小田急ハイウェイバス株式会社(おだきゅうハイウェイバス、英: Odakyu Highway Bus, Co., Ltd.)は、東京都世田谷区に本社を置く小田急グループのバス事業者である[1]。高速バスおよび貸切バスの運行、小田急バス若林営業所管内の一般路線バスの受託運行などを事業内容とする。
概要
小田急グループの小田急箱根高速バス株式会社が小田急シティバス株式会社を2022年1月1日付で吸収合併し、「小田急ハイウェイバス」へ商号変更した[2][4][5]。
両者はともに小田急電鉄のターミナル駅である新宿駅を拠点として高速バス事業を展開し、小田急箱根高速バスは御殿場・箱根方面、小田急シティバスは木更津方面などを主要路線とする。小田急グループ内の高速バス事業会社2社を統合再編することで、営業所の集約などにより経営資源を集中して経営基盤の強化を図ることを目的に企業合併を行った[4]。
小田急グループ内のバス事業者の2社合併による企業統合ではあるが、前身の2社は全く異なる出自を持つ。バス業界では近年、分離子会社の再統合と親会社への吸収合併が頻繁に行われているが、同じグループ内とはいえ出自の全く異なる事業者を合併させるのは珍しく、その点において特筆される[6]。
小田急箱根高速バスは、元は小田急ロマンスカーを補完する目的で、小田急電鉄直営のバス部門(高速自動車課)として1969年6月6日に開設されたものである。
小田急シティバスは、小田急バスの全額出資により同社の完全子会社として2000年(平成12年)2月1日に設立された[7][8]。小田急バスが行っていた高速バス事業を移管し、また小田急バス若林営業所管内の一般路線を委託するために設立された[7][8]。小田急シティバスの親会社であった小田急バスは、元は小田急グループとは全く関係ない「武蔵野乗合自動車」というバス会社で、戦後に小田急グループ入りして社名変更したという歴史的経緯を持つ[9][10][11]。武蔵野乗合の小田急グループ入りは1950年で、戦後の大東急解体により小田急グループ入りした神奈川中央交通より後である。1954年にグループ入りした立川バスともども小田急グループ内では「外様」である小田急バスが、同社の高速バス事業と若林営業所管内の一般路線を移管するため設立した子会社であった。
2021年12月1日付の小田急電鉄のニュースリリースで、小田急ハイウェイバスの本社は、小田急シティバスの本社所在地(世田谷区若林2丁目39番4号)に置かれ、合併後の新会社は小田急電鉄の100%子会社となることが発表された[4]。この合併に伴う路線統合などは行わず、合併後も両社の事業を引き継いで運行路線はそのまま継続し、当面は従来と同様のサービスを提供するとしている[4]。小田急シティバスが小田急バスから委託を受けていた一般路線は小田急ハイウェイバスで引き続き受託する[1][6]。また同時に、新会社の拠点は小田急シティバス世田谷営業所と小田急箱根高速バス御殿場営業所を引き継ぎ、世田谷営業所と御殿場営業所の2営業所体勢とすることが発表された[4][6]。なお、小田急箱根高速バス経堂営業所の今後の扱いについては同リリースでは明記されていない。
しかしながら新型コロナウイルス感染症の影響により、新会社設立・営業開始早々から夜行高速バス路線の運休を余儀なくされた。2022年1月5日から三原線「エトワール・セト号」、翌1月6日から高知線「ブルーメッツ号」を運休。同年1月31日からは岐阜線「パピヨン号」、翌2月1日からは秋田線「フローラ号」、広島線「ニューブリーズ号」が運休となった[12]。
営業所
過去の営業所
沿革
小田急ハイウェイバス発足以前の沿革については、以下の項目を参照。
- 小田急バス若林営業所#沿革、小田急シティバス#沿革
- 小田急箱根高速バス#概要
- 2022年
- 1月1日:小田急箱根高速バス株式会社が小田急シティバス株式会社を吸収合併し、小田急ハイウェイバス株式会社に商号変更[1][2][4][5][6]。
- 3月31日:経堂営業所閉鎖。
- 9月1日:箱根登山ハイヤーが受託していた、御殿場プレミアム・アウトレットの無料シャトルバス業務を御殿場営業所が譲受する。また、箱根登山ハイヤー自体は、日の丸リムジン傘下のシティオートリースに事業譲渡され、小田急グループから撤退[16] し、箱根モビリティサービスに社名を変更した。
- 2024年
- 4月1日:箱根登山バス小田原営業所が運行している『観光施設めぐりバス』が御殿場営業所との共同運行となる。
高速路線
