SOIL&"PIMP"SESSIONS(ソイル・アンド・ピンプ・セッションズ)は、日本の4人組インスト・ジャズバンド。
メジャー・デビューをきっかけに、バンド名を「SOIL&HEMP SESSIONS」から「SOIL&"PIMP"SESSIONS」に改名。SOILは「塵、埃、土壌、大地」を、PIMPは「女衒」を表す。SOILが土壌というどこか暖かいニュアンスであるのに対してPIMPというのは国によっては放送禁止用語扱いになるような言葉であるが、陰影的で人工的で、よく言えば煌びやかなものという反対の意味を指しており、通常であればあり得ない組み合わせだが、ひとつのバンドに相反するふたつのエッセンスが存在しているということを象徴しており、彼らの音楽の重要なエッセンスに共通するものである[1]。
DJが主体であったクラブシーンにライブを持ち込んだパイオニアとして知られ、ライブを中心とした活動を身上としている[1]。確かな演奏力とクールな雰囲気を漂わせながらもラフでエンターテイメント性にあふれた既存のジャズとは大きく異なるスタイルは「爆音ジャズ」と評される[2][3]。メンバー自らは「デスジャズ (Death JAZZ)」と称している[4]。近年ではテレビドラマの劇伴なども手がけている[2]。
2007年(平成19年)にイギリスの大型音楽フェスティバル「グラストンベリー・フェスティバル」に初出演。日本人アーティストとしてはCORNELIUS、東京スカパラダイスオーケストラに続く3組目で、出演したJAZZ WORLDステージはそれまでの日本人アーティストが出演してきた中では最大規模のステージだった[5]。
2016年(平成28年)のリオデジャネイロオリンピック閉会式のフラッグハンドオーバーセレモニーでは、使用された楽曲「ちちんぷいぷい (Manipulate the time)」の演奏を担当[6]。
また、丈青、秋田はSOILとは別にピアノ集団「J.A.M」としても活動している[7][注釈 1]。
2008年(平成20年)公開のアニメ映画『菅井君と家族石 THE MOVIE』に登場するジャズバンド。テーマソング「COME ON BABY」を担当している。「島根県のとある村の青年団で組織した謎のJAZZバンド」という設定[15]。
メンバーの丈青(Pf)・秋田ゴールドマン(Ba)によるピアノ集団で、ジャズをベースに、ヒップホップ、ハウス、ロックといったジャンルの要素を取り入れて活動している[7]。元々は都内のジャズクラブで神出鬼没に活動していたが、SOIL&“PIMP”SESSIONSのライブセットにトリオでのセッション演奏がコーナー的に挿まれるようになり、2007年(平成19年)はFUJI ROCK FESTIVAL '07の“FIELD OF HEAVEN”ステージに出演を果たした。2008年(平成20年)にはゲストボーカルにホセ・ジェイムズを迎えてJ.A.M名義でミニアルバム『Just A Maestro』を発表、またSOIL本体とともに椎名林檎の『三文ゴシップ』に参加するなどの活動を行っている。
2001年(平成13年)、社長が六本木のラウンジバーで「SOIL&HEMP SESSIONS」というイベントを企画し、そこで知り合ったミュージシャンが集まって結成[1][2]。
2003年(平成15年)、ほぼ現行のメンバーで始動。まだリリースも契約も何もないアマチュアの状態でフジロックフェスティバルに出演[16]。音源を発表していないバンドの出演は異例であった。出演後、様々なレコード会社から契約のオファーを受ける。この際、諸事情によりキーボードが脱退し、代わって丈青が加入。
2004年(平成16年)、初音源となるアルバム『PIMPIN'』をリリース。2005年(平成17年)、アシッドジャズの生みの親でTalkin' Loudレーベルを主宰するジャイルス・ピーターソンが自身のBBCの番組で、偶然手にした彼らの音源を4週にわたってオンエア。番組出演とイギリスでのショーを直接オファーした[1]。イギリスでのショーと時を同じくして、ドイツ、カナダ、北欧などのジャズシーンで話題となり、海外ツアーを実施[1]。同年12月、BBC RADIO1が毎年主催する“WORLDWIDE AWARDS 2005”にて『John Peel Play More Jazz Award』を受賞[2]。同アワードのトラック・オブ・ザ・イヤー、セッション・オブ・ザ・イヤーの2部門にも3位にノミネートされる[1]。
2006年(平成18年)、椎名林檎の配信限定シングル「カリソメ乙女 (DEATH JAZZ ver.)」に編曲・演奏で参加し、「椎名林檎×SOIL&"PIMP"SESSIONS」名義でリリース。同年、モントルージャズフェスティバル出演。
2007年(平成19年)、6月23日、イギリスの「グラストンベリー・フェスティバル」に初出演。同年7月、ヨーロッパ各国[注釈 5]を回るツアーを開催。2006年(平成18年)4月6日から2007年(平成19年)3月29日まで放送された映画情報番組『シネマ通信』で、楽曲がBGMとして多用される。
2009年(平成21年)、9月16日、オリジナルフルアルバム『6』をリリース。同年9月30日、アルバム収録曲の椎名林檎とのコラボ曲の別バージョン「MY FOOLISH HEART〜Crazy in Shibuya〜」を配信限定でリリース。
