「Don't be Afraid 」(ドント・ビー・アフレイド)は、日本のロックバンド 、L'Arc〜en〜Ciel の41作目のシングル。2016年 12月21日 発売。発売元はKi/oon Music 。
解説
前作「Wings Flap 」から約1年ぶりとなるシングルリリース。
本作の表題曲「Don't be Afraid」は、イントロのピアノ と切ないギターのアルペジオ が印象的なロック・ナンバーとなっている。また、表題曲は本作発売の約1ヶ月前の2016年 11月8日 に、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 配給映画『バイオハザード: ザ・ファイナル 』の日本語吹替版主題歌に使用されることが発表された。L'Arc〜en〜Cielが実写映画のテーマソングに楽曲を提供するのは、2011年 12月 に発表した「CHASE 」以来約5年ぶりのこととなった[3] 。なお、hyde は2016年12月13日 に東京 ・六本木 で開催された同映画のワールドプレミアに出席しており、同映画主演の女優、ミラ・ジョヴォヴィッチ と同映画の監督を務めたポール・W・S・アンダーソン とhydeのスリーショットがInstagram で公開されている[4] 。
本作のリリースプロモーションとして、表題曲のタイアップ先となる映画『バイオハザード: ザ・ファイナル』とのコラボレーション企画が実施されている。この企画では、同映画の映像のバックに表題曲のフルサイズを流したコラボミュージックビデオ「Don't be Afraid -BIOHAZARD THE FINAL collaboration version-」が製作されており、この映像はYouTube にてフルサイズ、1コーラスカット版ともに期間限定で公開された。また、2016年 11月17日 には、上記映画の原作であるカプコン 社のゲーム『バイオハザードシリーズ 』と表題曲「Don't be Afraid」のコラボレーション企画として、世界初のフルデジタイズ360°VRミュージックビデオ『Don't be Afraid –Biohazard × L'Arc-en-Ciel on PlayStation VR -』がPlayStation Store において配信開始された(詳細は下記項目 参照)。さらに、2016年12月23日 には、テレビ朝日 系列で放送された番組『ミュージックステーション スーパーライブ 2016 』に出演し、この曲を披露している。
また、前述のVRミュージックビデオとは別に、表題曲のミュージック・ビデオ が製作されており、本作の完全生産限定盤および初回生産限定盤に付属するBlu-ray Disc にその映像が初収録されている。このミュージック・ビデオは、2019年 12月11日 に公式YouTubeアーティストチャンネル において無料公開が開始されている。なお、映像のディレクターは安田大地が務めており、映像はバンドの演奏シーンと、メンバーが白い鎧を着た顔の見えない兵隊と戦うアクションシーンで構成されている[5] 。アクションシーンでは、hyde が日本刀、ken が槍、tetsuya が日本刀を2本、yukihiro が拳銃をそれぞれ持ってパフォーマンスしている。
本作は、完全生産限定(BIOHAZARD×L'Arc-en-Ciel) 盤(CD +BD)、初回生産限定盤(CD+BD)、通常盤(CD)の3形態でリリースされた[6] 。アートディレクションは前作「Wings Flap 」から引き続き、寺澤圭太郎(PARK GALLERY)が担当している[7] 。完全生産限定盤は、LPサイズの特殊仕様で、見る角度によってメンバーがゾンビに変わるレンチキュラージャケットとなっている。また、付属のBlu-rayには「Don't be Afraid」のミュージック・ビデオ 、『Don't be Afraid -Biohazard×L'Arc-en-Ciel on PlayStation VR-』を2D化した映像、ゲーム『バイオハザードシリーズ 』のヒストリー映像、2017年 1月26日 発売のゲーム『バイオハザード7 レジデント イービル 』のトレイラー映像を収録している。さらに、ボーナス・トラック として上記のVRミュージックビデオ内のメンバーボイスが収められている。また、CDショップ購入者に特典として「BIOHAZARD×L'Arc-en-Ciel ショッピングバッグ」をプレゼントする施策も行われた。
収録曲
CD(通常盤・初回限定盤) # タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「Don't be Afraid」 hyde tetsuya L'Arc〜en〜Ciel , Jun Suyama 4:26 2. 「Cradle -L'Acoustic version-」 hyde yukihiro Produced by kensuke ushio (agraph) , yukihiro 5:27 3. 「Don't be Afraid (hydeless version)」 tetsuya L'Arc〜en〜Ciel, Jun Suyama 4:26 4. 「Cradle -L'Acoustic version- (hydeless version)」 yukihiro Produced by kensuke ushio (agraph), yukihiro 5:27 5. 「Don't be Afraid -English version-」 hyde tetsuya L'Arc〜en〜Ciel, Jun Suyama 4:21 合計時間:
24:07
