「美女と野獣」(英: Beauty and the Beast)は1991年のディズニーアニメ映画『美女と野獣』の楽曲で、ハワード・アッシュマンとアラン・メンケンによって書き下ろされた[2]。劇中ではこの曲はベルと野獣のテーマ曲として効果的に使用されている。歌詞もすれ違う2人の発展途上の友情を表現し、またその感情が恋愛感情に発展する可能性を暗示している。劇中ではイギリス人女優で歌手のアンジェラ・ランズベリーが歌唱している[3] が、シングルとしてはカナダ人歌手セリーヌ・ディオンとアメリカ人歌手ピーボ・ブライソンのデュエット曲として発売された[4]。
概要
プロデュースはアメリカの音楽プロデューサーでソングライターのウォルター・アファナシエフ[5]。ディオンとブライソンのバージョンは映画のエンドロールで流され、ディオンのセルフタイトルアルバムである『セリーヌ・ディオン』と映画のサウンドトラックに収録された。また、サウンドトラックにランズベリーのバージョンも収録されている。
映画のヒットに合わせて、この曲も世界中で商業的な大成功を収め、ビルボードホット100ではトップ10にまで上昇し、ディオンとブライソンにとってアメリカで2回目のトップ10入りとなった。
1992年3月30日には第64回アカデミー賞歌曲賞を受賞。ディズニーソングとしては1989年に『リトル・マーメイド』より「アンダー・ザ・シー」でハワード・アッシュマン、アラン・メンケンのチームが受賞して以来、1995年に『ポカホンタス』より「カラー・オブ・ザ・ウィンド」でメンケンとスティーヴン・シュワルツ(英語版)が受賞するまでアカデミー賞を連続受賞しているが、「ビューティー・アンド・ザ・ビースト〜美女と野獣」はその2作目あたる。
歌手
劇中ではポット夫人演じるアンジェラ・ランズベリーが歌唱しており、ベルと野獣が城でダンスをする場面で使用されている。映画のラストシーンでは合唱バージョンが使用され、曲の終わりとともに華やかに幕を閉じる。前者のの日本語吹き替え版は歌手のポプラが担当している(原語版と異なり歌唱部分のみの担当。ポット夫人の吹き替え自体は福田公子が担当している)。そしてセリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンのバージョンは映画のエンドロールで使用され、このバージョンがセリーヌ・ディオンのセルフタイトルアルバム(1992年)に収録されている。ミュージック・ビデオはドミニク・オーランドの監督によって撮影され、1992年1月に公開された[6]。また、この曲はそのアルバム以外にもセリーヌ・ディオンのいずれもベストアルバム『ザ・ベリー・ベスト』(1999年)と『マイ・ラヴ:エッセンシャル・コレクション』(2008年)にも収録されている。
第64回アカデミー賞授賞式の檀上では、映画に関わったランズベリー、ディオン、ブライソン3人全員での歌唱が実現した。そのうちディオンとブライソンのライブパフォーマンスは1993年のグラミー賞授賞式やフォー・アワ・チルドレン・コンサートでも実現している。
1994年にはミュージカル『美女と野獣』内で自身も出演するベス・ファウラーが歌唱したバージョンが使用された。
1998年にはディズニー・アニマル・キングダムとディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーで上映の3D映画『It's Tough to Be a Bug!』内で、「Beauty and the Bees」と題したハチ達が歌うバージョンが使用されている。
ゲーム『キングダム ハーツII』内ではこの曲のショートアレンジメントが流れる。
2002年、Jump5がアルバム『ディズニーマニア』でカバー。
2005年、ジュリー・アンドリュースがコンピレーションアルバム『ジュリー・アンドリュース・セレクト・ハー・フェイヴァリット・ディズニー・ソング』の一曲に選曲。
2007年、シンディ・ローパーが自身のアルバム『シンディ・ローパー・ザ・ディズニー・クラシック・ソング・Vol2』でカバー。
2009年、BRIGHTがコンピレーションアルバム『ディズニー・ドリーム・ポップ 〜トリビュート・トゥ・東京ディズニーリゾート 25thアニバーサリー』でカバー。
2010年、ジョーダン・スパークスがカバー。
2011年、河村隆一がコンピレーションアルバム『V-ROCK Disney』内で日本語でカバー[7]。
その他にも、シェール/ジェフリー・オズボーン、ジェームス・イングラム/ブリトニー・スピアーズ、H&クレア、クリスティーナ・アギレラ/ルーサー・ヴァンドロス、リンダ・ロンシュタット/バリー・マニロウ、スティング/エリカ・バドゥ、リチャード・マークス/シャナイア・トゥエイン、フィル・コリンズ/レジーナ・ベル、エイミー・ジョー・ジョンソン/R・ケリー、ナナ・ムスクーリ/ハリー・ベラフォンテ、マイケル・ジャクソン/ホイットニー・ヒューストンといった様々なアーティストによってカバーされている。
2017年には、劇場アニメの実写版の『美女と野獣』で、アリアナ・グランデとジョン・レジェンドによる同楽曲が主題歌となっている[8]。
その他アレンジ
四季劇場[夏]の最寄り駅であったりんかい線大井町駅にて、『美女と野獣』のミュージカルを上演していた2011年6月11日から2013年1月27日までの期間において『Be Our Guest』と共に発車メロディとして使用されていた。
評価
チャート成績は世界中で好成績を収め、ディオンにとって初の国際的ヒットとなった。アメリカでは9位(シングルセールス部門8位、有線部門で17位)、カナダ、ニュージーランド、イギリスでもトップ10入りを果たした[1]。また、アメリカでは50万枚以上を売り上げゴールドに、日本でも10万枚以上を売り上げプラチナに認定された。その好売上が影響し、『美女と野獣 オリジナル・サウンドトラック(英語版)』もアメリカ国内で300万枚以上を売り上げトリプルプラチナに認定されている。
賞
