『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ』(げきじょうばん ブリーチ フェイド・トゥ・ブラック きみのなをよぶ)は、2008年12月13日に東宝の配給で公開された日本の長編アニメーション映画。テレビアニメ『BLEACH』の劇場版第3作。アニメーション制作はstudioぴえろ。
本作では「原点回帰」をテーマに、主人公の一護とルキアをメインに据えた物語が展開されている[2]。尸魂界篇以来となる一護と護廷十三隊の対立や、ルキアとオリジナルキャラクターの姉弟のドラマを描く。
前作『劇場版BLEACH The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸』に引き続き、原作者の久保帯人も大まかなプロットができた段階から製作に参加している[3]。シナリオ、オリジナルキャラクターの設定・デザイン・ネーミング、サブタイトルの命名などに関わっており、アフレコ収録にもラストシーンまで立ち会ったという[2]。
久保はサブタイトル「Fade to Black」について、「最初にルキアがみんなの記憶から消えていくという話を聞いた時から、闇の中にいるルキアが、その思い出の中にある一護や護廷十三隊の隊長たちと共に消えていくというイメージが浮かびまして。そこから黒く消えていくという意味のFade to Blackにサブタイトルを決めました」と語っている[2]。また、英語のサブタイトルを考えた後、日本語のサブタイトルも要望されたため、久保はシナリオをじっくりと読み込んでキーワードとなるシーンや言葉を探したという[2]。そして「作品中の幾つかのシーンにある、誰かが名前を呼びかけるということ」、中でも、「一護がルキアの名前を呼ぶ」ことは本作のストーリー上で重要な意味を持っていることに気づき、「君の名を呼ぶ」という言葉をつけたと語っている[2]。
ラストバトルである一護とルキアの戦いでは、原作コミックの第1話にリンクするシーンが描かれており、ルキアが一護に霊力を与えたシーンも回想として挿入されている[2]。本作について久保は「これまでの劇場版の中で最も原作に近いストーリー」[2]、「とてもシンプルなBLEACHの本質に寄り添う物語」[4]といったコメントを残している。
公開前の2008年11月23日にはテレビ東京で特別番組『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ 公開記念 BLEACHナイトスペシャル』が放送され、本作に姉役として参加した平野綾が出演し最新情報を紹介した。番組内ではTVシリーズ第1話、恋次・白哉の初登場回など全3話が再放送された。12月6日にはテレビ東京で特別番組『劇場版最新作公開直前 BLEACH TV』が放送された。また、劇場公開中はプロモーションの一環として、TVシリーズのオープニング・エンディング映像に本作のダイジェスト映像が使用された。
劇場公開当時、TVシリーズでは未登場だった檜佐木修兵の斬魄刀「風死」が、TVシリーズに先駆けて披露された。
キャッチコピーは「さよならルキア」「黒崎一護 対 護廷十三隊」。
瀞霊廷の実験棟では涅マユリがある装置の開発を行っていた。だが、突如大鎌を持った姉弟の襲撃に遭い、暴走を始めたマユリは施設を破壊、瀞霊廷は一瞬のうちに超高濃度の霊子の雲に覆われ、瀞霊廷内の3割が壊滅状態となった。そしてその光景を目撃していたルキアの元にもマユリを襲撃した姉弟が現れ、巨大な鎌が振るわれる。
時を同じくして、一瞬とはいえルキアの存在を忘れたことにより、ルキアに何かがあったことを感じた一護は、浦原から瀞霊廷壊滅の報を知らされ、コンと共に尸魂界(ソウル・ソサイエティ)へ向かう。だが恋次ら護廷十三隊の面々は一護とルキアに関する記憶を失っており、瀞霊廷内で遭遇した一護のことを旅禍と看做してしまう。瀞霊廷壊滅の犯人として死神達から追われる身となった一護とコンは、紆余曲折の末にルキアの元にたどり着くが、そこに居たのは記憶を失い変わり果てた姿のルキアだった。
姉弟はかつて一緒に暮らしていたルキアと交わしたある約束のため、邪魔な死神を全滅させそうと画策する。一護とコン、そして自らの魂の声に従い一護に協力する恋次。彼らの存在によりルキアの記憶が呼び覚まされそうとしたとき、姉弟の想いは暴走しルキアに襲いかかる。一護はルキアとの絆を取り戻すため、姉弟に取り込まれたルキアとの戦いに身を投じる。
本作のDVDは、2009年9月30日にアニプレックスから完全生産限定版と通常版の2形態で発売された[5]。2023年1月25日にはBlu-ray Discが発売された[6]。
本作のオリジナル・サウンドトラック。2008年12月10日にアニプレックスから発売された[10]。各楽曲の作曲はテレビシリーズに引き続き鷺巣詩郎が手掛けている[11]。初回特典としてキャラクターデザイン・工藤昌史による「描き下ろしオリジナル・ステッカー」が封入された[11]
CDジャーナルはこのアルバムについて、「鷺巣詩郎によるその音楽は、ダークななかにも、要所要所でキラリと聴き手の心臓に突き刺さってくるような魅力的で不思議なサウンドが特徴となっている」と評している[10]。
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