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半田市(はんだし)は、愛知県の尾張地方にある市。知多半島の中央部に位置している。計量特定市。
1937年(昭和12年)、半田町・亀崎町・成岩町が合併して半田市が発足した。愛知県内では6番目、知多半島で最初の市制施行であった。その後は新たな合併を経験せず現在に至っている。
江戸時代中期から本格化した醸造業の成長とともに、港湾都市として発達した。明治以降は知多半島における行政の中心となる。太平洋戦争後には鉄鋼や自動車関連産業などの製造業も進出している。名古屋都市圏の中心市の1つであり[1]、特に知多地域における政治・経済・文化の中心機能を担っている[2][注釈 1]。
1958年(昭和33年)には半田市議会が「原水爆実験禁止並びに核兵器持込み反対核非武装宣言」に関する決議を行い、日本で初めて非核を宣言した市となった[3]。市制55周年の節目である1993年(平成5年)には「非核・平和都市宣言」の決議を行った[4]。
『ごん狐』などで知られる童話作家新美南吉の出身地でもあり、市内には新美南吉記念館があるほか、記念館周辺には童話にちなんだ花(彼岸花)や畑なども広がっている。
知多半島東海岸の中部に位置し、市域はL字の左右を反転させたような形をしている。東は衣浦湾に面し、西は知多丘陵で常滑市と接する。市域の中央を縦断して流れる阿久比川・十ヶ川の河口付近が、市役所等の集中する中心部である。
市街地はかつての海岸線沿いや干拓地にあり、内陸部に住宅地が広がっている。埋立地は主に工業用地として利用されている。丘陵部は農業用地となっている。
沿岸部をJR武豊線と国道247号線が、内陸部を名鉄河和線が、西部の丘陵地を知多半島道路・南知多道路がそれぞれ縦断している。
知多半島中央の丘陵部から、埋立てで整備された衣浦港にかけて、西高東低の地形となっている[5]。市内最高地点は海抜83.7m[注釈 2]である。
小規模なため池が点在する。
江戸時代、市域は尾張藩、犬山城主成瀬氏(のちに犬山藩を立藩)、および寺社の領地であった。市制施行まで知多郡に属していた。
2005年に開催された愛知万博では「一市町村一国フレンドシップ事業」が行われた。名古屋市を除く愛知県内の市町村が、120の万博公式参加国をフレンドシップ相手国として迎え入れた[7]。
愛知県半田市、宮崎県日南市、北海道小樽市と共に、半田運河・堀川運河・小樽運河と3都市に運河を持つ繋がりから運河サミット2012を期に災害時応援協定締結
古くから酒、醤油、味噌などの醸造業が栄えていた。江戸中期より酒粕を用いた酢の醸造が始まると、江戸のにぎり寿司ブームもあり、樽詰めされた酢は尾州廻船によって江戸にも運ばれた。こうした醸造業の発展は現在の半田市の形成に繋がり、ミツカンなどに代表される日本有数の食品産業の町への基礎となった。
戦前には重工業も盛んになり、中島飛行機半田製作所に代表されるように航空機産業も発達した。軍需産業の一拠点となった半田市は戦争中には空襲の標的となり、多大な被害を受けることになった。戦後は再び重工業が復興し、衣浦港の重要港湾指定を経て、新たに造成された臨海部の工業地帯を中心に栄えている。
戦後、有力な収入源として半田競艇場が作られたが、伊勢湾台風による被害を受け施設がほぼ全壊し、また衣浦港造成の妨げとなることから廃止された。その代替として、1964年(昭和39年)からは、常滑競艇場におけるレースの一部が半田市の主催により行われるようになり、現在に至っている。
半田市は尾張学区に属し、中学生は尾張地方の県立および名古屋市立の普通科高校に進学可能だが、グループ群の規制がある。 普通科高校は、三河学区への進学はできない。 専門学科や総合学科などの高校で、三河学区の高校などには進学することができる。 私立高校受験に際しては、学区やグループ群による受験校の規制などはない。
知多半島の市町の中で、名鉄とJRの両方の駅が立地するのは半田市と武豊町のみである。市内で利用客が最も多いのは名鉄知多半田駅であるが、『JTB時刻表』はJR半田駅を「市の代表(中心)駅」として記載している。
半田市は知多半島の中心に位置しており、知多半田駅はかつて知多半島内や西三河地区への路線バスの基点となっていたが、近年はモータリゼーションの進展、名鉄知多新線の開業、JR武豊線の利便性向上などによりバス利用者は減少し、一般路線バスについてはほぼ全線にわたり廃止もしくは短縮・減便された。また中部国際空港の開港により複数の空港連絡バスが開設されたが、そのうち運行継続しているのは常滑線のみである。
半田市に本社を置く知多乗合(知多バス)が市内の一般路線バス全線を運行している。そのうち上池線・亀崎線・鴉根線・花園線については、半田市と知多乗合との協定により、市からの補助金交付により赤字補填が行われている[9]ほか、常滑線に対しても国と愛知県からの補助金が交付されている[10][11]。
こうした市内の路線バス廃止・減便を補うため、市がコミュニティバスとして「半田市公共交通バス」を運行している。
また、半田市から東京方面への長距離高速バス路線として、ジェイアールバス関東が運行する「知多シーガル号」がある。
この項目における山車はすべて知多型であり、当市で発展したため、別名「半田型」とも呼ばれる。