1998年のルマン
1998年のル・マン24時間レース は、第66回耐久グランプリであり、1998年6月6日と7日に開催された。
スケジュール
ル・マン24時間レースのイベントは、5月2日に車検で始まり、5月3日の予備予選が行われた。レースウィークは6月1日月曜日に始まり、改めて車検が行われた[ 1] 。
スケジュール
日付
時間(ローカル)
イベント
5月2日土曜日
不明
予備予選の車検
5月3日日曜日
07:30 – 13:30
予備予選
14:30 – 20:30
6月1日月曜日
15:00-18:00
本戦の車検
6月2日火曜日
9:00-17:00
6月3日水曜日
19:00 – 00:30
予選セッション1&2
6月4日木曜日
19:00 – 00:30
予選セッション3&4
6月6日土曜日
朝
ウォームアップ
14:00
ル・マン24時間レースのスタート
6月7日日曜日
14:00
ル・マン24時間レースのフィニッシュ
エントリー
1998年には、ワークスの関与が大幅に増加した。メルセデスベンツ はLMGT1 にCLK-LM 、ポルシェ はLMGT1に911GT1 とLMP1 に前年優勝したヨーストレーシング をワークスに取り込み、前年優勝マシンWSC95 に全水冷フラット6+6速シーケンシャルの最新コンポーネンツを搭載したLMP1-98 を参戦させ必勝を期した。トヨタ は3台のGT-One TS020 を参戦させ、BMW はウィリアムズ と共同でBMW V12LM を開発した。日産は4台のR390GT1 を投入した。アメリカからはパノス がフォード エンジンのエスペラントGTR-1 を2台エントリーし、オレカ がワークス支援を受けエントリーしたLMGT2 クラスのクライスラー ・ダッジバイパーGTS-R が参戦した。
自動エントリー
1998年のルマン24時間レースへの自動エントリーは、前年のルマン24時間レース、1997年のFIA GT選手権 、ルマンオータムカップで好成績を収めたチームに与えられた。[ 2]
1. ヨーストレーシング(7号車)は、ワークスポルシェチームの元でレースをする為、シード権は無くなった。
車検
5月2日(土)には、すでに認定されたものを含め、合計63のエントリーが車検を受けた。61台の車が車検に合格したが、#37ニューキャッスルユナイテッドリスターストーム と#59ピルビームレーシングロータスエスプリ の2チームは技術的な理由で不合格となった。必要な変更を加えなければ、2チームはレースの予備予選に参加することができない。
予備予選
1998年のルマン24時間レースの予備予選は、5月3日日曜日に行われた。エントリーは予選の2つのグループに分けられ、各クラスで最も遅いマシンはレースに出場できない。すでに自動的に事前認定されたものを含め、合計49スロットが利用可能であり、セッションベースとクラスベースで分けられた。予選結果は以下のとおり。
午前中のセッション(7:30 午前 - 1:30 午後)
LMGT1クラスは予想通りタイトなセッションであり、7台の強力なマシンがグリッド上の5つのスロットを争った。予備予選落ちはLarbre Compétitionとザクスピード のマシンだった。 予備予選免除のメルセデス(12:30にミュルザンヌに停車した、理由は不明)、GTCマクラーレンはLMGT1で最も遅かった。
LMP1では、8つのエントリーが6つのスロットを争い、モレッティフェラーリが最速タイムを記録した。予選落ちは、セッションの早い段階でダンロップカーブでグラベルトラップにスピンした、#17のクレマーK8 (4:02)と#19のWR LMP98(3:56)だった。 LMP1最下位は、予備予選免除のクラージュ#24だった。
LMGT2は、8スロットを11台のマシンが争った。唯一のLMP2エントリーである#22デボラは、このカテゴリーにグループ化されていた。最上位オレカバイパーは、最速の911GT2 から4.3秒差。予選落ちは2台の911GT2とHelem PRV V6だった。
注:ピンクの背景は予備予選落ちを示し、緑の背景は予備予選免除されたエントリーを示している。
午後のセッション(2:30 午後 - 8:30 午後)
午後のセッションでは、LMGT1クラスは残りの7つのスロットをめぐって全9台のマシンが争った。GT1最速は、終盤にマーティン・ブランドル のトヨタとのバトルを制した、アラン・マクニッシュ の26番のポルシェだった。差はわずか0.09秒だった。このセッションでLMGT1の予備予選落ちは、ハイブリッドパノス と2台目のザクスピード ポルシェの2台だった(どちらのザクスピードもレースに参加できなかった)。2台の日産(TWR 、ノバ )とパノスはセッション残り10分に#33ノバ日産がグラベルでスピンしたが予備予選通過した。
