『木曜の怪談』(もくようのかいだん)は、1995年から1997年までフジテレビ系「木曜20時枠」で放送されたテレビドラマ。開始当初は毎週木曜日19:30 - 20:54の1時間半の放送で、後に19:54 - 20:54の1時間に縮小された。一番組内で2〜3タイトルのドラマを放送するオムニバス形式をとっている。
番組概要
若手俳優、特にアイドル的人気をもつ俳優の起用が特徴であり、中でも最も話数が多く看板作品的な扱いだった『怪奇倶楽部』は滝沢秀明にとって初の主演作でもあった。『怪奇倶楽部』で共演していた滝沢と今井翼は後に「タッキー&翼」として歌手デビューするが、それまでは黒岩武役の川野直輝と合わせた3人で「怪談トリオ」と呼ばれていた。
「怪奇倶楽部シリーズ」「MMRシリーズ」『タイムキーパーズ』のみVHSビデオ化されている。他はビデオ化、DVD化といったソフト化自体がされておらず、97以外に至っては再放送自体も無い。
1999年頃にローカルセールス枠で再放送されたのを最後に長らく再放送されたことがなかったが2016年5月より『木曜の怪談'97』がCSチャンネルのファミリー劇場において再放送が行われた。「魔法じかけのフウ」「爆裂!分身娘」はこの時がCS初放送だった。しかし、97以外のシリーズ作品は再放送は行われておらず、また、2023年になりようやく明らかとされた、本番組の出演者の多くが所属していた大手芸能事務所の起こした国際的に報道もされた社会問題的不祥事もあってか、2025年現在オンデマンド動画配信サービスなどでの配信も予定されていない。
歴史
1995年10月19日、『木曜の怪談』は19:30 - 20:54の1時間半の枠で放送を開始した。1996年4月からは20時台の1時間番組に縮小し、同年9月12日にいったん放送を終了する。
約1か月後の1996年10月17日、『新 木曜の怪談』と番組名を変えて放送を再開した。同年12月12日、『新 木曜の怪談』も終了。その約1か月後の1997年1月9日、『木曜の怪談 ファイナル』と番組名を再度変えて放送を開始。同年4月2日、放送を終了した。「ファイナル」と銘打ってはいたが、1か月の休止の後、同年5月1日に『木曜の怪談'97』が放送を開始。同年9月25日に放送の終了をもって、『木曜の怪談』シリーズは完全に終了した。なお最終回は、19時からの2時間スペシャルで放送した。
『新』のころから野球中継が重なることが増え、徐々にドラマそのものの製作本数も減り、『ファイナル』や『'97』に至っては木曜日のゴールデン枠がほとんど野球中継や報道特番に阻まれ、後にスペシャル番組として完結篇を放送するものが多かった。
後枠は『火曜ワイドスペシャル』を木曜日へ移行する形になり、タイトルも『強力!木スペ120分』へ改題された。
木曜の怪談
オープニング
単発ドラマ
実際にこの名前で呼ばれることはなかったが便宜上こう表記する。唯一漫画作品を原作としたエピソード「午前0時の血」のほか、オリジナルエピソード「マリオ」「シンデレラの靴」「秘密の仲間」の3作品が存在する。いずれもジャニーズタレントが主演を務めており、主人公を待ち受けるのはダークな展開と結末であった。
午前0時の血
マリオ
シンデレラの靴
秘密の仲間
怪奇倶楽部(小学生編、中学生編)
『MMR』との合併2時間スペシャルを除きビデオ化されているが、一部の話のBGMが本放送時のものとは異なっている。
- サブタイトル(小学生編)
- 第1話「花子さんの探し物」
- 第2話「人間消失」
- 第3話「コックリさんの祟り」
- 第4話「心霊写真の女」
- 第5話「ミイラの呪い」
- 第6話「幽霊屋敷の夜」
- 第7話「悪魔のテレビ」
- 第8話「座敷わらし」
- 第9話「ドッペルゲンガー」
- 第10話「炎の西洋人形」
- 第11話「血のバレンタイン」
- 第12話「幽霊実習生」
- 第13話「夢遊病院」
- 第14話「うるう年の奇跡」
- 第15話「宇宙からの侵略(前)」
- 最終話「宇宙からの侵略(後)」
- サブタイトル(中学生編)
- 第1話「蘇る魔人」
- 第2話「呪われたカーブ」