CD(完全生産限定(BIOHAZARD×L'Arc-en-Ciel) 盤) # タイトル 作詞 作曲 編曲 時間 1. 「Don't be Afraid」 hyde tetsuya L'Arc〜en〜Ciel, Jun Suyama 4:26 2. 「Cradle -L'Acoustic version-」 hyde yukihiro Produced by kensuke ushio (agraph), yukihiro 5:27 3. 「Don't be Afraid (hydeless version)」 tetsuya L'Arc〜en〜Ciel, Jun Suyama 4:26 4. 「Cradle -L'Acoustic version- (hydeless version)」 yukihiro Produced by kensuke ushio (agraph), yukihiro 5:27 5. 「Don't be Afraid -English version-」 hyde tetsuya L'Arc〜en〜Ciel, Jun Suyama 4:32 6. 「Member's Voice from -Biohazard × L'Arc-en-Ciel on PlayStation VR- (hyde version)」(Bonus Track) 0:08 7. 「Member's Voice from -Biohazard × L'Arc-en-Ciel on PlayStation VR- (ken version)」(Bonus Track) 0:08 8. 「Member's Voice from -Biohazard × L'Arc-en-Ciel on PlayStation VR- (tetsuya version)」(Bonus Track) 0:08 9. 「Member's Voice from -Biohazard × L'Arc-en-Ciel on PlayStation VR- (yukihiro version)」(Bonus Track) 0:08 合計時間:
24:50
楽曲解説
Don't be Afraid
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 配給映画『バイオハザード: ザ・ファイナル 』日本語吹替版主題歌。
イントロのピアノ と切ないギターのアルペジオ が印象的な楽曲。作曲者のtetsuya 曰く、上記映画のイメージをもとに楽曲制作に取り組んだという。tetsuyaは楽曲制作について「『バイオハザード 』の映像のイメージを頭の中に描きつつ、僕なりの解釈で、あんまりザクザクしたギターで激し目のものでいくよりも、クリーンなアルペジオでちょっと悲しい感じのほうがいいかな?と僕の解釈でイメージして作曲しました[8] 」「生きながらにしてゾンビ のような気持ちになる。悲しみとか、怒りとか、無念な気持ちとか、僕の中でもテーマになりました[9] 」と語っている。ちなみに、この曲の原型は、本作発売のかなり前から存在していたといい、2012年 に歌手のピコ に楽曲提供をする際に、提供候補としてtetsuyaがピコ側に提出していた楽曲のうちの一つだったという[10] 。また、この曲の編曲作業には、編曲家の陶山隼 が参加している。
作詞を担当したhyde は、上記映画の内容を確認したうえで歌詞を書き下ろしている。歌詞のイメージについて、hydeは「『バイオハザード』ですごく象徴的な瞬間というのは、中に絶対アイツらがいるってわかっているのにドアを開けないと進めないという、その展開。その展開と、人生って、どこか通じる部分があると思うんです。"どうしてもこれやらないと前に進まないんだよな…"っていうその気持ちを自分と照らし合わせて。勇気を振り絞って恐怖に打ち勝つっていう部分をイメージして歌詞を書きました[9] 」「イントロで誰かに銃口を向けるんですけど、それが最終的には誰なのかっていうところが肝じゃないですかね」と述べている。また、この曲のタイトルは、前述の「勇気を振り絞って恐怖に打ち勝つ[11] 」というイメージに加え、上記映画の題材を踏まえ「ゾンビーアフレイド(=ゾンビ怖い)」という言葉遊び を意図して名付けられている[11] 。
ちなみに、フィジカル発売前の2016年 11月25日 には、この曲の全英語詞バージョン「Don't be Afraid -English version-」が配信限定でリリースされている(詳細は配信限定楽曲 参照)。この全英語詞バージョンは、本作のカップリングにも収録されている。
Cradle -L'Acoustic version-
6thアルバム『ark 』の収録曲「Cradle」のアコースティックバージョン。
アコースティックアレンジをするにあたり、プロデュースを担当したyukihiro は「自分がやるならアンビエント /チルアウト っぽい形にしたいなと思っていた[12] 」と語っている。そしてアレンジの方向性を踏まえ、yukihiroがacid android 名義で主催したライヴイベントにおいて、共演経験のあった牛尾憲輔(agraph) を共同プロデューサーとして迎えている[12] 。
yukihiroが原曲を制作した頃、自身がブリストル・サウンド に傾倒していたことを踏まえ[12] 、今回の制作でも大きな展開のない、心地よいループが印象的なアレンジを施している[12] 。制作の流れは、まず原曲のパラデータを牛尾に渡し、原曲のイメージを踏まえたアレンジを依頼している[12] 。牛尾はyukihiroとの対談の中で、アレンジ作業について「僕の中では勝手にyukihiroさんとユニットを組むような気持ちで取り組みました[12] 」「1小節のループ作りにすごく時間をかけたのを覚えています[12] 」と述懐している。そして牛尾がフル・コーラスを手掛けた後、yukihiroに音源データを返し、それを受け取ったyukihiroが音源から音を抜き差ししている[12] 。
なお、この曲の制作では、多くのサンプラー やアナログリズムマシン などの機材が使われており、ストリングス 、サックス 、ピアノ 、ストリング・ベース 、スネア 、リムショット 、パッドなどの音を原曲から足している[12] [13] 。さらに、原曲のリハーモナイズも行われている[13] 。ちなみに、キックはRoland TR-808 で鳴らしているが、スネアはyukihiroが所有する実機のTR-606の音が採用されている[12] [13] 。
