歯舞村(はぼまいむら)は、北海道東部の根室半島先端部と歯舞群島を村域とし、花咲郡を構成していた村。
1897年(明治30年)に発足。1915年(大正4年)に婦羅理村、沖根辺村、沖根婦村、友知村、珸瑤瑁村の5村を合併して、二級町村となった。
この際、珸瑤瑁村に属していた珸瑤瑁諸島も歯舞村の一部となり、以後「歯舞群島」と呼ばれるようになった。
1945年(昭和20年)9月3日、ソ連軍が侵攻。水晶島などの歯舞群島に居住していた住民が離島し、北海道本土に上陸。以降群島部分99.94 km2に行政権が及ばなくなった。
その後1959年(昭和34年)に根室市と合併し、消滅した[2]。主な産業は漁業で、コンブの採集などが活発に行われていた。
沿革
行政
歴代村長
港湾
- 沖根婦漁港
- 温根元漁港
- 珸瑤瑁漁港(第1種)[8]
- トーサムポロ漁港
- 友知漁港
- 歯舞漁港(第4種)[9]
以下はソ連軍駐留前まで行政権が及んでいた港湾。
- 秋味場港(水晶島)
- 相泊港(志発島)
- 古別港(多楽島)
- 台場港(志発島)
- トコマ港(勇留島)
- 茂尻消港(水晶島)
- 税庫と呼ばれる港が水晶島・秋勇留島・勇留島・志発島に存在した。
交通
鉄道
産業
漁協
- 歯舞農業協同組合 - 合併後の1964年(昭和39年)まで存続。その後根室農業協同組合
- 歯舞漁業協同組合 - 合併後も存続
郵政
根室市編入合併まで、村内には珸瑤瑁郵便局が無集配特定郵便局として、歯舞郵便局が集配特定郵便局として存在した。それらは、合併後も存続している。
1945年(昭和20年)までは以下の郵便局が存在した(いずれも島嶼部)。相泊のみ無集配特定郵便局で、他は集配特定郵便局であった。
局記号 |
局名
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根う |
志発
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根ゐ |
多楽
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根お |
水晶
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根や |
勇留
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根こ |
相泊
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隣接していた自治体
脚注
- ^ 昭和26年度第57回北海道統計(昭和26年3月31日北海道総務局統計課発行)参照
- ^ a b 1959年(昭和34年)2月10日総理府告示第46号「市村の廃置分合」
- ^ 1955年(昭和30年)12月15日『官報』第8688号付録資料版No60 外務省「北辺の島々 その歴史的背景 -歯舞群島、色丹島、千島列島、南樺太-」
- ^ 1955年(昭和30年)8月31日総理府告示第1414号「所属未定地の編入処分」
- ^ 1958年(昭和33年)7月31日総理府告示第259号「所属未定地の編入処分」
- ^ 『根室市史年表』(1988年3月20日、根室市発行)223頁。
- ^ 1953年(昭和28年)12月28日農林省告示第902号「漁港指定」
- ^ 1951年(昭和26年)6月29日農林省告示第243号「漁港指定」
参考文献
- 根室・千島歴史人名事典編集委員会 編『根室・千島歴史人名事典』根室・千島歴史人名事典刊行会、2002年。
関連項目