『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』(かめんライダーへいせいジェネレーションズ ファイナル ビルドアンドエグゼイドウィズレジェンドライダー)[3]は、2017年12月9日より東映系で公開された日本の映画作品。「平ジェネFINAL」[4]「仮面ライダー平ジェネFINAL」[5]と略されることもある。
キャッチコピーは「衝撃の平成最終章」「新次元の物語」[6]「最強ヒーロー集結」[7]「凶悪科学者の人類消滅計画に、7人の戦士が立ち上がる。」[7]「凶悪科学者の人類消滅計画に、6人の戦士が立ち上がる。」[7]。
『仮面ライダー平成ジェネレーションズ』シリーズの第2弾で、特撮テレビドラマ『仮面ライダービルド』と『仮面ライダーエグゼイド』をメインとしたクロスオーバー作品[8]。『エグゼイド』としては4本目、『ビルド』としては1本目の劇場作品である。
『ジェネレーションズ』の主旨は、各ライダーの世界観の融合とされている[9]。『エグゼイド』以前の平成仮面ライダーシリーズからは後述のレジェンドライダーたちがゲストとして登場し、ストーリー面でもこれらのレジェンドライダーのテレビシリーズのその後が描かれる[10][11]。また、『仮面ライダーW』以降の作品にたびたび登場する敵組織・財団Xも再登場する[12]ほか、『ビルド』から仮面ライダービルド ラビットタンクスパークリングフォームとフェニックスロボフォームの2形態と、仮面ライダーグリスがテレビシリーズに先駆けて登場する[13][14]。
本作品の見所について、主演の犬飼貴丈は「お寿司の特上セットのような豪華な映画」[15]、赤楚衛二は「歴代仮面ライダーたちの戦いを見て龍我が戦う意味を見つけるまでの葛藤と、仮面ライダーとはどんな存在なのかを改めて教えてくれる内容」[16]と、それぞれ語っている。
東映の白倉伸一郎曰く、タイトルに銘打ってある「FINAL」には恒例となっていた春公開の仮面ライダー映画を今後はやらないという意味も込めており、本作品に冬映画と春映画の2本分の総力を結集したと自身のTwitterで語っている[17]。
本作品では主役であるビルドとエグゼイドのほか、レジェンドライダーとして仮面ライダーゴースト、仮面ライダー鎧武、仮面ライダーフォーゼ、仮面ライダーオーズとその相棒アンクが、当時と同じキャストで登場する[18]。プロデューサーの大森によれば、「レジェンドライダーの出演はレジェンドプロデューサーのお力をお借りしました。ビルドのテレビ放送を見ながらお越しいただくと、より楽しめるようにしております」とコメントしている[19]。また、それぞれの作品を代表して各ライダーを支えたキャストも出演する[20]。
配給の東映によれば、2017年10月3日に発表された渡部秀、三浦涼介、福士蒼汰、佐野岳、西銘駿の出演告知のツイートは、東映映画公式Twitterアカウントの史上最高となる1日で5万リツイートと5万いいねを記録したという。また、Yahoo!話題のツイートでも関連ワードが上位を独占し、話題のキーワード全20中15が本作品関連のものとなるなど、大反響を呼んだ[21]。
桐生戦兎 / 仮面ライダービルドと万丈龍我 / 仮面ライダークローズは、スマッシュの目撃情報を受けて現場へ向かうが、そこにこの世界には存在しないはずの新種のバグスターウイルスネビュラバグスターが現れる。戦いの中、龍我は謎の戦士カイザーが操る装置エニグマによって並行世界へ転送される。
龍我が転送された先はスカイウォールが存在せず、宝生永夢 / 仮面ライダーエグゼイドたちが存在する世界だった。エニグマの起動によって、ビルドの世界の地球にエグゼイドたちの世界の地球が送り込まれ、24時間後には2つの地球が激突し、どちらとも消滅するという状況に陥る。並行世界の存亡を脅かす危機に戦兎はレジェンドヒーローたちと力を合わせながら、衝突を阻止しようと試みる[39]。
本作品における『ビルド』側と最上魁星を除く登場人物は、いずれもスカイウォールの存在しない世界の出身者である。
数値のデータは、コレクターズパックの「DATA FILE」より。
桐生戦兎がドクターフルボトルとゲームフルボトルを用いて変身する、ビルドのレジェンドライダーフォーム[46]。
変身音声は「エグゼイド!マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクションX(エックス)!」。
ベルトがビルドドライバーである以外はエグゼイド アクションゲーマー レベル2とまったく同じ容姿である。変身時には白を基調としたドクターハーフボディと、ピンクを基調としたゲームハーフボディが形成されるが[47][注釈 1]、それらと異なるエグゼイドの容姿に変化する。