- 第3話「鬼門」
- 第4話「絵の中の少女」
- 第5話「死を招くカメラ」
- 第6話「見知らぬクラスメイト」
- 第7話「吸血ナイフ」
- 第8話「蛇女」
- 第9話「死神」
- 第10話「神隠し」(MMRと合併スペシャル)
- 第11話「楊貴妃の口紅」
- 第12話「テレビ局の幽霊」
- 第13話「さようなら座敷わらし」
- 第14話「雪女」
- 第15話「夢魔」
- 最終話「吸血影」
七瀬ふたたび
ゴーストハンター早紀
魔法のキモチ
MMR未確認飛行物体
- 放映期間:1996年4月18日 - 9月12日(全16回)
- プロデュース:和田行
- 脚本:武上純希ほか
- 演出:田島大輔、山本一男
- CG:スタジオ美峰
- 技術協力:八峯テレビ、共同テレビジョン
- 出演
新 木曜の怪談
怪奇倶楽部(学校の七不思議編)
- 放映期間:1996年10月17日 - 11月28日(全7回)
- プロデュース:松村俊二、加藤正俊
- 脚本:高山直也、田中一彦、尾崎将也
- 演出:木下高男、土方政人、平野眞、村上正典
- 音楽:見岳章
- 出演:
- 放送日程
参照宇宙船YB 1997, p. 67
話数 |
放送日 |
サブタイトル |
脚本 |
演出
|
1 |
10月17日 |
紫の鏡 |
高山直也 |
木下高男
|
2 |
10月24日 |
裏鬼門 |
田中一彦 |
土方政人
|
3 |
10月31日 |
甦る母 |
尾崎将也
|
4 |
11月7日 |
亡霊武者 |
平野眞
|
5 |
11月14日 |
霊界からのメロディ |
高山直也 |
村上正典
|
6 |
11月21日 |
天の邪鬼 |
田中一彦 |
土方政人
|
7 |
11月28日 |
時を超えた戦い |
高山直也 |
木下高男
|
サイボーグ
- あらすじ
- 高校生の戒堂晃は、アメリカ留学中に爆弾テロに巻き込まれ瀕死の重傷を負った。だが、合衆国秘密組織の手によって脳以外の全身を機械化したサイボーグとなって蘇り帰国。普段は家族や友人に正体を悟られぬよう生活しているが、その裏では犯罪者を秘密裏に葬り去る戦士としての新たなる人生を送っている。
- 放送日程
参照宇宙船YB 1997, p. 67
話数 |
放送日 |
サブタイトル |
脚本 |
演出
|
1 |
10月17日 |
最強の高校生 |
武上純希 |
本広克行
|
2 |
10月24日 |
狙われたハイテクビル |
小野原和宏
|
3 |
10月31日 |
超能力少年 |
三上幸四郎 |
和田卓也
|
4 |
11月7日 |
悲しきモンスター |
中瀬梨香 |
松原憲
|
5 |
11月14日 |
美しきパートナー |
舞原賢三
|
6 |
11月21日 |
アキラ、死す |
武上純希 |
小野原和宏
|
MMRスペシャル ノストラダムスの大予言 地球最後の日
- 放映期間:1996年12月5日 - 12月12日(全2回)
- 脚本:武上純希
- 演出:田島大輔
- CG:スタジオ美峰
- 出演
『MMR』はソフト化されているが、上記2話と怪奇倶楽部との合併2時間スペシャルのみソフト化されていない。
木曜の怪談 ファイナル
タイムキーパーズ
- あらすじ
- 中学3年生の里中廉太郎は受験当日、不審な男に追い回されていたところをリョウという男に助けられる。リョウの話によると、実は先程の不審な男は、未来から自分を狙いに来た犯罪者であり、自分たちは彼らから廉太郎を守るためにやってきたことを知る。
- 放送日程
参照宇宙船YB 1998, p. 83
木曜の怪談'97
悪霊学園
- あらすじ
- 連香寺はるかは、明るく純粋な女子高生。しかし、実は彼女は、先祖代々悪霊払いをしていた退魔師の末裔だった。そんな彼女が、不本意ながらも様々な幽霊騒ぎに巻き込まれ、成仏出来ずに彷徨う悪霊を退治していく。
- 放映期間:1997年5月1日 - 5月22日(全4回)
- 脚本:深沢正樹、金子ありさ
- 演出:土方政人、舞原賢三
- 出演
妖怪新聞
- あらすじ
