『種族同盟』(しゅぞくどうめい)は、松本清張の短編小説。『オール讀物』1967年3月号に掲載され、1968年7月に中編集『火と汐』収録の1作として、文藝春秋(ポケット文春)から刊行された。
『黒の奔流』のタイトルで1972年に松竹で映画化、また3度テレビドラマ化されている。
新宿のバーのホステス・杉山千鶴子が、東京の西の外れの渓谷で殺された。被害者のペンダントを所持していたことが決め手となり、死体発見現場から2キロほど離れた旅館の番頭・阿仁連平が逮捕・起訴された。わたしは、同僚の楠田弁護士に頼まれ、阿仁の弁護人を引き受けた。助手の岡橋由基子からこれは無罪かもしれないと言われ、俄然やる気の出たわたしは、由基子とともに、阿仁の無罪証明に挑戦する。
映画タイトル『黒の奔流』。1972年9月9日に松竹系にて公開された。原作の語りは一人称の「私」の視点から描かれているが、本映画では、弁護士の名前を矢野武とした上で、貪欲な野心家として性格付けられている。殺人事件の容疑者は、原作では男性であるが、本映画では女性の貝塚藤江とされ、また主人公の結婚相手の設定を加えるなど、原作とは人物関係が変更されている。ラストの落ちも原作とは異なる。現在はDVD化されている。
多摩川に面した渓谷沿いの旅館の女中・貝塚藤江は、宿泊していたコンツェルンの御曹司を崖から突き落とした容疑で逮捕された。裁判所を訪れた弁護士の矢野武は、恩師の若宮弁護士を介して、この事件の国選弁護人となる。矢野は、敗色濃厚と思われた事件を逆転無罪に持ち込めば、一躍弁護士としての名声が上がり、若宮の娘・朋子をものにできるのではないか、という野心を抱いていた。矢野は助手の岡橋由基子と共に事件を調査、やがて有力な証拠・証人が見つかり、ついに藤江の無罪判決を勝ち取る。メディアから賞賛を浴びる一方、朋子との結婚話も進む矢野。他方、藤江は矢野の事務所に勤め始めたが・・・。
上記の映画版を踏襲して、以下3作とも女性を被告人に設定している。
「松本清張の種族同盟・湖上の偽装殺人事件」。1979年5月26日、テレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」枠(21:02-22:54)にて放映。視聴率18.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]。
「松本清張没後10年記念企画・黒の奔流」。2002年9月28日、テレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」枠(21:00-22:51)にて放映。土曜ワイド劇場25周年記念スペシャル。
「松本清張生誕100年特別企画・黒の奔流」。2009年3月4日、テレビ東京系列の「水曜ミステリー9」枠(21:00-22:48)にて放映。衛星放送では、同年3月8日、BSジャパンの「BSミステリー」枠(21:00-22:48)にて放映。
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