ブラマプトラ級フリゲート(ブラマプトラきゅうフリゲート、英語: Brahmaputra-class frigates)は、インド海軍のフリゲートの艦級。インド海軍での計画番号は16A型[1][2]。
設計
先行するゴーダーヴァリ級(16型)をもとに、センサーおよび兵装を更新したものとなっており、アメリカ海軍協会(USNI)では「改ゴーダーヴァリ級」(Improved Godavari-class)として扱っている[2]。
基本設計は16型のものがほぼ踏襲されたため、1990年代に就役した艦であるにもかかわらず、ステルス性への配慮はほとんどない。中央船楼型という船型も踏襲された。主機関も同構成で、ボイラーはバブコック・アンド・ウィルコックス社製の三胴式で、蒸気性状は圧力550 lbf/in2 (39 kgf/cm2)、温度450℃である[1]。蒸気タービンはボーパール・エンジニアリングによるY160蒸気タービンである。なお安定化装置として、非収納式のフィンスタビライザーを装備している[2]。
装備
C4ISR
戦闘システムの中核となる戦術情報処理装置は、16型で採用されたイタリア製のIPN-10、あるいはこれをバラート社がライセンス生産したものとされている。またこのほか、日本無線のインマルサット衛星通信装置も搭載された[1][2]。
またレーダーも、おおむね16型の搭載機をもとに国産化されており、対空捜索用としてはRAWL-02(LW-02または08のインド版)、低空警戒用としてはRAWS-03(DA-05または08のインド版)、対水上捜索および航海用としてはRASHMI(ZW-06のインド版)が搭載された。このほか、長射程の艦対艦ミサイルの搭載に伴い、その測的用として、ロシア製のガルプン-E(NATO名「プランク・シェイヴ」)をライセンス生産したアパーナ長距離対水上捜索レーダーも追加されている[1]。また個艦防空ミサイルの換装に伴い、RAWS-03からEL/M-2238 STAR 3次元レーダーへの換装も行われている[2]。
ソナーとしては、バラート社の中周波ソナーであるHUMSA(APSOH)を搭載する。またタレス社の曳航ソナーの装備も予定されている[1][2]。
武器システム
16型と比して、最大の変更点が艦対艦ミサイルであり、16型では比較的旧式のP-15M「テルミートM」が採用されていたのに対し、本級では、新型の3M24「ウラン」に更新された。これは同時期に建造されていた15型駆逐艦(デリー級)とあわせたものであった[1][2]。
一方、個艦防空ミサイルとしては、当初は国産開発されていたトリシュル(英語版)の後日装備を予定されていた。これは16型で搭載されていた4K33 オサーMと同様の昇降式連装発射機を用いる予定であったが、コスト超過のために同ミサイルの開発そのものが中止された。このため、かわりにイスラエル製のバラクが搭載されている[1][2]。
対潜兵器はILAS-3 3連装魚雷発射管、艦砲も76mmスーパーラピッド砲、CIWSもAK-630 30mmガトリング砲と、いずれも改修後の16型の装備が踏襲された[1][2]。
航空艤装も16型を踏襲しており、フランス製アルエットIIIをライセンス生産したチェタクまたはシーキングヘリコプター2機を搭載できる[1][2]。
同型艦
上記のトリシュル個艦防空ミサイルの開発遅延・計画中止や、計画途上での設計変更、造船所の労働問題のために、建造は全体に遅延した。
脚注
外部リンク