松野 太紀(まつの たいき、1967年10月16日[1][2][8][9] - 2024年6月26日[10])は、日本の声優、俳優、タレント。東京都品川区出身[4]。本籍は山梨県[2]。青二プロダクション最終所属[6]。
日本芸術専門学校特別講師。本名・旧芸名は松野 達也(まつの たつや)[1][2]。
主な出演作品は、『金田一少年の事件簿』(金田一一)、『ブギーポップは笑わない』(エコーズ)、『犬夜叉』(鋼牙)、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』(万丈目準)、『デジモンセイバーズ』(アグモン)、『フレッシュプリキュア!』(タルト)、『スポンジ・ボブ』(スポンジ・ボブ)、『忍風戦隊ハリケンジャー』(シュリケンジャー)など[11][12][13]。
経歴
幼少時代に劇団ひまわり[5]に入団[2][8]。初仕事は昼のメロドラマのエキストラであった[2]。セリフと役名のある役は『ケンちゃんシリーズ』のパン屋[2]。初舞台は1977年、芸術座の『女の遺産』[2]。10歳で『星の王子さま プチ・プランス』にて声優デビュー[2][8]。16歳の時にラジオ『アニメトピア』にて、三ツ矢雄二の舎弟として出演。直後『さすがの猿飛』で人気を博した後[2][8]、おニャン子ブームの頃は月曜ドラマランドに数本出演した。
その後、一時芸能活動を休止したが、1990年に現在の芸名に改名した上で活動再開。改名の主な理由は、声優デビュー後ほぼ同時期に声優として活動していた松田辰也と名前が似ていたため。『アニメトピア』での本人の発言によると、当初は「名」を大きな樹になるようにと「太樹」にする予定だったが、姓名判断の結果「太紀」にしたという。青二プロダクションに所属する以前には大橋巨泉事務所に所属していたこともある[9]。晩年に至るまで、複数の劇団で役を演じていた他、後述の通り講師として後進の指導にも精力的に当たっていた。
2024年6月26日、右大脳出血のため死去。56歳没。訃報は翌27日に青二プロダクションより発表された[10][14]。29日には『男はつらいよ お帰り寅さん』シネマ・コンサートで北山雅康とともにMCを務める予定で、自身も亡くなる1週間前にSNS上でファンへの来場を呼び掛けていた[15]。
2024年11月5日にお別れ会が都内で行われ、三ツ矢雄二や古川登志夫、佐久間大介らが参列した。また、山田洋次が監督を務めた作品に多数出演していたこともあり、山田の手紙が代読された[16]。
人物
『金田一少年の事件簿』関連
テレビアニメ『金田一少年の事件簿』では主人公の金田一一役に抜擢され、松野の代表作の一つとして挙げられている。
一を演じるにあたって、「(一は)特別な少年じゃない」ということを心掛けていた。「一は推理が人より秀でているが、他の点では普通の少年と変わらない」とのことで、「一は色んなことに感動する純粋な心を持っている素敵な子」と評している[17]。
『金田一』の放送当初は、一が喋る謎解きの部分の収録に苦労し、アフレコに行くのが怖くなるほど悩んでおり、松野はこのことに関して「放送の半分くらいを僕が喋る、あれをどうしていいのか掴めなかった」「初めは洋画に声を当てるように喋っていた」と語っており、しばらくはしっくりしなかったという。途中から「別にマイクに思い切り近づいて、ボソボソ喋ったっていいんだ」という感覚を掴み、それから良い調子で演じることができるようになったと語っている[17]。
『金田一』のプロデューサーを務めていた諏訪道彦によれば、一役のオーディションは難航しており、予定者のオーディションが終わっても誰にするか決めあぐねていたという。その情報を聞いた松野が「オーディションを受けさせてください」と志願し、その声を聞いた関係者が「(一の声は)これだ!」と感じたとのこと[16]。
『スポンジ・ボブ』関連
海外アニメ『スポンジ・ボブ』ではシーズン4より主人公のスポンジ・ボブ役を担当(シーズン3までは鶴博幸が担当)しており、主人公役でありながら、同作内で複数の兼ね役も演じている。
スポンジ・ボブの声を演じる際は高い声を出しているが、インタビュー時に「スポンジ・ボブの声はアップダウンが激しく喉に負担がかかる」と語っており、収録の途中で喉がもたないこともあったらしい[18]。
特撮関連
俳優を志したのは「仮面ライダーのように変身したい」という理由からだったが、子役時代は特撮などの変身ヒーローものに携わることは少なかった[19]。
特撮作品ではコミカルな怪人や軽妙な敵役を演じる機会が多い[19]。『スーパー戦隊シリーズ』では悪役として多く出演しているが、『忍風戦隊ハリケンジャー』では正義のヒーロー・シュリケンジャーを演じている。
『救急戦隊ゴーゴーファイブ』では、ゴーゴーファイブの変身前を演じる俳優らがアフレコに慣れていないにもかかわらず5人で言うセリフのタイミングを合わせようとしなかったため、叱ったことがある[19]。このことをきっかけにメンバーの中から「せーの」と言う担当が決まり、以後の戦隊でも「せーの」担当が決められるようになったという[19]。
オリジナルビデオ『忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER』では、別人がシュリケンジャーに変身するという設定だった事情から松野は出演することができず、悔しさのあまり同作品は観ていないという[20]。その後、『デジモンセイバーズ』を担当していた東映アニメーションプロデューサーの柴田宏明が『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の担当になったことから、松野は柴田に懇願。その結果、同作品の43話にてシュリケンジャーがゲスト出演することが決まり、再び同役を演じることが叶った[20]。
その他
姉と兄がいる3人姉弟の末っ子[8]。母によると赤ん坊の時からてのかからない子供で、しまいっ子にしてはしっかりしていたといい、幼稚園から高校まで先生方の評判もすこぶるよかった[8]。小、中学時代はクラス委員を務め、運動会の閉会の辞を述べる役目も務めた[8]。
実家はスプリング工場を経営しており、暇な日には実家の手伝いをしていた[8]。
劇団ひまわり入団の1年前の小学2年生の時、左右を見て道路を渡ろうとしたにも関わらず、曲がってきたライトバンに轢かれるという交通事故に遭う[2]。40日間ぐらい入院し、死ぬ一歩手前までいき、面会謝絶になった[2]。ケガの程度は、右足の甲の所の肉をタイヤでガーッと取られてしまったり脳の水が耳から出てきてしまったりなど壮絶なものだった[2]。ぶつかった時などは覚えていないが、麻酔が切れた後、吐いてしまったりするなど辛かったという[2]。退院後、1〜2週間は家におり、その後は学校に行ったが、最初は皆と一緒の授業ではなく、放課後に教師から特別に少しずつ教わるような形であった[2]。リハビリではないが、その後も足のキズの所を洗いに通院したり、顔を打ってしまったためハリ治療をしたりと、数ヶ月は通院していたという[2]。
日本芸術専門学校・大森校声優学科講師。大阪芸術大学放送学科客員教授。城西国際大学メディア情報学科非常勤講師。代々木アニメーション学院の講師をしていた時期もある[21]。城西国際大学での教え子の1人にアイドルグループSnow Manの佐久間大介がいる[22]。
