牡丹峰電子楽団(モランボンでんしがくだん、朝鮮語: 모란봉전자악단)とは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の音楽ユニットである。
北朝鮮の最高指導者である金正恩第一書記(当時)の指示により、2012年7月に結成された。メンバーは金正恩本人により選抜され、同楽団の結成段階においては、金正恩の正妻で第一線の歌手としての来歴があり、同国の演芸界に影響力を持つ李雪主が大きな役割を果たしたとされる。メンバーや幹部の待遇は朝鮮人民軍(朝鮮人民軍陸軍)の軍人であり、例としてそれぞれ2015年末時点では団長の玄松月は大佐、ボーカルの一人であるキム・ユギョンは大尉の軍事称号を持つ。
牡丹峰楽団は現在、北朝鮮において最も人気のあるガールズバンドであると見なされている。レパートリーとしては最高指導者(金日成・金正日・金正恩)・朝鮮労働党・朝鮮人民軍および社会主義・主体思想・先軍政治などを賛美したプロパガンダ歌曲や軍歌を中心にするも、いわゆる西側諸国の音楽や北朝鮮の伝統的な民謡に至るまでを幅広く演奏することができる。西側文化に由来する具体的な曲としてはディズニー映画のテーマ曲などがある。同楽団はこれらのレパートリーを一つの公演で取り混ぜつつ、極めて表情豊かに演ずることで知られている。アイドルグループと見なされがちだが、歌唱、楽器演奏とも世界的レベルでみても一流のレベルにある。
また、道徳的に朝鮮の儒教思想が強く残る北朝鮮において、牡丹峰楽団はミニスカートや半袖など、露出度の高いコスチュームや現代的でファッション性の高いヘアスタイル等で着飾って活動する存在としても注目を集めてきた。海外のニュースにおいて楽団が取り上げられる際も、外見やファッション等についてK-POPや少女時代等の大韓民国出身の女性アイドルグループなどと比較されることもある。メンバーは軍人(士官)待遇であるため、軍服をモチーフとした衣装には軍事称号を示す階級章が付されている。
なお、北朝鮮では1985年に、金正日の指示により結成された電子音楽バンド「普天堡電子楽団(普天堡軽音楽団) 」があったが、牡丹峰楽団など後身組織に発展的に移行されるものとして、2010年代初頭に解散している。2016年時点で、牡丹峰楽団の団長である玄松月は普天堡電子楽団の歌手出身者であるなど、普天堡電子楽団は牡丹峰楽団の事実上の前身となる。
2012年7月6日に、平壌市にてテスト公演を兼ねた初の御披露目が行われ、金正恩を始めとする朝鮮労働党や朝鮮人民軍の幹部などが鑑賞した。この公演ではアメリカのディズニー映画のテーマ音楽が演奏され、キャラクターであるミッキーマウスやミニーマウスなどに類似した着ぐるみが登場した。その後、朝鮮の声放送でも同楽団の演奏した楽曲が頻繁に放送されている。
2015年9月5日に、アメリカ合衆国のマスメディアにより解散説が報じられたが、同月7日にキューバ使節団向けの公演に出演して健在ぶりを示した。
2015年、中華人民共和国と朝鮮民主主義人民共和国両国の友好と親睦を深める目的で、12月12日に北京市において国外初公演を行うことが決定された(功勲国家合唱団と合同)。そして、実際にヒョン・ソンウォル団長を含む幹部・スタッフ6名、演奏家10名、歌手5名が北京入りし、予定日前日の11日には市内でリハーサルまで行ったが、公演開始の約一時間前に突然公演が中止となり、急遽帰国したことが報道により明らかとなった[1]。中止の理由は、北朝鮮の水爆実験の内容が、北京公演に含まれていた事に対して、中国共産党が激怒したことと言われている。
現在功勲国家合唱団団長兼首席指揮者の張龍植(朝鮮語版)(チャン・リョンシク)(장룡식)や元普天堡電子楽団のシンセサイザー奏者で作曲家の人民芸術家キム・ヘソン(김해성)も一時創作家として在籍していた。
2016年12月29日に放送された朝鮮中央テレビの報道(ニュース)の映像で、男性の演奏家の存在が判明(ヴァイオリン、チェロ、サクソフォーン)[2]。尚、男性サクソフォーン奏者の名前は、ソヌ・ジョンヒョク(선우정혁)(現在は功勲国家合唱団 → 三池淵管弦楽団所属)。
