PlayStationのゲームタイトル一覧 (1998年) (プレイステーションのゲームタイトルいちらん (1998ねん))では 1998年にPlayStation対応として発売したゲームソフトを発売順に列記する。全580本。ただし追加要素のない廉価版は含まない。
この年も個性的なソフトがいくつか生まれており、『パイロットになろう!』[1]や『マール王国の人形姫』[2]のようにシリーズ化された作品もあった。特に、サードパーティの一つであるスクウェアは、書籍『ゲームの巨人語録―岡本吉起と12人のゲームクリエイター』によると、当時若手のクリエイターを育てるために小規模な予算を組んでいたといい、『双界儀』や『パラサイト・イヴ』といった作品群によって熱狂的なファンを引き付けていた[3]。
ソニーから発売された『ダブルキャスト』は、アニメーションスタジオ・Production I.Gによるフルアニメーションを売りとしたギャルゲーであり、人気声優によるボイスだけでなく、スリリングな物語が人気を集め、こちらも「やるドラ」としてシリーズ化された[4]。
1998年8月27日に発売された『グランド・セフト・オート』は電話で指示を受けて様々な犯罪をこなすという内容であり、キャッチコピーも「感動?勇気?そんなもん問題じゃないね…」という当時人気だったコンピュータRPGに対する挑発的なものだった[5]。一方で、死亡時のWASTEDが「おだぶつだ!」に、逮捕時のBUSTEDが「ブタ箱行きだ!」と訳されるなど、ローカライズの珍妙さが指摘されている[5]。
1998年10月22日には、ディースリー・パブリッシャーによる1500円という低価格ソフトのシリーズ「SIMPLE1500」の一環として『THE 麻雀』、『THE 将棋』、『THE 五目並べ』、『THE リバーシ』が発売された[6]。このうち『THE 麻雀』の初回出荷数は3万本だったが、追加注文を繰り返した結果、ソニー・コンピュータエンタテインメントによる「PlayStation Awards」では1999年に「GOLD PRIZE」(50万本突破)、2001年に「PLATINUM PRIZE」(100万本突破)を受賞した[6]。
スポーツゲームにおいては、コナミが『実況アメリカンベースボール2』(1998年10月8日)を、エレクトロニック・アーツ・スクウェアが『メジャーリーグベースボール トリプルプレイ99』(1998年11月12日)をそれぞれ発売したものの、コラムニストの中溝康隆は当時の日本の野球ファンにとってはMLBのゲームはまだ馴染みが薄い[注釈 1]と指摘している[7]。
その一方で、過激な表現を含む高年齢層向けの作品が人気を得る中で、各プラットフォーマーによる自主規制とコンピュータエンターテインメント協会(CESA)の倫理委員会の合否判定だけではこのような表現の判定は困難であることから、CESAの内部ではアメリカのESRBを参考にしたレーティング制度の創設について話し合いが始まった[8]。