エグゼイドと同等のスペックを持ち、アクロバティックな攻撃を得意としており、攻撃と同時にバグスターウイルスに駆除プログラムを流し込み、ダメージを与えることが出来る。エグゼイドの武器であるガシャコンブレイカー(ハンマーモード)と、ビルドの武器であるドリルクラッシャーを両手に持って使用する[44]。
最上魁星が、ネビュラガスとバグスターウイルスを融合して完成させた生物兵器[44]。変身の際に各ギアをネビュラスチームガンに挿し込むことで「ギア〇〇(装填したギア名)!」の音声が流れ、トリガーを引くことで「ファンキー!」の音声と共に黒煙に覆われ、全身がそれぞれの色の歯車型のエネルギー体に包まれ、変身が完了する。
共通して上半身の片側に歯車型の装甲ギアトルクガントレットを持ち、それぞれの色の歯車型のエネルギーカッターとして生成・射出させ、回転させたり投擲して攻撃する。変身するのに多くのバグスターウイルスを必要とするため、エニグマを開発した。
葛城巧はこのシステムを母体にトランスチームシステムを開発した[44]。後に内海が難波重工の技術で改良品のヘルブロスを作り上げた。
東映の仮面ライダー図鑑ではヘルブロスと同様に仮面ライダーに近い戦士として紹介されている[49][50]。
各作品で主役仮面ライダーを演じた高岩成二は、本作品ではビルドをメインで担当したほか、オーズ・フォーゼ・鎧武も一部担当した[70]。高岩は、プロデューサーの高橋一浩から変身直後だけでも各レジェンドライダーを演じてほしいとの要望を受けていたが、スケジュールの都合によりエグゼイドとゴーストを演じることは実現に至らなかった[70]。
本作品の脚本は、『ビルド』メインライターの武藤将吾と『エグゼイド』メインライターの高橋悠也によって共同執筆された[80][41]。最初のスタッフ打ち合わせで出た案を武藤がプロットを作らずにまとめて簡単な構成の原案を起こし、これをもとに高橋がエグゼイドを中心としたものを執筆、さらに武藤がビルドの要素を加えていき、以後は交互に修正を加えていくというかたちで完成へと至った[80][41][注釈 8]。執筆当初は『ビルド』テレビシリーズの内容が固まっておらず、セリフもない状態であったという[80]。初期は桐生戦兎の記憶喪失にまつわる物語が想定されていたが[注釈 9]、戦兎が思い悩むよりもレジェンドライダーと同等のヒーロー像とする方がふさわしいため、万丈龍我が戦う意味を見出す物語に改められた[81]。
『ビルド』ではスカイウォールの存在が他の作品と大きく異なるため、『ビルド』はスカイウォールのない『エグゼイド』の世界とはパラレルワールドであると位置づけられ、過去の作品でもパラレルワールドのネタが使われていたことから、物語もより掘り下げてパラレルワールド自体をメインテーマにするものとなった[80][41]。『エグゼイド』テレビ終盤や劇場版でのビルドの登場は本作品への伏線として用意されたものであったが、本作品の内容への関連づけには難航したという[80]。
登場するレジェンドライダーは最初から決定していたが、オリジナルキャストが出演できるかどうかは未定であったため、出演が確定した部分から作り込みが行われていった[80]。歴代作品との関連づけについては各作品のプロデューサーからの意見も取り入れられている。財団Xの登場は、同組織の関与を匂わせることで、背後に広がりが出るものとなり、『オーズ』や『フォーゼ』との因縁があるほか、『エグゼイド』本編では回収できていなかった同作品のスピンオフ『仮面ライダーブレイブ』での登場を補完する意味合いもあった[80][41]。そのため、グリードやアンクが再登場することが可能となった[41]。
前作『平成ジェネレーションズ』が4人同時変身をしていたが、「今年ならでは」のものとして集団でのバイク戦をすることとなった[42]。
「神」を自称する黎斗と正真正銘の神である紘汰との絡みは、どちらかまたは両方が火傷しかねないため、当初から考えていなかったという[41]。
2018年5月9日発売。Blu-ray / DVDでリリース。
2018年1月9日時点で、観客動員100万人(興行収入約11億9,000万円)を達成した。これは、前作『平成ジェネレーションズ』との対比で動員133.8パーセントおよび興行収入133.0パーセントの記録となる。また、仮面ライダーシリーズの映画での動員100万人超えは2012年公開の『MOVIE大戦アルティメイタム』以来5年ぶり、興行収入10億円超えは2013年公開の『戦国MOVIE大合戦』以来4年ぶりとなる[82]。