「ローズ」(原題:The Rose)は、アメリカ映画『ローズ』(1979年11月公開)の主題歌。同作に主演したベット・ミドラーが歌い、1980年にはシングルとして全米3位、『ビルボード』誌のアダルト・コンテンポラリー・チャートでは1位のヒットを記録した[1]。ミドラーのヴァージョンは、2015年にはTBS系「金曜ドラマ」『アルジャーノンに花束を』の主題歌としても使用された[3]。また、多くのアーティストによってカバーされており、「愛は花、君はその種子」というタイトルの日本語カバーも存在する。
背景
作詞・作曲は、カリフォルニア州出身の女性ソングライター、アマンダ・マクブルームによる[4]。当初、映画『ローズ』のプロデューサー達は、この曲を「退屈」「讃美歌であってロックン・ロールではない」と考えて却下するが、同作で音楽を担当したポール・A・ロスチャイルド(映画のモチーフになったジャニス・ジョプリンのプロデューサーでもある)は、この曲を強く推してプロデューサー達に再考を迫った[5]。そして、ロスチャイルドから連絡を受けたベット・ミドラーが、この曲を気に入ったため、最終的に主題歌として採用された[5]。シングルにはアルバムと異なるヴァージョンが使用されて[6]、シングルのB面には、やはり映画『ローズ』においてミドラーが歌った「ステイ・ウィズ・ミー」が収録された。
作者のマクブルームは、リンカーン・マヨルガと連名のアルバム『Growing Up in Hollywood Town』(1980年)や、自身のアルバム『Dreaming』(1986年)等で本作を歌っている。
評価
ミドラーは、本作でグラミー賞最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス部門を受賞した[1]。また、作者のマクブルームはこの曲でゴールデングローブ賞 主題歌賞を受賞した[7]。
AFIが2004年に選出した「アメリカ映画主題歌ベスト100」では本作が83位にランクインした[8]。また、アメリカのウェブサイトAbout.comが選出した「Top 100 Best Love Songs Of All Time」では34位[9](後の改定では37位[10])にランクインした。2011年7月には、『ビルボード』誌が過去50年間にアダルト・コンテンポラリー・チャート入りした楽曲を対象にした「The Top 100 Adult Contemporary Songs Ever」で55位にランクインした[11]。
カバー
都はるみによるカバー曲
「愛は花、君はその種子」(あいははな、きみはそのたね)は、1991年7月1日に発売された都はるみのシングル。
概要
日本の演歌歌手、都はるみは、アニメ映画『おもひでぽろぽろ』(1991年7月公開)の主題歌として、同作の監督である高畑勲が訳詞を担当した日本語のカバー「愛は花、君はその種子」を歌った。カップリング曲「好きになった人」は、都はるみが1968年にヒットさせた曲で、『おもひでぽろぽろ』のサウンドトラックでも使用された。
収録曲
- 愛は花、君はその種子 - 4:04
- 作詞・作曲:アマンダ・マクブルーム/訳詞:高畑勲/編曲:星勝
- 愛は花、君はその種子(オリジナル・カラオケ) - 4:06
- 好きになった人 - 3:42
- 好きになった人(ライヴ・ヴァージョン) - 5:11
沢田知可子は、アルバム『歌姫ものがたり』(2009年)に「愛は花、君はその種子」のカヴァーを収録している[12]。
宝塚歌劇団によるアルバム『Tribute to STUDIO GHIBLI 宝塚娘役がうたうスタジオジブリのうた』(2010年)では、音花ゆりが「愛は花、君はその種子」を歌った[13]。
海上自衛隊東京音楽隊/三宅由佳莉 - アルバム『希望〜Songs for Tomorrow』(2015年)に「愛は花、君はその種子」を収録。
ウエストライフによるカバー
概要
アイルランド出身の男性ボーカルグループ、ウエストライフによるカバー曲で、彼らは全曲カヴァー曲で構成されたアルバム『ラヴ・アルバム』(2006年発売。カバーアルバムとしては2枚目。)の1曲目に、この曲のカバーを取り上げており、シングルとしては全英シングルチャートでグループにとって12曲目の1位獲得作品となった[15]。音楽評論家のSharon Mawerは、allmusic.comにおいて「オリジナルと大きな違いはないが、ウエストライフの音楽性は十分に刻みこまれている」と評している[19]。
収録曲
- CD1
- "The Rose" - 3:40
- "Solitaire" - 5:07
- CD2
- "The Rose" - 3:40
- "Nothing's Gonna Change My Love for You" - 3:47
- "If" - 2:42
音楽チャート
その他の主なカバー
脚注
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1961–1980年 | |
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