「22才の別れ」(にじゅうにさいのわかれ)は、日本のフォークグループであるかぐや姫の楽曲。作詞と作曲は伊勢正三による。
1975年に、フォークデュオの風が、日本クラウンからシングルとして発売された。
背景
元々は「かぐや姫」の伊勢正三が1974年のアルバム『三階建の詩』のために書いた2曲のうちの1曲(もう1曲は「なごり雪」)で、シングルカットの要望が出るなど当初から評価は高かったものの[2]、発表当初はかぐや姫のシングルとしては発売されなかった。
第2期かぐや姫が解散することが決まり、伊勢はフォークデュオの風を結成した。1975年、風のデビューシングルとしてリメイクバージョンが発売された後、かぐや姫バージョンは1984年放送の日本テレビ系列ドラマ『昨日、悲別で』のエンディングテーマに使用されたのをきっかけに、シングルカットされた。ジャケット表面には、雪が降り積もる悲別ロマン座の風景画がレイアウトされている。風の初アルバム『風ファーストアルバム』に「22才の別れ」が収録されていないのは、かぐや姫時代の曲であって風の音楽ということではないため伊勢が断固拒否したのである[3]。
2006年に、この曲をモチーフにした純愛映画『22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語』(大林宣彦監督)が制作され、2007年夏に公開された。
音楽性
印象的なギターイントロは、編曲を担当した石川鷹彦によるものである[4]。
1978年の「かぐや姫・今日」ツアーではエレクトリックアレンジで演奏された。
記録
風のデビューシングルとして発売すると、オリコンチャートでは売上70.8万枚を売り上げ、オリコン年間チャート7位にチャートインした。売上げ71万枚は1978年10月時点のオリコン調べでフォークソングのシングルとして歴代9位の売り上げ71万枚[1]。風のシングルとしては最大のヒット曲となり、累計売上はミリオンセラーに達した[2]。
2005年にNHKが実施した「スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜」で白組71位にランクインされた。
制作
制作の経緯を伊勢正三自らが語っている。
それ〔注:「
なごり雪」〕に反して、「22才の別れ」は計算して作った。実は、この2曲は同じアルバムに入っている。
1974年に発表された「
三階建の詩」というアルバムだ。このアルバムには2曲書いた。最初に「なごり雪」を、その次にもう1曲別の作品をレコーディングした
[注釈 1]。だけど、なんだか気に入らなかった。「これは売れないなぁ」と直感してしまったのだ。だから、1日待ってもらうことにした。その日、家に帰って、絶対売れる歌を作ってやろうと思った。そうして、徹夜で作ったのが「22才の別れ」だ。だから、「なごり雪」は自分の好きな世界が自然に沸き上がってできた作品、「22才の別れ」はヒットを意識して作った作品だ
[6]。
この2曲は、かぐや姫のアルバム『三階建の詩』(1974年3月)に向けて制作された[7]。1973年秋[8]、当時の伊勢はもうすぐ22才という年齢であった[9]。この時に伊勢はプロとして初めて作詞だけでなく作曲も担当した[10]。伊勢の回想によると、最初に南こうせつらに聞かせた処女作「なごり雪」は思っていたほど褒められなかったということもあり、1日待ってもらい「22才の別れ」を作ったのであった[9]。
解釈
1970年代中期の日本は、親が縁談を用意することも珍しくなく、未だ見合い結婚が根強い昭和時代である。10年ほど遡る1965年頃にようやく恋愛結婚の比率が見合い結婚を上回ったところであり[11]、恋愛結婚のテレビドラマが盛んになるのは1980年代頃からである[12]。この歌の頃の22才は当然に結婚を意識する年齢でもあった[13]。5年間恋愛をしていた相手の男は結婚を決めずに優柔不断で、早く結婚という幸せが欲しいこの女は現実を見つめ、共感が得られるストーリーであった[13]。
「鏡に映った」の一連のフレーズは伊勢正三によれば「自分の姿を直接見られるのは自分以外の他人で、自分で自分を見ようとしたら鏡を覗き込むしかない。けれど、そこに映っている自分が果たして他人が見ているような自分と同じ姿形をしているのだろうかっていうことは永遠にわからない。そのあたりの怖さがこの一節からは伝わってはくるはずだ。」、と一応の解答をしているが、伊勢本人にも真の意味はわからないという[14]。
収録曲
風盤
かぐや姫盤
カバー
脚注
注釈
- ^ この1曲についてはどんなものであったか、もはや伊勢は覚えていない[5]。
出典
関連項目
外部リンク
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