『水色時代』(みずいろじだい)は、やぶうち優による日本の漫画作品。また、それを原作とした日本のテレビアニメ。小学館発行の少女漫画雑誌『ちゃお』に連載された。ミュージカル化もされている。
等身大の思春期模様と主人公たちの成長を優しいタッチで描き、男女問わず人気を博した。
本項では、続編である『新水色時代』『水色時代 -12歳の季節-』、およびスピンオフ作品『水色時代を過ぎても』についても記述する。
普通の女の子河合優子の思春期模様を仲間達との友情を絡ませて描いた作品。『ちゃおデラックス』1991年冬の増刊号に小学校編が掲載された所、評判を呼んだため、『ちゃお』にて中学校に舞台を変え、長期にわたって連載された。
1996年にテレビ東京系にてテレビアニメ化された。それに合わせて、主人公・優子が書いた小説、という設定で設定と一部の登場人物の性格を一新した『新水色時代』が『ちゃお』、小学校編の続編『水色時代 -12歳の季節-』が『小学六年生』にそれぞれ連載された。
『ちゃお』連載時の『水色時代』ならびに『新水色時代』では、漫画版『中学生日記』を目指していたため、先輩や先生等の上下関係・部活動等といった中学校生活に関わる様々なことが多く描写されている。
『水色時代 -12歳の季節-』の扉絵は毎号カラーで、扉絵の裏面にはP&Gの生理用品の広告が掲載されていた。
後年発売された「やぶうち優ファンBOOK やぶうち優の♀♂(おんなのこおとこのこ)なお話」では、やぶうち優が執筆した性教育マンガの一つとして扱われている。
河合優子が通っている中学校の制服は、男子の冬服は標準学生服で、夏服は半袖カッターシャツとスラックス。女子の冬服は、青いセーラー服とスカートで、夏服は白い半袖セーラー服の上から青い吊りスカートである。
優子の真っ白な「子供時代」と青春の「青」の中間の「水色の時」の物語。
声はテレビアニメの声優。演はミュージカルの俳優。ほとんどが両方に出演した。
ほとんどの登場人物の苗字は、京王電鉄の各路線に存在する駅から取られている。また、作中の街の風景も、調布駅[1]近辺がモデルとみられる個所が見受けられる。
『水色時代を過ぎても 「十九歳の地図」』(みずいろじだいをすぎても「19さいのちず」)は「プチコミック」2002年10月号に読み切り掲載された『水色時代』最終回の後日談。
短大に進学し、一人暮らしを始めた河合優子の物語。掲載誌に合わせて、それなりの性描写があり、作者の連載作品(ちゃお・ChuChu・学年誌)とは明らかに対象年齢が異なることもあって、長らく単行本未収録になっていたが、2009年に刊行された小学館文庫版『水色時代』第4巻に加筆修正の上で初収録された。加筆修正の過程で性描写の削除や変更を行っている[2]。
東京近郊の短大に進学した優子は、学業の傍ら、ハイティーン向けのノベル雑誌で作家として『実体験モノの恋愛小説』を執筆していた。しかし、父親が作家活動に反対し続けたため、編集者の永山和弘が保証人となり、アパートを借りての一人暮らしとなった。
引越は、友達の高幡多可子と北野深雪が手伝い、作業が終った後の雑談で、二人は優子に長沼博士との“経験”について訊ねる。まだ処女でBより進んでいないことを打ち明ける[注 1]。多可子は博士を「ガキ」、深雪は「不能」呼ばわりする。
その後、優子は一人でアパートの挨拶巡りに出かけると、他人の詮索をしてきたり、居留守を使い挨拶をしないなど独特の性格をもった住民に戸惑ってしまう。晩に博士が来訪して引越を手伝えなかったことを詫びる一方、優子は一晩泊まるか尋ねると、博士は冷たくあしらい帰宅してしまい、前途多難な新生活で嫌悪感に包まれる。