高速路線バスは、小田急箱根高速バスから継承した御殿場・箱根地区を結ぶ昼行路線と、小田急シティバスから継承した夜行高速路線および木更津方面の昼行路線がある。
東京駅発着(新宿南口経由)のニューブリーズ号を除き、夜行路線の定期便はハイアットリージェンシー東京・新宿南口(バスタ新宿)を起終点としている。2016年4月4日のバスタ新宿開業に伴い、一部の便を除いてバスタ新宿に停車するようになった。
〈〉内は共同運行会社。
以下、【】内は2010年6月15日から箱根地区の路線バスに導入された路線記号[17]。
小田急箱根高速バスから継承
箱根線
- 路線概要
- 箱根への観光の他、鉄道での乗り継ぎの便が悪い新宿 - 東名御殿場・御殿場駅間など都市間輸送でも広く利用されている。
- 一般的な高速バス路線と異なり、都内の新宿高速バスターミナル - 池尻大橋間を除いて乗降制限(クローズドドアシステム)がなく、東名高速道路上では並行する東名ハイウェイバス、東名御殿場 - 箱根小田急山のホテル間では箱根登山バスの補完的役割(近距離輸送)を併せ持つ。
- 東名御殿場 - 箱根小田急山のホテル - 元箱根港間は同地区を走る箱根登山バス[注釈 1] と同様に、箱根フリーパスなどの小田急グループの箱根地区フリー乗車券での乗車が可能である。また、その他区間もフリーパスを提示すると割安で乗車できる。
- 予約制だが、空席があれば予約なしでも乗車可能(乗車券は車内発券)。
- 往復割引券や回数券が発売されているが、定期券は発売されていない。
- 自社直営の窓口での片道乗車券の購入及び当日空席がある場合の車内(乗務員による取り扱い)での片道乗車料金の支払いに、PASMO・Suicaなどの交通系ICカード、QRコード決済、クレジットカードが利用可能である。
- 山内シャトル便は通常の路線バスとして運行される。そのため予約制ではなく、前乗り・前降り・運賃後払い(高速バス車両での代走時は運賃先払い)である[18]。
- 路線沿革
羽田線
- 路線概要
- 京浜急行バスと共同運行。
- 箱根線とは異なり、クローズドドアシステムを採用している。
- 羽田空港 - 横浜駅間のみの利用はできない。また、東名秦野 - 箱根桃源台間は、下り便は降車・上り便は乗車のみの扱いである。
- 羽田空港行は予約定員制(空席があれば予約なしでも乗車可能)、羽田空港発は便指定制(当日カウンターもしくは自動券売機で便指定の乗車券を購入可能)である。
- 箱根線と同様に、自社直営の窓口での片道乗車券の購入及び当日空席がある場合の車内(乗務員による取り扱い)での片道乗車料金の支払いに、PASMO・Suicaなどの交通系ICカードが利用可能である。
- 座席予約システムは京浜急行バスの「高速バス予約サービス」を使用。
- 路線沿革
高速バス停留所
- 凡例
- ●・○:上下線共乗降可能
- ▼・▽:下り乗車・上り降車のみ
- ▲:下り降車・上り乗車のみ
- ■:下り乗車のみ
- ★・☆:下り降車のみ
- ◆:上り降車のみ
- |:通過
- ∥:非経由
このうち白抜き記号(○、▽、☆)の停留所は一部の便のみ停車
小田急シティバスから継承
夜行高速路線
昼行高速路線
- 路線概要
- 東京湾アクアラインを経由し、新宿駅と千葉県内を結ぶ昼行高速バス。小田急では「アクアライナー」ではなく、「アクアライン高速バス」「アクアライン号」などの呼称を用いている。
- 小田急シティバス設立から合併後の2022年3月31日までは原則として専用車(小田急グループ共通色のエアロエース)での運行されたが、4月1日の経堂営業所廃止以降は、旧・小田急箱根高速バスからの移管車両も運用に使用されるようになった。
コミュニティバス
ここに挙げたもの以外にも、世田谷区コミュニティバスとして扱われている路線が複数存在する。一覧は世田谷区公式サイト「世田谷区のコミュニティバス」を参照。
小田急バス若林営業所管内(小田急ハイウェイバスが運行受託)では、経堂・八幡山路線〈経02系統〉がある。
祖師谷・成城地域循環路線(せたがやくるりん)
世田谷区のコミュニティバスで、「せたがやくるりん」という愛称が付けられている。2005年12月19日運行開始[27]。開業当初は小田急バスの路線(狛江営業所が担当)であったが、2006年11月より小田急シティバスに移管され[7]、一般路線では唯一の小田急シティバスの自社運行路線となった。路線移管に伴い、専用車両も狛江営業所から小田急シティバスへ転属した。
