株式会社コルグ(英文社名KORG INC. )は、シンセサイザーやデジタルピアノなど電子楽器を製造・販売しているメーカー。本社所在地は東京都稲城市矢野口4015-2(京王よみうりランド駅前)。アンプメーカーVOXをはじめ、海外の楽器/音響機器メーカー数社(Musicman, Ernieball, Knaggs Guitars, Arturia, Blackstar Amplifier, Kemper Amplifier, Ultimate Stand 他)の日本正規輸入代理店でもある。
1963年(昭和38年)、東京都世田谷区桜上水に京王技術研究所として創業した。社名の由来は創業者の2人・加藤孟(かとう つとむ、1926年8月28日 - 2011年3月15日)[注 1]の「K」とアコーディオン奏者の長内端(おさない ただし)の「O」で「K・O」、これに本社が京王線沿いにあったことから「京王」の字が当てられたもの。KORGという名称は「KOの作ったl'orgue(フランス語でオルガン)」からとられた造語である。これは1972年に発売されたオルガン(『Korgue』、通称デカ・コルグ)の商品名にもなったが、「ue」の部分をどう発音すればよいかわかりにくいとの意見があったため[要出典]、これ以降の製品には「ue」の部分をなくした「KORG」という名称がブランド名として使われるようになった。
最初に製造したのは、1963年発売のリズムマシン。「ドンカマチック(DONCA MATIC)」と命名された。この型名の由来は、バスドラムの「ドン」という音と、クラベスの「カッ」という音からと言われる[1]。1964年に杉並区下高井戸へ移転し、株式会社京王技術研究所を設立した。
加藤はシンセサイザーを造ろうとしていた三枝文夫を迎えて1967年頃からシンセサイザーの研究開発にも着手し、1970年に初の国産シンセサイザー「試作一号機」を完成した。この技術は後に、1972年発売のコンボ・オルガン「Korgue」、1973年発売のシンセサイザー「miniKORG 700」へと発展した。
1970年に京王技研工業株式会社に改め、その後、800DV(1974年)等を経て、1977年、PS-3100/PS-3200/PS-3300ポリフォニックシンセサイザーの発表により、世界的に評価される会社となった。
1978年のMS-20はコストパフォーマンスの高いモノシンセとして大ヒット。1981年にはPolysixでポリフォニックシンセをアマチュアの手に届く楽器にした。
1983年のヤマハDX-7発売以降、デジタルシンセサイザー開発への出遅れにより経営状態が悪化し、ヤマハによる資本参加と経営再建が行われる。M1の発売まで低迷の時代が続いた。1986年、サンプリングシンセサイザーDSS-1とFM音源シンセサイザーDS-8を発売した。1987年、株式会社コルグに改め、ヤマハの資本参加により梅陰正が副社長に就任して経営再建を行った。1988年、ワークステーションタイプのシンセサイザーM1を発売した。即戦力となるプリセットを満載し、MIDI音楽製作が一台で完結できることで大ヒットした。M1はプリセット選択だけで使える手軽さを強化し、従来の製品と比較して音作り作業を大幅に低減した他、後のサンプリング機能や、デジタルレコーディング機能まで統合したTRINITYやTRITONといったデジタルワークステーションの草分けとなった。
また1980年代に発表したチューニング・メーターはチューニングのずれをアナログメータによって表し、基準音を内蔵スピーカで出すこともできるといった特長を持っており、ヒット商品となった。
1992年に埼玉県大里郡花園町(現:深谷市)に自社工場を設け、2003年にはコルテックに分社化。2004年には稲城市のよみうりランド付近に本社を移転した。
コルグは1980年代半ばの経営難の際、ヤマハの資本参加により救われている。
ヤマハからは部品を購入するという取引関係がある。製品に対するヤマハの影響は、以下のようなものがあげられる。