日本製の一流品を多用している。コンサート映像では商標名を消すどころか、アップで写したりしている。
朝鮮中央通信の記事を配信している東京の朝鮮通信社のサイト[5](朝鮮語)、ブログ「北朝鮮報道で書かれないこと」[6](日本語)、牡丹峰楽団関連の情報サイト「Moranbong Band Discography」[7](英語)内の記事を元に作成。
地名の表示のないものは、平壌市。
ここでは、その年に牡丹峰楽団の出演で新たに創作された楽曲を中心に紹介する。カバー曲については、「カバー曲」で紹介する。
牡丹峰楽団初期の楽曲は、普天堡電子楽団など他の芸術団体で創作された楽曲や映画音楽のカバーが多く、オリジナル曲と呼べるものが少ない。
年度別に紹介する楽曲は、北朝鮮の公式・準公式サイトに音源もしくは画面音楽のあるもので、歌唱を伴うもの。
以下の5曲は、2014年5月2日に元山市の松濤園国際少年団野営所で行われた公演で演じられたもので、2017年5月から6月にかけて北朝鮮のサイトで音源が公開されたもの。
これ以降、器楽のみの楽曲で画面音楽を制作することはなくなった。
愛国歌(朝は輝け) - 輝く祖国 - 我らの国旗(中国語版) - 金日成将軍の歌 - 金正日将軍の歌 - 歓迎曲
金日成大元帥万々歳 - 金日成元帥様万歳 - 陽光のような微笑が懐かしいです - この世に羨むものはない - 親愛なる将軍様、どこにおられますか - 太陽の歌は永遠なり
あなたがいなければ祖国もない - 革命の首脳部を決死守護せん - 我らの金正日同志 - 武力で守ろう我らの最高司令官 - 最高司令官同志の健康を祝います - 金正日同志は我らの最高司令官 - 党中央の明かり - 我らの父は金正日元帥様 - 将軍様はパルチザンの息子 - ありがとうございます - 将軍様は縮地法を使われる - 白頭山の蹄の音 - 将軍様は太陽として永生なさる - 親しきその名
金正恩将軍賛歌 - パルコルム - 金正恩将軍を命懸けで死守せん - 人民が愛する我が領導者 - 武装で仕えよう我らの最高司令官 - 偉大なその名は勝利の旗幟 - 私たちはあなたしか知らない - 最後の勝利に向かって前へ - 革命武力は元帥様の領導だけを戴く - あの方なしでは生きられない - 告白 - 父と呼びます(中国語版) - 金正恩将軍に栄光を - 我らの金正恩同志 - お目にかかりたかったです - ああ、慈愛深い父 - 親愛なる父
朝鮮人民軍歌 - 赤旗歌 - 遊撃隊行進曲 - 我らを見よ - 我らは勝利した - 我らの7・12 - 兵士たちは答えた - 敬礼をお受けください - 祖国保衛の歌(中国語版) - 進軍また進軍 - 決戦の途へ - 海岸砲兵の歌 - 労農赤衛隊行進曲 - 勝利の閲兵式 - 我らは誓う - 強盛大国総進軍歌 - 一気に - 我らの銃剣の上に平和がある
朝鮮労働党万歳 - 同志愛の歌 - 革命同志歌 - 勝利の5月 - 10月です - 党の旗幟に従い - 高くたなびけ我々の党旗 - 母の誕生日
明けるな平壌の夜よ - 思郷歌(朝鮮語版) - 同志愛の歌(朝鮮語版) - 嬉しいです(朝鮮語版) - 統一列車は走る - 口笛 - 千里馬走る - 攻撃戦だ - 朝鮮の姿 - 私の名前を聞かないで下さい(中国語版) - イムジン河 - 女性は花だね(朝鮮語版) - 突破せよ、最先端を(朝鮮語版) - 我が国が一番よい - 走って行こう未来へ - 学ぼう - 一つの大家庭 - これ見よがしに
普天堡電子楽団 - 牡丹峰楽団 – 青峰楽団 - ワンジェサン軽音楽団 - 功勲国家合唱団 - 万寿台芸術団 - 銀河水管弦楽団 - 三池淵管弦楽団- 国務委員会演奏団
この項目は、歌手に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(P:音楽/PJ芸能人)。
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