「せたがやくるりん」の乗り場は、東急バスのロータリーとは反対側の祖師ヶ谷大蔵駅北口。「ウルトラマン商店街」に進入し狭隘区間を通行するため、開業当初より小田急バスカラーの小型車が用いられ、初代車両は三菱ふそう・エアロミディMEであった[27]。専用車両として1台(B555号車。KK-ME17DF、2003年式)がラッピングバスとなり、小田急バスカラーの車両に虹色のパートラッピングが施された[28]。その後は代替により2代目車両として、小田急バスカラーの日野・ポンチョ(2ドアロングボディ)が使用されている。
2023年6月1日のダイヤ改正により、平日朝ラッシュ時間帯は2台体制での運行になった(祖師ヶ谷大蔵駅7時台発)。
希望ヶ丘路線 千歳船橋ルート(船橋希望ヶ丘線)
- 歳25:千歳船橋駅 - 船橋地区会館 - 希望ヶ丘団地(世田谷区コミュニティバス「希望ヶ丘路線 千歳船橋ルート」)
- 路線沿革
世田谷区の公式サイトではコミュニティバス「希望ヶ丘路線(千歳船橋ルート)」として扱われている[29][30]。荒玉水道道路をルートにしており、水道道路は埋設されている上水道管を保護する必要上、道路を走る自動車の重量に制限が設けられている。その重量制限の関係と世田谷特有の狭隘路もあり、小型バスによる運行(祖師谷・成城循環や調布市ミニバス東路線と同型車)となっている。希望ヶ丘団地では折り返しせず、周囲を循環するルートである。最終便のみ希望ヶ丘団地止まりで、到着後は梅01として梅ヶ丘駅北口まで営業運行し入庫する(早朝の始発便は、片道のみの若林営業所→梅ヶ丘駅系統として営業運行された後、梅01として希望ヶ丘団地まで営業運行される)。
元は土休日を含む全ての日の時間帯で30分ヘッドでの運行であったが、2020年4月1日に行われたダイヤ改正で減便され、始発が6時台に出た後、9時台、13時台、17時台の運行はなくなり、一部時間帯のみ30分ヘッドの運行となった。その後、2023年6月1日のダイヤ改正で9時・13時・17時の便が再設定された。
一般路線
世田谷営業所
小田急バス若林営業所管内の一般路線の運行を受託している。いずれも小田急シティバスが小田急バスから受託していた路線で、小田急ハイウェイバス発足と同時に小田急シティバスから継承し、引き続き小田急バスから運行を受託する。
三軒茶屋線
- 路線沿革
- 1950年11月10日 - 新宿三光町 - 幡ヶ谷 - 下北沢駅前 - 三軒茶屋間として開通。京王帝都電鉄と共同運行。
- 昭和40年代 - 下北沢引返所 - 野沢間に変更、小田急バス単独となる。
- 1990年 - 起点バス停名を「下北沢引返所」から「北沢タウンホール」へ改称。同時に行先表示を「下北沢駅」から「北沢タウンホール」へ変更。
- 1993年(平成5年)5月10日 - 野沢交番 - 駒沢陸橋間を延伸。
- 2001年(平成13年)1月16日 - 小田急シティバスが運行受託を開始。
下北沢駅近くの北沢タウンホールから茶沢通り、玉川通り(国道246号)、環七通りを経由して、世田谷区と目黒区の境界付近にある駒沢陸橋まで結ぶ路線である。世田谷区内の集客力の高い商業地区である下北沢と三軒茶屋を一直線に結んでいる。
下北沢駅は駅前が狭くバスロータリーがないため、北沢タウンホールの敷地内に専用のバス発着所が設けられている。一方、反対側の駒沢陸橋には折り返し設備がなく、環七通りの陸橋下の側道に併設されているUターン路を利用して向きを変える。一部に下北沢方面からの三軒茶屋止まりも設定されているが、この便は世田谷通りや玉川通りなどを回送で走って折り返している。
また、代沢十字路 - 三軒茶屋間で歩行者天国の実施される日曜・祝日・振替休日は北沢タウンホール - 代沢十字路間の折り返し運行となるが、この場合は代沢十字路 - 若林営業所間を回送して若林営業所の敷地内で折り返しを行う。歩行者天国実施時間帯は代沢十字路 - 駒沢陸橋間で運行されないため、通常時は本数が多いものの歩行者天国実施日の利用には注意が必要である。
本路線は若林営業所の路線の中では最も古いもので、もともとは大東急分割直後都内に路線バスを持たない小田急電鉄が苦労して漸く1950年6月に幡ヶ谷 - 大山町 - 下北沢駅前 - 代沢十字路 - 三軒茶屋間、および下北沢駅(旧南口) - 下北沢駅前間の免許を獲得したところへ同年8月に武蔵野乗合自動車の買収話があったため、武蔵野乗合自動車改め小田急バスにこの未開業線を無償譲渡して開業に漕ぎ着けたもの。当初は三軒茶屋 - 新宿三光町間を結び、京王帝都電鉄と共同運行を行っていた。その後、昭和40年代初頭に下北沢引返場 - 野沢銀座間に短縮され、さらに野沢交番、駒沢陸橋へと延長されている。野沢交番発着となって以来、駒沢陸橋下で折り返しており、1993年3月に都営バス宿91系統が「野沢折返所」(現・サミットストア野沢龍雲寺店駐車場敷地)の廃止により発着点を駒沢陸橋へ変更した際、小田急バスも歩調を合わせて営業区間を延伸し駒沢陸橋発着となった。
