2011年のスペイングランプリ
レース詳細
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2011年のロードレース世界選手権 全18戦中第2戦
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決勝日
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2011年4月3日
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開催地
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ヘレス・サーキット
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開催コース
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常設サーキット 4.423km
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MotoGP
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Moto2
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125 cc
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2011年のスペイングランプリは、ロードレース世界選手権の2011年シーズン第2戦として、4月1日から3日までスペインのヘレス・デ・ラ・フロンテーラにあるヘレス・サーキットで開催された。
概要
125ccクラス
125ccクラス予選では、地元勢を抑えてドイツのサンドロ・コルテセがポールポジションを獲得、チーム・アスパーのニコラス・テロル、エクトル・ファウベルの2人がフロントロウに並んだ[1]。
ウェットコンディションとなった日曜日の決勝レースでは、テロルとファウベルによるマッチレースが展開されていたが、ファイナルラップにファウベルが転倒を喫して下位に沈み、テロルが開幕から2連勝を遂げた。2位には2009年のフランスGP以来の表彰台となるジョナス・フォルガーが、3位には自身初表彰台となるヨハン・ザルコが続いた。
ファウベル以外にも、今回のレースでは表彰台争いを展開中に雨に足をすくわれて転倒を喫するライダーが続出した。ルーキーのミゲル・オリベイラが6周目に、マーベリック・ビニャーレスが16周目に、エフレン・バスケスが18周目に、コルテセが19周目にそれぞれ転倒し、リタイヤで姿を消すか下位に沈むかした。そんな中イギリスのルーキー2人、ダニー・ケントとテイラー・マッケンジーが生き残り、各人のベストリザルトとなる4位・5位に入った。同じくルーキーの尾野弘樹は8位争いの集団バトルを制し、初ポイント獲得を果たした[2]。
Moto2クラス
Moto2クラス予選では、カレックスを駆るドイツのステファン・ブラドルが2戦連続でポールポジションを獲得、モリワキを駆る日本の高橋裕紀が2番手に、スッターを駆るスイスのトーマス・ルティが3番手に続き、各人の母国製のシャシーを駆るライダーがフロントロウに並んだ[3]。
125ccに続いてウェットレースとなった決勝では、14周目にトップに立ったアンドレア・イアンノーネがその後独走態勢を築き、シーズン初優勝を果たした。2位にはルティ、3位にはシモーネ・コルシが入った。高橋も序盤は表彰台圏内を走行していたが、10周目に転倒を喫してリタイヤに終わった。
4位にはルーキーのブラッドリー・スミスが入った。同じくルーキーのマルク・マルケスは5位を走行中の11周目に、ブレーキングミスを犯したジュール・クルーセルに追突されて2戦連続のリタイヤに終わった[4]。
MotoGPクラス
MotoGPクラスでは今回、開幕戦カタールGPで大腿骨骨折の重傷を負ったリズラ・スズキのアルバロ・バウティスタの代役として、ジョン・ホプキンスが3シーズンぶりにグランプリ復帰を果たした[5]。
土曜日の予選ではケーシー・ストーナーが開幕から2戦連続でポールポジションを獲得、2番手はダニ・ペドロサ、3番手はホルヘ・ロレンソとなり、フロントロウの並びは前戦と同じになった[6]。
日曜日、MotoGP決勝前まで雨が降り続き、今回は全クラスがウェットレースとなった。しかしスタート直前になって雨は上がり、路面は徐々に乾いていくこととなった。そのためレインタイヤの摩耗が激しくなり、125ccクラス以上に大荒れのレースが展開されることとなった[7]。
レース序盤はストーナーがトップを維持していたが、5番グリッドからスタートしたマルコ・シモンチェリが6周目にトップに浮上する。12番グリッドからのスタートになったバレンティーノ・ロッシもウェットでの速さを見せ、8周目には2位のストーナーのインを差してオーバーテイクを仕掛けるが転倒。ストーナーを巻き込んでリタイヤに追いやるが、ロッシ自身は最下位ながらレースに復帰した。このときコースマーシャルがロッシへの手助けを優先したことに、ストーナーは怒りをあらわにした[8]。
2人のクラッシュにより独走状態となったシモンチェリだが、12周目に痛恨のハイサイドを喫しリタイヤ、最高峰クラス初優勝を逃した。これでトップに立ったのはロレンソ、2番手には序盤に下位に沈みながらもその後巻き返しを見せたペドロサが追いすがるが、ロレンソが徐々にリードを広げる。逆にペドロサはベン・スピーズの猛追を受け、24周目にはスピーズが2番手に立ちヤマハワークスの1-2体制となる。しかし次の周にスピーズは転倒リタイヤとなってしまう。これでロレンソを脅かすライダーはいなくなり、独走でスペインGP二連覇を果たし、前年と同じくコース脇の池に飛び込んで喜びを表した。
3番手以降でも波乱が多発した。10周目には4番手を走行していたアンドレア・ドヴィツィオーゾがコースアウト、13周目には7番手を走行していたランディ・ド・プニエが、19周目には代わって7番手に立っていたカレル・アブラハムが、20周目には5番手のカル・クラッチロー、ファイナルラップの27周目には3番手のコーリン・エドワーズが転倒を喫し、それぞれ下位に沈むかリタイヤとなった。そんな中ニッキー・ヘイデンがノートラブルで走りきり3位表彰台を獲得、そしてヘイデンから0.4秒差の4位に青山博一が入り、自身クラス最高位を更新した[9]。
5位には最後尾から巻き返しを見せたロッシが入った。ゴール後ロッシはレプソル・ホンダのピットに向かい、テレビカメラの前でストーナーに謝罪した。これに対しストーナーは笑顔を見せながらも、"Obviously your ambition outweighs your talent.(あなたの野心が才能を上回っちゃったんだね)"と強い皮肉で応えた[10]。
MotoGPクラス決勝結果
Moto2クラス決勝結果
125ccクラス決勝結果
脚注
参考文献