏が議員辞職してくれれば攻めやすいが」とつぶやいた[53]。
小野田は、知識不足でアメリカ国内での手続きが完了できていなかったことについて謝罪し[55]、「二重国籍解消には米国政府に対する米国籍放棄申請も必要と判明したので手続を進めている」と発言[52][51]。国籍選択宣言日が「平成27年10月1日」と明記された戸籍謄本の複写の一部をFacebookで公開した。公表された戸籍謄本は、家族に関する記載・生年月日・出生日・出生地が白塗りされていた[54]。
その後、2017年5月2日付で届いた「アメリカ国籍喪失証明書」を自身のFacebookおよびTwitterに掲載した[56][57]。
同時期に多重国籍問題で問題になっていた蓮舫民進党代表(当時)の戸籍公開を拒む姿勢を「公人にプライバシーはない。それを主張するなら公人を辞めればよい」「自民党本部からは『戸籍謄本まで公開しなくていい』といわれたが、私はそれでは国民の方々の信用は得られないと思った。逆の立場なら、私は信用しない。国会議員である以上、『日本に命を投じられる』ことを証明しなければならない。私のように海外にルーツがある人間は当然です」と批判した[58]。
蓮舫が2017年7月13日の記者会見で、18日に戸籍謄本を公開すると表明したことを受け、翌14日「国籍法に違反していないことを証明できるのは、国籍の選択日が記載されている戸籍謄本のみです。ルーツや差別の話なんか誰もしていない」とツイートした[59][60]。
また蓮舫が戸籍の公開を求める人々を「差別主義者」と呼んだことを「海外の血が入った人とそうでない人の対立をつくってしまった」として批判した[61]。
また、戸籍謄本には重国籍者であることが分かる表記がなく「スパイを送り込み放題の仕様」だとしている[62]。
公明と創価学会は小野田の初陣を支えたが、小野田は当選後、公明が求める選挙応援や支援者名簿の提供などに非協力的だった[63]。2022年1月15日、公明党の山口那津男代表が、夏の参院選を巡り、32の改選1人区を中心に自民党候補者への推薦見送りを検討していることを、地方組織幹部とのオンライン会合で述べた。同日、メディアはこのことを報道[64]。
かねがね公明党の安全保障政策や憲法改正をめぐるスタンスに不満を抱いていた小野田は自身のTwitterに、「政党が違うのですから、選挙は自由にやるのが自然ですよね。公明党さんの推薦見送り検討、共感します。お互いそれぞれ頑張りましょう!ってやつですね!」と書き込んだ[63]。
同年5月26日、公明党は夏の参院選岡山選挙区は自主投票にすると発表。全国32ある1人区のうち唯一、小野田への推薦を見送った[65]。6月22日に参院選が公示され、創価学会は、立憲民主党、国民民主党の推薦候補の野党系無所属黒田晋の支援に回った[63]。公明党は小野田を推薦しない理由について「先方から依頼がなく、選挙区協力に至る関係が構築されていないことから、岡山県本部が自主投票を判断し、党本部が了承した」と説明した[63]。
一方で安倍晋三が銃撃された前日の7月7日夜、岡山市民会館で開かれた小野田の個人演説会には、安倍が応援弁士として駆け付け登壇した[66]。7月10日、公明党の支持がなかったものの無党派層からの支持を得て第26回参議院議員通常選挙にて前回の次点との差(約10.8万)を大きく上回り、約18万票差をつけ圧勝した(得票率54.7%)[67][68]。
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議員は、公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため、別に定めるところにより手当を受ける。 — 国会法38条
各議院の議長、副議長及び議員は、公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため、文書通信交通滞在費として月額百万円を受ける。 — 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律9条