川上 麻衣子(かわかみ まいこ、1966年〈昭和41年〉2月5日 - )は、日本の女優。
スウェーデン・ストックホルム生まれ。ステージUPスタジオ所属。
ともにインテリアデザイナーである両親[1]が改めて北欧家具を勉強するために揃ってスウェーデンの大学へ留学した経緯で、スウェーデン・ストックホルムで誕生[2]。その後1歳で帰国[3]。
玉川学園小学部に入学後、9歳で再びスウェーデンを訪れ約1年間を過ごす[4]。玉川学園中学部から高等部へ進級したが芸能活動が認められていなかったことから1年で退学を決意、1982年にNHK学園高等学校に編入し1985年に卒業した。[4][5]。その後1997年に放送大学にも全科履修生として入学しており、同大の「大学の窓」等でも取り上げられたことがある。
中学部在学中の1979年より児童劇団「ピノキオ」にて週1回のレッスンを受け[4]、1980年のNHKドラマ人間模様『絆』でデビュー[6]。『3年B組金八先生』第2シリーズ(1980年 - 1981年)でヒロインの優等生・迫田八重子を好演。最終回の視聴率が34.8%という驚異的な数字を記録した同作品により一躍注目を集めた[7]。
先述の高校退学を機に短期間ではあるが芸能界を一旦辞め、編入後に市川崑監督作品『幸福』で女優復帰[8]。1981年にはアイドルとしてラジオシティレコードより「白夜の世代」で歌手デビュー。その後出した写真集『暑い国 夢の国 生まれた国』(撮影:篠山紀信)では、10代にして初ヌードを披露した[8]。
1988年公開の『うれしはずかし物語』で映画初主演。1996年には同年2月公開の映画『でべそ』での演技により第6回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞を受賞。上記の写真集や女優業でヌードを披露したことから、「色気と艶のある女性」のイメージがついた[3]。
1996年には、以前から交流のあった志村けん[3]の深夜バラエティ『志村X』シリーズに出演(2000年まで)。次番組の『変なおじさんTV』にもレギュラー出演し、コミカルな芝居にも挑戦した。
遡って1993年頃、NHKの番組をきっかけにガラス工芸作家の石井康治から吹きガラスを習った[3]。その後2001年から北欧のガラス工芸に魅せられ、小樽で若手の作家と出会ったことを契機に、女優業と並行して自らガラスを吹きデザインを行うガラスデザイナーとしても活動を開始。
ほどなくして「MAJKO.K」ブランドを展開し、2005年に初の個展を開催して以降隔年で個展『川上麻衣子のガラスデザイン展』を催している[9][10][11]。
2016年10月、『酒とつまみと男と女』(BSジャパン)[12] のロケで訪れて惚れ込んだという東京・谷中に、スウェーデンから直輸入したインテリアや小物、自らデザインしたガラス工芸品などを揃えたセレクトショップ「SWEDEN GRACE」(スウェーデングレイス)を開店[3]。母やスタッフと交代で自らも店頭に立つ[13][14][15]。2018年に一般社団法人「ねこと今日」を立ち上げた[8]。2022年頃は上記の他、絵本の翻訳、エッセイの執筆など多方面で活躍している[8]。
私生活では、1996年に中学時代の同級生で初恋の相手だった鞄デザイナーと結婚したが、2000年11月に離婚している[16]。また、長年の愛猫家としても知られ[8]、愛煙家でもある[17]。
母がスウェーデンで2年間仕事をすることになったことから、一人っ子で当時9歳の川上も現地で暮らすことになった[3]。ほどなくしてスウェーデンの言葉を喋れるようになるが、次第に日本語がたどたどしくなったり、現地の影響を受けすぎたこと[注釈 1]を母親が不安視したため、予定を1年切り上げて母子で帰国することとなった[3]。
スウェーデンの学校では成績で高い評価を受けたが、帰国後は成績が著しく下がってしまい自信を失くした[注釈 2]。その後担任となった人が教育熱心な音楽教師で、川上の英語力を活かして英語劇のミュージカルの主役に抜擢された[3]。担任の指導により自信を持つと同時に、「自分は人前で表現することが合っているのかも」と思うようになった[3]。
中学校入学前後の頃、近所に越してきた母方の祖父母宅に入り浸り、当時その家の隣家に住む脚本家・畑嶺明[注釈 3]と知り合った[3]。畑からドラマの台本を見せてもらったことで役者に憧れ、後日児童劇団「ピノキオ」に入団することになった[3]。
高校時代に芸能活動から引退したが、『3年B組金八先生』の共演者である沖田浩之や伊藤つかさなどの活躍ぶりに刺激を受けたり、引退後も川上のもとにいくつか出演依頼があった。これらにより「また演じたい」という気持ちが強くなり、結局女優に復帰することを決めた[3]。復帰を機に劇団「ピノキオ」を辞め、当時樋口可南子や手塚理美が所属する事務所に移籍[3]。