なお、駒沢陸橋は小田急バスと都営バスの折り返しの都合で新設された停留所であり、並行する東急バス[注釈 6]環七線(森91系統:大森操車所 - 新代田駅前)は駒沢陸橋上を越えるため停車しない。2013年3月31日をもって都営バス宿91系統の駒沢陸橋発着便は廃止され、4月1日以降に駒沢陸橋で折り返す路線は下61系統のみとなった。
梅ヶ丘線
- 路線沿革
渋谷駅から主に淡島通りや梅丘通りを経由して小田急小田原線梅ヶ丘駅・経堂駅まで結ぶ路線である。この路線は当初経堂駅 - 渋谷駅間で運行されていたが、1970年代に梅ヶ丘駅 - 渋谷駅間に短縮されたものである。開通間もない頃には、美空ひばりが車掌に扮した映画が撮影されている。
渋谷駅から淡島までは東急バス[注釈 6]若林線(渋51・52系統)と並行している。以前は大型車運用の路線だったが、小田急シティバス委託開始の少し前から中型車運用の路線に変わった。現在、梅ヶ丘駅折返便では駅北口のロータリーで折り返しているが、かつては駅の南側で折り返し、小田急小田原線の複々線化工事の際には駅に程近い折り返し所で引き返していた時期もあった。
小田急小田原線の高架化による踏切解消後の2003年10月16日より、一部の便が梅ヶ丘駅北口から先、梅01の路線に入り、経堂・希望ヶ丘団地まで向かうようになった。さらに翌年の2004年12月1日からは、渋谷駅から道玄坂上までは(梅ヶ丘方向)道玄坂を上がらず、玉川通り(国道246号)経由に改められた。渋24系統(渋谷駅 - 成城学園前駅)と渋26系統(渋谷駅 - 調布駅南口)は変化がなく、道玄坂経由のままであるが、道玄坂で歩行者天国が行われる時と21時以降はこれらの2系統も玉川通り(国道246号)を経由する。
その後経堂駅の駅前広場の完成に伴い、2009年8月31日のダイヤ改正により希望ヶ丘団地行きが廃止され、夜間の一部便を除きほぼすべての便が梅ヶ丘駅北口から経堂駅まで延伸された。これにより概ね運行開始当初の路線に戻った形となった。
経堂線
- (系統番号なし)若林営業所→宮前橋→梅ヶ丘駅(早朝1本のみ)
- 経01:経堂駅→経堂赤堤通り団地→希望ヶ丘団地→船橋小学校→千歳船橋駅
- 経01:千歳船橋駅→千歳台三丁目→希望ヶ丘記念公園→希望ヶ丘団地→経堂赤堤通り団地→経堂駅
- 経02:経堂駅 - 経堂赤堤通り団地 - 希望ヶ丘団地 - 上北沢二丁目 - 八幡山駅(世田谷区コミュニティバス「経堂・八幡山路線」、京王バス永福町営業所と共同運行)
- 梅01:梅ヶ丘駅→経堂駅→経堂赤堤通り団地→希望ヶ丘団地→船橋小学校→千歳船橋駅(早朝に1本のみ「希望ヶ丘団地」止まり便の設定あり)
- 梅01:千歳船橋駅→千歳台三丁目→希望ヶ丘記念公園→希望ヶ丘団地→経堂赤堤通り団地→経堂駅→六所神社前→梅ヶ丘駅(深夜バスも運行。土休日23時台の1本は「赤堤通り直進」として経堂駅を非経由。夜間に1本のみ希望ヶ丘団地→経堂駅→梅ヶ丘駅便あり)
- 梅02:経堂駅→六所神社前→梅ヶ丘駅(2023年6月1日より平日朝6時台1本のみ)
- 歳22:千歳船橋駅→千歳台三丁目→希望ヶ丘記念公園→希望ヶ丘団地→粕谷一丁目→千歳台三丁目→千歳船橋駅(土休日千歳船橋駅7時台1本のみ・小型車で運行)
- 歳24:千歳船橋駅→千歳台三丁目→希望ヶ丘記念公園→希望ヶ丘団地(深夜バスのみで一時廃止されたが、2023年6月1日より朝夕に復活・夕方の一部便は小型車で運行)
- 路線沿革
経堂線には環八通りを通る区間があり、その渋滞の影響を受けて遅延することが多かった。遅延の影響を抑えることと、駅から遠い千歳台地域の交通の便を確保するために複雑なルート設定になっている。
このため、経01系統は成城警察署前を除き、千歳台三丁目→廻沢→希望ヶ丘記念公園→千歳台四丁目は経堂駅方面のみ、船橋小学校→水道局前は千歳船橋駅方面のみが停車する形となっており、千歳船橋駅では折返場は使用せず、京王バス同様に高架下を通過して、桜丘5丁目付近を通って環八通りへとループする形で走行するが、桜丘5丁目や水道局前は通過し、成城警察署前まで無停車となっている。