この曲は1992年にまずアカデミー歌曲賞及びゴールデングローブ賞 主題歌賞を受賞。この2つの賞の受賞はどちらも作詞・作曲者のメンケンとアッシュマン(他界後)のコンビにとって、1989年のディズニー映画『リトル・マーメイド』の挿入歌「アンダー・ザ・シー」以来2度目の受賞となった[1]。1993年には2つのグラミー賞(映画/テレビ歌曲賞、デュオ/グループボーカル・ベストパフォーマンス賞)を受賞。また、グラミー賞においてはその他主要な2賞(最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞)にもノミネートされている。カナダではジュノー賞年間最優秀シングル賞も受賞した。
収録曲
世界版CDシングル
- 「ビューティ・アンド・ザ・ビースト〜美女と野獣」 – 4:04
- 「ザ・ビースト・レッツ・ベル・ゴー」(インストロメンタル) – 2:19
カナダ版CDマキシシングル
- 「ビューティ・アンド・ザ・ビースト〜美女と野獣」 – 4:04
- 「ザ・ビースト・レッツ・ベル・ゴー」(インストロメンタル) – 2:19
- 「響きわたる言葉」 – 3:56
- 「デリヴァ・モア」(ライヴ) – 4:19
公式編曲版
- 「ビューティ・アンド・ザ・ビースト〜美女と野獣」(ラジオエディット) – 3:33
- 「ビューティ・アンド・ザ・ビースト〜美女と野獣」(アルバムバージョン) – 4:04
チャート・認定
チャート
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年間チャート
チャート(1992年)
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順位
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アメリカ・ビルボードホット100[21]
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64
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認定
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参考文献
- ^ a b c Roberts, David (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 137. ISBN 1-904994-10-5
- ^ “Filmtracks: Beauty and the Beast (Alan Menken)”. 18 May 2012閲覧。
- ^ “iTunes - Music - Beauty and the Beast (Original Motion Picture Soundtrack) by Various Artists”. 18 May 2012閲覧。
- ^ “Amazon.com: Beauty And The Beast (Celine Dion and Peabo Bryson): Peabo Bryson: MP3 Downloads”. 18 May 2012閲覧。
- ^ “Walter Afanasieff | Free Music Videos, News, Photos, Interviews, Lyrics, Tour Dates, Ringtones”. 18 May 2012閲覧。
- ^ Glatzer, Jenna (2005). Céline Dion: For Keeps. Andrews McMeel Publishing. ISBN 0-7407-5559-5
- ^
“Visual kei bands to take on Disney songs for ‘V-ROCK Disney’!”. tokyohive.com. 2011年9月16日閲覧。
- ^ “実写版『美女と野獣』主題歌はアリアナ・グランデ&ジョン・レジェンド!”. シネマトゥデイ. (2017年1月12日). https://www.cinematoday.jp/news/N0088884 2017年1月12日閲覧。
- ^ a b Lwin, Nanda (1999). Top 40 Hits: The Essential Chart Guide. Music Data Canada. ISBN 1-896594-13-1
- ^ Top Singles - Volume 55, No. 7, February 08 1992. Retrieved May 16, 2010.
- ^ Adult Contemporary - Volume 55, No. 6, February 01 1992. Retrieved May 16, 2010.
- ^ Billboard Hot 100
- ^ Hot Adult Contemporary Tracks
- ^ Australian Singles Chart
- ^ Belgian Singles Chart
- ^ Dutch Singles Chart
- ^ Irish Singles Chart
- ^ “Celine Dion singles sales ranking” (Japanese). Oricon. 2010年8月27日閲覧。
- ^ New Zealand Singles Chart
- ^ UK Singles Chart
- ^ “Billboard Top 100 - 1992”. 2010年7月30日閲覧。
- ^ “RIAJ”. Recording Industry Association of Japan. 2003-06-31閲覧。
- ^ “Gold & platinum searchable database”. Recording Industry Association of America. 2003年3月1日閲覧。
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関連項目 | |
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