習志野駐屯地(ならしのちゅうとんち、JGSDF Camp Narashino)とは、千葉県船橋市に所在する第1空挺団等が駐屯する陸上自衛隊の駐屯地である。
概要
駐屯地司令は、第1空挺団長が兼任する。習志野駐屯地の習志野は、江戸時代は徳川幕府直轄の牧場の一部で大和田原と呼ばれていた。1872年(明治5年)に大日本帝国陸軍が錬兵場を設置し、翌1873年(明治6年)4月にこの地で行われた陸軍の大演習に明治天皇が臨まれた際に、その志に習うということから、この辺り一帯を広く習志野と呼んだことに由来し、隣接する習志野演習場の一部は船橋市習志野という地名になっている[1]。
習志野演習場
近隣に習志野演習場があり、駐屯部隊の各種訓練に使用されている。空挺降下の訓練に使われる高さ80mの降下訓練塔は、海空の操縦訓練生のパラシュート訓練にも使われる[2]。
習志野分屯基地
敷地には、隣接して航空自衛隊の習志野分屯基地(ならしのぶんとんきち、JASDF Narashino Vise-Base)があり、地対空ミサイル部隊である中部高射群第1高射隊が駐屯している。近接する習志野演習場の一角には、第1高射隊のミサイル発射場地区がある。
所在地等について
所在地は千葉県船橋市薬円台三丁目20番1号。敷地は八千代市にまたがっているが、習志野市とは市境を接するだけである。
「習志野駐屯地」という名称ではあるが、所在地は船橋市であり、習志野市には所在していない。これは習志野演習場も同様である(習志野演習場の南端がちょうど船橋市と習志野市の境界に当たる)。
これは「習志野」という地名を巡る歴史的経緯が影響している。
陸上自衛隊の駐屯地としての「習志野駐屯地」と航空自衛隊の基地としての「習志野分屯基地」は実質的には同じ敷地内にあり、公示住所も同一で、敷地内がフェンス等で区分されているわけでもないが、管轄としては陸上自衛隊と航空自衛隊とで別の駐屯地(基地)とされており、習志野分屯基地司令は習志野駐屯地司令とは別個に存在し、第1高射隊長が兼務している。
沿革
日本陸軍
在日米軍
- 1945年(昭和20年):陸軍騎兵学校の大半がキャンプパーマーとして米軍に接収される。敷地南側の木造兵舎は1947年より法政大学が法政工業専門学校・千葉県習志野校舎として使用。
- 1951年(昭和26年)10月1日、キャンプパーマー閉鎖。
警察予備隊習志野駐屯地
- 1951年(昭和26年)
- 5月1日:警察予備隊第1管区隊編成に伴い、第1通信中隊が習志野駐屯地で新編。
- 6月3日:警察予備隊第1管区総監部久里浜分室が閉鎖され習志野に分室開設。
- 7月29日:習志野営舎新設。
- 8月7日:法政大学の移転により、第1管区総監部が越中島駐屯地から移駐。
- 11月19日:特科学校が開校。
- 12月15日:第1管区総監部が練馬駐屯地に移駐。
保安隊習志野駐屯地
陸上自衛隊習志野駐屯地
- 1964年(昭和39年)4月1日:ナイキシステムが陸上自衛隊から航空自衛隊に移管となり、第101高射大隊が航空自衛隊第1高射群に改編。
- 1973年(昭和48年)
- 3月8日:第1空挺団空挺戦車小隊が空挺装甲輸送隊に改編。
- 3月27日:第112地区警務隊が編成完結。
- 2004年(平成16年)3月29日:防衛庁長官直轄部隊として特殊作戦群が編成完結。
- 2007年(平成19年)3月28日:中央即応集団発足により、第1空挺団および特殊作戦群が中央即応集団隷下に隷属替え。
- 2008年(平成20年)3月26日:第112地区警務隊を第127地区警務隊に改編。