歳22は、土休日の朝7時台にそれぞれ一便ずつのみ設定されており、希望ヶ丘団地まで経01と同ルートを走行した後、調布経堂停車場線を左折し、千歳温水プールや千歳清掃工場付近を通り、環八を渡って、天然ガススタンド前の交差点を左折し、廻沢通りを南下して再び千歳台三丁目へ合流し、成城警察署前や水道局前を経由して千歳船橋駅ヘと戻る循環路線となっている。
梅01系統は、「水道辻」停留所より梅ヶ丘駅まではほぼ赤堤通りを経由するが、「経堂赤堤通り団地」停留所の先でいったん赤堤通りから外れて経堂駅を通り、「六所神社前」停留所から赤堤通りに戻る。この間に「赤堤小学校前」「大和橋」「経堂駅」「経堂駅入口」「ユリの木公園」「赤堤」の6箇所の停留所が設定されている。土休日の上り最終便のみ「経堂通過」と時刻表に掲載されており(車両の行先表示には「赤堤通り直進」と表示される)、「経堂赤堤通り団地」から赤堤通りを直進し、6停留所を経由せず「六所神社前」へと運行している。
経堂駅駅前広場の完成に伴う2009年8月31日のダイヤ改正により、経01(梅01の経堂駅以東をカット)、梅02(梅01の経堂駅以西をカット・出入庫系統)が新設され、ほとんどの便は経01による運行にシフトし、梅01は梅02と同様に、主に出入庫便として運行されるようになった。
また早朝夜間に1本だけ設定されている希望ヶ丘団地発着の梅01と、若林営業所→梅ヶ丘駅の系統番号のない便は、それぞれ歳25の出入庫便である。歳22系統は、2009年夏までは日中のみ6便、約30分 - 2時間半おきに設定されていたが、2009年8月31日のダイヤ改正により休日の夕方1本のみに減便された。2023年6月1日のダイヤ改正で土休日千歳船橋駅7時台1本の運行となり、使用車両が小型車に変更となった。
梅01・経01の経路上、希望ヶ丘団地停留所から経堂駅方面の2つ目に「八幡山」という停留所があったが、京王線八幡山駅からは1km以上離れていた。この停留所は2016年4月11日に「希望ヶ丘東公園」へ改称された[32]
2014年1月16日から、経02系統が新設された。世田谷区の公式サイトではコミュニティバス「経堂・八幡山路線<経02>」として扱われている[29][33]。京王バス永福町営業所との共同運行で、料金も京王バスに合わせている。平日は7時台 - 20時台、土休日は7時台 - 18時台の運行で、平日・土休日共に30分ヘッドでの運行。経堂駅から経01・梅01と同じルートを進み、「桜上水二丁目」を過ぎて「水道辻」(千歳船橋方面)の直前の交差点で左折し、希望ヶ丘通りへ入る。経02開業と同時に「すきっぷ前」停留所が八幡山駅方面のみ新設され、経堂駅方面は、経01系統などの本線系統にある「水道辻」停留所と位置が近いため設置されなかった。2016年10月17日のダイヤ改正より、経由地が船橋交番北経由から希望ヶ丘団地経由に変更となった。上北沢二丁目 - 八幡山駅 - 上北沢二丁目間は都立松沢病院を周回する片循環である。この路線の開業で、以前は希望ヶ丘団地で乗り換えが必要だった経堂駅周辺の商圏・赤堤地区と、上北沢・八幡山地区が一本で移動できることになった。
新宿 - よみうりランド線(季節運行)
- 路線沿革
- 1989年(昭和64年) - 季節運行路線のため、すでにしばらくのあいだ運行されていなかったが、いったん休止路線に指定される。
- 2000年(平成12年)9月17日 - 路線を復活とした。所管営業所は吉祥寺営業所とされた。
- 2002年(平成14年)3月 - 所管営業所が若林営業所(小田急シティバス世田谷営業所)へ移管され、所管営業所も復帰した。
- 2019年(平成31年)3月1日 - 同日付の小田急バスからのお知らせで、6月の日曜・祝日ダイヤの日に1往復のみの運行に変更となることが発表される[34]。同時に入庫便となる若林営業所前行きも復活された。ただし、出庫便は回送されるため、片道のみの復活となった。
- 2023年(令和5年) - 5月15日に川崎市内運賃が改定されたことに伴い、この年の運行分より全区間が均一運賃となった[35]。
毎年6月1日 - 6月30日の季節運行で、日曜・祝日ダイヤの日に1往復だけ運行される。笹塚二丁目 - 調布(調布駅北口)間は甲州街道(国道20号)・旧甲州街道を走り途中無停車であるが、それ以外の区間は重複する系統の停留所に停車する。2018年(平成30年)までは毎年3月16日 - 6月15日・9月16日 - 11月15日の季節運行で、日曜・祝日・振替休日に2往復と入庫2本だけの運行されていたが、2019年度より現在の運行形態となった。
