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『虚ノ少女』(からのしょうじょ)は、2013年2月8日にInnocent Greyより発売されたPC用18禁アドベンチャーゲーム。2015年10月30日に「MangaGamer」より英語版『Kara no Shojo - The Second Episode』、2020年8月28日に一部キャストを変更したリマスター版『虚ノ少女《NEW CAST REMASTER EDITION》』[1]が発売された。
『殻ノ少女』シリーズの第二作。内容的には同ブランドの処女作『カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜』から連続している。タイトルの読みが第一作と同じ「からのしょうじょ」であるため、区別の際には「殻2」「ウロ」が通称とされる[2]。昭和32年12月から翌1月にかかる時期を舞台する「現代編」の合間に、昭和10年代中頃から第二次世界大戦終戦直後にかかる時期を舞台とする「過去編」が挿入される構成となっている。「過去編」に登場するキャラクターのほぼ全員が「現代編」にも登場するため、立ち絵の数が非常に豊富である。
なお体験版は本編には含まれない前日談となっており、『殻ノ少女』終盤から本編直前までの真崎智之や、転校直後の茅原雪子の様子、紙園繭殺害事件の模様などを描いた内容になっている。
富山の山奥にある、「ヒンナサマ」と呼ばれる神を崇める人形集落。支那事変の最中という社会情勢の不穏さとは縁遠いこの集落で、土地の名家・雛神家の跡取り息子である少年・理人は仲間たちと退屈ながら平和な日々を過ごしていた。十数年ぶりに「ヒンナサマ」の使いである「天子」が現れ正式な祭が催されることになった年の冬、理人は親戚の祠草家に客として訪れた少女・砂月と出会い、いつしか恋仲となる。しかし砂月や仲間たちと祭を楽しんだ日の翌朝、集落の住民・川瀬幸子が吊るされた上に腹部に土人形を入れられた惨殺死体で発見され、住民たちは「ヒンナサマの祟り」であると噂した。非協力的な集落住民たちを前に警察の捜査が難航する中、今度は砂月が四肢を切断された死体となって発見され、呆然となる理人。まもなく太平洋戦争勃発によって捜査は打ち切りとなり、二つの殺人事件の真相は有耶無耶となってしまう。
時は流れて昭和32年12月、探偵・時坂玲人は、二年近く前に誘拐され行方不明のままの朽木冬子を探し続けていた。警察からの依頼で二件の「吊るした遺体の腹部に土人形を入れる殺人事件」の調査を開始した玲人は、第一の事件の容疑者であった男・真崎智之を助手として事件解明に乗り出す。玲人と智之は捜査を進める内、古い因習にとりつかれた人々と、彼らに人生を翻弄された子供たちを巡る因縁に巻き込まれていく。
「現代編」を基準に記述する。
恒例となっている出演声優オーディションは今作でも行われ、合格者の歩サラがヒロイン・茅原雪子役に決定した[16]。歩は2023年アダルトゲーム雑誌「BugBug」とのインタビューの中で、当時所属していた事務所をやめてフリーランスになった時期だったと話している[8]。歩によると、最初はテープオーディションで、性的なセリフはなかったという[8]。その中に含まれていた「おかあさんがいつも嫌いな物ばかり入れてくる」というセリフについて、歩はどのようにも表現できると判断し、自分の解釈でセリフを録音して送ったところ、オーディションに受かり、その後InnocentGreyからこの時点でほぼ合格が決まっていたと知らされたと振り返っている[8]。
更に今作ではボーカリストオーディションも行われ、優勝者の鈴湯が3曲あるテーマソングの内の1曲を歌っている[17]。
販売に関して、ミニコンサートやトークライブ、原画展など様々なイベントが催された[18]。