- 私立戻橋中学校は妖怪による騒動が勃発していた。そんな中、妖怪マニアの教師・徳大寺功の発言で、澄香、翔、麻紀、麗子の仲良し4人組が『妖怪新聞』の記者となり、学校に現れる様々な妖怪に挑む。
- 放映期間:1997年5月29日 - 6月5日、8月21日、9月25日[1](全5回)
- 脚本:武上純希、福田靖
- 音楽人:大河内元規
- 演出:小野原和宏、長江俊和
- 出演
- 語り:中村玉緒
魔法じかけのフウ
- あらすじ
- 大手会社『ハッピーカンパニー』のおもちゃ部門に勤める夢野あすかは、新商品のアイデアとしてフウというキャラクターを発案する。しかし、そのフウに命が宿り、あすかが描いたイラストの中から飛び出した。不思議な力を持つフウは、あすかのために様々な事件を解決する。当時、ポンキッキーズに出演していた鈴木蘭々が主演だった関係もあり、一度本作のフウがポンキッキーズにゲスト出演している。
- 放映期間:1997年7月3日 - 1997年8月14日(全5回)
- 脚本:尾崎将也
- 演出:木下高男、梅沢利之
- 出演
- 語り:中村玉緒
爆裂!分身娘
- あらすじ
- 生物学者・大崎博士の元でアルバイトをしていた内気な女子高生・ユミは、ひょんなことから彼が作った作物の収穫を2倍にする薬品を誤って飲んでしまう。すると、ユミの身体が分身して、中からもう1人のユミが現れる。ユミと性格が正反対の彼女は、ユミを翻弄し、様々な騒動を巻き起こす。
- 放映期間:1997年9月4日-9月11日(全3回)
- 脚本:田中一彦、高山直也
- 演出:本広克行、梅沢利之
- 出演
- 語り:中村玉緒
主題歌
ネット局
脚注
注釈
- ^ 野球中継の事情で、放送枠が確保できず、第9話と第10話は夕方30分枠での分割放送[1]。『宇宙船 YEAR BOOK 1998』ではこれを9話から12話とカウントして全12話と記載している[1]。
- ^ 「木曜の怪談」の前に放送していた「くらべるクイズ!天下ごめんネ!!」が2月27日に打ち切りになり、その間双方の番組がなく、別番組を放送した為である。
- ^ a b 1997年4月開局から
出典
参考文献
- 『宇宙船YEAR BOOK 1997』朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、1997年2月28日。雑誌コード:018844-02。
- 『宇宙船YEAR BOOK 1998』朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、1998年4月10日。雑誌コード:01844-04。
関連項目
外部リンク
フジテレビ系 木曜19:30 - 19:54枠(1995年10月19日 - 1996年3月14日) |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
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木曜の怪談
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フジテレビ系 木曜19:54 - 20:54枠(1995年10月19日 - 1997年9月25日) |
木曜ファミリーランド (19:30 - 20:54)
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木曜の怪談 ↓ 新 木曜の怪談 ↓ 木曜の怪談ファイナル ↓ 木曜の怪談'97 ※中断あり
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フジテレビ 火曜19時台前半枠(1998年7月7日 - 9月8日) |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
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怪奇倶楽部 (再)
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