本路線は小田急バスの一般路線の中で一番の長距離路線である(21.42 km)。なお、毎日運行で最も長い小田急バス一般路線は 宿44(武蔵境駅南口 - 新宿駅西口)である(18.56 km)。
よみうりランド行きは、調布駅北口ロータリーには乗り入れず、旧甲州街道沿いのにある「調布」停留所(セブン-イレブン調布小島1丁目店前)に停車する。なお、この「調布」停留所は初代調布駅があった場所(「調布銀座」商店街付近)で、武蔵野乗合自動車時代には同社のバス折返場があり、同社創業当時から残っている停留所の一つである。この「調布」停留所は毎日運行の一般路線も停車し、調布駅北口始発の吉06系統の吉祥寺駅行きと鷹56系統の三鷹駅行きが停車する。同ルートを走行する他の系統や京王バスの路線は通過する。
新宿駅西口行きは、旧甲州街道沿いの西友調布店前にあった「調布駅北口」停留所に停車していた。西友前の「調布駅北口」停留所には境91系統の狛江駅北口行きのみが停車していたが、調布駅北口のロータリー整備完了に伴い、2020年11月16日から北口ロータリーへの乗り入れを開始し、西友前の停留所は廃止された。
なお、矢野口駅東を境に運賃形態が異なっており、新宿駅側は都区内運賃、よみうりランド側は川崎市内運賃となっている。2022年までの運行では、都区内と川崎市内で運賃が異なっていた(都区内側が高い)ため、新宿駅西口行きに乗車する場合は、行き先の申告が必要であったが、2023年5月15日に川崎市内運賃が改定されたことにより、運賃の差額は解消された。2023年は、大人220円・子供110円(どちらも現金・IC共通)となり、2024年は、大人240円(現金・IC共通)・子供120円(ICの場合は50円)となる[36]。
若林営業所前行きは、笹塚二丁目を出ると環七通りを経由して「宮前橋」停留所まで直行し、代田橋、大原町、代田六丁目、新代田駅前、代田四丁目の各停留所には停車しない。
当路線がいったん休止される前にも若林営業所が担当しており、当時から季節運転路線であった。当時は系統番号が付されており、本線の新宿駅西口 - よみうりランド間が「宿50」系統、入出庫路線は「宿51」→「宿50-1」系統であった。若林営業所前発新宿駅西口行きの区間便も存在した[注釈 7]。
御殿場営業所
- 【M】:御殿場プレミアム・アウトレット - 乙女峠 - 仙石 - 宮城野営業所前 - 強羅駅 - 彫刻の森駅 - 小涌園 - 天悠《箱根登山バス小田原営業所と共同運行》
- 【G】:御殿場駅 - 東名御殿場 - 乙女峠 - 仙石 - 宮城野営業所前 - 強羅駅 - 彫刻の森駅 - 小涌園 - 天悠《箱根登山バスと共同運行》
休止、廃止・撤退路線
以下のバス停留所は、いずれも路線の休廃止時点のものである。
- 宿51→宿50-1〈若林営業所→新宿駅西ロ〉
- 1989年休止。2000年の復活後、営業所の担当を後に復活した当初入出庫は休止のままで回送して居た。更に後年入庫便のみ再開したために出庫便の休止は継続中である。
ニューブリーズ号
アウトレット線
- 御殿場プレミアム新宿号:新宿高速バスターミナル・新宿駅西口(上りのみ)・池尻大橋(上りのみ) - (無停車) - 御殿場プレミアム・アウトレット - ホテルクラッド・木の花の湯
- 路線沿革
- 2010年3月13日 - 小田急箱根高速バス時代のツアーバスに加えて、新宿行きの高速路線バスの運行を開始。
- 2015年10月1日 - 同日乗車分より、座席予約システムをJRバス系の「高速バスネット」へ移行。
- 2016年11月1日 - アウトレット行きも運行を開始し、東名御殿場停留所を新設[38]。
- 2018年6月1日 - ダイヤ改正により東名御殿場停留所が廃止[39]。
- 2022年6月1日 - ホテルクラッド・木の花の湯まで延伸。
- 2024年6月1日 - 箱根線と路線統合し、廃止となる。
冨士霊園 直通墓参バス(ツアーバス)
- 路線概要・沿革
- 墓参シーズンのみ季節運行される冨士霊園への直行バス。愛称は「ふじやま号」。貸切バス車両による募集型企画旅行(ツアーバス)の運行形態を取る。2022年1月に公開された小田急ハイウェイバスの新しい公式ウェブサイトでは、高速バス路線とともに紹介されている[40]。
- 2017年7月1日より、ふじやま号の新宿駅の乗車場所が新宿駅西口35番(小田急ハルク前)から新宿駅南口小田急サザンタワー1階ロータリーに変更された[41]。