また、新たにアレンジした楽曲の雰囲気に合わせるため、hydeがボーカルを録り直している[13] 。さらにミックス作業は、プロデュースを担当したyukihiroが単独で行っている[13] 。
Don't be Afraid (hydeless version)
Cradle -L'Acoustic version- (hydeless version)
Don't be Afraid -English version-
参加ミュージシャン
初回生産限定盤・完全生産限定盤付属Blu-ray Disc
Don't be Afraid -Music Clip -
ディレクター:安田大地[14]
完全生産限定(BIOHAZARD×L'Arc-en-Ciel) 盤付属BD
Don't be Afraid -Music Clip-
「Don't be Afraid -Biohazard(R) × L'Arc-en-Ciel on PlayStation(R)VR-」-6 Sided Multi View Movie-
ディレクター:森田淳也
「BIOHAZARD(R)」 -20th Special History Movie-
「BIOHAZARD 7 resident evil」 TAPE-1
配信限定楽曲
Don't be Afraid -English version-
CDシングルの表題曲「Don't be Afraid」の全英語詞バージョンで、「X X X -English version- 」、「CHASE -English version- 」以来となる配信限定楽曲。
2016年 11月25日 から配信開始され、mora 、VICTOR STUDIO HD-Music. 、e-onkyoではハイレゾ音源の配信も行われた。
この曲は、同年10月17日 から、メンバー出演のソニー 「ハイレゾ級ワイヤレス MDR-1000X」CMソングに起用されている。
また、2016年12月21日 発売の41stシングル「Don't be Afraid」には、カップリング曲としてこの曲が収録されており、この作品で初CD化となった。
Don't be Afraid –Biohazard × L'Arc-en-Ciel on PlayStation VR-
「Don't be Afraid –Biohazard × L'Arc-en-Ciel on PlayStation VR」は、カプコン 社のゲーム『バイオハザードシリーズ 』とL'Arc〜en〜Cielのコラボレーション企画として、2016年 11月17日 にPlayStation Store にて配信された、世界初となるPlayStation VR 向けVRミュージックビデオ[15] 。
このコラボレーションは、2016年 9月13日 に行われたソニー・インタラクティブエンタテインメント による国内プレイステーションビジネス販売戦略発表会「2016 PlayStation Press Conference in Japan」で発表されたプロジェクトで、2016年で発売20周年を迎えたゲーム『バイオハザードシリーズ』と、同年にバンド結成25周年を迎えたL'Arc〜en〜Cielの共同企画となっている[16] 。プロジェクト発表の翌々日となる同年9月15日 から開催された「東京ゲームショウ2016 」では、映像の一部を体験できる『Don't be Afraid –Biohazard × L'Arc-en-Ciel on PlayStation VR- 体験版』が出展されている。そして同年10月13日 には、本映像の先行体験配信版がPlayStation Storeにてリリースされている。
映像の製作チームには、プロデューサーとして川田将央(カプコン)、映像監督として森田淳也(白組 )、CGスーパーバイザーとして小森啓裕(白組)が参加している[8] 。また、映像には、2017年 1月26日 発売のゲーム『バイオハザード7 レジデント イービル 』で使用されたカプコン社の当時の最新技術「RE ENGINE」が駆使されており、この技術によりL'Arc〜en〜Cielのメンバーを3DCG 化した"フルデジタイズ360°ミュージックビデオ"が製作された[17] 。さらに撮影では、約60個のセンサーをメンバーの身体に取り付け、全方向に設置された約50台のモーションセンサーによりメンバーの細かいアクションを記録することで、映像にリアルな動きを取り込む処理を行っている[8] 。
映像の内容としては、『バイオハザードシリーズ』に登場する架空都市「ラクーンシティ 」を模した「ラルクーンシティ(L'Arc-coon-City)」を舞台に、デジタルキャラクターとなったL'Arc〜en〜Cielのメンバー4人が、楽曲「Don't be Afraid」がバックで流れる中、生き残りをかけて群がるゾンビたちと戦うものとなっている[18] 。ちなみに、映像には『バイオハザードシリーズ』に登場するキャラクター、レオン・S・ケネディ とネメシスが登場している。さらに、このコンテンツにはメンバーがアフレコした音声も収録されており、『バイオハザードシリーズ』のファンであるメンバーが、ゲームで登場した名台詞を口にしている。例えば、hydeはレオンの口癖を真似し「泣けるぜ」「これでチェックメイトだ」などの台詞をつぶやいており、他のメンバーもレオンの他、バリー・バートンやピアーズ・ニヴァンスなどの台詞を口にしている。また、本作には映像の他に、ソーシャルコンテンツや、緻密なCG映像を鑑賞できるモードが用意されている[18] 。
外部リンク
関連項目
参考文献・サイト
脚注
hyde - ken - tetsuya - yukihiro hiro - pero - sakura アルバム
スタジオ
ベスト
リミックス ライヴ トリビュート 再発盤
シングル
CD
1990年代
1992年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年
2000年代
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