1983年に出版された『暑い国 夢の国 生まれた国』[18]は、本人が17歳の時に撮影した[8]少女ヌード写真集である。依頼を受けた当初、ヌードは嫌だった[注釈 4]が篠山紀信による撮影と聞き、最終的に「篠山さんに撮っていただけるなら」と承諾した[8]。これがきっかけとなり、以降映画やドラマで同世代の若い女優が嫌がって演じないような役の出演依頼をたくさんもらえたという[8]。
雑誌『写楽』の篠山紀信によるグラビア撮影の仕事が依頼され、撮影はドイツで行われた[3]。篠山が撮影に意欲的だった[注釈 5]ことから、「載せるかはまだ分からないけどとりあえず」という形で着衣のものからヌード写真[注釈 6]まで多数撮影された[3]。帰国後、掲載する写真を決めるため、篠山のスタジオでクラシック音楽をかけながら大きいスクリーンに写真を映す“発表会”を両親と一緒に鑑賞した[3]。すると元々写真好きの父の「こんな素晴らしい写真を世間に見せないなんてもったいない!」との一言で、『写楽』にヌード写真を含めての発表が決まった[3]。
またヌードに絡んだ話として、マスコミから「10代でヌードになってるくらいだから処女じゃないだろう」と勝手に思われ[注釈 7]、数年間は芸能レポーターから放っておかれたという[8]。その後、36歳で再び篠山撮影による写真集『MAIKO KAWAKAMI』を出版した[注釈 8]。
18歳で一人暮らしを始めて間もなく猫を飼い始めて以来30年以上にわたって猫と暮らす猫好きで[19]、東京・港区のマンションに3匹の愛猫とともに生活する[9]。18歳の頃、当初犬のシーズーを飼うつもりでペットショップに訪れた[3]。しかし、店内で猫のヒマラヤンと目が合った瞬間、一気に心を奪われたことから、以降猫派になった[3]。2015年には、元恋人が残していった雌猫「グリ」と過ごした日々を綴った猫エッセイ『彼の彼女と私の538日 猫からはじまる幸せのカタチ』(竹書房)を上梓した[20][21]。
日本酒や白ワインなどビール以外の酒類に目がなく、特に日本酒は自宅には専用の冷蔵ストッカーを持つほどである。小学生のころ学校帰りによく立ち寄った祖父の家でおいしそうに晩酌する祖父の姿を目にして、20歳を過ぎてからは日本酒を好んで飲むようになり、ドラマ出演などの仕事で訪れた各地で日本には美味しい日本酒がたくさんあると知って日本酒の虜になった[22][23]。辛口で喉越しがよい純米酒や山廃純米酒など、個性的かつ料理の味を引き立てるしっかりとした味わいの日本酒を好む[23][24]。第6回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞受賞作の映画『でべそ』のクライマックスシーン「天狗ショー」の撮影では、撮影前夜に「天狗舞」を飲んで臨んだという[24]。2016年10月にセレクトショップを開店した際には、『酒とつまみと男と女』(BSジャパン)のロケで東京・谷中界隈をハシゴ酒した際に気軽な立ち飲み屋からおしゃれなバーまでよりどりみどりな同地が気に入って、同地への出店を決めたという[25][26]。
生まれ故郷であるスウェーデンの自動車メーカーであったサーブ製の車両を好み、最初の愛車こそイタリア車のアウトビアンキ・A112であったが、その後初代サーブ・900、サーブ・9000ターボ、2代目900カブリオレ、サーブ・9-5エステートと4台乗りついだ。サーブ倒産後の2016年には「生活が大きく変わる中で、乗りたいと思える車が見つからなかった」として自動車の所有を止めている。川上はスウェーデン車の魅力について「やはりシンプルなことと信頼性。余計なことはしないことですかね。また、大人が楽しむ粋さがあること。幼稚さが感じられないことが魅力ですね。それはスウェーデンのインテリアや小物まで全てに共通していると思います」と述べている[27]。普段の移動は電車などに変えたがその後も車の運転自体は続けており、時々レンタカー屋で色んな車種の車を借りてはドライブを楽しんでいるとのこと[8]。
スウェーデンではガラス工芸が盛んで、本人も昔からスウェーデンのガラスを収集していた。1993年頃にこのことを知ったNHKのスタッフからガラスの特集番組に招かれた。その講師である石井康治から彼の工房の見学に誘われ、そこでガラス吹きを体験してすぐにハマったことから本格的にガラス工芸を始めた[3]。
2022年現在はラジオ体操にハマっている。毎朝6時半に東京の様々な場所で行われるラジオ体操の場に訪れ、100人程度の一般の人たちに紛れて体操を楽しんでいるとのこと[8]。
女優の藤田朋子は玉川学園高等部の同級生で、ともにも英語劇クラブに所属して活動していた[28]。
沖田浩之とも仲がよかった[29]。また、ドラマ『金八先生』(第2シリーズ)の迫田八重子役は、クラスメイト・松浦悟役の沖田に作中でちょっかいを出す役だった[8]。当時沖田の人気が高かったことから、彼のファンである女子高生などから路上で石を投げられたり、カミソリ入りの手紙が届くこともあったという[注釈 9]。