LMP1では、7つのスロットをめぐって9台のマシンが競合した。JBフェラーリがBMWとポルシェのワークスマシンをそれぞれ0.4秒と2.7秒差をつけ、再びフェラーリが最速だった。 2台目のクレマーK8はコンラッドK8より0.08秒差で予備予選通過。競争力のあるラップタイムを出せなかったWR LMP98は予備予選落ちだった。
LMGT2はオレカバイパーによって支配された。10のエントリーのうち8台が通過し、予備予選落ちは2台目のCirtekマスタング と3台目のRoockRacing 911GT2だった。
注:ピンクの背景は予備予選落ちを示し、緑の背景は予備予選免除されたエントリーを示す。
エントリーの繰り上げ
本戦出場をできなかったチームは、イベント前に48台のリストからエントリーが取り下げられた場合に備えて、予約リストに入れられた。これらのエントリーは、撤回されたエントリーと同じグループおよびクラスからの最速の予選タイムに基づいて、レースエントリーリストに参加することが許可された。
レース前に、1組目の予備予選セッションから2つのLMGT2エントリーが取り下げられた。最初に撤退したのは、予選を通過した唯一のCirtek マスタングで、#65 Roock Racing 911GT2が昇格した[ 3] 。また、予備予選免除を含めて合計4台が出場したViper Team Orecaは、#52を撤退させた。これにより、#58 RJレーシングが昇格した。
予選
レースに出場した48台のうち47台が練習走行と予選に参加した。 #52バイパーの撤退に続いて昇進した#58は、ロードカーとエントリーした競技車両との構造上の違いにより、最終的にレースウィークの車検に失格。したがって、予備のエントリーで出場したが、出走することを許可されなかった。 [ 4]
予選は水曜日と木曜日の夜に開催された4つのセッションを合わせて行われ、すべてのセッション中での最速タイムで決定し、レースのスターティンググリッドが決定された。
予選結果
クラスリーダーは太字で 示されている。 [ 5]
Pos
No.
Team
Car
Class
Time
Gap
1
35
AMG-Mercedes
Mercedes-Benz CLK-LM
LMGT1
3:35.544
2
28
Toyota Motorsport
Toyota GT-One
LMGT1
3:36.552
+1.038
3
36
AMG-Mercedes
Mercedes-Benz CLK-LM
LMGT1
3:36.901
+1.367
4
25
Porsche AG
Porsche 911 GT1-98
LMGT1
3:38.084
+2.550
5
26
Porsche AG
Porsche 911 GT1-98
LMGT1
3:38.407
+2.873
6
2
Team BMW Motorsport
BMW V12 LM
LMP1
3:38.829
+3.295
7
29
Toyota Motorsport
Toyota GT-One
LMGT1
3:40.042
+4.508
8
27
Toyota Motorsport
Toyota GT-One
LMGT1
3:40.472
+4.938
9
7
Porsche AG
Porsche LMP1-98
LMP1
3:40.503
+4.969
10
30
Nissan Motorsport
Nissan R390 GT1
LMGT1
3:40.649
+5.115
11
45
Panoz Motor Sports
Panoz GTR-1
LMGT1
3:40.730
+5.196
12
1
Team BMW Motorsport
BMW V12 LM
LMP1
3:41.599
+6.065
13
31
Nissan Motorsport
Nissan R390 GT1
LMGT1
3:41.621
+6.087
14
32
Nissan Motorsport
Nissan R390 GT1
LMGT1
3:42.397
+6.863
15
14
Courage Compétition
Courage C51
LMP1
3:43.244
+7.710
16
14
Courage Compétition
Courage C51
LMP1
3:43.471
+7.937
17
5
Jabouille-Boursche
Ferrari 333 SP
LMP1
3:44.458
+8.924
18
44
Panoz Motor Sports
Panoz GTR-1
LMGT1
3:44.602
+9.068
19
33
Nissan Motorsport
Nissan R390 GT1
LMGT1
3:45.293
+9.759
20
8
Porsche AG
Porsche LMP1-98
LMP1
3:45.452
+9.918
21
3
Moretti Racing Inc.