2011年(平成23年)、7月20日、マイア・ヒラサワをフィーチャリングゲストに迎えたシングル「MOVIN'」をリリース。同年10月5日、オリジナル・フルアルバム『MAGNETIC SOIL』をリリース。
2012年(平成23年)、第1回“NISSAN PRESENTS JAZZ JAPAN AWARD 2011”にて、アルバム『MAGNETIC SOIL』が「ALBUM OF THE YEAR:NEW JAZZ部門」を受賞[1]。同年6月16日、5年ぶりとなる日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブ「日比谷宣言」で、川崎太一朗&武嶋聡(EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX)、後関好宏(元在日ファンク)、廣瀬貴雄(JAZZ COLLECTIVE)、向井志門(オーサカ=モノレール、The Swingin'Devils)、類家心平(DCPRG、菊地成孔ダブ・セクステット、WUJA BIN BIN)らを迎え入れ、ビッグバンド「SOIL&"PIMP"BIG BAND(ソイル&ピンプ・ビッグバンド)」を結成。
2013年(平成25年)、3月、ベトナムとマレーシアでライブを行う。3月2日にベトナム・ハノイで開催される野外ライブ「TOKYO JAZZ CLUB」のメインアクトを務め、3月4、5日にマレーシア・クアラルンプールのUniversiti Teknologi Maraにてライブ&ワークショップを行う。同年3月25日、東京・渋谷ヒカリエ東急シアターオーブで行われた「JAZZ WEEK TOKYO 2013」で「SOIL&"PIMP"BIG BAND」を再編成。福原美穂がゲスト出演。同年4月24日、RHYMESTERをフィーチャリングゲストに迎えたシングル「ジャズィ・カンヴァセイション」タワーレコード限定でリリース。同年6月26日、「SOIL & "PIMP" SESSIONSと椎名林檎」名義でコラボシングル「殺し屋危機一髪」をリリース。
2014年(平成26年)7月17日から放送のフジテレビ系木曜劇場「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」の主題歌に、コラボした一青窈のシングル「他人の関係 feat. SOIL&"PIMP"SESSIONS」が採用される。
2015年(平成27年)6月13日からWOWOWで放送の時代劇『連続ドラマW ふたがしら』の音楽[注釈 6]を担当[17]。同年6月下旬から7月にかけて、2度目の「グラストンベリー・フェスティバル」を含むヨーロッパツアー[注釈 7]を行う。
2016年(平成28年)9月18日[注釈 8]に行われたリオ五輪閉会式のフラッグハンドオーバーセレモニーで、演奏を担当した楽曲「ちちんぷいぷい」が流れる。同年10月、元晴の脱退とバンドの一時活動休止を発表[4][14]。
2017年(平成29年)4月、ワンマンライブ「PUMP IT UP」で活動を再開[18]。同年6月、丈青が右手の薬指の伸筋腱断裂・化膿性腱鞘炎と診断されたことを受け、開催が予定されていたJ.A.Mのツアーの中止となり、SOIL出演のイベント「THE CAMP BOOK 2017」には丈青の代役に伊澤一葉を立てて対応[19]。同年7月14日から放送のTBS系金曜ドラマ「ハロー張りネズミ」の主題歌に、野田洋次郎(RADWIMPS)とのコラボレーション曲「ユメマカセ feat.Yojiro Noda」が採用。またドラマのサウンドトラックも制作する。同年11月17日より、ビクターエンタテインメントに所属する他のアーティストと共にSpotifyにて楽曲の配信をスタート。
2018年(平成30年)5月9日、2年ぶりのオリジナルアルバム『DAPPER』をリリース。三浦大知をフィーチャーしたアルバムのリードトラック「comrade feat.三浦大知」を先行配信。
2022年(令和4年)、7月に放送されたドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ系)の主題歌としてドラマタイトルと同じ楽曲名である「初恋の悪魔」をリリースしている。3月に初めて放送されたNHK鹿児島放送局の鹿児島発地域ドラマ『この花咲くや』の劇中音楽を担当し、3月から同曲がNHK鹿児島放送局のニュース番組『情報WAVEかごしま』でもオープニング曲とエンディング曲として採用される[20]。
2023年(令和5年)6月20日、みどりんが大麻所持の容疑で逮捕され[21][注釈 9]、その後JVCケンウッド・ビクターエンタテインメントがこれを受け、SOIL&"PIMP"SESSIONSおよびJ.A.M名義の音源、映像商品の出荷および配信の停止を発表した[23]。同年8月には本人の申し出により、みどりんがSOIL&"PIMP"SESSIONSとJ.A.Mを脱退し、出荷と配信は再開[24]。
生産限定盤DVD-LIVE at LAFORET MUSEUM ROPPONGI 2010.11.14
初回限定盤 Bonus Disc: 「10th Anniversary! LIVE AT AKASAKA 10th Feb, 2014」
初回限定盤DVD
Montreux Jazz Festival June 2006.
日比谷野外音楽堂 May 2007
[特典映像]
2017年
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