女優の可愛かずみはかつて同じマンションに住んでいた親友で、可愛が飼犬を連れて川上の部屋に遊びに来るなど交流があった[30]。深夜連続ドラマ『トライアングル・ブルー』では可愛と同居する女子大の同級生役だったが、ドラマ(と言っても若かりしとんねるずが盛り上げるバラエティー性が非常に高い進行であるが)の途中で二人でDJを行うコーナーなどあり、この役の上でも私生活でも可愛かずみとは親交が深く、可愛が投身自殺で亡くなった際には大変悲しんだ。可愛の葬儀の際、インタビューを受けながら泣き崩れている。
志村けんとも親しくしており、可愛と同じマンションに住んでいた頃、彼はレギュラー番組以外は出ておらず時間にかなり余裕があった[3]。当時は川上、可愛、志村とも独身でお酒好きで寂しがり屋という共通点もあり、仕事終わりによくマンションの部屋に3人で集まって会話などを楽しんでいたという[3]。また、川上が港区のマンションの22階に引っ越した後、志村も同じマンションに越してきて(別の階に)暮らしていた時期もある[注釈 10]。これらのことから、過去に志村と恋の噂が立ったこともあるが、川上は「仲は良かったですが、志村さんとは本当に何もなくて(笑)」と否定している[3]。
山城新伍とは、ドラマで“父子役”で共演した[注釈 11]ことがきっかけで、長年に渡って公私共に可愛がられた[3](ともに猫好きであること、川上が山城の娘と同い年で一人っ子なのも似ていた)。川上も山城を“芸能界のお父さん”として慕い、時々一緒に食事をするなど交流を深めていった。また、東映の京都撮影所は礼儀などに厳しいことで知られているが、川上の場合は事前に「(元東映スター俳優の)山城さんが可愛がっている子だよ」と伝わったことで、スタッフたちから良くしてもらえたという[3]。山城が晩年老人ホームへ入居し「誰にも会いたくない」と親類及び少数の関係者を除き一切面会を断っていた中、面会出来た数少ないひとりでもある[31][注釈 12]。
落語家・三遊亭好楽とは、「月に3度は一緒に飲みに行く」という一番の飲み友達である[3]。好楽からは、「普段の川上さんは、男っぽくポンポン話して、実にカッコいい人」と評されている[注釈 13]。
同じスウェーデン出身のLiLiCoとも親しい。2人の出会いはスウェーデン大使館企画の『ABBAナイト』というイベント。LiLiCoはまだブレイク前で長らく川上に会いたかったが叶わず。同イベントで、たまたま声を掛けたノリノリに踊っていた男性が川上の父という運命的な出会いだったという[32][33]。
公にはNHKドラマ人間模様『絆』をデビュー作としているが、実際にはそれより前の1980年3月30日放送の単発ドラマ『娘が出ていくとき』(TBS・東芝日曜劇場枠)でワンシーンのみではあるが、主演・杉田かおるの友達役として出演している[3]。
『3年B組金八先生』第1シリーズ(1979年 - 1980年)には、当初最終回に卒業式で「送辞」を読む在校生代表として出演予定だったが、リハーサル後に時間の関係で撮影中止になった。また、後番組の『1年B組新八先生』(1980年)では、オーディションにて中学1年生に見えないということで落とされた[34] 。
市川崑監督作品『幸福』の初めて脚本を読んだ際、10代で演じるには難役[注釈 14]だったため悩んだ。しかし共演者の市原悦子の助言により、何とか撮影に臨むことができた[注釈 15]
年齢に独特なこだわりを持っている。若い頃に交際した男性は、27歳の人が多かったという[注釈 16]。“36歳”という年齢については、「20代でもなく40歳になる手前で何事にもちょうどいい年齢」と語っている[8]。また“42歳”については「青年から大人になる感じが中途半端でいいですね。中年に入りそうだけど“まだ、若いぞ”っていう揺らいでる感じがいいです」などと持論を展開している[8]。
30歳の頃に結婚した後、子供を望んで夫婦の営みは自然に任せたが結局授からなかった。養子縁組も考えたが、当時は「夫婦のどちらかが仕事を辞めなければならない」などの厳しい条件が色々とあり、夫と話し合いにより断念した。その後離婚したが、本人は「子供ができなかったから離婚したということではないです」と語っている[注釈 17]。
2007年4月に出演した『ライオンのごきげんよう』で話した「プードルをネット通販で購入したら、子犬ではなく子羊だった」という詐欺事件がイギリスの「ザ・サン」など[35]のタブロイド紙で海外でも話題になった。5月2日の『ザ・ワイド』のインタビューで、この話は友人の被害としてネイルサロンで話したことが一部変化して「ザ・サン」に伝わってしまった、とコメントした。
『週刊ポスト』(小学館)が2012年に著名文化人を対象として男性を魅了している美熟女を調査した「熟女TOP10」では、黒木瞳、松坂慶子らに続いて第6位にランクインした[36]。
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ボーナストラック
★SWEDEN GRACE
★一般社団法人「ねこと今日」 (代表理事 川上麻衣子)
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