Ferrari 333 SP
LMP1
3:45.755
+10.261
22
12
Doyle-Risi Racing
Ferrari 333 SP
LMP1
3:46.289
+10.755
23
41
Gulf Team Davidoff McLaren
McLaren F1 GTR
LMGT1
3:50.566
+15.032
24
40
Gulf Team Davidoff McLaren
McLaren F1 GTR
LMGT1
3:50.863
+15.329
25
15
La Filière
Courage C36
LMP1
3:51.535
+16.001
26
21
Philippe Gache
Riley & Scott Mk III
LMP1
3:54.274
+18.740
27
24
Courage Compétition
Courage C41
LMP1
3:56.658
+21.124
28
10
Pilot Racing
Ferrari 333 SP
LMP1
3:57.546
+22.012
29
16
Kremer Racing
Kremer K8 Spyder
LMP1
3:57.814
+22.280
30
51
Viper Team Oreca
Chrysler Viper GTS-R
LMGT2
3:59.981
+24.447
31
50
Viper Team Oreca
Chrysler Viper GTS-R
LMGT2
4:05.006
+29.472
32
60
Société Chereau
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:05.010
+29.476
33
53
Viper Team Oreca
Chrysler Viper GTS-R
LMGT2
4:05.648
+30.114
34
70
Konrad Motorsport
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:06.110
+30.576
35
64
Roock Racing Motorsport
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:06.205
+30.671
36
72
Larbre Compétition
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:06.511
+30.977
37
67
Elf Haberthur Racing
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:08.326
+32.792
38
55
Chamberlain Engineering
Chrysler Viper GTS-R
LMGT2
4:08.958
+33.424
39
71
Estoril Racing
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:09.263
+33.729
40
22
Didier Bonnet
Debora LMP296
LMP2
4:09.453
+33.919
41
56
Chamberlain Engineering
Chrysler Viper GTS-R
LMGT2
4:09.683
+34.149
42
62
CJ Motorsport
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:10.215
+34.681
43
62
Krauss Race Sports International
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:11.606
+36.072
44
65
Roock Racing Motorsport
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:11.910
+36.376
45
73
Konrad Motorsport
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:20.426
+44.892
46
68
Elf Haberthur Racing
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:23.655
+48.121
47
69
Michel Nourry
Porsche 911 GT2
LMGT2
4:24.151
+48.617
決勝レース
メルセデス、BMW、トヨタがメカニカルトラブルと事故によるダメージでリタイアしたため、ポルシェが優勝した。残った日産とマクラーレン・F1GTR は、アップグレードされた911GT1 のペースに合わせることができなかった。日産は総合3位に入りルマンで初表彰台を獲得した。このレースの後、ポルシェはルマンから撤退、ポルシェのパートナーであるアウディ が独自のスポーツカーを開発できるようにする計画の一部であると噂された。
ポルシェは2014年 にルマンに戻った。そして2015年のル・マン24時間レース で勝利した。
クライスラー・バイパーGTS-R によるLMGT2クラスの勝利は、1964年にシェルビー・デイトナクーペ が勝利して以来、アメリカ製の車にとって最初のGTクラスの勝利となった。
公式結果
シュトゥットガルトのポルシェミュージアムに展示されている、総合優勝の#26ポルシェ911 GT1'98。
統計
ポールポジション-#35 AMG-メルセデス-3:35.544
ファステストラップ-#28トヨタモータースポーツ-3:41.809
距離-4783.78 km
平均速度-199.324 km / h [ 7]
最高速度 —トヨタGT-One-345 km / h(練習走行)
参考文献