地獄大使(じごくたいし)は、特撮テレビドラマシリーズ「仮面ライダーシリーズ」の作品に登場するキャラクターである。
ここでは、地獄大使が変身する怪人ガラガランダについても解説する。
オリジナルは特撮テレビ番組『仮面ライダー』に登場。ゾル大佐・死神博士に続く、第3のショッカー大幹部である。同作品の敵幹部としては最も登場期間が長い[1]。前任の2人とは異なる怪人寄りの容姿や、演じた潮健児による怪演技が視聴者にインパクトを与え、人気を博したとされる[2][3]。
『仮面ライダー』第53話 - 第62話、第64話 - 第67話、第69話 - 第79話、劇場版『仮面ライダー対じごく大使』に登場。
第52話で南米支部へ異動した死神博士に代わり、東南アジア支部から日本に着任したショッカー日本支部3代目大幹部。世界各地に156にも及ぶ秘密基地を作った功績を持つ[6]。首領への忠誠心が異常に強い。古代エジプトのファラオの仮面をモチーフにした特異な被り物や凝ったコスチューム、特注のショッカーベルトをそれぞれまとっている。毒々しいメイクで彩られた顔は、「体を改造している時にあのような顔になった」と説明されている[7]。
戦闘時の武器は電磁鞭と左手のアイアンクロー[8][5][注釈 1]。
指揮能力は死神博士よりも高く[9]、他の幹部よりもアジトから出て前線におもむくことが多い。大規模基地の建設や全国規模のテロなど大がかりな作戦を得意とし、さらに従来の幹部以上に細菌を用いた作戦も企てたりと数多くの作戦を指揮する。しかし、感情の起伏が激しく冷静さや緻密さに欠けるため、作戦の詰めが甘くなりがちな一面を持つ[9][10]。
現場で部下に気さくに声をかけるなどの鷹揚さ[注釈 2]や、人質とした研究者・木原博士にショッカーを代表して礼を尽くす(第71話)などの人間性も併せ持つ。しかし、死神博士とは折り合いが悪く、自分の在任中に彼が来日した際には、協力的な素振りを見せつつ互いに牽制し合う。この時は、仮面ライダーを倒す能力を有していた怪人ナマズギラーを死神博士から提供されたが、ナマズギラーの弱点を教えられたにもかかわらず理解していなかったため、作戦は失敗に終わる。
ゲルショッカーの台頭後は自らの大幹部としての立場が危うくなり、特に第78話ではショッカー首領から納得の行かない命令を出された上、作戦失敗の責任を全て負わされるという理不尽な目にあっている。追い詰められた彼はショッカーを裏切ったふりをして新1号に近づくという捨て身の作戦に出る。最後の戦いでは怪人ガラガランダに変身して戦うが敗れ、「きっと蘇って、必ず貴様を倒してやる!」と未だ尽きぬ仮面ライダーへの執念と「ショッカー軍団万歳!」の断末魔の叫びを遺し、ショッカーを称えつつ爆死する。
映画『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』に登場。
ショッカーの出身。死神博士とともに怪人軍団の指揮を執る大ショッカーの大幹部。気性は荒いが組織への忠誠心は厚い。原典との違いは鎧の色が黒になっており、兜とベルトの紋章が大ショッカーのものになっていることである。
地獄大使がビールで「ガラガラ」とうがいをすることでガラガランダに変身。ムチのような右腕を自在に伸ばして相手を攻撃する[24]。
最終決戦で1号・2号・BLACK RX・カブトを同時に相手にするも、RX・カブトの連携攻撃で怯んだところに1号・2号の「ライダーダブルキック」を受け「偉大なる大ショッカー大万歳!!」と絶叫しながら元の姿を浮かび上がらせて爆死した。
2016年の映画『仮面ライダー1号』に登場。
ショッカー首領が倒されて半世紀近くが経過した世界各地にて悪事を働いていたショッカー残党の前に、亡霊のような状態で登場。謎の眼魔の介入によって肉体を伴った完全復活を遂げるため、立花藤兵衛の孫娘・麻由の中に眠る「英雄の眼魂」を生け贄として狙う[26]。戦闘時には、毒蛇型のマスクを装着した姿に変わる[26][27]。
ノバショッカーを相手に1号と共闘する形となり、最終的に負傷しながらも生き残った後、眼魂を失ったことから急激な老化が始まる。最後は1号=本郷猛にかつての戦いの決着を切実な表情で望むが、「助かった命を大切にして生きるんだ」「身体を労われ地獄大使」と告げられ、その場に置き去りにされた。
『仮面ライダー』第79話に登場。地獄大使の正体。当初は別人であるかのように見せかけており、毒水道作戦の情報を本郷にリークし、その責任を負わされ処刑されかけたところを1号が助けるという自作自演の芝居を演じる。右手は鞭状になっており[出典 7]、一撃で鋼鉄を砕く威力を持つとされる[54]。また、猛毒を持つ牙も武器である[出典 8]。設定では、毒を出し切ると、砂漠で毒を充填する必要があることが弱点とされる[45]。
深夜に貯水池に現れ、毒水道作戦を実行しようとするが、事前に情報を得ていた仮面ライダー新1号に妨げられる。その後、少年仮面ライダー隊本部に匿われた地獄大使が、立花藤兵衛とライダーガールズだけになったところで正体を現し、藤兵衛らを捕らえる。そして、地獄大使はガラガランダの潜伏場所として伝えた浜松の砂丘で猛と滝和也を迎え撃ち、ガラガランダに変身する。腕の鞭や地中からの奇襲攻撃で1号を苦しめ、ライダー返しにも耐えて地中に逃れるも引きずり出され、最後はライダーキックを受けて地獄大使の姿に戻り、爆死する。
『仮面ライダーSD』シリーズには、八鬼衆の1人として関連作品に登場。暗闇大使との共演作品ともなっている。