あくる日、キャンパスでは、クラスメイトが、優子の小説の相思相愛な展開に期待を寄せるが、エッチ未経験の優子は、口をつぐんでしまう。帰宅後、執筆作業をするにもアイディアが浮かばずにいる中、左の隣室の壁から喘ぎ声とベッドが軋む音が漏れる。優子は「取材」として聞き入ってしまい、博士を興奮させてその気にするべく呼び寄せようと電話をすると、大学のサークル合宿で八丈島に居ると言う。優子は、再度電話して一方的に博士を侮蔑しつつ非難するが一方的に切られてしまい、孤独な状況に陥る。
その翌日、右隣の住民から“うるさい”と苦情を寄せる手紙がドアポストに入れられる。詫びに行こうとベランダを伺うと、突然無言で水を全身に掛けられてしまい、ショックで風邪気味になり寝込んでしまう。その後、新聞販売員からの押し売り的な勧誘に困惑した所で、締め切りが迫っているとして来訪した永山が止めに入り、難を逃れる。ベッドに腰掛ける優子は、“経験”のことでトラウマになり、原稿が進んでいないと告白すると、永山は「彼とは別れて欲しい」と告げ、自分は優子に気があることを打ち明ける。キスを交わすと優子は脱力し、永山に抱き寄せられてしまう。そこで博士からの携帯電話の着信音が鳴り響く。優子は永山に詫び、「大人になった気でいる、甘ったれな子供だった」と泣いてしまい、永山はそんな優子を慰めて家を出る。
優子は博士に電話すると、合宿を早退して国内線で羽田空港へ降り立ち、優子の家に向かう所であった。優子の家に着くと、博士は作家稼業で自活している優子に対して、“自分は将来がわからず優子と過ごして行く自信が無かった”と告白して、二人は縒りを戻した。
優子と博士が縒りを戻した翌朝、下の階の住人から燃えないゴミにコンドームを捨てたことを指摘された優子は、顔を赤らめてその場を去って行った。
文庫版掲載にあたり、以下のネーム(絵柄・モノグラム)が加筆・修正されている。
すべて小学館より発刊。
オリジナル版であるちゃおフラワーコミックス版は『水色時代』・『新水色時代』とも絶版になっているが、コミックパークにてオンデマンド出版で1997年増刷版が受注販売されている。また、ちゃおフラワーコミックス版を元にして電子書籍化もされ、各電子書店にて販売されている。
1996年4月4日から1997年2月27日まで、中学校編をテレビ東京系で放送。
全47話。当初は、9ヶ月(全39話)で終了する予定だったが、視聴率は平均6.8%、最高で10%を記録するなど比較的良かった[3]ことや反響の大きさから、追加エピソードが8話分新たに加えられ、2ヶ月延長された。なお、再放送に関しては、1998年4月15日~9月8日まで、テレビ東京にて関東ローカルで再放送[4]されて以降は、権利の関係により、再放送が難しい状況が続いている(2023年10月時点)。
スタジオコメット制作のテレビアニメとしては、初めてテレビ東京系列で放送されたアニメ作品でもある(これまでの同スタジオ関連のテレビアニメは、ほとんどがフジテレビ系列で放送されていた)。
1996年12月20日から1997年1月5日まで博品館劇場、1月11日から15日まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティを会場に公演された。演出は三ツ矢雄二、台本は武上純希、音楽は佐橋俊彦が担当。キャストはアニメで担当した声優がほとんど続投だったが、当時ジャニーズJr.だった佐野瑞樹・榎本雄太が出演している。#登場人物を参照。
以下の出典は『小学館コミック』内のページ。単行本の発売日の出典としている。
この項目は、漫画に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(P:漫画/PJ漫画/PJ漫画雑誌)。
項目が漫画家・漫画原作者の場合には{{Manga-artist-stub}}を貼り付けてください。