- 2018年(平成30年)3月27日:中央即応集団の廃止および陸上総隊発足により、第1空挺団・特殊作戦群が陸上総隊隷下に隷属替え。
駐屯部隊
陸上総隊隷下部隊
東部方面隊隷下部隊
防衛大臣直轄部隊
最寄の幹線交通
重要施設
- 政府・行政関連
- 電力関連
- 千葉火力発電所(千葉市中央区) - 出力288.0万kW、LNG。
- 五井火力発電所(市原市) - 出力万188.6kW、石油・LNG。
- 袖ケ浦火力発電所(袖ケ浦市) - 出力360.0万kW、LNG。
- 姉崎火力発電所(市原市) - 出力360.0万kW、LNG・LPG・石油。
- 富津火力発電所(富津市) - 出力504万kW、LNG。世界最大級の火力発電所
- 新京葉変電所(船橋市) - 超高圧変電所。
- 房総変電所(市原市) - 五井火力発電所や君津共同火力発電所の送電線を収容する超高圧変電所。首都圏電力供給の要。
- 新野田変電所(野田市) - 日本最大出力、最大規模の超高圧変電所。
- 新佐原変電所(香取市) - 超高圧変電所。
- 新木更津変電所(木更津市) - 超高圧変電所。
- 高柳開閉所(柏市) - 開閉所。高柳開閉所事務所兼東京電力東葛支社東葛制御所。
- ガス関連
- 東京ガス袖ケ浦LNG基地(袖ケ浦市)- 世界最大のLNG基地。同社の都市ガスの約40%を製造するとともに、東京電力の3箇所の発電所に供給。
- 出光興産千葉製油所(市原市) - 原油処理能力は日量22.0万バレル。
- ジャパンエナジー富士石油袖ヶ浦製油所(袖ケ浦市) - 原油処理能力は日量19.2万バレル。
- 極東石油工業千葉製油所(市原市) - 原油処理能力は日量17.5万バレル。
- コスモ石油千葉製油所・同貯油設備(市原市) - 原油処理能力は日量24.0万バレル。貯蔵容量は約265.7万kl。
- 水道関連
- 北総浄水場(印西市) - 水道局応急給水拠点
- 柏井浄水所(千葉市) - 水道局応急給水拠点
- 福増浄水所(市原市) - 水道局応急給水拠点
- 栗山浄水場(松戸市) - 水道局応急給水拠点
- 沼南給水場(柏市) - 水道局応急給水拠点
- 松戸給水場(松戸市) - 水道局応急給水拠点
- 船橋給水場(船橋市) - 水道局応急給水拠点
- 北船橋給水場(船橋市) - 水道局応急給水拠点
- 妙典給水場(市川市) - 水道局応急給水拠点
- 成田給水場(成田市) - 水道局応急給水拠点
- 幕張給水場(千葉市) - 水道局応急給水拠点
- 園生給水場(千葉市) - 水道局応急給水拠点
- 誉田給水場(千葉市) - 水道局応急給水拠点
- 鉄鋼関連
- 通信・航法関連
- 自衛隊関連
イベント情報
駐屯地の一般公開は陸上自衛隊と航空自衛隊の合同で開催されており、「陸上自衛隊習志野駐屯地創立記念行事」と「航空自衛隊習志野分屯基地開庁記念行事」は毎年同日に行われている。
桜祭り
毎年4月第1週(第2週の場合もあり)の土曜、または日曜に行われる。
納涼夏祭り
毎年8月の第1土曜日から2日間開催される恒例の夏祭りである。落下傘訓練塔周辺の広場を中心に自衛隊側・市民側の多くの屋台が出され、近隣の住民が多く集ってくる。
自衛隊車両の体験試乗や落下傘体験、落下傘訓練塔を囲んでの盆踊りが行われる他、1日目には花火も打ち上げられる。花火開催日は周辺の路上や街区で見物をする人もいる。
脚注
参考文献
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
習志野駐屯地に関連するメディアがあります。
外部リンク
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