音域はA - E(F)[6]。端正な声が魅力[23]。特技はダンス[6]。
松野が主催する朗読劇タチヨミでは前述の三ツ矢雄二や皆口裕子に加え、名塚佳織や岸尾だいすけなどが常連として出演している[24]。
後任
松野の死後、持ち役を引き継いだ人物は以下のとおり。
出演(俳優)
テレビドラマ
映画
Vシネマ
舞台
出演(声優)
太字はメインキャラクター。
テレビアニメ
- 1978年
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- 1982年
-
- 1984年
-
- 1987年
-
- 1988年
-
- それいけ!アンパンマン(1988年 - 1998年、ケトルマン、くすだまん、やきのりくん、たぬきおに〈2代目〉)
- 1991年
-
- 1993年
-
- 1994年
-
- 赤ずきんチャチャ(1994年 - 1995年、ラスカル先生、カンカン、フォクシー)
- 1995年
-
- 1996年
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- 1997年
-
- 1998年
-
- 1999年
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- 2000年
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- 2001年
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- 2002年
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- 2003年
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- 2004年
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- 2005年
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- 2006年
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- 2007年
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- 2008年
-
- 2009年
-
- 2010年
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- デジモンクロスウォーズ(2010年 - 2012年、ルーチェモン / ルーチェモンフォールダウンモード / ルーチェモンサタンモード、シャイングレイモン) - 2シリーズ[一覧 4]
- 2012年
-
- 2013年
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- 2014年
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- 2015年
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- 2017年
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- 2018年
-
- 2021年
-
- 2022年
-
- 2023年
-
劇場アニメ
OVA
ゲーム
- 1993年
-
- アルヴァリーク冒険記(リヴァ・ディナトーク)
- ぽっぷ'nまじっく(トルネード)
- 1995年
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- 1997年
-
- 1998年
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- 2000年
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- 2001年
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- 2002年
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- 2003年
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- 2004年
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- 2005年
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- 2006年
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- 2011年
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- 2012年
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- 2013年
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- 2014年
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- 2015年
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- 2016年
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- 2017年
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- 2018年
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- 2019年
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- 2020年
-
- スポンジ・ボブ battle for bikini bottom
- 2021年
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- 2022年
-
- 2025年
-
ドラマCD
吹き替え
映画
テレビドラマ
アニメ
特撮
- 1978年
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- 2018年
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テレビ番組
ラジオ
人形劇
コミックCD
音楽CD
その他のコンテンツ
脚注
注釈
シリーズ一覧
出典
参考文献
外部リンク