一般財団法人国民政治協会(こくみんせいじきょうかい)は、自由民主党への政治献金を取りまとめる一般財団法人。現在の会長はレゾナック・ホールディングス(旧・昭和電工)最高顧問の大橋光夫。
沿革
1961年1月、自由民主党の党大会で池田勇人総裁が、立党以来の懸案である党近代化問題に取り組む決意を表明[1]。自民党の政治献金の取りまとめにあたってきた経済再建懇談会と自由国民連合に所属する財界人と自民党の癒着に対する批判が高まったことを受けて、解散させた上で国民各層からの政治献金受け入れを目指す団体として1961年7月15日に国民協会の名称で設立させた[1][2][3]。立ち上げは池田の腹心で、当時の自民党資金局長でもあった前尾繁三郎が行った[1][3]。このため同協会のシステムはそっくり宏池会のシステムを真似た[3]。初代会長には長谷川如是閑に要請したが引き受けてもらえず[1]、岩田宙造に要請した[1]。
毎月1億5千万円以上の寄付と全国都道府県への地方支部設置を当初の目標として掲げ、1964年に沖縄県を除く全都道府県に支部を設置した。個人会員を5万人以上獲得したものの、実際には資金力に勝る法人会員による政治献金が圧倒的であった。
1974年の第10回参議院議員通常選挙における金権選挙批判、続くロッキード事件を受けて、同会を支えてきた経団連会長(当時)の土光敏夫が関係破棄を宣言。続いてオイルショックによる電気料金の値上げにもかかわらず政治献金を続ける電力会社に対する消費者の反対運動(「1円不払運動」)が発生して財界側も動揺した。三木武夫の総裁就任後に党側から体制の刷新を求められたことを受け、前田義徳を会長に迎えた上で1975年4月26日をもって国民政治協会と改称[4]。
政治資金規正法改正により1976年1月1日から自民党の政治資金団体に指定。1977年には党友組織「自由社会を守る国民会議」(自由国民会議)が発足し、個人会員獲得をめぐって摩擦が生じた[4]。
近年はおおむね年間17億円前後の献金(法人・団体献金が約16億円、個人献金が約1億円)を集め、そのうち約12億円を自民党本部に寄付している。
献金
方法・特典
個人献金は1回1000円以上から、法人・団体献金は1回1万円以上から受け付けている。いずれも政治資金規正法に基づき属性や上限額に規制が設けられている。現在は前年と前々年の2年連続で1万円以上の額を寄付した個人会員及び法人会員の代表者に自由民主党総裁選挙の投票権が付与されている[5][6][7]。
献金額
政治資金収支報告書によると、2010年から2012年までの3年間の献金額および自民党本部への寄付金額は以下の通りである[8][9][10]、
年 |
2012年 |
2011年 |
2010年
|
献金総額
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1,739,435,499 |
1,613,671,703 |
1,706,373,530
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内訳
|
法人その他の団体 |
1,371,716,200 |
1,320,429,811 |
1,380,553,700
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政治団体 |
247,079,506 |
167,816,518 |
163,841,990
|
個人 |
120,639,793 |
125,425,374 |
161,977,840
|
自民党本部への寄付金額
|
1,250,000,000 |
1,150,000,000 |
1,220,000,000
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残額は国民政治協会としての活動費や経費(人件費等)などに充てられている[要出典]。
法人・団体献金
政治資金収支報告書によると[8][9][10]、2010年から2012年までの3年間に総額1000万円以上の献金を行った法人は81法人[注 1]である[11]。
また2010年から2012年までの3年間に総額1000万円以上の献金を行った業界団体・政治連盟その他の団体は19団体である。なお沿革の項で触れたように自由社会を守る国民会議は自民党の党友組織であり、その収入源は党友が負担する年1万円の会費(年間約1億円)と自民党本部からの寄付(年間約4000万円)である。[要出典]
歴代会長
財団法人国民政治協会会長
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代数 |
氏名 |
在任期間 |
主な職歴
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1 |
岩田宙造 |
昭和36年(1961年)7月 - 昭和41年(1966年)2月 |
〔職〕元司法大臣
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2 |
村田五郎 |
昭和41年(1966年)7月 - 昭和50年(1975年)2月 |
〔職〕元情報局次長
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3 |
前田義徳 |
昭和50年(1975年)2月 - 昭和50年(1975年)8月 |
〔職〕元NHK会長
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4 |
江口見登留 |
昭和51年(1976年)2月 - 昭和55年(1980年)12月 |
〔職〕元警視総監
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5 |
松本重雄 |
昭和55年(1980年)12月 - 平成4年(1992年)10月 |
〔職〕元日本銀行理事
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6 |
神谷健一 |
平成4年(1992年)10月 - 平成16年(2004年)10月 |
〔職〕元三井銀行社長
