『聞かなかった場所』(きかなかったばしょ)は、松本清張の長編推理小説。「黒の図説」第7話として『週刊朝日』に連載され(1970年12月18日号 - 1971年4月30日号)、1971年6月に光文社(カッパ・ノベルス)から刊行された。
これまで3度テレビドラマ化されている。
あらすじ
農水省係長の浅井恒雄は、神戸への出張中、妻の英子が心筋梗塞で急死したことを知る。妻は代々木の坂道近くにある化粧品店に入ってきて、そのままこと切れたという。日頃から心筋梗塞を注意していたはずの妻が、なぜ負担のかかる坂道を上ろうとしたのか。そもそも妻はなぜ代々木にいたのか。浅井の聞かなかった場所であった。現場の近くに連れ込み旅館が林立しているのに気づいた浅井は、ある想像をめぐらし、調査を始める。探索の末、「真相」を掴んだと思った浅井は、ある行動に出るが……。
翻訳
- 『A Quiet Place』(英語、Bitter Lemon Press)
- 『Un endroit discret』(フランス語、Actes Sud)
- 『Un posto tranquillo』(イタリア語、Adelphi)
- 『Un lugar desconocido』(スペイン語、Libros del Asteroide)
テレビドラマ
1979年版
「松本清張の聞かなかった場所」。1979年3月17日、テレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」枠(21:00-22:24)にて放映。
- キャスト
- スタッフ
- 脚本:猪又憲吾
- 監督:渡邉祐介
- 音楽担当:深沢康雄
- 撮影:坪井誠
- 照明:吉岡伝吉
- 録音:小松忠之
- 助監督:加島忠義
- 衣裳:鷹志衣裳
- 現像:東映化学
- 協力:山鹿市とうろうセンター
- プロデュース:大久保忠幸(東映)
- 制作:東映
1997年版
「松本清張特別企画・聞かなかった場所」。1997年7月7日、TBS系列の「月曜ドラマスペシャル」枠(21:00-22:54)にて放映。視聴率15.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
- キャスト
- スタッフ
2011年版
「松本清張特別企画・聞かなかった場所」。2011年11月16日、テレビ東京系列の「水曜ミステリー9」枠(21:00-22:48)にて放映。厚生福祉省勤務の女性次長・浅井恒子を主人公とし、坂道の場所を大塚周辺に設定している。
- キャスト
- スタッフ
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