- 2021年の催行分より、最少催行人員が15名となる。
- 2022年3月20日・21日の春彼岸より三鷹・調布発着便が設定された[42]。
- 2024年6月1日、箱根線と統合し廃止となる。
しまんとエクスプレス
- しまんとエクスプレス(季節運行路線):(ハイアット・リージェンシー東京 → )新宿駅西口 - バスタ新宿 - 須崎西崎町- 中土佐インター口 - 窪川駅前 - 佐賀 - 入野役場前 - 高知西南交通本社 - 中村駅 - 三原分岐 - 宿毛駅 〈高知西南交通〉
- 路線概要
- 路線沿革
車両
2022年1月1日の合併時点で、自社車両57台(夜行高速車8台、昼行高速車39台、貸切車10台)、小田急バスからの受託車両27台(中型路線車24台、小型路線車3台)が在籍する[1]。同日時点での小田急箱根高速バス、小田急シティバスの在籍車両は、小田急ハイウェイバスへそのまま引き継がれている。
ここでは合併以前の車両の歴史については割愛する。小田急ハイウェイバス発足以前の車両の詳細については、それぞれ小田急箱根高速バス#車両、小田急シティバス#車両を参照のこと。
車両には登録番号とは別に社番が付与されており、旧・小田急箱根高速バスの車両は4桁の数字、旧・小田急シティバスの車両は小田急バス社番と付番規則が同じである。
小田急グループ共通カラーにおける外観上の違いとして、旧・小田急箱根高速バスは小文字で odakyu と表記する(親会社の小田急電鉄と同様)。旧・小田急シティバスおよび小田急バス(貸切車・空港リムジン限定車)は大文字で ODAKYU と表記し、小田急バスの登録商標「犬マーク」を車体に掲げる。
御殿場営業所(旧・小田急箱根高速バス)
御殿場営業所の所属車両のナンバープレートは富士山ナンバーである。高速車・貸切車とも原則として小田急グループ共通カラーを採用する。
小田急ハイウェイバス発足以前の車両の詳細については、小田急箱根高速バス#車両を参照。
三菱ふそう製の車両が所属する。
世田谷営業所(旧・小田急シティバス)
世田谷営業所の所属車両のナンバープレートは世田谷ナンバー(ご当地ナンバー導入以前は品川ナンバー)である。
路線車は、小田急バス若林営業所からの委託車両である。車種などについての詳細は、小田急バス若林営業所#車両を参照。
高速車と貸切車は、小田急シティバスの車両を引き継いでいる。車種やカラーリングなどについての詳細は、小田急シティバス#車両を参照。
脚注
注釈
- ^ 箱根登山バスでは「精神障がい者福祉手帳」による割引が適用されるが、小田急ハイウェイバスでは適用されない。
- ^ 途中停留所(予約可能区間内)から予約なしで乗車の場合、現時点で予約が入っていない席を運賃精算時に自動的に割り当てられる。
- ^ 箱根山内区間相互間のみの利用は予約不可。東名高速道路バス停区間相互間のみの予約も取れるようになる。(高速バスネット時代は出来なかった)
- ^ TBS箱根クラブ(保養所)の最寄り停留所。2020年10月に東京放送ホールディングスからTBSホールディングスに社名が変わっているが、停留所名の変更は行われていない。
- ^ 通常便(1号車)のみ。続行便に関しては従来通り。
- ^ a b 東急トランセ委託路線。
- ^ 1989年当時、若林営業所の玄関横の淡島通りに面して「小田急バス若林営業所 - 担当路線一覧表」の看板が建てられており、その看板の一覧表の枡には、当時の運行系統と系統番号一覧、営業距離・所要時分・始発および終発時分などが記入されていた。当路線は当時から季節運転路線であることに変わりはなく、一覧表の最下段と下から2段目に記されていた。上方に記されていた毎日運行路線は再編のたびに白塗りして書き換えられていたが、当路線は休止まで変更がなかったようで書き換えられた形跡がなく、その部分は黒の塗料が退色し判読し難くなり錆が浮き出ていたが、路線休止時に白塗りで修正された。
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
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鉄道 | |
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バス | |
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相互利用(片利用) | |