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7 |
稲葉興作 |
平成17年(2005年)1月 - 平成18年(2006年)11月 |
〔職〕元日本商工会議所会頭
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8 |
根本二郎 |
平成19年(2007年)1月 - 平成20年(2008年)10月 |
〔職〕元日本経営者団体連盟会長
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9 |
山口信夫 |
平成20年(2008年)10月 - 平成21年(2009年)10月 |
〔職〕元日本商工会議所会頭
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10 |
塩川正十郎 |
平成21年(2009年)12月 - 平成27年(2015年)9月 |
〔職〕元財務相
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11 |
大橋光夫 |
平成27年(2015年)11月 - 現在 |
〔職〕昭和電工最高顧問
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脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク
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前身: 自由党・日本民主党 |
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保守本流 |
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宏池会(池田派 → 前尾派 → 大平派 → 鈴木派 → 宮澤派) → 木曜研究会(加藤派 → 小里派 → 谷垣派 → 古賀派に合流×) 、※新財政研究会(堀内派 → 丹羽・古賀派) → 宏池政策研究会(古賀派 → 岸田派 → ×)、※大勇会(河野派) → 為公会(麻生派) → 志公会(麻生派)、※有隣会(谷垣グループ → ×)
| |
木曜研究会(佐藤派) → 周山会(佐藤派) → 周山クラブ(保利グループ → 福田派に合流×)、※七日会(田中派) → 政治同友会(田中派) → 木曜クラブ(田中派 → 二階堂派 → ×)、※経世会(竹下(登)派 → 小渕派) → 平成政治研究会(小渕派) → 平成研究会(小渕派 → 橋本派 → 津島派 → 額賀派 → 竹下(亘)派 → 茂木派)、※改革フォーラム21(羽田・小沢派 → 新生党に合流×)
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白政会(大野派) → 睦政会(大野派) → 一新会(船田派 → ×)、※一陽会(村上派) → 巽会(水田派 → ×)
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保守傍流 |
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十日会(岸派 → ×)、※党風刷新懇話会 → 党風刷新連盟 → 紀尾井会(福田派) → 八日会(福田派) → 清和会(福田派 → 安倍(晋太郎)派 → 三塚派) → 21世紀を考える会・新政策研究会(三塚派 → 森派) → 清和政策研究会(森派 → 町村派 → 細田派 → 安倍(晋三)派 → ×)、※政眞会(加藤派 → 新生党に合流×)、※愛正会(藤山派 → 水田派に合流×)、※(南条・平井派 → 福田派に合流×)、※交友クラブ(川島派 → 椎名派 → ×)、※(亀井グループ → 村上・亀井派に合流×)
| |
春秋会(河野派 → 森派 → 園田派 → 福田派に合流×)、※新政同志会(中曽根派) → 政策科学研究所(中曽根派 → 渡辺派 → 旧渡辺派 → 村上派 → 村上・亀井派に合流×) → 志帥会(村上・亀井派 → 江藤・亀井派 → 亀井派 → 伊吹派 → 二階派 → ×)、※近未来政治研究会(山崎派 → 石原派 → 森山派 → ×)、※さいこう日本(甘利グループ)、※国益と国民の生活を守る会(平沼グループ → 日本のこころに合流×)
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政策研究会(松村・三木派) → 政策同志会(松村・三木派) → 政策懇談会(松村・三木派 → ) → 政策懇談会(三木派) → 新政策研究会(河本派) → 番町政策研究所(河本派 → 高村派 → 大島派 → 山東派 → 麻生派に合流×)、※(松村派 → ×)、※(早川派 → 福田派に合流×)
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火曜会(石橋派)、二日会(石田派 → 三木派に合流×)
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青嵐会 |
青嵐会、自由革新同友会(中川グループ → 石原グループ → 福田派に合流×)
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保守新党 |
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83会 |
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水月会 |
さわらび会(石破グループ) → 水月会(石破派 → 石破グループ)
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無派閥 |
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※は派閥離脱、太字は現在への系譜、括弧内矢印は派閥継承。 |
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カテゴリ |