金町駅(かなまちえき)は、東京都葛飾区金町六丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本旅客)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅である。葛飾区最北端の駅。
当駅に乗り入れる路線は、常磐線と総武本線支線(通称:新金線)である[1]。新金線は貨物列車専用となっており、常磐線の快速線上に設けられた貨物駅構内から分岐している。
旅客駅は、常磐線の緩行線を走行する常磐線各駅停車(常磐緩行線)のみが停車する。駅番号はJL 21。
また特定都区市内制度における「東京都区内」に属しており、常磐線では当駅がその最東端となっている。なお、当駅 - 松戸駅間の営業キロは3.9 kmで、首都圏本部管内の常磐線(日暮里 - 取手間)の駅間距離としては最長である。
当駅の南口向かいには、京成電鉄金町線が乗り入れている京成金町駅があり、当駅からの乗り換えが可能となっている[1]。
なお、当駅接続で京成電鉄との連絡定期券の購入が可能である。
緩行線上に島式ホーム1面2線を有する[1]高架駅(盛土駅)である。直営駅(駅長配置)であり、管理駅として、亀有駅を管理下に置いている。
改札は地下道の北口寄り西側に立地し、対面の東側に自動券売機、多機能券売機[8]、指定席券売機[8]が設置されている。なお、指定席券売機では、えきねっとのほか、JR西日本のe5489も受け取り可能となっている[8]。
コンコースは南北各出入口を連絡する通路になっている。駅周辺の南北間の連絡路が他に乏しいこともあって、事実上の生活道路となっており、JR利用者以外が頻繁に行き来する姿が目に付く。車両は通行できないが、自転車類に限っては降車して通過が可能で「自転車は降りて通行してください」という放送もある。北口には段差があり、車椅子の通行に不便がない程度のスロープが常設されている。
ホームと改札階を連絡するエレベーター1基とエスカレーター上下各1基が設置されている。トイレは改札内正面に設置しており、障害者などの利用を想定した多機能トイレが既設トイレの導入部近くへ増設されている。
ホームの水戸方には待合室、日暮里方にはNewDays、中央にある階段裏には立ち食い蕎麦店が設置されている。
緩行線の南側に快速線と貨物列車用の側線がある。
2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は47,988人である[JR 1]。JR東日本の駅では浅草橋駅に次いで第91位[JR 1]。常磐線の快速通過駅では最多である。近年は周辺の再開発が進むにつれて増加傾向にある。毎年7月下旬に「葛飾納涼花火大会」が行われる際は、多くの利用客が当駅を利用する。
1990年度(平成2年度)以降の1日平均乗車人員の推移は下記の通り。
臨時車扱貨物のみを取り扱っており、定期貨物列車の設定はない。
2003年(平成15年)までは専用線発着の車扱貨物を取り扱っていた。かつて駅北西に三菱製紙中川工場があり、そこへ続く専用線が存在していた。工場内にあった倉庫へ紙製品を輸送するため八戸臨海鉄道北沼駅 - 八戸貨物駅 - 当駅間に有蓋車(ワム80000形)で組成された貨物列車が運行されていたが、工場の閉鎖に伴い、同年3月18日限りで廃止された。それ以前は三菱製紙中川工場の北側にある三菱ガス化学東京工場へ続く専用線もあった。現在、専用線の跡地の大部分は遊歩道となっている。
新金線を経由する貨物列車は側線で待機することがある。
JR貨物の車扱貨物の取扱量推移は以下のとおりである。
東京都区部の東端で、駅周辺1キロ圏内は全般的に住宅・建物が密集している。ただし、東方にある千葉県境の江戸川が区切りとなっており、川向こうの松戸市市街地(隣駅の松戸駅周辺)とはさらに松戸市側の郊外地域を挟むため、市街地が連続していない。
駅南口の金町六丁目市街地再開発では2番地および6番地に商業施設、公共施設(区立図書館)を含む41階建て複合型ビル「ヴィナシス金町」が2009年(平成21年)6月末に完成した。2010年(平成22年)4月1日に8番地および7番地の一部を使用して国道6号と駅南間を結ぶ連絡道路(区道)が開通した。2021年秋には5番地に商業施設を含む複合型ビル「ベルトーレ金町」がグランドオープンした。
駅北西の三菱製紙中川工場跡地に葛飾区により東京理科大学が誘致され、「葛飾キャンパス」として2013年(平成25年)4月に開学している。
金町駅、特に南口からの発着は比較的多い。柴又・小岩・新小岩・浅草・上野・水元公園・三郷・八潮方面の路線バスが発着する。柴又方面は京成金町線よりも路線バスの本数が多い。北口のりばは手狭なため、北口直近のルートを除いた大半が南口から発着する。かつては、日立自動車交通のレインボーかつしかが乗り入れていた。