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新幹線乗車サービス | |
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関連項目 | |
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- 鉄道・バス兼業事業者は鉄道事業者として記載(鉄道未導入・他カード導入の場合を除く)
- バス事業者は幹事事業者のみ記載
- ※: 電子マネー非対応
- ▲: 鉄道はPASMO・Suicaのみ利用可能
- ▽: 決済済証明で利用(残額引去なし)
- >: 重複の場合の優先順位
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小田急バス |
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小田急ハイウェイバス | |
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立川バス |
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箱根登山バス | |
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江ノ電バス | |
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神奈川中央交通 |
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営業所 | |
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子会社の営業所 |
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再編前の神奈交バス営業所 |
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操車所・休憩所 | |
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廃止された営業所・操車所 | |
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関連項目 | |
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★:2023年現在、神奈川中央交通本体より路線の受託運行を行っている営業所。●:車両や乗務員等の配置(独立したダイヤ)がない操車所。
なお、名称横の括弧内は営業所・子会社を示す所属記号である。 |
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東海バス |
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子会社 | |
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関連会社 | |
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分社化前の東海自動車直轄営業所 | |
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かつて存在した子会社の営業所 | |
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かつて存在した地域子会社 | |
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運輸 |
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流通 |
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不動産 |
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関連項目 |
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